2025.03.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
猫がケージから出たがるには、いくつかの複雑な理由があります。理由に応じて、対策したり、ときには外に出したりする工夫が必要です。
本記事では猫がケージから出たがる詳細な理由や対策を解説するので参考にしてください。
猫がケージから出たがる理由は、大きく分けて5つあります。
もっとも多いのは、ケージ飼育に対してストレスを感じているケース。また、好奇心や狩猟本能、さみしさが関係していることも。
体調を崩しているケースもあり、その場合は素早い対応が必要です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ケージ飼育に対してストレスを感じている可能性があります。
猫は、基本的には閉じ込められるのを嫌う動物で、ケージから出たがるのは当たり前の反応です。
特にケージに入った経験がない、そのトレーニングを実施していない場合は、より強く外へ出たい気持ちを訴えてくるでしょう。
また野良出身の猫は自然環境を走り回るのが当たり前だったため、自由に動けないとより強いストレスを感じるでしょう。
一方でケージが大きく、衛生環境も整い、快適な場合は、むしろ気に入って入りたがることもあります。
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また、自分自身のテリトリーが侵されていないか、確認したがっている可能性もあります。
猫は強い縄張り意識を持っており、常にパトロールして、外敵がテリトリーに存在しないか確認します。
しかし、ケージに入れられるとパトロールを実施できません。その欲求が満たされず、外へ出たがるケースが多々あります。
特に外に出かける習慣があり、広いテリトリーを有する場合は、この傾向が強まります。
また、好奇心や狩猟本能がはたらいているかもしれません。
個体差はあるものの、基本的に猫はものごとに対する強い興味を持っています。また、特別に飢えていなくても、狩猟本能はある程度はたらきます。
ケージのなかにいては、好奇心や本能からくる欲求が満たされないため、外へ出たがるわけです。
また、去勢・不妊手術を受けていない場合は、異性猫との出会いを求めて、外へ出すように強く訴える傾向があります。以下のように夜鳴きがともなうことも。
猫の発情期特有の行動は、飼い主にとっても大きな負担です。ケージ飼育はさておき、去勢・不妊手術を受けるのを推奨します。
体調を崩しているから、ケージから出たがっているのかもしれません。
猫は、怪我や疾患があるとき、それを隠すために、狭くて暗いところへ行きたがります。
これはケージのような環境ではなく、押し入れの奥部や軒下など、陽の光すら届かないような場所です。
しかし、ケージにいては、そのような場所に身を潜められません。
もしケージ飼育に慣れているにもかかわらず、突如として強く外に出たがるなら、体調不良の可能性が高いでしょう。
また、スキンシップがなくさみしさを感じているのかもしれません。
猫は、気まぐれながら、ある程度飼い主とのスキンシップを求めています。甘えてきたり、じゃれてきたりするところからも、それがわかります。
しかしケージにいては、飼い主とはアイコンタクト程度のスキンシップしか交わせません。
外に出て飼い主と触れ合いたいがため、ケージ外へ出すことを要求するケースが多々あります。
猫がケージから出たがるとき、理由に応じて対処するのが大切です。
おやつを与えるなどしてストレスを軽減する 外の景色などが見えるようにする 飼い主が見える位置にケージを配置する ケージから出して自由に行動させる 病院へ連れて行って診察を受ける
工夫によって、猫をケージ内にとどめられます。しかし、状況によっては外に出したり、病院へ連れて行ったり、柔軟に対応するのが大切です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、おやつを与えるなどしてストレスを軽減しましょう。
猫がケージから出たがる理由でもっとも多いのはストレスですが、これをある程度解消すれば問題は解決可能。
チュールなどを与えて、満足感を与えましょう。すべてのストレスが解消されるわけではありませんが、ある程度は精神的な負担を減らせます。
