2024.08.29
猫のオスとメスはどのように見分けるのか、その方法を知りたいという人は多いでしょう。
一見しただけでは区別がつきませんが、ある程度の知識があると、ほぼ確実に見分けられるようになります。
そこで本記事では、猫のオスとメスの見分け方や、それぞれの飼育時の注意点などを解説します。
もくじ
猫のオスメスに関しては、以下の方法で見分けられます。
睾丸以外に関しては、確定はできないので、複数特徴に該当するか当てはめて推測することになります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
もっともわかりやすいのは、睾丸の有無です。これが確認できればオス、なければメスだと、ほぼ完全に判断できます。
仮に去勢されていても、陰嚢は残っているため、その点で確定できます。
ただし、それなりに距離が近くないと見えません。また、都合よく尻尾側をこちらに向けるとも限りません。
また子猫のころは、性徴期を迎えていないため、睾丸の有無がわからないことも。
確認できればオスかメスかが確定しますが、野良猫などが対象の場合、そもそも確認するのがむずしい部分があります。
一部の毛色(猫種)は、オスメスどちらかの割合が多くなっています。この傾向を利用して、ある程度性別を絞り込むことも可能。
<オスが多い毛色>
<メスが多い毛色>
特に三毛猫に関しては、ほぼ確実にメスだと判断できるでしょう。
なおトーティとは、下図のようにサビ色の毛色を持つ種類の猫です。
の大きさでも、オスメスをある程度見分けることが可能です。
大柄でがっしりとして、丸々しているなら、オス猫の可能性が高いでしょう。
一方で線が細い、何となく骨っぽい、シャープな印象を受けたなら、メス猫の可能性が高いです。このあたりは人間のそれと変わりません。
ただし、ノルウェージャンフォレストキャットのように、そもそも大柄な猫種もいれば、ロシアンブルーのように基本的スマートなものもいます。
その印象に左右されて、オスメスを区別しにくい部分はあるでしょう。その際は、その猫種のオスメスのようすを画像検索し、どちらに近いか判断して絞り込んでいくのが有効です。
顔の形や印象でも、ある程度判別することが可能です。基本的に大きければメス、小さければメスと考えて問題ありません。
そのほか以下の点に着目すると、わかりやすいです。
<オス>
<メス>
特に「ウィスカーパッド」には明らかに違いがあります。これだけでも、何となく「こちらの性別であろう」と判断できるほどに違いがあります。
顔をしっかりと観察できれば、おおかた、オスかメスか判断できるでしょう。
行動によってある程度見分けることも可能です。 まず、あちこちに尿を振りかけるなどのマーキングが見かけられたら、ほぼオスと考えて問題ありません。
ただし、一部のメスは、発情期において、オス同様のマーキングをおこなうことが確認されています。
したがって、顔の形や性格、毛色なども判断材料とし、オスかメスか仮定するのが重要といえるでしょう。
正確性はさほどではありませんが、性格でもある程度オスメスを見分けることは可能です。
【オス】
- やんちゃ
- 遊び好き
- フレンドリー
- 甘えん坊
- 大胆
- 好奇心旺盛
オス猫はやんちゃで遊び好き、かつ甘えん坊といった「幼い男の子」のような性格が特徴的。フレンドリーでオープンな猫も多く、撫でてくれる人にはとりあえずゴロゴロ!という子もいます。(引用:Yahoo!-猫のオスとメスの「違い」5つ!見た目だって実は違う)
【メス】
- 慎重
- わがまま
- 穏やか
- 独立心や警戒心が強い
メス猫はオス猫と反対に、慎重で用心深い性格を持ちます。メスはひとりで子猫を育てる宿命をもっているため、独立心と警戒心は非常に強く、はじめての人に心を開くことは滅多にありません。しかし根は穏やかで優しいため、時間をかけて接すると次第に心を開いてくれます。(引用:Yahoo!-猫のオスとメスの「違い」5つ!見た目だって実は違う)
ただし生育歴や個体差によっては、これに当てはまらないケースもあります。あくまで参考として考えましょう。
【補足】オスは左利きでメスは右利きが多い傾向
実は猫にも利き手(正確には利き前足)があります。
一般にオスは左利き、メスは右利きが多いと言われます(参考文献:Yahoo!-猫のオスとメスの「違い」5つ!見た目だって実は違う)。
利き手は、普段から使う回数が多いでしょう。たとえば何かを引っ掻くとき、おもちゃを触るときは、基本的に利き手から伸ばすはず。
そういった点を観察すれば、オスかメスかある程度予測できるでしょう。
猫のオスとメスに関して考える際、ぜひそれぞれで注意すべき病気に関して知っておきましょう。
それぞれが、以下のような病気のリスクを、大なり小なり抱えています。
これらは、ただちに発症するものではありません。しかし将来的に発症しうる可能性もあるので、今の段階で知っておくとよいでしょう。
オスの場合は、尿路や精巣や、前立腺に病気の発症リスクを抱えます。
特に注意したいのは尿路結石をはじめとして、尿路関係の病気です。
