2025.02.28
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
捨て猫を拾う前に、まずはそもそも拾って問題がないか考える必要があります。
そして拾った場合は、飼い主として責任を持って飼育するか、引き取り手を見つける必要があります。
そこで本記事では、捨て猫を拾う前に確認するべきポイントを解説。また飼育する場合の準備や、考えられる引き取り手に関しても解説します。
猫を拾おうと考えている人はぜひ参考にしてください。
もくじ
捨て猫を拾う前には、いくつか確認することがあります。
まず、飼い猫などであれば、そもそも拾ってはいけません。また、捜索願が出されている猫なら、対応も大きく変わります。
そして、拾ったあとで責任を持って飼育できるか、もしくは引き取り手を見つけられるかも重要です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、飼い猫でないかがを確認しましょう。首輪などを装着している場合は、ほぼ確実に飼い猫なので、拾ってはいけません。
首輪がなくても、ある程度見分けることが可能です。たとえば、毛並みが良い場合は、捨てられているのではなく大事に飼われていると推測できます。
また、以下のような迷子札をつけていることも。
出典:Amazon
猫のようすをよく観察して、しっかりと見分けましょう。飼い猫を拾ってしまうと、法的なトラブルにも発展しかねません。
だからこそ、野良猫で間違いないか、よく確認しましょう。
続いて、母猫・きょうだい猫がいないかが確認しましょう。周囲にそれらがいるなら、おそらく母猫と行動を共にする野良猫です。
もちろん、野良猫を拾って育てる方法もあります。ただ、母猫やきょうだい猫と行動する野良猫を拾うのはおすすめできません。
家族と離れたことにストレスを感じ、健康状態や性格の形成に大きな影響が生じやすいからです。
母猫やきょうだい猫といるなら、そのままにしておきましょう。
また、地域猫ではないかがも確認する必要があります。
地域猫とは、不妊・去勢手術を受けたうえで、地域住民によって見守られている猫を指します。
これを拾ってしまうと、地域内でのトラブルに発展するかもしれません。したがって、地域猫は拾うべきではありません。
地域猫か捨て猫を判断するのは困難ですが、各自治体の動物愛護センターに問い合わせると、答えが得られる可能性があります。
該当する猫の捜索願が出されていないかがも、確認しましょう。管轄の警察署や動物愛護センターでは、捜索されている猫の情報を確認することが可能です。
もし捜索願が出ていたら、捕獲するべきではありません。
迷子猫が飼い主のもとに戻れるように動く必要があります。そのまま警察署や動物愛護センターに情報提供しましょう。
もっとも大切なのは、拾ったあとで責任を持って飼育できるかが、引き取り手を見つけられるかどうかです。
屋外にいる猫を拾うことは、法的に問題ありません。しかし、一度拾った猫を再度野生に返すのは、動物愛護法が定める遺棄に該当し、またそれは違法とされています。
したがって、一度拾ったなら、責任を持って飼育するか、引き取り手を見つける義務が生じます。
その義務を果たせると判断した場合にのみ、捨て猫を拾うのを検討しましょう。
捨て猫を保護する方法は、大きく分けて3つが挙げられます
具体的に、以下3つの方法が考えられます。
捨て猫というと、多くの人は、「段ボールに入れられた姿」を想像するかもしれません。しかし、実際にはそのようなことはほとんどなく、ある程度動いたり逃げたりできる状態にあります。
だからこそ、捨て猫を拾うというよりは捕獲するステップが必要です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、捕獲器に餌を置き、踏み板を踏ませて閉じ込めるやり方が挙げられるでしょう。
出典:Amazon
捕獲器とは、動物を捕まえるための装置です。ほとんどの場合、猫が奥側にある踏み板を踏み抜くと、逆側のシャッターが降りる仕組みになっています。
これは、3,000円程度で購入可能。ただし、動物愛護センターなどでレンタルできるので、そちらを使うとよいでしょう。