おやつのほか、猫が喜ぶおもちゃや、飼い主の匂いが染み付いた衣類などを与えるのも有効。
ただし、ケージのなかで暴れられるとけがにつながるので、おもちゃ類は以下のようなぬいぐるみタイプを与えるのがおすすめです。
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また、外の景色などが見えるように配慮するのもポイントです。できれば屋外の景色が見えるようにしましょう。
先述のとおり、猫は自分自身のテリトリーに外敵が入っていないかを相当に心配します。
しかし家の中のようすや屋外の景色が見渡せる場所なら、その欲求にある程度応えられます。
なお、屋外でも使用できるケージを使い、日向ぼっこさせる飼い主も。
屋外ケージで、日向ぼっこ。
春の訪れを感じる、この暖かさ。#ねこ #ネコ #猫 #cat #猫好き #猫好きな人と繋がりたい #屋外ケージ #日向ぼっこ #春の訪れ pic.twitter.com/QPqxZ2C0xl— カツヤナギ (@saihoku_hobito) March 20, 2023
猫の性格や周辺環境にもよりますが、屋外ケージに出す習慣があるとよいかもしれません。
飼い主が見える位置にケージを配置するのも有効です。
猫は、多少ストレスを感じていても、飼い主の姿を見れば安心することがあります。
たとえばキッチン仕事をしている飼い主の背中が見えるような角度に置くとよいでしょう。リビングに集う家族全員が見えるような位置もおすすめです。
また、飼い主の声や家族の会話が聞こえるようなポジションを取るのもおすすめ。
ケージに入れ続けるのがむずかしいケースでは、出して自由に行動させるのがよいでしょう。
あまりにも強く外へ出ることを訴えるなら、そのままケージ内にとどめるのはおすすめできません。外に出してからは、本人の気のままに行動させるとよいでしょう。
スキンシップを求める場合は、きちんと応えるのがおすすめです。
落ち着いたら、またケージに入れるのがよいでしょう。ただし、少しでも環境に慣れさせるための準備は必要。
これに関して「猫をケージに入れるのはかわいそう?必要性やメリットを解説」で解説しているので、本記事と併せて参考にしてください。
また、以下のように大型のケージに切り替えるのも有効です。
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体調不良が疑われるなら、病院へ連れて行って診察を受ける必要があります。
特に子猫の場合は、体調を崩しやすく、ケージ飼育が影響したのかもしれません。
ただちに外に出し、休ませたうえで病院へ連れて行きましょう。その後、治療が終わってから、ケージ飼育に戻すのを推奨します。
なお、獣医師に意見を聞くのもよいでしょう。ケージに入れてよいのか、それとも出したほうがよいのかを聞ければ、今後の飼育に役立ちます。
猫がケージからでたがるのを避けるためには、ケージ内の環境に慣れさせる必要があります。以下のポイントを理解し、実践しましょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、少しずつケージに入っている時間を長くして、慣れさせる方法があります。
猫は環境の変化に対し敏感であるため、突如、長時間のケージ飼育に切り替えると強いストレスを感じます。これを避けるため、最初は数分のケージ内での生活に取り組ませましょう。
その後、少しずつケージのなかで過ごす時間を増やして慣らし、最終的には問題なくケージ内で過ごせるようにします。
この方法を用いれば、多くの場合、ケージでの暮らしに抵抗を示さなくなります。
また、最初のうちは出入り可能な環境でケージ飼育をおこなうのも効果的です。
猫がケージ内でストレスを感じる大方の原因は、入り口が施錠され、自由に動き回れない点です。しかし、出入りができる状態なら、そのようなストレスはあまり生じません。
最初のうちは施錠せず、少しずつ慣らしましょう。慣れてきたら鍵を閉め、本格的なケージ飼育に切り替えます。
また、ケージ内の環境を清潔にするのも大切です。
猫は、不潔な環境を徹底に避ける傾向があります。ケージ内の清掃が行き届いていない場合、相当なストレスを感じるでしょう。
したがって、定期的にケージを掃除して、清潔に保つのが重要です。ケージ内にトイレを置いているなら、それもきちんと清掃しましょう。
