2025.10.31

このような悩みや不安を抱えている方は多いのではないでしょうか?
猫がケージ内で暴れる行動には理由があります。
それを理解して、適切な対処法を実践すれば、猫も安心してケージで過ごせるようになります。
本記事では、猫がケージ内で暴れる5つの原因と効果的な対処法、快適な環境づくりのポイントについて詳しく解説します。
ケージ飼育で悩んでいる、これからケージを導入する方は、ぜひ最後までご覧ください。
猫がケージ内で暴れることには、さまざまな理由が隠されています。
以下の原因を理解して、猫に合った対策を見つけましょう。
これらのいずれか、もしくは複数があり、暴れるほどのストレスを感じていると考えられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
関連記事:猫はケージ飼育するとストレスで病気になる? 正しいケージの使い方
まず、ケージ飼育に慣れていない点が、ストレスの要因として考えられます。
猫は環境の変化に敏感な動物です。突然ケージに入れられると、恐怖心やパニックから暴れることがあります。
とくに成猫から飼い始めた場合、過去にケージの経験がなければ強い拒否反応を示すでしょう。
狭い空間に閉じ込められる不安から、格子を噛んだり、激しく飛び跳ねたりすることがあります。
これを防ぐため、初めてケージを使用する際は、段階的に慣らすことが重要となります。
また、運動への欲求が制限されているから、暴れているのかもしれません。
猫は一日に数回、活発に運動する習性があり、これを阻害されるとストレスを感じます。
特に若い猫ほどエネルギーが有り余っており、ケージ内では十分に発散できません。
たとえば朝方と夕方は、猫の活動時間帯とされます。この時間にケージに閉じ込められていると、フラストレーションが溜まって暴れ回るかもしれません。
運動不足は健康にも悪影響を与えます。そういった面からも、ケージ飼育をするとしても、適切な運動時間の確保が重要と言えます。
また、トイレや食事のスペースが汚れているから、暴れているのかもしれません。
猫は清潔を好む動物として知られています。
ケージ内のトイレが汚れていたり、食器に古い食べ残しがあったりすると不快感を感じるでしょう。
特に排泄物が残った状態のトイレは、猫にとって大きなストレス要因。
もちろん、水が汚れていたり、フードが腐敗していたりする環境も同様に、猫の暴走の原因です。
清潔な環境の維持は、ケージ飼育の基本といえるでしょう。
飼い主と離れることに強い不安を感じる猫もいます。
子猫の頃から飼い主と密着して過ごしてきた猫は、とくに分離不安を起こしやすい傾向にあります。
このように甘えた声で鳴くのは、分離不安を感じている際の特徴です。
猫がケージに入れられると「見捨てられた」と感じてパニックになるかもしれません。
また、飼い主の姿が見えなくなると、猫は激しく鳴いたり暴れたりして、必死に飼い主を呼び戻そうとします。
分離不安の猫には、徐々に一人でいる時間を増やす訓練が必要です。そのうえで、少しずつケージ飼育にシフトしていくのがよいでしょう。
ケージ内で暴れる行動には、単純に「遊んでほしい」感情が潜んでいることも。
遊んでほしくて退屈している猫は、飼い主の注意を引こうとさまざまな行動を取ります。
ケージをガタガタ揺らしたり、大きな声で鳴いたりするのは珍しいことがありません。
一方で、飼い主が反応すると、この行動がさらに強化される可能性があります。
適切な遊び時間を設けることで、このような行動を予防できるでしょう。
ケージ内で暴れる猫への対処は、原因に応じて適切に行う必要があります。
以下の対処法を試して、猫に合った方法を見つけましょう。
これらの方法を試せば、基本的には猫は落ち着きを取り戻します。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ケージに慣れていない猫には、段階的な慣らし(トレーニング)が効果的です。少しずつケージ飼育に近づけて、拒否反応をやわらげましょう。
