2024.04.30
猫はさまざまな方法で、人に対して愛情を伝える習性を持ちます。それらを参考にすれば、どの程度信頼関係ができているかわかるでしょう。
本記事では、猫が好きな人に対して見せる行動やしぐさを解説。あわせて猫に好かれるためのテクニックに関しても解説します。
本記事を読めば、信頼関係を築く方法がわかるでしょう。猫と仲良くなりたい人はぜひ参考にしてください。
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もくじ
猫が好きな人にする態度は、じつに多岐に渡ります。大きく分けて3つのアプローチがあります。
多少の例外はありますが、これらが猫による愛情表現の主な手段です。それぞれでどのような形で、親愛の意を示すのか詳しく解説します。
猫がその人を好いている場合、基本的には向こうから、以下のようなスキンシップを取るようになります。
まず体をこすりつけたり、舐めたりするのは、もっともわかりやすい愛情表現です。明らかに好かれているとわかるでしょう。
また尻尾を立てたり、目を細めたりするのも、信頼関係がある証拠。
このような仕草が見受けられたら、体を撫でるなどして応えてあげると、より親密な関係を築けるでしょう。
仕草だけでなく、行動面でも愛情が表現されます。それも多岐に渡りますが、主だったところで以下が挙げられます。
猫からの好意は行動面でも現れ、基本的には一緒にいようとします。後ろをついてきたり、出待ちや見送りしたりするケースですね。
また、警戒心が非常に強い生き物であるにもかかわらず、ひっくり返ってお腹を見せているのは、強い信頼関係がある証拠。
さらに、PCでの作業を邪魔する、ネズミなどを捕まえてきてプレゼントするなど、すこし困ってしまうような愛情表現もあります。
猫は鳴き声を用いて、愛情を表現することもあります。たとえば以下のような発声は、好きな人に対してのみ聞かれます。
よく知られているのは、喉をゴロゴロと鳴らすこと。これは相当にリラックスしている場合にのみ聞かれます。もちろん、高い声で、甘えるような発声をするのも、愛情表現のひとつ。
また声を出さずに鳴く、通称「サイレント・ニャー」も、好きな人に対してのみ聞かれる鳴き声。
「サイレント・ニャー」は、子猫が母親に甘える際の鳴き声です。それが聞かれたなら、飼い主は母猫同然に愛されているといえるでしょう。
逆に猫に対して、飼い主の愛情を伝える方法もあります。そうすることで、より仲良くなれるでしょう。
このようなことを繰り返していけば、愛情が伝わり、仲良く暮らせるようになります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫に対して愛情を与える方法の基本は、やさしい声で話しかけることです。これを繰り返していけば、少しずつ好かれていくでしょう。
逆に大きな声や高い声は、猫にとってストレスになるので、できるだけ控えたいところです。
なお猫は「やさしい声」と「それ以外の声」を聞き分けていることが、研究で明らかになっています。
(引用:GIGAZINE)
つまり、飼い主が自分に対してむけている感情を判断でき、それに応じて好き嫌いを決定する能力を持っています。
また同サイトによれば、自身の名前を認識しているとも解説されています。
その点を踏まえれば、毎日やさしい声で名前を呼び、安心できるコミュニケーションを積み上げていくのが大切だといえるでしょう。
気持ちのよいところを触るスキンシップも、猫に愛情を伝える方法として有効です。
ポイントは、触って欲しいところ、触って欲しくないところを見極めること。
(引用:南大阪動物医療センター)
これは、猫がどこを触られたとき、何を感じるかをまとめた画像です。
基本的に「自分の舌が届かない場所」を触れるのを好みます。特に尻尾の付け根部分は多くの猫が触られるのを好むポイント。
一方で、腹部や後ろ足を触られるのは苦手です。この違いを見極めて、心地よいスキンシップを実施しましょう。
もちろん、一緒に遊ぶことも大切です。猫が遊びたいときに付き合ってあげれば、おのずと好感を持たれるでしょう。
また一緒に遊べば自然とコミュニケーションやスキンシップを取る機会も増えるので、より早く親密になれます。
