2022.12.28
猫のお留守番について、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 結論からいえば猫はお留守番ができないわけではないのですが、長く家を空けるのは避けたいところ。
また、事故防止やストレス軽減のためには工夫が必要です。 そこで本記事では以下の点を解説します。
本記事を読めば、安心して出かけられるようになるはずです。ぜひご参考にしてください。
もくじ
結論から言えば猫のお留守番は1泊2日までにしたいところ。2泊以上1匹にするのはおすすめできません。 なぜ1泊2日までなのか、それ以上だと何の問題があるのか下記で解説します。
猫はある程度お留守番が得意な生き物で、少なくとも1泊だけなら安全・健康面から考えて許容範囲です。
フラワー動物病院の院長である藤村淳獣医師は、自身のYouTubeチャンネルで「1泊2日がお留守番の限度」だと述べています。
逆に言えば1泊なら、獣医師の視点から見ても安全・健康面で大きな問題ないでしょう。
ただし1泊2日でも帰りが遅いなら、さすがに「寂しい」「飼い主がいない」と不安がります。できれば早めに帰宅して、スキンシップを取り安心させたいところです。
昼間の仕事などで家を空けるのは問題ありません。
1泊2日のお留守番よりも1匹で過ごす時間が短く、事故やストレスの影響はより小さくなります。
そもそも外出している間、猫は飼い主がいないことに気付かないかもしれません。 動物病院VERDEの解説アーカイブによれば、猫は1日に16時間ほど眠ります。たとえば外出が9時間だったとして、その大半を睡眠に費やしていれば、外出に気付かないわけです。
仮に気付いたとしても1晩お留守番できる猫にとって、半日飼い主がいないのは大した問題ではありません。
ただし子猫および病気を持っている猫のお留守番は難しいでしょう。 生後2ヶ月齢に満たない場合は、避けたほうがよいと言われています。
理由としては、飼い主によるミルクやトイレの世話、そして緻密な室温管理が必要だからです。 病気を持っている猫に関しては、容体の急激な変化が予想されるため、家を空けるべきではありません。
1泊2日のお留守番ができるのは、あくまでも健康な成猫だけだと考えましょう。
どれだけ飼い主が準備をしても、2泊3日以上のお留守番は安全・健康の面から見て危険です。
先述のフラワー動物病院の院長である藤村淳獣医師は、自身のYouTubeチャンネルで「2泊3日以上の外泊では必ずペットホテルなどに預けるように」と述べています。
2日間にわたって家を空ければ、猫も飼い主がいないことに気がつくでしょう。ストレスや不安から不用意に動き回るようになり、たとえば以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
一般的に考えられる範囲でもこれだけの問題が起こり得ます。
キャットフードや水の腐敗や室温の急激な変化も心配です。そのため猫のお留守番は、長くても1泊2日程度にするのがおすすめです。
出かけている間に猫が死んでいた例も、過去にはあります。 猫自身が疾患を抱えており、容体が急変したものの、飼い主が不在で対処できないケースがありました。
(引用:Yahoo! JAPAN)
つまり病気を抱えている猫にお留守番をさせるのは、生命の危険があるとも言えます。
疾患にもよりますが、獣医師の許可が下りるなどの状況以外では、1匹だけにするのは避けましょう。
猫にお留守番させるときは、それが苦手か得意かも考えましょう。 なかには寂しがり屋で、たった半日でも1匹になると不安がる子もいます。
特にオス猫はメス猫と比較し、寂しがり屋で甘えるのが好きな傾向。
もし普段から寂しがる様子があるなら、お留守番させるのはやめておいたほうがよいでしょう。 あるいはできるだけ早く帰ってくるなどの工夫が必要です。
猫は1泊2日までなら、十分にお留守番ができます。ただし安全と健康を守るため、出かける前に以下の準備と事故対策は必ず済ませておきましょう。
猫がお留守番できるのは、飼い主の入念な準備があってこその話です。これを怠ると、思わぬトラブルが起こるかもしれません。 上記を順番に解説するので、順番に準備しましょう。
また最後にチェックリストも用意しています。
まず、安全で十分な食事を用意しましょう。具体的には以下2つがポイントです。
食事は余る分にはさほど問題ありません。それよりも足りなくてお腹を空かせるほうが心配です。普段の食事量から逆算して確実に足りる量を用意しましょう。
水に関しては、水量は当然ながら複数箇所に容器を置くのがポイント。1つしかないと、猫が何らかの理由で容器をひっくり返したときに水分補給できなくなります。
そして、用意するのはドライフードだけにしましょう。缶詰やチュールなどの生ものは腐敗し、猫の健康を害する可能性があるからです。
外出前に必ず全ての窓とドアを戸締りしましょう。ひとつでも鍵が空いていると、無理やりこじ開けて脱走する可能性があります。
特に開け方を知っている場合は注意が必要です。鍵がかかっていないと簡単にスキマから出ていってしまいます。
また普段は施錠が習慣づいていない窓の閉め忘れにも注意。たとえば風呂場の高窓などは忘れがちです。
こういった部分にも猫のジャンプ力なら届きうるので、施錠しましょう。
事故や家具の破壊を防ぐため、できる限り整理しておきましょう。特に以下のものは、動かない・落ちない・さわれないように片付けておきます。
卓上にあるものを片付けるのは、猫が触って落下しないように予防するためです。 暖房機器は踏んだときにスイッチが入って火災に発展する可能性があるため、安全な場所に置いたりコンセントを抜いたりするなど気を付けましょう。
食べ物はすべて冷蔵庫や戸棚に格納します。この際施錠が適切でないとこじ開けて盗み食いするケースがあるため注意してください。
その他触ってほしくない、あるいは飲み込みそうなものはすべて戸棚やクローゼットなど鍵がかかる場所に保管しておきましょう。
