猫を2匹一緒にケージ飼いする場合のトイレの設置方法について

  • 猫をケージで2匹一緒に飼うとき、トイレはどうすればよい?」
  • 「1つのケージに2匹を入れてもケンカにはならないのか」
  • 「必要なトイレの数がわからない

このような悩みを持っている人は多いのではないでしょうか?

猫をケージで飼育する際、トイレの環境には十分な配慮が必要です。本記事では、ケージ選びやトイレの設置方法、飼育の注意点などを解説するので、参考にしてください。

猫をケージで2匹一緒で飼育する際のトイレ環境について

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猫をケージで2匹一緒に飼育する際、以下のように環境を整備する必要があります。

  • 大きいサイズのケージを使用する
  • 最低2つのトイレを設置する
  • トイレの距離を離してプライバシーに配慮する
  • 消臭対策を徹底する
  • トイレ掃除を徹底する

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

大きいサイズのケージを使用する

まず、大きいサイズのケージを使用しましょう。

狭い空間に押し込められるとストレスを感じるうえ、トイレと生活の場所が重なると、猫砂が散らばるなどの問題が生じます。

2匹を同時に入れることを考えるなら、最低でも横幅120cm、高さ180cm、奥行き60cmほどのケージが望ましいです。もちろん、それ以上のサイズのものでもかまいません。

また、猫の運動機会を創出するため、上下に上り下りできるような遊具やステップが用意されているものがおすすめです。

最低2つのトイレを設置する

猫をケージで2匹一緒に飼育する場合は、最低でも2つのトイレを設置しましょう。

猫は警戒心となわばり意識が強く、ほかの猫とトイレを共有することに強い嫌悪感を示す傾向があります。トイレが一つしかないと、ストレスが溜まる、使用を嫌って我慢してしまうなどの問題が起こりえます。

また、一方がトイレを使っていると、もう一方が粗相をするなどのトラブルも考えられるでしょう。

それぞれに専用のトイレを設けるつもりで、最低2つは用意しましょう。スペースに余裕があるなら、3つ目を設置してもかまいません。

トイレの距離を離してプライバシーに配慮する

また、トイレの距離を離してプライバシーに配慮するのも大切です。

猫は、人間と同様に、トイレ中にほかの猫に見られていると、安心できません。

ある程度の距離を離して、お互いのプライバシーを守りましょう。

可能であれば、トイレそのものがどこからも覗けない、死角に配置しましょう。

消臭対策を徹底する

同時に、消臭対策も徹底する必要があります。狭い空間にトイレが複数あり、匂いが溜まりやすいですからです。

脱臭効果の高い猫砂を利用し、匂いがたまらないようにしましょう。また、空気清浄機を稼働させるのも有効です。

猫用消臭剤を使うのも有効です。

出典:Amazon

なお猫の排泄物はマーキングの意味合いがあり、お互いの匂いを嗅いでストレスを感じるかもしれません。

ただし、長きにわたって2匹が暮らしている場合、お互いの匂いに対して慣れることもあります。その場合は、多少は消臭対策の力を抜いても問題はないでしょう。

トイレ掃除を徹底する

トイレ掃除も徹底しておこないましょう。

猫は清潔な環境を好み、汚れたトイレの使用を嫌う傾向にあります。それ自体がストレスで、また我慢や粗相にもつながります。

また2匹いると排泄量と回数が倍になるので、トイレが汚れやすいです。

なるべく1日1回は、トイレを清掃しましょう。

また、時にはトイレ自体を取り出し、天日干しするなどするのが理想的です。

機能性の高いトイレを設置すると掃除が楽になる

機能性の高いトイレを設置しておけば、掃除が楽になるでしょう。近年は以下のように、一部の清掃が自動化されたトイレが販売されています。

たとえばこの機種では、清掃と砂補充を自動でおこなうため、飼い主の負担を大きく下げられます。

掃除がたいへんだと感じるなら、機能性の高いトイレを導入しましょう。

猫をケージで2匹一緒に飼育する際の注意点

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猫をケージで2匹一緒に飼育する際、トイレ以外にも配慮が必要です。

  • それぞれのプライベートスペースを用意する
  • 食器を別々にする
  • 相性のよいペアでケージに入れる
  • 日中はケージ外で運動させる習慣を持つ
  • 上下運動できる工夫を取り入れる