一般にオスの尿道はメスのそれより狭窄している関係で、さまざまな疾患が発症しやすい環境にあります。
また前立腺肥大や精巣腫瘍に関しても注意する必要があるでしょう。ただこれらの疾患は、治療法がきちんと成立しているため、よほど症状が悪化している場合をのぞき、さほど心配する必要はありません。
また糖尿病には注意してください。これは一度罹患すると、インスリン注射の長期的な投与などが必要となります。
また、完治の概念がなく、「寛解」程度しか期待できないものです。糖尿病にならないよう、食事や運動の習慣をよりよいものに保つようにしましょう。
なお糖尿病に関しては以下の動画が参考になります。
メスの場合は、子宮や乳房に関する病気に注意しましょう。
特に悪性リンパ腫には注意が必要です。
無治療の場合の生存期間は1〜3ヶ月とされており、受診が遅れれば遅れるほど、助かる可能性も低くなります。
気づいたときには進行していた、というパターンを避けるためにも、やはり健康診断などは、定期的に受けておいたほうがよいでしょう。
本記事では猫のオスメスの見分け方や違いに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
結論からいえば、オスとメスで鳴く頻度はさほど変わりません。どちらも必要があればそれ相応の鳴き方をします。
鳴く頻度を決定づけるのは、持って生まれた性格と毛色です。 めったに鳴かない無口なオスがいれば、しょっちゅう鳴くおしゃべりなメスもいるでしょう。
たとえば原始的な習性を強く継承しているキジトラは、警戒心や安心欲求が強く、不用意に鳴かない傾向があります。
一方でシャム猫などは「おしゃべりキャット」と称されるほど、よく鳴く品種。
それに個体ごとの性格が関係し、どの程度鳴くかが個性として現れます。オスとメスは、これにあまり関係ありません。
生まれたばかりの子猫は、オスかメスか判断しにくい部分があります。またそれぞれの特徴がはっきり出ていないからであり、獣医ですら判断に迷うことも。
基本的に2〜4週齢のどこかで、「おそらくこちらの性別であろう」と判断できるようになります。
その際は、やはり睾丸の有無、を中心として判断されます。
ただ子猫の段階では、オスかメスかによって育て方などが変わるものでもありません。急いで、どちらの性別か特定するメリットは少ないでしょう。
これは、飼い主の考え方やライフスタイルによるでしょう。
オスの場合は、甘えん坊かつ活発な部分に、愛嬌や可愛さを見出せます。スキンシップ好きでもあり、「猫と触れ合うのが好き」な人には最適なパートナーになるでしょう。
一方、ケンカやマーキングなどの行動を起こしがちな点には注意してください。また、夜鳴きの問題も起こりやすいです。
メスに関しては、比較的おとなしく、いわゆる「ツンデレ」的な性格を有します。またケンカやマーキングなどもあまり見られないため、育てやすいように思われます。
ただ、オスほどは甘えてこないのが、飼い主にとってやや寂しく感じられるかもしれません。
このような特徴を踏まえて、オスとメスどちらの暮らしを選択するか考えるとよいでしょう。
結論からいうと、メス猫も喧嘩することがあります。 なわばりを侵されたり、攻撃されたりすれば、激しい威嚇などをおこなうでしょう。
ただしオス猫ほど激しくやり合うケースはまれです。
また人間社会同様に、「違う性別同士で喧嘩するのはまれ」という傾向があります。
オスにとってメスは攻撃対象にはなり得ません。またメスにとっても、自身より屈強なオスに対して、攻撃しようとはあまり思わないようです。
去勢・不妊手術とは、オス、メス猫の生殖機能を担う一部分を切除し、発情しないようにコントロールする手術です。
オス・メス限らず、この手術を受けていないと、定期的に発情期を迎えます。その際、家の中を暴れ回ったり、毎日大声で鳴いたりする、問題行動が表面化することも。
特別な事象がある場合は別として、オス、メス関係なく、去勢・不妊手術を受けるのを推奨します。
これは動物病院で受けることが可能です。費用としては、20,000円から30,000円程度と考えておけば問題ないでしょう。
なおこの手術に関しては、一部助成金を利用できる可能性があります。詳しくは、「ぜんこく犬猫助成金リスト」を参考にしてください。
本記事では猫のオスメスの見分け方などを解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫のオスメスを見分ける最大のポイントは睾丸の有無です。それさえ確認できれば間違えることははないでしょう。
ただ、そのほかにも経路や行動、性格を総合して、ほぼ確実にオスメスを見分けることが可能。
ただし子猫のころは、獣医でもオスメスを区別するのが困難なほど見分けにくい部分があります。
とはいえ、飼育時に慌ててオスメスを把握する必要はありません。成長を待ち、睾丸の有無がはっきりするまで待ってもよいでしょう。
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