室温で体調を崩さないように、エアコンや入れたまま外出しましょう。猫は自分で室温調整が出来ないため、寒すぎたり、熱中症になったりする可能性があります。
なお設定温度は、獣医師の長谷川諒氏によれば室温が22度〜24度が理想とのこと。 ストーブやヒーターは火災の原因になるため使用してはいけません。
この際、誤った温度やタイマーに設定していないか確認しましょう。 また勘違いして外出直前にエアコンの電源を落としてしまうケースも。
特に家族が旅行へ行く際に起こりがちなトラブルであるため注意してください。
できればストレス発散できるように、以下のような楽しみを用意しましょう。
キャットタワーとは、上下運動を好む猫が昇り降りしたり、休んだりするための設備です。これがひとつあれば、楽しく運動したり、寝床部分でゆっくり過ごしたりできます。
キャットトンネルとは、名前のとおりトンネル状のおもちゃです。狭いところを好む猫に与えれば、よい遊びの機会を与えられます。
また自動で動くタイプのおもちゃを置いておくのもよいでしょう。以下の電動猫じゃらしなどがおすすめです。
商品にもよりますが、10分程度の動作→1時間程度の停止を繰り返し、定期的に猫を楽しませてくれます。つまりこれが一台あれば、外泊中も遊ぶ機会を与えられるわけです。
これらのおもちゃは楽天やAmazonなどで、3,000円ほどの価格にて入手できます。
できるだけの設備を残し、猫が寂しさやストレスを感じないように配慮しましょう。
お留守番中に、猫をケージに1日も入れるのは避けましょう。
狭いところに閉じ込めたままだと、強いストレスを感じます。無理やり出ようとして柵部分を頭にぶつけたり、ケージ自体を転倒させたりするかもしれません。
通常は室内飼育しているなら、なおさら強いストレスを感じます。 そもそも猫は動き回るのが好きな生き物で、ケージも子猫期の安全確保を前提とした設備です。
かえって猫に負担をかけるため、使わないようにしましょう。
上記の準備がきちんとできているか確認するため、お留守番準備チェックリストを用意しました。
こちらからダウンロードしてみてください。このままではチェックを入れられませんが、以下の方法でコピーすれば利用できるようになります。
チェックシートを見ながら準備を進めましょう。
猫を2泊3日以上お留守番させるのは避けましょう。フラワー動物病院の院長である藤村淳獣医師は、自身のYouTubeチャンネルで「1泊2日がお留守番の限度」と述べています。
とはいえ、「どうしても2泊以上の外泊が必要」なケースもあるでしょう。 その場合は以下のサービスを利用し、猫だけでのお留守番を避ける必要があります。
猫にとって自分の寝床以外で過ごすのは、1匹での長期の留守番ほどではないにせよストレスになります。 それを踏まえたうえで、下記をご参考にしてください。
猫を預けるなら、ペットホテルを利用するのがおすすめです。
これは猫や犬を数日預かるための宿泊施設。 専用のケージや個室が与えられ、専門のスタッフが食事やトイレ、運動などの時間を管理します。料金は3,000円から5,000円程度。
メリットは第一に便利である点です。近年では数が増えており、少なくとも県庁所在地なら複数のペットホテルが見つけられます。
また出張・旅行先まで猫を自動車に乗せて連れて行けるなら、離れ離れになる時間を減らせるでしょう。
店舗を探すときは「市町村名+ペットホテル」でGoogle検索します。ただちにGoogleMap上におすすめのホテルが表示されるでしょう。
関連記事▶︎「ペットホテルとは?料金や特徴、利用時に猫にストレスを感じさせないための工夫」
ペットホテルが利用できないなら、一時預かりボランティアを探すのもよいでしょう。
これは主に個人による、無償ないし低額の報酬で猫を数日預かる奉仕活動のひとつです。 安心して預けられる一時預かりボランティアは、NYATCHINGや猫アズカルなどのサービスで見つけられます。
(引用:NYATHHING)
ここでは預かり手のプロフィールや居住地、本人確認の有無、あるいは過去のお世話経験をレビュー可能。 つまり預ける前に、ボランティアがどのような人物か確認できます。
プロフィールを参考に、安心できる預け先を見つけましょう。
ただし一時預かりボランティアの総数はさほど多くありません。必要ならペットホテルやシッターの利用も検討しましょう。
関連記事▶︎猫の命を守る”預かりボランティア”とは?条件を知って立候補しよう
3つ目は、ペットシッターを自宅に呼び、世話とともにお留守番を依頼する方法です。
住み慣れた場所から移動する必要もなく、ストレスがかからないのもメリット。さらにペットホテルやボランティアの元まで移動させる手間もかかりません。
費用は1時間あたり3,000円が相場です。費用感を踏まえれば、1日中依頼するのではなく、1日に1〜2時間程度ペットシッターを呼び、適宜面倒を見てもらう形になるでしょう。
そうすると大半の時間を猫は1匹で過ごすため、寂しがりやの子にとっては寂しいお留守番になるかもしれません。
また自宅の鍵をペットシッターに預ける必要もあります。この点を不安に覚えて利用を躊躇する人も。猫の性格や飼い主の価値観を選ぶサービスであるため、自身にフィットするかよく検討しましょう
本記事では猫のお留守番に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
猫は比較的、お留守番が得意な生き物です。しかし甘えたがり、寂しがり屋な側面は少なからずあり、長期外泊するとストレスから心身の健康を害するかもしれません。
1泊2日がお留守番の限界だと考えましょう。それ以上の日数では、ペットホテルや一時預かりボランティア、もしくはペットシッターを利用するべきです。
ぜひ各種サービスを利用し、安心して出かけられるようにしましょう。
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