このように、ケージ内での生活が不便、不快にならないよう配慮する必要があります。

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

それぞれのプライベートスペースを用意する

それぞれのプライベートスペースは、かならず用意しましょう。

猫は単独で過ごす時間を大切にする動物で、たとえ仲のよい2匹でも、常に一緒にいるとストレスを感じることがあります。特に狭いケージ内での多頭飼育では、そのストレス強度はより高くなるでしょう。

プライベートスペースを設けるには、以下の方法が有効です。

  • ケージに段差や仕切りを設けて、目線を遮断する
  • ダンボールで囲ったスペースを用意する
  • 高低差を利用して、単独で過ごせるようにする

これは、ケンカが起きたときの避難場所としても役立ちます。

きちんとプライベートを確保し、お互いがストレスを感じないようにしましょう。

食器を別々にする

トイレと同じく、食器は1匹ずつ用意するのが基本です。食事の時間にストレスや争いが生じないようにしましょう。

食器が共用だと、清潔感を感じられず、食が細くなるかもしれません。さらに、早食いや食べ残しの原因にもなります。

また、横並びになって食事をすることにストレスを感じることがあります。

しかし食器を分ければ、これらの問題を解決することが可能。少し離れた食器に、1匹分ずつ用意しましょう。

なお、このような自動給餌器がると、ケージ内での給餌が楽になります。スペースや予算に余裕があれば導入しましょう。

相性のよいペアでケージに入れる

多頭飼育では、相性のよさが生活の快適さを左右します。ケンカや威嚇がないかをよく観察してから同居させましょう。

猫同士にも性格の合う・合わないがあり、仲の悪い猫同士を無理に入れると、常に緊張状態を強いられます。これが食欲不振や粗相、体調不良などにつながるケースも珍しくありません。

また、年齢・性別・気質なども考慮しながら、「無理なく過ごせる相手かどうか」を慎重に判断しましょう。

相性のよいペアであれば、ケージの中でも穏やかに過ごせるでしょう。また、飼い主がケンカの仲裁に入るケースも減らせます。

日中はケージ外で運動させる習慣を持つ

日中は、可能な限りケージ外で運動させるようにしましょう。

ケージ内にいると運動量が減少し、肥満やストレス蓄積のリスクが高まります。

運動不足を解消するには、とにかく外に出して、遊ばせたり、歩かせたりするのが大切。

おもちゃを与えたり、飼い主が遊んだりして、十分に活動させましょう。

キャットタワーなどがあれば、勝手に登るため、より自然に運動量を確保できます。

上下運動できる工夫を取り入れる

可能であれば、上下運動できる工夫を取り入れましょう

ケージには、上方向に登るステップや遊具が設置されているものがあります。

このようなケージがあれば、運動の機会を創出できるでしょう。

仮に備え付けられていない場合、木の板を取り付けるなどして上下運動できるように工夫できます。

またケージの外に、猫のおもちゃなどを配置するとよいでしょう。完全室内飼育を選択しない場合は、野外に出してパトロールさせるのも有効です。

出典:Amazon

猫を2匹一緒に飼育(多頭飼い)する場合の注意点

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猫を2匹飼育する場合、ケージの有無に限らず、以下の特別な注意点が生じます。

  • 1匹で過ごせる場所を作る
  • 食器やトイレの数は頭数+1で調整する
  • 頭数に応じた飼育予算を組む
  • 先住猫と新入り猫のコミュニケーションを慎重に進める