ただし一緒に遊ぶこと自体にも、ある程度の信頼関係が必要です。それがない状態でちょっかいを出すと、本気のケンカになってしまいます。
それは猫にはストレスとなり、飼い主側には本気の噛みつきや引っ掻きによる怪我のリスクとなります。まったく信頼関係がないうちは、一緒に遊ぶのを避けましょう。
一緒に遊ぶことで仲良くなりたいなら、おもちゃを使うのがよいでしょう。特に釣竿タイプのおもちゃは便利です。
昔買った猫のおもちゃ、羽が綺麗だから勿体無くて使わずに保管してたけど解禁🪶 pic.twitter.com/mWR7I1eFb1
— 金(ジン)@ (@zin_nero) April 28, 2024
これなら、猫に本気で攻撃されるのを避けながら、コミュニケーションを取ることが可能です。反面、ボールなどの一人で遊ぶタイプのおもちゃを使っても親密にはなれないので避けましょう。
また、ずっと釣竿タイプのおもちゃを使うばかりでは仲良くなれません。ある程度慣れてきたら、直接手でじゃれ合うなどして、より深い関係を築いていきましょう。
エサをあげるのは、猫との信頼関係を築くうえで効果的です。積極的にエサやりするようにしましょう。
やはり猫もエサをくれる人に対しては甘く、繰り返し給餌しているとそのうちになつきます。特に身体的な距離が近づく、以下のような直接的なエサやりは有効です。
ただし信頼関係ができていない、出会って間もないときは攻撃的な態度を示すことも。
その場合は軍手やハンドカバーなどを装着して、エサをあげるようにしましょう。
猫に好かれるためには、やはりおいしいエサを与えるのが重要です。そのうえできるだけ直接的にエサやりしたいとなれば、チュールを与えるのがおすすめです。
(引用:いなばペットフード株式会社)
チュールは、多くの猫にとって非常に魅力的なおやつです。それまで怒っていた猫が、これを与えられた瞬間に態度を変えることも珍しくありません。
栄養バランスもすぐれているうえ、1本あたり数十円と安価です。チュールをうまく仲良くなるためのツールとして活用しましょう。
また、基本的にゆっくり動くことが、愛情を与え、安心させるうえで役立ちます。
猫は、急に動くものに対して警戒心を抱く習性があります。これは天敵に襲われたときにただちに逃げられるようにしてきた名残。
つまり急に動くと、「自分より大きな何かが、襲おうとしたのかもしれない」と感じさせてしまいます。これでは、愛情を伝えるどころか、警戒されてしまいますね。
しかし猫の視界に入っているうちは、ゆっくりと動くようにすれば、猫に余計な不安を与えません。そしてコミュニケーションやスキンシップを取るようにすれば、時間はかかっても愛情が伝わっていくでしょう。
また、基本的にはいじわるをせずやさしくしてみましょう。具体的には以下のような行為を控えます。
猫はいじわるをされると、やはりその記憶を残してしまいます。それが当たり前になると、しっかりとした信頼関係は築きにくいでしょう。
一方でこういったことを避けるだけでも、ある程度信頼されやすくなります。
とはいっても、猫の反応が面白く、ついいじわるしてしまうこともあります。ただ、猫との信頼関係をきちんと築きたいなら、そういったことはできるだけ控えましょう。
一方で、猫が嫌いな人に取る行動もあります。以下のようにして、拒否、怒りの感情を示します。
これらの行動があるうちは、信頼関係が構築できていません。それぞれの行動に関して解説するので参考にしてください。
猫が嫌いな人を目の間にすると、基本的には物理的な距離を取るようになります。
できるだけ近くや同じ部屋にはいたがらず、近寄れば離れていくでしょう。家の中でばったり出会うと、猫のほうが立ち止まって、うまいことやり過ごそうとすることも。
また、猫は、警戒が必要な相手と相対すると、2mほどの距離を取る習性があります。この距離を逃走距離と呼びます。
つまり目測2mほどの離れた位置から観察されているなら、まだ信頼関係はできていないといえるでしょう。
一方で数十cmまで近づけると、信頼できる人だけが入れる「個人的距離」圏内になります。ここまで来れば好かれていると判断できるでしょう。
イカ耳になるのも、猫が嫌いな人に対して取りがちな行動です。
