2025.05.30
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
結論からいうと、猫の模様や毛色が変わることはあります。中にはストレスが原因のケースもあり、その場合は対応が必要。
ただ、模様と毛色が変わっても、性格が変化することはありません。
本記事では、猫の模様や毛色が変わる理由を中心に解説します。ぜひ参考にしてください。
猫の模様や毛色が変わる理由は、大きく分けて4つ挙げられます。
特に病気による変色に関しては注意が必要です。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
もっとも多い原因は、成長や老化による自然な変化です。
子猫から成猫に成長するなかで、ぶち模様の部分が生えそろう、色素がしっかりして濃い色になるなどします。
また成猫から老猫になるなかで、色素が抜けて黒がグレーになるなどの現象も起こるでしょう。
また、フケや黄ばみ、ごわつきなど目立つようになります。
老猫期を迎える猫をきれいにするには、ていねいなブラッシングなどが有効です。
ただし成長による変化は、健康状態の悪化を示すものではなく、過度に心配する必要はありません。
また、季節の変化による体毛の生え替わりにより、模様などが変わって見えることがあります。特に、毛が長い、密度が高い猫にはよく見られるでしょう。
たとえば冬毛になると、色が違うところ同士の毛が重なり合って、ぼやけて見えるなどします。
夏毛では、地肌の色が透けて、毛色が変わって見えるようになるかもしれません。
生え替わりはおかしなことではなく、特に健康状態の変化を示すものではありません。
なお、冬は密度の高く特に保温性の高い毛は「アンダーコート」と呼ばれます。一方で、夏にはアンダーコートが抜けて、「オーバーコート」と呼ばれる薄い毛が生えてきます。
シャム猫やヒマラヤンなど一部の猫種では、体温依存性色素のはたらきによって、模様や毛色が変化する場合があります。
この色素は、体温や外気温が高くなると変色し、色が変わったり、濃度が上下したりします。
すなわち、体温依存性色素を持つ猫が暑い環境にいると、模様や毛色が変化することがあるでしょう。
体温依存性色素を持っている理由は、はっきりとわかっていませんが、寒冷地での保護色の獲得、影との同化を狙ったものだとする説があります。
子猫の場合、「フィーバーコート」が発生している可能性もあります。
フィーバーコートとは、子猫の毛色が遺伝のばらつきでは説明できないほど、白っぽい、銀色っぽくなる現象。
母猫がストレスを感じたり、栄養不足に陥っている場合、この現象が起こりやすくなります。
フィーバーコートは、ほとんどの場合、生後4ヶ月程度で本来の毛色に戻るため、子猫に対する心配はほぼありません。
しかし母猫には何らかの不調があると考えられるため、状況によっては診察や治療が必要です。
また、環境や病気によって変色することがあります。
後述のポイントカラーと呼ばれる模様を持つ猫は、体温の低い部分の色が濃くなる性質を持ちます。したがって、冬季になると体の一部がより濃い色になることがあるでしょう。
一方で、栄養不足で色が褪せたり、皮膚炎によって黒ずんだりすることがあります。
またかゆみや脱毛が伴うことも。
これは猫の心身の不調を示すサインであるため、動物病院で診察を受けましょう。
なお、病気などが原因であれば、模様や毛色の変化はかなり早いです。そのような変化が見られた場合は、すみやかな対応が必要であると考えておきましょう。
猫が成長すると、模様や毛色以外にも、以下が変化します。
このように成長過程で、主に顔の部分が変わっていきます。ほとんどは自然な変化であれ、体調不良などを心配する必要はありません。
猫の模様や毛色が変化しても、性格が変わることはありません。
一方で、猫の模様と毛色は大きく分けて4つに分類され、さらに生まれ持った特徴と性格はある程度関係していると言われています。
これらの種類と性格に関して、それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ソリッドとは、黒、白など、特定の一色だけで構成された毛色を指します。
日本では比較的ポピュラーな存在です。 ソリッドの一例として以下が挙げられ、それぞれに性格の傾向があります。
いずれも人間との共生の長い歴史を持っていることからも分かるように、飼育しやすいのが特徴です。
なおロシアンブルーの性格は特徴的で、物静かで落ち着いていて、あまり鳴かないことから、「ボイスレスキャット」とも呼ばれます。
ポイントカラーとは、前足や後ろ足、耳や尻尾などの末端部分のみ、色が濃くなっている模様を指します。 一例として以下が挙げられます。
ポイントカラーの猫の性格的傾向として、比較的賢い点が挙げられます。ドアを開けたり、飼い主の行動を予想したりするなど、頭を使って行動します。
また感情表現が豊かで、よく鳴き、よく遊ぶ傾向があるようす。
一方でやや神経質な部分があり、環境の変化や急な来客に対しておどろきやすい側面もあります。
