2026.02.26

猫の呼吸が乱れていると、不安になりますよね。
お腹が動くこと自体は自然なのですが、それが異常に激しいようだと何かの問題があるかもしれません。
そこで本記事では、以下の点を解説します。
本記事を読めば、猫の呼吸の異常が生じた場合に、適切に対応できます。ぜひ参考にしてください。
もくじ

愛猫の呼吸が気になったとき、「これが異常かどうか」をすぐに判断できる人は少ないでしょう。正常な呼吸の基準を知っておくことで、異常に気づきやすくなります。
まずは以下の点を理解しましょう。
これを理解していれば、どのような呼吸が異常に該当するか判断しやすいでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫は基本的に鼻で呼吸し、同時に胸と腹が連動する「胸腹式呼吸」をおこないます。
息を吸うと胸とお腹が一緒に膨らみ、息を吐くと一緒にへこみます。この「胸とお腹が連動して動く呼吸」が、正常な胸腹式呼吸と考えましょう。
猫のお腹が呼吸にあわせて動くこと自体は自然です。
つまり、「胸はほとんど動かずお腹だけが大きく波打つ」「肩を上下させて苦しそうに呼吸している」場合は異常な呼吸があると推測できるでしょう。
猫が健康なときの呼吸のようすをあらかじめ観察しておくと、いざ異常が起きたときに比較しやすくなります。
健康な猫の安静時の呼吸数は、1分間に20〜30回程度が目安です。睡眠時はさらに少なく、15〜25回程度となるでしょう。
これを著しく逸脱しているなら、呼吸のペースが乱れている異常な状態と判断できます。
呼吸数を計測したいなら、以下の方法を取りましょう。
安静時に40回を超えるようであれば、何らかの問題が起きている可能性があります。
ただし個体差があるため、一般的な基準から離れた呼吸数が、その猫にとっての正常なのかもしれません。
日頃から猫の呼吸数を記録しておくと、変化に気づきやすくなるでしょう。
猫が眠っているときにお腹が動くのは普通のことです。
そもそも猫の体は、呼吸にあたり、腹部が収縮します。それは睡眠時でも変わりません。したがって、このケースに関して特別なリスクはありません。
ただし痙攣するかのようにお腹が動いていたり、呼吸が頻回だったりするなら、何らかの疾患が考えられます。
寝ているかどうかではなく、呼吸の回数やお腹の動き方に注目し、異常があるかどうか判断しましょう。
猫が、お腹が激しく動くほど苦しそうに呼吸する原因は、大きく分けて4つあります。
呼吸が早くなったらからといって、ただちに重大な病気であるとは限りません。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
病気の可能性に関しては後ほど詳しく解説します。
まず、運動量の増加によって、呼吸が激しくなっている可能性があります。
人間でも走ったり運動したりすると、その直後は呼吸が早くなり、腹部も普段以上に動くでしょう。それと同じように、猫も遊んだり走ったりしたあとは、呼吸が乱れがちです。
つまりキャットタワーで遊んだ、外から帰ってきたなど運動の直後に息が上がっているのは自然なこと。この場合は、特に心配する必要はありません。
ただししばらく待っていても呼吸が乱れているなら別の原因も考えられるので注意してください。場合によっては動物病院へ連れていく必要もあります。
体温調節をするために、呼吸が活発化している可能性もあります。口を開けながら息をしている場合、ほとんどはこれでしょう。
猫は汗腺を持たず、呼吸でしか熱を排出できません。つまり口を開けて排熱し、息を激しくすることでそれを効率的におこなうわけですね。
これは夏場などであれば、さほど珍しいことではありません。
しかしあまりにも高熱の状態が続くと、熱中症や脱水症状になる可能性があります。
部屋を涼しくしたり、水分補給させたりしてサポートしてあげましょう。
なおこのようにして冷えた床に寝転がり、放熱することもあります。この仕草が見られたら、単に厚がっていると考えて問題ありません。
ストレスや不安感があって、呼吸が乱れていることもあります。具体的には以下の場面が考えられます。
わかりやすいのが、通院時にキャリーケースに入れられたときです。注射の痛みなどを連想し、ストレスを感じ、呼吸が乱れます。
この場合、基本的にストレスの原因が解消されれば問題ありません。ただしそれが何度も繰り返されると、脱毛などの症状を呈することがあるので気をつけましょう。

以下のサインが見られたら、様子を見てはいけません。すぐに動物病院へ連絡し、受診してください。