最初はケージの扉を開けたまま、自由に出入りできる状態にします。
また、ケージ内でおやつを与えたり、食事をさせたりして良い印象を与えます。慣れてきたら、短時間だけ扉を閉める練習を開始しましょう。
1回あたり、5分から始めて、徐々に時間を延ばしていくことで、猫も安心感を持てるようになります。最終的には、まとまった時間をケージ内で過ごせるようになるでしょう。
ケージ飼育を実施するなら、ケージ内部のトイレや食事スペースはきれいにしましょう。
トイレは最低でも1日1回、できれば2回、朝と夜に掃除しましょう。
排泄物はすぐに取り除き、猫砂も定期的に交換します。
食器は毎回の食事後に洗浄し、清潔な水を常に補充しましょう。これが負担の場合は、自動の給餌器、給水器を使用するのがおすすめ。
可能であれば、ケージ全体も週に1回は消毒するとよいでしょう。
ケージ内に猫が安心できるアイテムを配置することで、ストレスを軽減できます。
お気に入りのおもちゃや、飼い主の匂いがついた布を入れましょう。
また、知育玩具やパズルフィーダー(食事しながら頭を使う給餌器)は、猫を冷静にさせる効果があります。
また、単なる毛布やクッションなど、柔らかいものを入れるだけでもかまいません。
このように、安心できるアイテムを配置することで、猫が暴れてしまうのをある程度防止できます。
猫が暴れてしまう時期において、実際に暴れ出したなら、一度ケージから出して遊ぶ時間を作りましょう。
ある程度興奮しているなかでは、遊びたがる傾向があります。怪我をしない範囲で遊び相手になりましょう。
もちろん、コミュニケーションやスキンシップを図るだけでも十分な効果があります。
猫が落ち着いて、数日経ったら、再度ケージ飼育にチャレンジするとよいでしょう。
ケージを猫にとって快適な空間にすることで、暴れる行動を予防できます。
以下のポイントを押さえて、理想的なケージ環境を整えましょう。
いかにケージ環境を整えられるかが、成功のポイントとなります。
猫の習性や好みを理解して、最適な環境を作りましょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
基本的に、ケージのサイズは大きめのものを用意しましょう。
先述のとおり、狭いケージは猫にとって大きなストレスです。
理想的なケージサイズは、猫が立ち上がっても頭がつかない高さ。
横幅は猫の体長の1.5倍以上、奥行きも同様のサイズが望ましいでしょう。以下のような複数段タイプのケージなら、上下運動も可能になります。
出典:Amazon
大型ケージは初期投資が必要ですが、猫のストレス軽減に大きく貢献します。
お金とスペースに余裕があれば、できるだけ大きなケージを選びましょう。
多頭飼育している場合、1つのケージに複数頭を入れるのは避けましょう。
狭い空間での同居は、お互いにとって大きなストレス要因です。運動ができない、寝たい場所で寝られないなどの問題が生じるでしょう。
基本的に、それぞれの猫に専用のケージを用意することが理想的です。
また、ケージを並べて配置すれば、お互いの存在を確認でき、孤独感もやわらぎます。
猫は基本的に単独行動を好む生き物。それに反して、ケージ内で多頭飼育するのは避けましょう。
ケージ内に運動環境を作ることで、ストレスを軽減できます。これは、猫が本能的に上下運動を好む動物であることに由来します。
先述のとおり、複数段タイプのケージを用意できるとよいでしょう。
また、キャットタワーのような段差を設置して、上下運動をうながす方法もあります。
さらに、ハンモックや吊り橋を設置すると、遊び要素も加わり、より運動しやすくなるでしょう。

出典:Amazon
そのほか爪とぎポールは垂直に設置すれば、ストレッチ運動もうながせます。
また、飼い主の姿が見える位置にケージを配置するのも効果的です。リビングなど家族が集まる場所が見えると理想的。
猫は、飼い主が視界の外に居続けると、「見捨てられた」と誤解します。そのように感じさせない配置が、分離不安を防ぎます。
