2025.06.30
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
猫と一緒に地震に遭遇した場合は、まずは飼い主の安全を確保し、そのうえで猫を守る必要があります。
また避難所に向かう際は、飼い主と猫が一緒に行動する「同行避難」が強く推奨されています。
しかし、そのためには事前の準備が必要で、また避難をすみやかにおこなう知識も必要。
本記事では猫と一緒にいるときに地震が起きた場合の対応に関して解説するので参考にしてください。
もくじ
猫と一緒にいるときに地震がくる前に、事前に安全策を講じるのが重要です。
具体的には以下の点が挙げられるでしょう。
まずは最低1週間分の水と食料は必要です。
また、避難所に関して確認し、さらに家族が必要な物資も用意する必要があります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
人の分だけでなく、猫用のフードや飲み水を、最低1週間分は備蓄しておきましょう。ウェットフードよりも保存がきくドライフードがおすすめです。
一般的に、被災地に対する支援が到達するのは災害発生後から48時間〜72時間後だとされます。
つまり、それまでは自身が用意した物資だけが生命線となるでしょう。だからこそ、事前の準備が重要です。
また、普段と違うフードは食べない猫も多いため、「慣れているごはん」をストックしておくと安心です。
そのほか猫砂や排泄物処理用の袋、食器なども準備しておきましょう。
もちろん、48時間で支援が到達するケースもありますが、一方で1週間以上経っても孤立するかもしれません。
その可能性も踏まえて、1週間分の備蓄があれば安心できるでしょう。
避難所は誰でも利用できるとは限らず、ペット同伴を受け入れていないところもあります。
自治体のハザードマップやホームページで、あらかじめ近隣の避難所を確認し、「ペット同伴可能」かどうかも調べておくと安心です。
「ウチトコ動物避難所マップ」では、ペットの受け入れでは、全国から動物の避難が可能な避難所を検索することが可能。
(出典:うちトコ動物避難所マップ)
また、ペット可の避難所が少ない地域では、車中泊や知人宅への避難を想定しておくのも一つの選択肢です。
家族全体が、避難に必要な物資を揃えておきましょう。最低限必要な物資として以下が挙げられます。
避難時に必要なものは、「首相官邸-災害の「備え」チェックリスト」も参考にしてください。
猫はもちろんですが、家族全員が無事に生存できるための物資を揃えるのもきわめて重要です。可能な限り買い足して、避難時に役立てましょう。
続いて、家具をきちんと固定して、転倒しないようにしましょう。
固定すれば、猫が家具の下敷きになる事態を避けられます。
転倒防止用ストッパーなどを用いて、家具を固定しましょう。
(出典:Amazon)
ストッパーは、1つ数百円から購入できます。
家具の転倒を防止すれば、避難経路も確保しやすくなります。たとえばタンスが倒れて逃げ道が塞がれるなどの事態が避けられるでしょう。
猫だけではなく、飼い主や家族の命を守るうえでも転倒防止用ストッパーは重要な役割を果たします。
可能であれば、普段からキャリーケースでの移動に慣れるためのトレーニングを積んでおきましょう。これは、猫と飼い主の命を守るうえできわめて重要な取り組みです。
猫は、動物病院で注射を受けた経緯から、キャリーケースに入るのをひどく嫌う傾向にあります。
しかし、地震が発生し一刻も早く避難しなければいけないときにわがままを言われると、飼い主と猫両方の命が危ぶまれるでしょう。もしくは、同行避難を断然せざるを得ないケースも想定されます。
これを防ぐためにも、普段から数分〜数十分だけキャリーケースに入るなどして、慣れさせましょう。
キャリーケースに自ら入るような挙動が見られれば、トレーニングは完了したと判断できます。
猫と一緒にいるときに地震が発生した場合は、冷静かつすみやかに対応する必要があります。
以下を頭に入れておき、地震発生時も落ち着いて行動できるようにしましょう。
第一に、飼い主自身の安全を確保する必要があります。そのうえで、猫を守ったり、避難したりするための行動を取りましょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まずは、自身の安全をきちんと確保しましょう。
地震が起こっている間は、布団を被ったり、机の下に隠れたりして、落下や衝撃をやり過ごします。
地震がおさまったら、まずは火の元を確認しましょう。ガスコンロやヒーターを止めて火災を防ぎます。
また、タンスや戸棚などには近寄らないようにしましょう。
家族や子供がいるなら、彼らの安全も確保する必要があります。
このように自身の安全が確認できてから、猫を守る行動を取りましょう。
地震が発生したあと、避難所に避難する必要があれば、移動の準備を始めます。
まず、バスタオルで猫を包むようにしてキャリーケースに入れましょう。
バスタオルを使うのは、興奮した猫に引っ掻かれたり、噛み付かれたりするのを避けるためです。
また、バスタオルはキャリーケースのなかに入れて問題ありません。むしろ防音材やベッドの役割を果たすため、猫の精神的な安定を助ける材料になります。
同時に、必要最低限な物資などを持ち、猫と飼い主、家族全体で避難所へ向かう体制を整えます。
飼い主や家族の避難準備が整ったら、避難所に向かいましょう。
このとき、猫が決して外に逃げ出さないようにします。被災地での脱走は、捜索がむずかしく、発見するのが非常に困難になります。
キャリーケースの扉は、決して開けないようにしましょう。
避難所に向かう際は、余震の影響や事故などに十分注意します。
また夏場や冬場の場合は、温度管理にもある程度配慮しましょう。
なお、避難所の位置はYahoo!天気・災害などで簡単に検索できます。
(出典:Yahoo!天気・災害)
ペットの同行避難を受け入れられない避難所もあるため、注意してください。
避難所に到着したら、指示に従い行動しましょう。
避難所では、猫はたいてい以下いずれかの方法で管理されます。
避難者同士のトラブルを避けるため、かならず指示には従いましょう。
