2024.10.31
猫は食に関して独特のこだわりや習慣を持っています。特にドライフードに関してそれらが強く反映され、飼い主を悩ませることがあります。
とはいえ、よくある話であり、きちんとした知識を持って対処すれば大きな問題にはなりません。
本記事では猫がドライフードを食べない理由と対策に関して解説します。合わせて、猫が健康に食事するための環境作りに関しても触れているので参考にしてください。
もくじ
猫がドライフードを食べない原因として以下が挙げられます。
冒頭でも述べたとおり、猫は食に関してこだわりを持っており、意外な理由でドライフードを受け付けなくなることがあります。さらに年齢や体調が関係していることも。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、猫の好き嫌いが考えられます。これがもっとも多い原因となるでしょう。
一般的に猫は魚類や肉類を好むとされています。
しかしどのような魚種、肉質を好むかは個体によってそれぞれ。白身が好きな猫もいれば、ささみばかりを食べる猫もいます。
また特定の魚種や肉質、あるいはフレーバーが受け付けないケースも。猫には好き嫌いがあることを理解し、ある程度好みに合わせてやる必要があるでしょう。
この場合は、ドライフードを別なものに変えるのがおすすめ。メーカーやフレーバーを変えるだけで、食欲を取り戻すことがあります。
アソートパックなどを購入すれば、猫の好みを見つけやすくなるでしょう。
また、ドライフードをふやかすだけで食べるようになることも。少量の水を加えて、電子レンジで10秒ほど温めてみましょう。
匂いが引き立ち、歯触りも変わるため、おいしく食べるようになるかもしれません。
また、猫特有の飽き症によって、ドライフードを食べなくなったのかもしれません。
猫は自分自身の健康を保つため、いつも口にしているものを「飽きる」ような機能を持っています。これは専門用語では「ネオフィリア」と呼ばれる特性。
特性はそれなりに強力なもので、何度促してもまったく口をつけないことがあります。
またネオフィリアを矯正するのはむずかしく、根本的に飽き症を改善するのはむずかしいでしょう。
対策としては、上述のように、ドライフードのメーカーやフレーバーを変えるのがおすすめ。匂いが変わるだけで、食欲を取り戻すことがあります。
また、いくつか確実に食べるフレーバーを特定して、それを常にストックしておきましょう。
そうすれば、あるフレーバーに飽きてしまったとき、取り替えることで、ローテーションで回していけるようになります。
もちろんドライフードだけではなく、猫缶なども活用していきましょう。
またドライフードがしけってしまうなどして、美味しくなくなったのかもしれません。これは、いわゆる「置き餌」を実施している場合にありがちです。
ドライフードは、放置していると湿気てしまい、風味や香りが悪くなります。場合によっては、腐ったりカビが生えたりすることも。
一方で猫は臭いに対してきわめて敏感であり、ほんのわずかな劣化や腐敗を察知して、ドライフードを食べるのを嫌がることもあります。
したがってこの場合は新しいドライフードを与えるようにしましょう。
また置き餌を実施していた場合は、改善することを強く推奨します。置き餌をやめれば、猫の食中毒、肥満なども防止できるようになります。
ぜひ「食べるときにだけドライフードを新しく出す習慣」を身につけましょう。
なお、近年は以下のような、保存に便利なドライフード専用のストッカーも販売されています。
出典:Amazon
こういったものを使って、保存に役立てると便利です。
何をやってもドライフードが舌に合わず、猫が食べないケースがあります。その場合は別なものを購入し、与える必要があるでしょう。
そうすると、古いドライフードは廃棄する必要がありますが、これに抵抗を覚える人は少なくありません。
であれば、動物愛護団体に寄付するのがおすすめです。
多くの団体は猫用グッズ不足に悩んでおり、特にドライフード不足は深刻。したがって余ったものを寄付すれば、相当に喜ばれるでしょう。
私たちねこほーむも、動物愛護団体であり、ドライフードをはじめとした物資の寄付を常に受け付けています。
またドライフードの皆らず、猫砂やタオルなどの寄付も受け付けています。
寄付を検討していただける方は、ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。
人間と同様に、年齢を重ねた結果、昔ほど食べられなくなっているかもしれません。
単純に食べる量が少なくなり、回数も減少するでしょう。
特に猫にフィットしないドライフードを与えている場合、この問題は起こりがち。
ドライフードには「〇歳向け」「シニア用」などと記載されています。これと猫の実年齢が一致していない場合、食べなくなるケースが多々あります。
改善策としては、やはり年齢に見合ったドライフードを与えること。ついでにフレーバーなどが変われば、食欲を取り戻すかもしれません。
また特に高齢な場合は、歯や顎の力が弱体化し、ドライフードを噛み砕けなくなっている可能性もあります。その場合は上述したように電子レンジでふやかすなどして、与えてみるのがよいでしょう。
関連記事▶︎キャットフードの正しい選び方は?猫にとってベストな選択肢
特に注意が必要なケースとして、病気や体調不良が原因でドライフードを食べられなくなっている可能性があります。
特に多いのが口内炎です。
出典:笠松動物病院
口内炎を発症した際、ドライフードを頬張ると患部が刺激されます。それを嫌がり、ドライフードを食べなくなるケースが多々あります。
事例は多くありませんが、上図の口腔がんや歯周病が生じていることも。
さらにウイルス感染症や消化器関連の病気を抱えているかもしれません。