また、テレビの音や家族の会話が聞こえる環境も、猫に安心感を与えます。
何かしらの形で、飼い主の姿や気配を十分に感じられるように工夫しましょう。
ケージを「楽しい場所」「安全な場所」と認識させるのも、環境づくりの一つです。
ポジティブな印象を持たせれば、ケージ飼育はスムーズに進むでしょう。
たとえば、おやつタイムをケージ内でおこなうなどの方法が考えられます。
また、ケージの中でブラッシングやマッサージをするのも効果的。
とにかく、猫が喜ぶことは、ケージ内でおこなうとよいでしょう。
なお、罰としてケージに入れることは絶対に避けましょう。ケージ飼育においては、ケージに対してポジティブな印象が持てるかどうかが重要。
ペナルティが与えられる場所として認識させることは、絶対にやめましょう。
本記事では、猫がケージ飼育において暴れる問題に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
鳴き続ける場合は、何を求めているのか確認しましょう。
水、食事、トイレの状態をチェックして、問題がなければ注意を引きたいだけの可能性があります。
すぐに反応すると、泣けば出してもらえると学習してしまうため、15分程度様子を見て、落ち着いた時に出すようにしましょう。
ただし、異常な泣き方や長時間続く場合は、体調不良の可能性もあるため注意が必要です。
要求鳴きの場合は、ある程度無視することも必要です。
毎回反応していると、鳴けば要求が通ると学習してしまいます。
たとえばかまって欲しいだけのことに、毎回相手をする必要はありません。
上記のような甘えたような鳴き声が、「かまってほしいアピール」に該当します。これと、ストレスを感じているときの鳴き声をある程度聞き分けましょう。
ただし、完全に無視するのではなく、静かになったタイミングで褒めたり、おやつを与えたりして好ましい行動を強化するのは重要。
無視する場合も、猫の様子は常に観察し、異常がないか確認することが大切です。
ケージの音対策として、まず設置場所の安定性を確認しましょう。
床に防振マットを敷くことで、振動と音を軽減できます。
また、ケージの接合部分を確認し、緩みがあれば締め直しましょう。
金属部分にクッション材を巻くことも効果的です。
それでも改善しない場合は、ケージ自体の強度不足かもしれません。
より頑丈なケージへの買い替えも検討しましょう。
猫は薄明薄暮性の傾向があり、早朝に、もしくは夕方から夜にかけて活動的になります。これが原因で、夜にケージ内で暴れることがあります。
これを防ぐためには、夕食後に十分な遊び時間を設けるのが効果的。
夜に激しく運動できるほどの体力を残さず、暴れるのを防げます。
夕食後は15〜20分程度しっかり遊ばせるとよいでしょう。
一方で以下のように、ケージ飼育に慣れ切った場合には、
夜から朝までぐっすり眠るケースもあります。
猫が早朝起き出して暴れるとはなんだったのか?
夜勤しがてらペットカメラ見てたんだが、夜9時にケージへ放り込んで朝6時現在に至るまでずっとハウスの中で寝とるぞ猫— 水瀬 (@pinwh) November 1, 2020
健康な成猫の場合、連続8時間程度が限界とされています。
それ以上の長時間は、ストレスが蓄積する可能性があります。
理想的には4〜6時間ごとに、ケージから出して運動や遊びの時間を設けること。
ただし、夜間の就寝時だけは、もう少し長くケージに入れてもよいでしょう。
また、一般的に子猫や高齢猫は、より短時間での管理が望ましいとされます。
本記事では、猫がケージ内で暴れる原因と対処法について解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
猫がケージ内で暴れる理由を理解し、適切な環境を整えることで、ケージは猫にとって安心できる場所になります。
本記事を参考に、安全かつストレスフリーなケージ飼育を実現しましょう。
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