大きなサイズのケージを用意すれば、新しい環境により慣れやすいです。
行動が制限される点は、猫がケージ内での生活を嫌がる大きな要因の一つ。しかし大きなケージであれば、自由に動けるため、猫にとって受け入れやすくなります。
以下のように、大人の背丈ほどある大型ケージがあるとよいでしょう。
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猫は昇降活動を好むため、階層が複数存在するものであれば、なおケージ飼育に慣れやすいです。
費用は、ケージのサイズやブランドにもよりますが、10,000〜30,000円程度と考えましょう。また、大型ケージの設置にはスペースの確保が必要です。
どこに置くか、どう模様替えできるか、事前に考えておきましょう。
本記事では、猫とケージに関して解説しました。ここでは、よくある質問に回答します。
特に子猫のケージ飼育に関しては、体調管理を実施するうえでよく理解しておく必要があります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
子猫がケージからでたがるのは、状況によっては無視してよいでしょう。
ケージ内での生活を覚えてもらう必要があったり、同居猫と隔離したりする必要があるなら、出すべきではありません。
しかし体調不良や大きなストレスの発生が考えられるなら、ケージから出す必要があります。特に子猫期は、体調を崩しやすく、出たがるのがそのサインかもしれません。
子猫をケージ飼育する場合、出たがる理由が何なのかよく観察し、体調不良やストレス過多があると考えられるなら、適切かつ迅速に対応しましょう。
先述のとおり、子猫の飼育ではさまざまな知識や配慮が必要です。これに関しては「子猫の育て方・しつけ方・ミルクのあげ方・注意点などを一挙解説」で解説しているので参考にしてください。
ケージでの留守番は、半日が限界と考えましょう。
猫にとって、ケージ内での生活と飼い主がいないなか一人で過ごすこと、いずれも大きなストレスです。
その状態で何日も一人で留守番させるのはむずかしいでしょう。したがってケージでの留守番は半日程度でとどめるのがおすすめです。
なお、数日にわたって留守番する場合、ペットホテルを利用するのがおすすめ。
ペットホテルに関しては、「ペットホテルとは?料金や特徴、利用時に猫にストレスを感じさせないための工夫」で解説しているので参考にしてください。
猫が自分からケージに入る理由は、そこを寝床だと認識して、気に入っているからです。
たとえばケージ飼育に慣れ親しんだり、小さい頃からケージに入ったりするのが習慣になっている場合、このような習性を持つ傾向が強いです。
「ケージに入るたびにおやつやおもちゃをもらえる」などの成功体験を積ませたり、ケージ内の環境を整備したりすると、ケージ嫌いを克服できるかもしれません。
その結果、「自分から入る」ようになる可能性があります。
猫が自分からケージに入るようになれば、飼育は楽になります。ぜひ工夫を凝らして、ケージ嫌いを克服しましょう。
ケージに入れたときに猫が鳴くのは、ある程度仕方ない部分があります。ケージ内の環境に慣れるまで、可能な範囲でお互いに我慢するのがよいでしょう。
どうしてもうるさいなら、おもちゃやおやつを与えたり、少し外に出したりして、ストレスを発散するのが効果的。
それでも鳴き声がおさまらないなら、そもそもの性格がケージ飼育に向いていないのかもしれません。猫にとって不得意な環境で過ごさせるのは、健康状態や信頼関係に影響する可能性があります。
ケージ飼育にうまく順応できた場合は別として、どうしてもケージを嫌がるなら、放し飼いに切り替えたほうがよいかもしれません。
本記事では、猫とケージに関して解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
基本的にケージは、猫にとって快適とは言い難い環境です。
特にケージ内で暮らした経験がない、少ない猫にとっては、大きなストレス要因になりがち。
しかし、トレーニングしたり、環境を改善したりすれば、すんなりと入ってくれるケースが多いです。
一方で、無理にケージ内で飼育する必要はありません。猫の性格や環境などに鑑み、ケージ内での飼育を避けるなど、柔軟に対応しましょう。
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