2024.11.29
ブリーダーのもとやペットショップで売れ残った猫はどうなるのだろう?
売れ残りの猫の行き先はさまざまです。基本的に常識的に扱われますが、なかには胸が痛むような末路を辿るケースも。
そこで本記事では、ブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫がどのように扱われるのか解説します。合わせて売れ残った猫を引き取る方法なども解説するので参考にしてください。
もくじ
ブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫には、以下の行き先があります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まだ売れる可能性があるうちは、ペットショップにてセール価格で販売されます。
猫が売れるか、いくらの値がつくかは、猫種や月齢で決まります。また、基本的には若ければ若いほど人気と考えて問題ありません。
もっとも人気が高いのは生後2〜3ヶ月まで。それ以降は人気が低下し、高値では取引できなくなります。
その際は、月齢に応じて割引され、セール価格で販売されるようになります。
もちろん、それでも売れ残ってしまうかもしれません。その場合販売を断念し、ペットショップで飼育され、いわゆる「看板猫」として落ち着く場合も。
売れ残りの猫は、ブリーディング施設に戻されることがあります。これは交尾により商品価値の高い子猫をもうけるためです。
ブリーディング施設は、下記する一部例外をのぞいて、健康や安全に一定以上は配慮しているため、猫にとっても悪い選択肢ではありません。
ただし人工的な繁殖は猫にとって大きなストレスがかかるとされます。したがってこのような猫の処遇に異議を唱える団体も少なくありません。
またブリーディング施設に戻れるのは、人気のある血統種など一部に限られます。雑種である、あるいは純血種であっても商品価値が低い場合は、ブリーディング施設に戻ることは、ほぼありません。
なお、ブリーディング施設の環境が整っていないケースもあります。
このような施設に戻されることは、一種の社会問題となっています。
また譲渡会で里親に譲渡されることもあります。
譲渡会とは、実際に猫を見てもらって、新しい飼い主を探すためのイベントです。
里親がきちんとした飼い主であれば、猫の行く末は明るといえるでしょう。
譲渡会は各地のショッピングモールや商業施設などで開催されています。実際に会に参加するための方法は後ほど解説します。
動物愛護団体に譲渡されるケースもあります。これも猫にとって行く末が明るい選択となるでしょう。
動物愛護団体とは、何らかの事情によって飼育が困難になった動物を引き取り、里親に引き渡す役割を果たす施設です。
ブリーダーやペットショップの判断で、この団体に猫を譲渡するケースがあります。
ただし動物愛護団体に譲渡するには一定に費用がかかるため、この方法を好まないブリーダーやペットショップも少なくありません。
横のつながりを活かして、別なブリーダーやペット業者に譲渡されることもあります。
猫種や月齢によっては、ペットビジネスにて有用であるため、この手段が取られることも。
ただしブリーダーなどに引き取られれば、ブリーディング施設での繁殖活動にあてがわれる可能性が高いです。
したがって先述したような繁殖にまつわるストレスにさらされるなどの問題が起こりえます。
売れ残りになった猫は、基本的には法令や常識にしたがい、販売や譲渡、引き取りされます。
しかし残念ながら、以下のように倫理的に問題のある末路を辿るケースもあります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、問題のあるブリーダーに引き渡されるケースが目立ちます。
通常、ブリーダーは猫の健康や安全に配慮し、繁殖や販売活動をおこないます。
しかし常にそのような配慮がなされるわけではありません。一部のブリーダーは、適切な飼育環境を用意しない、餌を十分に与えないなどしています。
過去には大手ブリーダーが、1000頭以上の動物を法にそぐわない形で飼育し、炎上したケースもありました。
残念ながらブリーダーのなかには、商品価値や搬出能力を失った動物を、「荷物」としてとらえる者がいます。
そういったブリーダーに引き取られた場合、猫の行くすえはかなり暗いといえるでしょう。
さらに悪質な場合では、個人を装って保健所に連れて行かれることもあります。
通常、保健所はブリーディング目的で飼育していた猫の引き取りを拒否します。
しかし個人が持ち込んだ場合はその限りではありません。状況に応じて引き取りに応じる可能性があります。
引き取られた猫は、ほとんどの場合殺処分されます。
個人を装って猫を処分するブリーダーなどが存在するのは、大きな問題といえるでしょう。
さらにひどいケースでは、人気のない場所に捨てられることがあります。
法にかなうかたちで猫を手放すには、費用も時間もお金もかかるもの。それを嫌って、捨てることを選択する業者が、一定数存在します。
特に犬を捨てるケースが多々聞かれます。山奥に放置されたり、ひどい場合は街中で解放されたりしています。
これは犬の話ですが、猫は警戒心が強く人前に現れにくいことを考えれば、同じような問題があると考えられるでしょう。
本記事では売れ残りになった猫に関して解説しています。ただ、購入された猫の行末が時として残酷である点も、理解しておく必要があります。
ここ数年はペットブームと呼ばれるほど、動物を飼育する事例が増えてきました。
多くの飼い主は、きちんと責任を持って飼育しています。しかし一部の人は飼い続けるのがむずかしく、限界を感じて手放すケースが増えています。
一般社団法人ペットフード協会によれば、2019年から2020年にかけて、猫の飼育事例は16%も増加したとのこと(参考:JBpress)。
これはコロナ禍を背景としたもので、いわゆる「おうち時間」を過ごすうえでのパートナーとしてペットが求められた経緯があります。