バイカラーは、2色もしくは3色以上のカラーで構成されている、カラフルな模様と毛色を示します。額からは鼻にかけて白いラインが入るハチワレ、スーツ姿に見えるタキシード、牛のように見えるカウなどのパターンがあります。
代表的な猫種に以下が挙げられます。
バイカラーは比較的社交的で、好奇心旺盛で人間で言えば「明るい」性格を持ちます。
一方で白にグレーが混ざっている場合はやや繊細で控えめな性格を有する場合があります。
タビーとは、以下のように特殊なパターンが発生している模様と毛色を指します。
また、これ以外にもサビ模様 また、偶然にも星型やハート型の模様など、意味があるような特徴が生じることもあります。
全体的に野生味を強く残しており、警戒心は強めでマイペースな性格。
また、激しいスキンシップを好まないなどやや淡白な一面を持ちますが、一度なつくと子供のように甘える傾向があります。
トーティとは、金属が錆びたかのような色合いのまだら模様を示します。一例として以下が挙げられます。
主に黒と赤、茶色が混じり合った配色が特徴。見た目が似ていることから、「べっこう」とも呼ばれます。
日本では、サビ猫とも呼ばれます。なお、遺伝学的にほとんどメスしか存在しません。
トーティは一般的に温厚な性格であるとされ、比較的飼いやすいです。一方で独立心が強く、飼い主を振り回す傾向もあります。
本記事では、猫の模様や毛色の変化に関して解説しました。
ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の模様や毛色が変化しても、性格には大きな影響はありません。
ただし先述のとおり、先天的に与えられた模様や毛色によって、ある程度性格の傾向が異なるとは言われています。
ただし、あくまでも傾向であり、模様や毛色だけで性格が決まらない点に注意してください。
猫の性格は、生まれ持った性質や子猫期の経験、生育環境などによって変化するものです。
また、飼い主との関係性や、コミュニケーションを取る相手によって態度も異なるでしょう。
なお、去勢や避妊手術を終えた場合は、ホルモンバランスが変化して、性格が変化することもあります。
毛色によって寿命が異なるというデータはありません。しかし、猫種によって多少は異なるとする見方はあります。
シャム猫やアメリカンショートヘアは比較的長生きするとされ、日本猫の平均寿命が15年であるところ、20年以上生きるケースがあります。
ただし生育環境によって大いに左右されるため、かならずしも長生きできるわけではありません。
なお、猫の寿命が長いのは、より多くの飼育費用が発生する、面倒を見る必要が出てくることを意味します。
比較的長寿だと想定される猫種を飼育するなら、長生きをすることを想定した予算やプランを考えましょう。
三毛猫模様のオスは存在しますが、非常にまれです。研究によれば、3万匹に1匹しか存在しません。
三毛猫模様を成すには、まず2本のX染色体を持っていて、それぞれから黒色の遺伝子とオレンジ色の遺伝子を引き継ぐ必要があります。
また、X染色体不活性化という現象が起こり、さらに白色の遺伝子が加わることで、三毛猫模様が完成します。
しかし猫のオスはX染色体を1本、Yの染色体を持っているため、遺伝的に三毛猫にはなりえません。
ただし、ごくまれに染色体異常でXの染色体を2つ、Yの染色体を1つ受け継ぐオスがあり、その場合は三毛猫模様が現れます。これはクラインフェルター症候群という疾患の症状の一つであり、虚弱体質や不妊などの問題がともないます。
なお、オスの三毛猫は「縁起がよい」とされ、高値で売買されることがあります。
黒い毛が生えてくる原因は、多くの場合、色素沈着です。
猫は基本的に、子猫期は毛色が薄く、成猫になるにつれ少しずつ毛色が黒くなる傾向にあります。子猫期の毛色は、本来のものではありません。
成長過程でメラニン色素の生成が活発になり、少しずつ黒い毛が発現するようになります。
一方、日光浴によって「日焼け」することもあります。メラニン色素が分解され、やや黒っぽい毛色に変化するケースがあります。
病気やストレスによって毛色が黒くなることもありますが、非常にまれなケースであり、黒い毛が生えてきたからといって心身の不調を疑う必要は、まずありません。
猫の毛が白くなる原因として以下が挙げられます。
まず、入浴した場合は蓄積していた黄ばみが落とされ、本来の毛色を取り戻すことがあります。
また、猫自身がいつもよりしっかりとしたグルーミングをおこない、黄ばみが落ちることも。
ストレスによって変色することもありますが、一般的には起こりません。
仮にストレス過多があった場合、そのサインは、行動や体調、攻撃的な態度などに現れることが多いです。
この記事では猫の模様や毛色に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫の模様と毛色の変化が、性格の変化と結びつくわけではありません。
見た目が変化したとしても、コミュニケーションの取り方を変える必要はないでしょう。
明らかに変化のスピードが速い場合のみ、病気が疑われます。その場合は、すみやかに診察を受けるなどの対処を取りましょう。
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