猫は体の不調を本能的に隠す動物です。外から見てはっきり異常がわかるときは、すでに病状がかなり進んでいる可能性があります。
安静にしているのに、お腹だけが大きく波打つように動いている場合は、努力性呼吸のサインです。
正常な呼吸では、胸とお腹が連動してゆっくり動くもの。
しかし胸の動きがほとんどなく、お腹だけが激しく上下している場合は、肺や心臓に問題が起きていて十分に酸素を取り込めていない状態です。
また、肩を大きく上下させながら呼吸しているようすが見られる場合も同様です。
運動直後でもないのにこの努力性呼吸が続くなら、ただちに動物病院へ向かいましょう。
猫が口を開けてハァハァと呼吸している場合は、緊急のサインです。
猫は本来、犬のように口を開けて呼吸する動物ではありません。
鼻呼吸が基本であるため、(遊びすぎたわけでもいのに)開口呼吸が見られるときは鼻呼吸では間に合わないほど酸素が不足していると推測できます。もしくは肺や心臓に深刻な問題が起きている可能性があります。
このような呼吸は猫が苦しい思いをしているサインであり、また生命の危険を示唆するもの。やはり、ただちに動物病院へ連れて行く必要があります。
安静時・睡眠時にもかかわらず、呼吸が1分間に40回を超えて速い状態が続く場合は異常と考えましょう。
呼吸が浅く速い状態(頻呼吸)は、肺炎・肺水腫・胸水・心臓病などの重篤な疾患で起こりやすい症状です。
猫は痛みや苦しさを隠す習性があるため、じっと動かずにいても内側では深刻な状態になっていることがあります。
「元気そうに見えるけど呼吸だけ速い」という状態だとしても油断はできません。なるべく早い段階で動物病院で診察を受けましょう。
呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒュー、グーグーといった音が聞こえる場合は、気道が狭くなっているサインです。
これは喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる症状で、猫喘息・慢性気管支炎・気管の異常などで起こります。
空気が狭くなった気道を通るときに音が生じる状態で、猫が酸素をうまく吸えていないことを示しています。
先述した努力性呼吸や口呼吸ほどの緊急性はありませんが、いずれにせよ動物病院での診察などは必要です。
ゴロゴロという喉鳴りとは明らかに違う、苦しそうな音が聞こえたら、その場で動画を撮影したうえで、動物病院で相談しましょう。
呼吸の異常に加えて、以下のようなようすが重なっている場合は緊急度が高まります。
これらが重なっているなら、ただちに動物病院へ連れて行く必要があります。
特にチアノーゼは非常に危険であり、夜間病院を検索してでも緊急で受診させる必要があります。
以下の方法で、夜間・休日などでも診療している動物病院を検索し、動物病院へ連れて行きましょう。
一方で、何らかの病気によって、猫の呼吸が乱れている可能性もあります。運動や一時的なストレスで説明できないほどようすがおかしいなら何らかの病気かも知れません。
考えられる病気の種別は、大きく分けて4種類に分けられます。
やはり呼吸器や心(臓)に関する疾患である可能性が高いです。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫は呼吸器が弱い傾向にあり、呼吸が乱れている場合は以下の疾患が考えられます。
人間と同様に、猫も気管支を傷めたり、喘息になったりします。いずれの場合も抗ウイルス薬のやステロイド剤の投与が必要であり、獣医に診せる必要があるでしょう。
気管支炎の場合は食欲不振や咳が、猫喘息の場合はよりひどい咳や喘鳴(ヒューヒューした音)が認められます。
猫風邪は、多くの猫が発症するものであり、大した問題にはなりません。子猫期や老齢期などをのぞけば、安静にしておけば完治しうるものです。
しかし猫風邪だと断定するのがむずかしく、大病を見逃さないためにもできれば動物病院へ連れて行きたいところです。
お腹が動くくほど呼吸が乱れているのは、心疾患のサインかも知れません。これは症状が重い、あるいは治療が困難であるケースが多いです。
特に心筋症は発症率が高い疾患で、多くの獣医がその危険性を警告しています。
心疾患が起こった場合、呼吸の乱れとともに、多くは以下の症状が伴います。
こういった症状がともなうなら、ただちに診察を受ける必要があるでしょう。
胸の中に水や空気がたまる「胸腔の異常」でも、お腹が大きく動くほど呼吸が乱れることがあります。