避難所に到着してからは、猫がキャリーケースから脱走しないように徹底します。また猫のストレスに鑑み、帰宅可能であれば、すみやかに戻るのを推奨します。
猫を地震から守るためには、工夫だけではなく、防災・避難・猫用グッズを活用するのが大切です。これらを買い揃えておけば、地震発生時、避難時の対応が容易になるでしょう
これらをすべて買い揃えたとしても、10,000円以下でおさまります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ハーネスは、避難時や避難所での生活で役立つグッズです。
ハーネスがあれば、キャリーケースがなくても、なんとか避難することが可能。
猫を外に出しても、ハーネスさえ握っていれば脱走の危険はありません。
また脱走した場合も、ハーネスを猫の特徴として挙げられるようになり、目撃情報などを得やすくなります。
キャリーケースはかならず必要ですが、合わせてハーネスも用意しておくとよいでしょう。
可能であれば、GPS追跡装置も利用しましょう。
これは首輪などにGPS機能が搭載され、「迷子になったときに居場所を追跡する」ためのものです。
(出典:Amazon)
避難時や避難所での生活においては、猫の脱走が容易に考えられます。たとえばあやまってキャリーケースの鍵を開けてしまい、外に飛び出すなどのケースが考えられるでしょう。
屋外だった場合、その場で捕獲できた場合は別として、むずかしい捜索をおこなう必要があります。
しかしGPS機能で居場所を追跡できるなら、再会できる可能性は大きく高まります。
価格も2,000〜4,000円程度と、決して高いものではありません。
飼育メモを持っておけば、避難後の治療などに役立つでしょう。
飼育メモとは、猫の名前や年齢、ワクチン接種歴、好き嫌いやトイレの頻度などを記したメモです。
(出典:PRTIME-株式会社nancoco)
避難所では、第三者に猫の世話をお願いする可能性があります。その際は、世話の方針をつかむうえで、飼育メモが重要な役割を果たします。
可能であれば飼育メモを作成し、避難所にも持参しましょう。
なお、親戚や友人宅、ペットホテルや動物病院に預ける場合も、情報源として非常に役立ちます。
使い捨てカイロは、主に寒冷地での生活にて命を守るうえで重要な役割を果たします。
気温が低いとき、使い捨てカイロがあれば、ある程度の暖まれます。
通常、猫は低気温の環境であっても生存に問題ありません。しかしストレスを感じている、食事を満足に摂れずにいるなどの条件が重なれば、気温の低さは大きな危険要因です。
しかし使い捨てカイロがあれば、少なくとも暖房環境が整うまでのつなぎになるでしょう。
ただし、カイロを直接当てると火傷するかもしれません。布を一枚挟んで当てたり、タオルで包んで湯たんぽのように使ったりすると安全です。
本記事では、猫と地震に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
特に津波発生時の対応に関しては重要です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫がパニックになったときは、とにかく落ち着かせるのが大切です。
やさしく抱き抱えるなどして、落ち着くまでようすを見ましょう。
興奮した抱き抱えるのもむずかしい場合は、自由にさせましょう。
しかし、緊急の避難を要する場合はその限りではありません。多少猫が暴れたとしても、キャリーケースへの格納と避難所への避難を優先しましょう。
▶︎関連記事:猫が地震でパニックになったら?飼い主と猫の命を守る方法
猫は、ある程度の精度で地震の発生を予知できるとされています。
これは、猫が人間よりもすぐれた感覚を有しており、地震特有の振動を事前に感知できるからだといわれています。
地震を感じ取った場合、落ち着かなくなったり、異常に鳴くようになったりすることも。
しかし、猫の地震予知に関しては科学的に立証されておらず、また実際に予知ができたとしてもその精度は信頼できるものではありません。
津波に関しては、まず避難場所を確認しておくのが大切です。
ハザードマップなどを確認し、避難指定された建築物や高所を把握しましょう。
(出典:ハザードマップポータルサイト-重ねるハザードマップ)
そのようなもの、場所がない限りは、とにかく標高が高い場所を目指して避難する方針を固めておきましょう。
実際に津波が発生した場合は、地震と異なり、一刻も早く避難する必要があります。
地震発生時と同様に、猫をタオルケットなどで包みつつキャリーケースに入れて、ただちに避難します。
津波が想定される場合、避難にかけられる時間が数分ほどしかないケースも。自身と家族、そして猫が津波を逃れることを最優先し、決して家財の運搬などに時間をかけないようにしましょう。
猫とともに避難所を利用できないケースもあります。その場合は、以下の避難先を事前に準備しておきたいところ。
もっとも安心できるのは、被災地ではない親族や友人の家です。費用がかかってもよいなら、ペットホテルや動物病院を利用する手段もあるでしょう。
どこかに預けるのがむずかしい場合、気温管理を徹底したうえで車中泊する方法もあります。
本記事では猫を地震から守るための準備や対応を解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫を地震から守るためには、地震発生時の対応はもとより、事前の準備が必要です。
猫と家族全員が安全に避難できるよう、十分な準備をおこないましょう。ここでの準備が、地震発生時の安全性や生死を分けるかもしれません。
そのうえで地震発生時は安全第一で、とにかく落ち着いて行動しましょう。飼い主が焦ってしまうと、猫も不安がってしまうので注意してください。
また、避難先を把握したり、場合によっては知人宅に預けたりする工夫も必要です。
猫と飼い主の避難は、両方が安全な場所に逃れる「同行避難」が原則とされています。猫も飼い主も命を落とすことがないよう、十分な準備と知識のもとで行動しましょう。
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