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

1匹で過ごせる場所を作る

まず、1匹で過ごせる場所を作りましょう

先述のとおり猫は群れを作らない単独行動を好む動物で、たとえ仲良しの猫が相手でも、ずっと一緒にいると疲れてしまいます。

しかし、複数の猫を飼育する場合は、常に同じ空間にいる時間が多く、ストレスを感じがち。

高いところに毛布を敷いて休む場所を作ったり、ダンボールで狭い空間を作ったりするとよいでしょう。

キャットタワーなどを配置するのも有効です。

頂上部や部屋状になっている部分で、ゆっくりと過ごせます。

食器やトイレの数は頭数+1で調整する

基本的に、食器やトイレの数は頭数+1で調整しましょう。

トイレの数が少ないと、匂いを嫌がったり、我慢したりして、ストレスが溜まってしまいます。

ある程度距離を置いて、食器やトイレを配置しましょう。ケージに2つ置いたなら、あと一つはケージ外に1つか2つは必要です。

もちろん、+2個以上あってもかまいません。ただし設置数が多いと、飼い主の生活動線が制限される点に注意してください。

数に応じた飼育予算を組む

2匹以上の猫を飼育する場合は、その数に応じた飼育予算を組む必要があります。

猫を最後まで飼育するには、260万円以上の費用がかかります。

出典:Forbes JAPAN

2匹飼育すれば500万円以上、3匹なら800万円近くかかります。

年間では2匹で35万円、3匹で52万円ほどかかるでしょう。

この費用を理解したうえで、予算を立てる必要があります。

十分な予算を確保できない場合は、多頭飼いを避けるのも一つの方法です。

先住猫と新入り猫のコミュニケーションを慎重に進める

すでに先住猫がいて、新入り猫を迎える場合、最初のコミュニケーションは慎重に進める必要があります

以下のように、関係性を築いていきましょう。

  1. 先住猫に、新入り猫の匂いがついた毛布などを嗅がせる
  2. ケージなどを挟んだ状態で対面させる(ケンカしたら距離を離す)
  3. ケージでの対面に慣れたら、短時間、ケージ外で顔をあわせる
  4. 共通の場所で過ごす時間を少しずつ伸ばしていく

      このように、お互いのようすに鑑みながら、距離を縮めていくのが大切です。

      新入り猫が子猫の場合のコミュニケーションは、「先住猫と子猫が仲良くなるまでの期間は?仲良くなるためにやるべきことと」で解説しているので参考にしてください。

      猫を2匹一緒にケージで飼育するケースに関するよくある質問

      本記事では、猫を2匹一緒にケージで飼育するケースに関して解説しました。

      ここではよくある質問に回答します。

      • 猫同士が仲良しでもトイレは2つ必要か?
      • ケージ外にトイレを設置してもよい?
      • 3匹一緒に入れてもよい?

      それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

      猫同士が仲良しでもトイレは2つ必要か?

      猫同士の関係性にかかわらず、仲良しでもトイレは2つ必要です。

      猫は、同居している猫と、ある程度仲良くできる社会性を持っています。しかし、本来は単独行動を主体とする動物であり、特にトイレに関しては何らかの介入を嫌います。

      たとえ仲良しだったとしても、トイレを見られたり、取り合ったりすることを好みません。

      したがって猫同士の関係性にかかわらず、トイレを2つ設置するようにしましょう。

      ケージ外にトイレを設置してもよい?

      ケージの外にトイレを設置しても問題ありません

      むしろ、トイレがあったほうが猫も排泄しやすく、運動の機会も創出できます。ただし、清掃の手間が増える点に注意してください。

      また、トイレの場所を頻繁に変えると、粗相を誘発する場合があります。基本的に固定の場所から動かないようにしましょう。

      なお、清掃の手間を減らすには、先述のとおり自動清掃機能などが搭載されたトイレを用意するのがおすすめです。

      3匹一緒に入れてもよい?

      3匹一緒にケージに入れることは可能です。

      ただし、以下の点に注意してください。

      • 2匹一緒に入れる場合よりも、大きなサイズのケージを用意する
      • トイレや食器の数も3つにする
      • 3匹の相性や関係性を考慮する必要がある

      まず、3匹の距離感やプライベートを守るため、より大きなサイズのケージを用意する必要があります。

      またトイレと食器の数も増やしましょう。

      さらに3匹の関係性に関してもよく考える必要があります。仲間はずれになったり、ケンカになったりしない組み合わせを意識して、ケージに入れましょう。

      まとめ

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      本記事では、猫を2匹以上飼育する場合の、トイレをはじめとした環境整備に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

      • 猫を2匹以上ケージに入れるなら、トイレは2つ用意する
      • 汚れやすくなるので、清掃には一層の力を入れる
      • 消臭なども徹底する必要が出てくる
      • そのほかケージに入れるなら、仲良しのペアを選ぶなどの工夫が必要
      • プライベートスペースを作る、食器を別々にするなどの配慮も実施したい
      • ケージ飼育に限らず、多頭飼育するなら、特別な注意点が生じる
      • 単独で休める場所を作るなど、細かい配慮が求められる

      猫を2匹以上飼育するなら、トイレや食事、相性など、さまざまな点に工夫が必要です。一方で、細かく配慮できれば、多くの頭数と生活を共にする場合でも、快適かつ穏やかに過ごせるでしょう。

      取り組むべき点は多いですが、一つずつクリアし、環境を整えていきましょう。

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