餌は、匂いの強い缶詰などを使うのがおすすめ。匂いがはっきりしていると、よりおびきだしきやすくなります。
また、またたびを使って酩酊させる方法もあります。酔っている状態なら、通常よりもかなり捕獲しやすいでしょう。
出典:Amazon
基本的な使い方は、捨て猫が出没する周辺に散布すること。自然と寄ってきて、またたびの匂いを嗅いでくれれば成功です。
何らかの原因で捕獲器や捕獲網が使えない場合に役立つでしょう。
また、捕獲網を使う方法もあります。
出典:Amazon
捕獲網とは、動物を捕獲するための、虫網のような道具です。これも、動物愛護センターなどで借りることが可能。
まずは、猫が現れる周辺に餌を配置し、誘い出しましょう。そしてその周囲にて、捕獲網を持った状態でスタンバイします。
猫が餌に食いつき、夢中になっている隙に、捕獲網を被せて捕獲しましょう。
しかし、音を立てたり、猫の視界に入ったりすると簡単に逃げ出します。捕獲網を被せるときは、背後からなるべく音を立てず近づくようにしましょう。
捨て猫を拾って、自宅で育てる場合は、十分な準備が必要です。
最低限、以下の取り組みは実施する必要があります。
これらがきちんとできていれば、まず問題ありません。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください
まず、動物病院へ連れていく必要があります。
捨て猫は、屋外環境にいるなかで何らかの感染症を発症したり、怪我を負ったりしているかもしれません。見た目にわかりづらく、極端な話、骨折を抱えているがまったく気づかれないなどのケースもあります。
したがって動物病院で、きちんと診察を受ける必要があります。
さらにワクチンなどの投与も必要です。
捨て猫を拾ったら、すみやかに動物病院へ連れて行きましょう。
まず、以下の猫グッズはすぐにでも揃える必要があります。これだけそろっていれば、困ることはまずありません。
<合計23000円>
フードに関しては、年齢に合ったもの選ぶようにしましょう。
またドライフード(いわゆるカリカリ)だけではなく、缶詰やチュールなどもカイロ添えるのがおすすめ。
寝床に関しては、意外とこだわる必要がなく、段ボールに毛布を敷いたものでも差し支えありません。
ただしケージがあるなら無理に用意する必要はないでしょう。
このような簡素な寝床でも、猫はおおいに満足します。
まず、怪我の原因になるものを片付けましょう。基本的には、「猫が触ると落ちてしまいそうなもの」をしまっておきます。
たとえばテーブルの上に飾った花瓶などが挙げられるでしょう。パソコンなどの電子機器も片付けておきたいところ。
特にケーブルがついているものに関しては、破損のみならず怪我につながることがあります。
私たちが知るケースでは、ケーブルに対してじゃれていたら、上から重量2kgほどのスピーカーが落ちてきて、首の骨を折った、というトラブルがありました。
猫は好奇心旺盛で、あちこちを触りたがります。触られて困るものはできるかぎり片付けておきましょう。
誤食、つまり食べてはいけないものを間違って食べてしまわないように環境を整えましょう
食べ物だけでなく無機物なども誤食するしうるので、幅広い対策が必要です。飲み込めそうなものは、できる限り片付けるようにしましょう。
なお観葉植物に関しては、猫が食べても問題がないものもあります。その場合、無理に片付ける必要はありません。
こちらの動画が参考になるでしょう。
関連記事▶︎保護猫引き取り後に慣れるまでの期間は?正しいステップとコツを解説
脱走経路を封鎖するのも、非常に重要です。
まず、窓の鍵はきちんとかけるようにしましょう。賢い猫だと、引くか押すかして脱走することがあります。
一見届きそうにない天窓が脱走経路になることも。これもきちんと施錠しましょう。
あとは少し大掛かりですが、以下のような対策も実施しましょう。
上記のような対策が完了するまでは、「ある一部屋からは出ないようにする」「ケージに入れておく」といった形で、脱走を防止するのがおすすめ。
また後述するように、脱走しても追跡できるよう、GPS付き首輪を導入するのもおすすめです。
続いて、猫が風呂場とランドリーに立ち入れないようにしましょう。