考えられる疾患には以下のものがあります。
これらの疾患では、胸腔内に液体や空気がたまることで肺が十分に膨らめなくなります。呼吸が浅く速くなり、少しの動きで息が上がるようすが見られることが多いです。
特に注意したいのが気胸や横隔膜ヘルニアなど、呼吸や臓器に著しい影響を与える疾患。初期の胸水程度なら緊急性はさほどでないものの、これらの危険な疾患が考えられる以上は、すみやかな診察と治療は欠かせません。
お腹が激しく動くほど呼吸の乱れは、以下の消化器疾患の兆候かも知れません。
消化器疾患の場合は、涎を垂らしたり、粗相をしたりするようすが多々見られます。
単なる便秘などの可能性もありますが、急性胃腸炎や大腸炎などはすみやかな診察が必要な疾患です。心疾患などと同様、すみやかに診察を受ける必要があるでしょう。
そのほかにも、以下のような病気が考えられます。
血栓塞栓症とは、血管に血栓がつまり、血液の循環が停滞する疾患です。非常に強い痛みがともない、その結果として呼吸が激しくなります。
中耳疾患は、別名鼻咽頭ポリープと呼ばれる腫瘍のようなもの。3歳未満の若年齢猫によく見られる疾患です。
また食中毒やアレルギー反応、または骨折など外科的な原因で呼吸が乱れるケースも。骨が折れている場合は、動き方に特徴が見られることがあります。
後述しますが、骨折に関しては動かすと強い痛みをともなうため、無理に体を動かさないのが重要です。
体が動くほど猫の呼吸が乱れている場合、動物病院へ連れていくか、それともようすを見るか判断する必要があります。以下の手順で対処しましょう。
基本的に呼吸の回数とエマージェンシーサインを確認すれば、どういう状態かある程度把握できます。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、猫の呼吸の回数を確認しましょう。正常な回数は、毎分20〜40回です。下記の動画を参考にして比較しましょう。
毎分40回以上呼吸しているなら、通常よりも早いペースです。それが継続するなら、動物病院へ連れて行ったほうがよいでしょう。
しばらくして呼吸が落ち着いても、問題が残っている可能性があります。それを判断するため、各種疾患の兆候、いわゆる「エマージェンシーサイン」を確認しましょう。
これらのサインがはっきりと、あるいは数多く出ているなら、明らかに普段とは様子が違うはずです。すぐに「4.問題がありそうなら病院へ連れて行く」を参考に行動してください。
エマージェンシーサインが出ていない、あるいは出ているかどうかはっきりしないなら、しばらく安静にさせてようすを見ましょう。
このとき注意したいのが体勢を変えてはいけない点です。
猫はおそらく、呼吸が楽にしたり、痛みをおさえたりするため、このような姿勢を取ります。体勢を変えてしまうと、呼吸が困難になる、痛みを感じるなどの問題が起こります。
したがって、体勢を変えずに見守りましょう。
安静にしても呼吸が落ち着かない、もしくはエマージェンシーサインがともなう場合は動物病院へ連れて行きましょう。
生死にかかわる疾患を発症している可能性が否定できないことから、ただちに連れて行くことを推奨します。
なお近年は土日や深夜でも診察を実施する動物病院が増えています。
(引用:夜間・救急動物病院マップ)
夜間・救急動物病院マップを使えば、地図上から対応可能な動物病院を検索できます。診療時間外の場合はこれを利用しましょう。
猫の呼吸に問題があるなら、可能であれば動画を撮りましょう。息の吸い方やお腹の動き方のようすの記録が、診察に役立つからです。
自宅にいる時点で猫の呼吸が乱れがあっても、動物病院に着くころには落ち着いてしまうことがあります。これでは、何が原因で息が乱れたのか、何の病気か特定するのが困難になります。
しかし猫の呼吸が乱れた、つまり症状が発生したときの動画があれば、獣医はより正確な診察をおこなうことが可能。
動物病院に着いたら、獣医師にできるだけ正確な情報を伝えましょう。これを知っておけばより正確かつ迅速な診察を受けられます。
伝えておきたい情報は以下のとおりです。
また、撮影した動画もあわせて見せると、獣医師が状態を把握しやすくなります。
呼吸の異常は、症状が出たときにはすでに病状が進んでいることが少なくありません。日頃からできるケアと定期的な健診で、早期発見・予防につなげましょう。
これを意識するだけでも、呼吸のトラブルや各種の疾患や重篤化を予防できます。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