イカ耳とは、下図のように外側に、平行にピンと張った状態の耳を指します。
これは相当に怒っている、警戒している猫のほとんどに見られるものです。つまりイカ耳をされたなら、まだまだ信頼されていないといえるでしょう。
この耳になるほど怒っているなら、思い切り噛みついたり、引っ掻いたりする可能性があります。じゃれているときとは違い本気の噛みつきと引っ掻きは、大きな外傷を負わすほどの威力があります。安易に近づかないようにしましょう。
嫌いな人に名前を呼ばれても、基本的には無視するでしょう。
先述のとおり、猫は自分の名前を認識しています。だから、好きな人に呼ばれれば何らかの反応を示します。
しかし呼んでも無視するなら、人間同様に、やはり「嫌い」「どうでもよい」といった感情を持っているのでしょう。
とはいえ好きな人に呼ばれても、機嫌しだいでは無視することもあります。呼んで反応がなかったとしても「嫌われているんだ」と落ち込む必要はないでしょう。
尻尾を左右にバタバタ振るのも、嫌いな人に対する態度のひとつです。このようにして、拒否の意思を示しています。
多くの場合、尻尾が膨らむ現象がともなうでしょう。この場合は猫同士の喧嘩に立ち向かうときと同程度の怒りを感じています。
イカ耳になっている場合同様、本気で怒っている証拠です。噛みつかれたり、引っ掻かれたりするとケガをするので、近づかないようにしましょう。
本記事では猫の仕草に関して詳しく解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫がお母さんと思っている人に対しては、以下の行動を取るようになります(参考文献:Yahoo!ニュース)
母親だと思った相手には、とにかく濃密なスキンシップをはかる傾向にあります。このような関係性を築ければ、飼い主側も精神的に満足できるでしょう。
一方で、母親役が共有する時間を確保できないなどすると、猫が不安がってしまう場合も。母親と認識されたなら、寂しがらせないように工夫する必要がありそうです。
基本的に猫が好きすぎるから病気だと診断されることはまずありません。
冗談めかして「猫依存症」「猫中毒」と述べることはありますが、とはいえ治療が必要なものではないでしょう。
ただし、ペット依存症やペットロスの存在は、動物行動学者の森裕司らの著書「ペットと社会」によって指摘されています。
(引用:岩波書店)
たとえば猫のことばかり考えてしまったり、到底飼育できない頭数を抱えたりするのは、依存の状態にあるといえるでしょう。その精神状態が極まると、多頭飼育崩壊などのトラブルに発展する可能性があります。
猫を好くことに問題はありませんが、それが行きすぎてトラブルを起こさないように気をつける必要はあるでしょう。
関連記事▶︎多頭飼育崩壊の猫の引き取りはむずかしい?まずは市役所の生活課に相談してみよう!
猫の習性を考えれば、順位をつけることはありません。
犬のような群れのなかで生きてきた動物であれば、「母は自分より偉く、父は自分よりも下だ」と明確な順位づけをします。そうしないと群れの生存率が下がってしまうからです。
しかし猫は単独行動の生き物なので、順位をつける必要がありませんでした。したがって、家族を「上か下か」で見ることはないでしょう。
ただし、「この人はエサをくれるから好き」とか、「この人は寝るのを邪魔してくるからあんまり好きじゃない」と、好き嫌いを持つことはあります。
家族全員が、平等にエサやりをし、またいじわるしないようにすれば、猫を含めた一家全体で幸せに過ごせるようになるでしょう。
本記事では猫が好きな人に対して示す行動に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫は、一度なつくと、さまざまな方法で愛情を示します。それは、猫と人間が暮らしていくなかで親しみを感じ、精神的満足を得るうえで重要となるでしょう。
猫は、最初は警戒していたり、興味がなかったりしても、きちんとコミュニケーションを取ればいつか振り向いてくれる生き物です。少しずつ信頼値を積み上げ、確固たる信頼関係が築けるように工夫しましょう。
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