しかしコロナ禍が終焉し、通常どおり通勤通学が求められるなか、飼育に限界を感じ手放すケースが増えているのです。もし猫を飼うなら、最後まで責任を持って飼育を続ける意識と準備が、必要となるでしょう。
ブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫は、以下の方法で、無償ではないものの、引き取ることが可能です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
またブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫を引き取る際のメリットとデメリットも解説します。
まずセール価格で購入する方法が考えられます。
売れ残りとはいえ、売れる可能性が残っているなら、まだペットショップにはいます。
また月齢や時期に応じて、セール価格で販売されているケースがあるでしょう。
そのタイミングをねらって、購入しましょう。
ただしセール価格とはいえ、人気のある猫種であれば、数十万円ほどの価格がついているかもしれません。
それなりの金銭的負担が出る可能性には注意しましょう。
またペットショップ主催の譲渡会に参加することで、引き取れる可能性があります。
この段階で販売する意思はなく、あくまでも譲渡が目的なので、高額な費用は必要ありません。ただし手数料や譲渡費用で、数千円程度かかる可能性はあります。
譲渡会は、地域の公民館や動物愛護センター、商業施設などで実施されます。
興味がある人は、「地域名+譲渡会」で検索してみましょう。近くで開催されている譲渡会が見つかるはずです。
ただし譲渡会では、かならずしも求める月齢や猫種と出会えるわけではありません。また引き取りに関しては、最後まで飼育できる状態にあるか一定の確認があります。
その点を理解したうえで譲渡会に参加するようにしましょう。
また動物愛護団体などで、引き取り依頼を探すのもよいでしょう。
動物愛護団体は、一時的に猫を引き取りますが、最終的には「里親を見つけて譲渡する」のを目的とします。
また保護される猫の数は非常に多く、常に引き取り手を探している現状があります。そのような動物愛護団体に声をかけて、引き取りを希望しましょう。
そうすれば、引き取ることを前提に手続きが進められます。
たちねこほーむも、そのような猫たちを引き取って育てている動物愛護団体のひとつです。
引き取りに関して興味がある方は、お問合せフォーム/専用ダイヤルよりご連絡ください。
関連記事▶︎猫を飼い始めるときにすべき準備は?必要なものと環境を解説
ブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫を引き取る場合、そのほかの経緯と異なり、以下のメリットとデメリットがあります。
<メリット>
<デメリット>
このようなメリットとデメリットがあることを踏まえて、売れ残りになった猫を引き取るか検討するのが大切です。
本記事では、ブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫に関して解説しました。
ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
売れ残りのすえ不幸になるとすれば、その原因は以下です。
ただ、このような事態になる前に、動物愛護団体に譲渡されたり、譲渡会で新しい飼い主を探したりします。つまり団体や譲渡会をとおして里親になれば、不幸な猫を減らすことにつながるでしょう。
私たちねこほーむも、そのような猫たちを引き取って育てている動物愛護団体のひとつです。
引き取りに関して興味がある方は、お問合せフォーム/専用ダイヤルよりご連絡ください。
また以下のような物資の寄付なども、随時受け付けています。
ご不要なものがあれば、お譲りいただけると幸いです。
売れ残りになる理由として以下が挙げられます。
最大の要因は、売れやすいタイミングが実質1ヶ月程度であり、販売するのがむずかしい点にあります。これを過ぎると一気に売れにくくなり、そのまま売れ残りになるケースが多々あります。
また在庫過多になりやすい点も関係しているでしょう。
ペットショップでどの猫種、どの性別が売れやすいか推測するのは簡単ではありません。その結果、発注が強気になりすぎ、最終的に在庫過多になるケースがあります。
猫のブリーダーになるためには、以下のステップが考えられます。
ブリーダーになるためには、まず既存のブリーディング施設で働くのを推奨します。そこで業務内容は業界の仕組みを理解しましょう(この段階でもブリーダーであるとする考えもあります)。
まだ年齢的に若い場合は、動物専門学校への進学を検討してもよいでしょう。
その後リーダーになるために必要な第一種動物取扱業を取得し、実際に開業へと進むこととなります。
<参考:第一種動物取扱業の資格取得のフロー>
出典:神奈川県
ペットショップに直接申し出て、無償譲渡を受けるのはむずかしいでしょう。
ペットショップにいる限りは、猫には商品価値があります。それを無償で引き渡すことは経営にかかわるため、現実的ではありません。
また、やはり商品価値があるものに対して「無償で譲ってほしい」と伝えるとよく思われない可能性があります。その点を踏まえても、
そのように申し出るのは推奨できません。
しかしペットショップが主催する譲渡会に参加する場合、その限りではありません。少なくとも猫そのものに対する対価を支払わず譲渡してもらえるでしょう。
ただし先述のとおり、引き取りにあたって各種費用が生じる可能性はあります。
本記事ではブリーダーやペットショップで売れ残りになった猫の行方に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
売れ残りの猫が行く先は、かつてから心配されていたことでした。目を覆いたくなるほどひどい目に遭う場合もあります。
そのような猫を救いたいと思ったら、ぜひ譲渡会に参加したり、動物愛護団体に連絡したりしましょう。里親として、この問題を解決することに貢献できる可能性があります
関連記事