浴槽での溺死、そして「猫が入っていることに気づかず、洗濯機を作動させてしまう」などの事故を防ぐためです。
この手の事故は実際に起こっており、その危険性に関してある獣医師がX(旧Twitter)で注意喚起し、多くの関心を集めました。
(引用:神戸新聞)
猫は泳ぎが苦手であり、多少の湯はりでも溺れるかもしれません。また、稼働する洗濯機に巻き込まれたらまず助かりません。
こういったことがないよう、風呂場とランドリーには立ち入れないように、柵を設ける、施錠するなどして対策しましょう。
また洗濯機を回す際は、猫が入り込んでいないか確認してスイッチを入れる習慣も大切です。
捨て猫を拾ったものの、飼育が困難な場合もあります。
しかし、捨て猫を再度野生に戻すことは、法的には認められていません。したがって引取り先を探すが必要があります。
ただし、 引き取ってもらうには3つの条件をクリアしなければいけません。
この条件を解説し、そのあとで引き取り先についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
捨て猫を引き取ってもらう条件は以下の3つです。費用も併記します。
引き取り先や里親を見つけるには、それぞれの処置を終えているが必要があります。
これらはすべて動物病院で受けることが可能です。まずは3つの条件をクリアしましょう。
なお避妊・去勢手術に関しては、助成金を受けられる可能性が高いです。
たとえば日本動物愛護協会は、以下の助成制度を用意しています。
(引用:日本動物愛護協会)
不妊手術で10,000円が補助されます。ただし去勢手術に対して5,000円と設定されている点に注意。
ただし日本動物愛護協会の場合、飼い主のいない猫、つまり「拾った子猫」のみが対象です。
そのほかにも数多くの団体や自治体が助成金制度を用意しており、それは「ぜんこく犬猫助成金リスト」で検索できます。そのなかで、現状の条件で受けられる助成金を探すとよいでしょう。
続いて、引き取り先の候補となる2つの方法に関して解説します。
捨て猫の引き取り先としてもっとも安心できるのは、動物愛護団体です。 生涯にわたって面倒を見たり、信頼できる里親を探してくれたりします。
場合によっては、ほかの引き取り手まで一時的に預かってくれることも。
ねこホームでも、猫の引き取りに関する相談を随時お受けしています。お悩みの方はぜひ一度ご連絡ください。
里親募集サイトがとは、猫を引き取ってほしい人と引き取りたい里親希望者をマッチングするサイトです。
里親になってくれそうな人がいたらメッセージを交換し、条件が一致すれば子猫を引き取ってもらえます。
子猫を生涯大事にしてくれる人かどうか、コミュニケーションを取るなかで見極めましょう。
本記事では捨て猫に関して解説しました。ここではよくある質問に回答がします。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
保護団体に対して、捨て猫を拾ってもらうことを依頼することはできません。
保護団体に限らず、市役所や保健所も同様で屋外にいる捨て猫に対しては対応しません。
ただし上述のとおり、捨て猫を拾ったあとで動物愛護団体に引き取りを依頼することは可能です。
拾うこと自体は違法ではありません。しかし、拾った捨て猫を、再度野生に返すことは動物愛護法に抵触します。
つまり、一度拾ったら、法的には責任を持って面倒を見る必要があります。
動物愛護法では、ペットの扱いに関して細かいルールが定められています。理解を深めておくと、法律違反を避けられることに役立つかもしれません。
一般的に、以下のような身を潜めやすい場所に行きたがります。
もし捨て猫を見失ってしまったら、このような場所を探してみましょう。
本記事では、捨て猫に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
捨て猫は、つい助けたくなるものです。しかし、捨て猫を拾った時点で、生涯責任を持って面倒を見る義務が生じます。
その点を踏まえたうえで、捨て猫を拾うべきか、一度ゆっくりと考えましょう。
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