猫がドライフードを食べなくなることは多々あるのですが、問題の解決も基本的には容易です。
しかし何を試しても食べられない時期が続くなら、何かしらの疾患を疑いましょう。またその段階に至った場合は、なるべく早く動物病院へ連れていくのを推奨します。
そのほかにも以下の要因でストレスを感じ、ドライフードが食べられないのかもしれません。
猫は繊細な生き物であり、多少模様替えしただけ、少し大きな工事の音が鳴っただけで、ストレスを感じることがあります。それが長期化すると、食欲が落ちて、ドライフードをかじれなくなることも。
ただしよほど大きなストレス要因でない限り、しばらくすれば順応して、ドライフードを食べられるようになるでしょう。
猫は、さまざまな要因で食欲を失う傾向があります。環境を整えなければ、ドライフードに限らず、十分な食事を摂らなくなるかもしれません。
したがって猫の食欲が増進するような環境を、飼い主がある程度整える必要があります。その具体的なポイントとして以下が挙げられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、安心して食事ができる場所を作りましょう。
猫は食事中、ほかの猫などに見られたくない、関わられたくないという心理を抱いています。また、可能な限り毎日同一の場所であってほしいとも感じます。
その心理を踏まえて、食事場所は静かで、飼い主やほかの猫の目が届きにくい場所としましょう。リビングやキッチンの端っこなどがおすすめです。
また、一度決めた食事場所は、なるべく変えないようにしましょう。
ただし、あまりにも入り組んだ場所だと、給餌や清掃が困難になるので注意してください。
また、食器を清潔に保つのも重要です。きれいにしているだけで、猫の食欲を高められるでしょう。
先述したとおり、猫は匂いに敏感であり、腐敗やカビなどの匂いをすばやく察知します。またそのような匂いが付着したドライフードは、やはり好んで食べようとはしません。
したがって、食器は毎回洗うなどして、常に清潔な状態にしましょう。
なお猫の食器は人間が利用する一般的な食器用洗剤で洗って問題ありません。ただし、すすぎ残しなどには注意しましょう。
また食器だけでなく、食事場所自体をきれいにしておきましょう。
ドライフードなどが飛散して汚れないよう、いわゆる「食べやすいフードボウル」を使うのもおすすめです。
また食事の時間を一定にするのも重要です。これだけで、安定して食欲が得られるようになるでしょう。
猫は規則的な生活リズムを好み、そのなかでパフォーマンスを整える傾向にあります。一方で不規則な生活が続くと、体調を崩し、やはり食欲に影響が生じるでしょう。
規則的な生活を作るため、食事の時間はできる限り毎日同じにしましょう。それが習慣づけば、猫の健康状態も向上します。
また食事の時間を固定すると、食欲の変化などにも気づきやすくなります。そうすると体調を崩したときにすばやく察知できるため、疾患などにも対応しやすくなるでしょう。
猫が過ごしやすい室温と湿度を保つのも大切です。猫にとって適切な条件は以下。
猫は極端な温度を嫌い、特に湿度には弱い傾向にあります、あまりにも多湿だと体力の消耗が激しくなり、食欲に影響するでしょう。
したがって可能な限り、上記の室温・湿度を保つのが推奨されます。
なおこの条件は、人間にとっても過ごしやすいものです。適切な室温と湿度を選択し、猫も飼い主も心地よく過ごせる環境を整備しましょう。
本記事では、猫がドライフードを食べない場合の原因や解決法などを解説しました。
ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
よほどの問題がない限り、特に対処は必要ありません。
猫がドライフードを丸呑みする理由として、大きく分けて3つ挙げられます。
まず、猫は早食いの傾向があります。さらに消化能力がきわめて高いため、丸呑みしても問題ありません。
そもそも食物をすりつぶす習慣も、舌も歯も持っていないため、ある意味で当然のことです。つまり猫は「丸呑みが基本」であるため、特別に対処する必要はないでしょう。
ただし、何度も吐き戻しをするなら、胃腸炎などが疑われるため、きちんとした診療を受ける必要があります。
原因として以下が考えられます。
もっとも多いのは、一時的におやつなどにハマっているパターンです。これは一時的なもので、しばらくすれば治ります。
心配されるのは、体調不良の可能性。ドライフードを食べず、具合も悪そうにしているなら、動物病院へ連れて行くなどしましょう。
夏になると、食欲が落ち、ドライフードを食べる量が減ることがあります。いわゆる夏バテです。
スタジオの前に寝てた猫🐈
長い夏の終わりがずるずると続いていて
夏バテか諦めてるのか微動だにせず pic.twitter.com/4Chfn06TbE— misobe:エロイカ強化期間 (@misobe_m) September 14, 2024
猫は元来、砂漠地帯に適応する特性を持っていますが、湿度の高い日本の夏気候には向いていません。猫種によっては、湿度にかかわらず、夏自体が苦手、というケースもあります。
合わない気候が原因で体力を消耗し、ドライフードを食べる量が減る傾向があります。
ただし、夏バテしたからといって、まったく食べなくなるわけではありません。もし一粒も食べるようすがないなら、何らかの疾患を疑ったほうがよいでしょう。
本記事では猫がドライフードを食べない問題に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫がドライフードを食べない問題は、ある程度の工夫で対応できます。
しかしそのような問題が頻発していると、栄養面に影響が生じるでしょう。
それを防ぐためには、そもそも食事がしやすい環境を整えるのが重要。本記事を参考に食事環境を整備するとよいでしょう。
関連記事