もっとも重要なのは定期検診を受けること。
猫の心臓病や呼吸器疾患は、初期症状がほとんど出ないまま進行することが多いです。飼い主が「おかしい」と気づいたときには、すでにある程度悪化しているケースも珍しくありません。
しかし、定期健診では聴診・レントゲン・エコー検査などを受けられます。これで、外からは気づけない異常を早い段階で発見できます。
年に1回か2回は、定期検診を受けると安心。また、高齢猫の場合は頻度を増やす選択肢もあります。
合わせて、日頃から安静時の呼吸数を記録しておくことも有効です。数値の変化が、病院へ行くタイミングの判断材料になるでしょう。
費用に関しては、コースにもよりますが5,000〜15,000円程度。また以下のように季節に合わせてキャンペーンを実施するので、これを利用するのもおすすめ。

出典:ひらた動物病院
呼吸トラブルの一因になる熱中症・肥満・ストレスは、日常の環境を整えることである程度防げます。
室温は夏場でも28℃以下を目安に保ち、猫が自分で涼しい場所へ移動できるよう複数の居場所を確保しましょう。
また、タバコの煙・芳香剤・香水などは気道への刺激になるため、猫のいる空間での使用は避けることをおすすめします。
さらに、肥満は心臓や肺への負担を増やし、呼吸器トラブルのリスクを高めます。適切な食事量と、キャットタワーやおもちゃを使った適度な運動で、健康的な体重を維持しましょう。
このように呼吸と体重管理を徹底することで、呼吸に関する問題をある程度防げます。
部屋の空気をきれいに保つのもよい方法です。
猫は空気の汚れに敏感であり、空気中のアレルゲンや刺激物で呼吸が乱れたり、疾患を発症したりする可能性があります。
したがって室内の空気環境を整えることが、疾患予防の面から重要と言えるでしょう。
特に注意したいのは以下のものです。
空気清浄機の使用も効果的です。猫のトイレ周辺や寝床の近くに置くと、ほこりや微粒子を継続的に除去できます。
猫は1日の大半を室内で過ごします。だからこそ、部屋の空気をきれいに保つのは大切です。
本記事では、猫の呼吸が、お腹が激しく動くほど乱れた場合の対処に関して解説しました。運動直後、温度調整など原因が明らかな場合をのぞいて、できる限り早く動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
ここでは、よくある質問に対して回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず「ゴロゴロ」という音が鳴るのは異常ではありません。これは人間でいう「喉仏」の部分が震える音です。
ゴロゴロとした音が鳴るのは、猫がリラックスしていて、上機嫌であることを示します。したがって特別に心配する必要はありません。
ただし「ゴロゴロ」の音が、何かを要求するサインであることもあります。ずっと同じ音を出しているなら、何を求めているか察知して応える必要がありそうです。
「グフグフ」という音は、鼻詰まりの兆候です。単に鼻水が溜まっているだけで、基本的には問題ではありません。ただしあまりにも長期にわたってこの音が聞かれる場合はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などが疑われるため、動物病院で診察を受けるようにしましょう。
「口呼吸をしだすと余命がわずか」という情報が聞かれますが、結論からいえば誤りです。
猫は通常、鼻で呼吸するため、口呼吸自体は異常な行動です。動物病院へ連れて行くなどの対応が求められるでしょう。
しかし異常であっても、重篤な疾患であるとは断言できず、また余命がわずかであるのを示すわけでもありません。
ただし猫がきわめて高齢である、もしくはすでに何らかの疾患を抱えている場合、口呼吸は死の兆候である可能性があります。
本記事では、猫の呼吸の乱れに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫の呼吸が乱れた場合、それが長く続くなら、何らかの疾患が予想されます。
もちろん、単に少し興奮していただけかも知れません。しかし、そうではない場合に適切な治療を受けられないのが懸念点です。
少しでも疑わしいと思ったら動物病院を訪れるようにしましょう。また心疾患などは発見が遅れると重症になりうるので、できるだけ早く診察を受けさせることを推奨します。
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