2024.06.30
このように考えている人は多いのではないでしょうか?
ダニは、猫にとってある意味での天敵とも言われる存在です。寄生されたことがきっかけで、命を落とすことすらあります。人間でもマダニが原因で死亡することがあり、それは猫の場合でも例外ではありません。
したがって猫の健康や生命を守るため、できる限り寄生させないように対策を取るのが重要といえるでしょう。
そこで本記事では以下の点に関して解説します。
本記事を読めば、ダニの寄生に対して十分な対応が取れるようになります。ぜひ参考にしてください。
もくじ
まず、猫に寄生するダニに対する理解を深めましょう。そのための基礎知識として以下を解説します。
まず、ダニに寄生されると何が起こるのかよく知っておく必要があるのでこの点を伝えます。合わせて寄生のメカニズムと経路なども解説します。
ダニの寄生とは、ほとんどの場合、体のどこかにダニが噛み付くことを示します。
耳の裏や背中など、猫が「触りたくても触れない場所」に噛み付くケースが多いようす。
上図は、実際に寄生しているダニです。元々はもっと小さいのですが噛みつきながら血液を吸うため、このようなサイズになります。
人間の手ではどうしようもないほどしっかりと噛み付いているため、簡単には除去できません。
猫がダニに寄生されると以下のようなことが起こります。
そして問題が深刻な場合、以下のような疾患にかかる可能性があります。
いずれも放置していては危険な疾患です。特に重症熱性血小板減少症候群に関しては死亡率が5割を超えるとも言われています。
これらを発症させないためにも、できる限り予防するのが重要となるでしょう。
ダニに寄生されるのは、基本的にダニが生息している場所に踏み込む、あるいは付着しているものに触れるのが原因となります。たとえば以下が感染経路となります。
ダニは、布団やカーペットなど、布状の家財に多く生息しています。ただそれに、下図のように「家のなかならどこにでも現れる」と考えて問題ありません。
(引用:ヤマセイ株式会社)
屋外であれば草むらや河川敷などに生息しているケースが多いです。
基本的には「どこにでもいる存在」なので、感染経路を完全に断ち切るのは困難でしょう。
なおダニは春や秋に、活動を活発させる傾向にあります。したがってこの季節は、寄生に対していっそうの警戒が求められます。
猫に寄生するダニは、大きく分けて4種類です。
うちもっとも寄生するケースが多いのは、マダニです。
マダニは生息数が多く、生命力も高いうえ、一度寄生したら簡単には離れません。
(引用:NHK広島放送局)
ただしマダニはサイズが大きく、発見、除去しやすい側面があります。
その他の種に関しては、目に見えないほど小さく、発見するのが容易ではありません。
猫がダニに寄生されると、さまざまな疾患を起こす可能性があります。そこまでの事態にならなくとも、除去や動物病院での診療の手間が生ずるため、なるべく避けたいところでしょう。
したがって、そもそも寄生されないようにするのが大切です。そのためには以下の防止策を取るようにしましょう。
ダニの寄生を防ぐうえでもっとも大切なのは完全室内飼育にすることです。これができているだけでも、寄生リスクを落とすことが可能。
自宅にもダニは生息していますが、布製品をきちんと干する、ダニよけを使うなどしていれば、ある程度は除去できます。そうすれば自宅での寄生はたいてい避けられるでしょう。
さらに屋外で草むらに立ち入るなどして、寄生されてしまうパターンも避けられます。そのように考えれば、完全室内飼育は有効な予防策となるでしょう。
なお完全室内飼育には、ダニ予防以外の重要なメリットが多々あります。
まず、完全室内飼育に切り替えるだけで、寿命が長くなることがわかっています。
一般社団法人ペットフード協会によれば、完全室内飼育をすると、そうでないケースと比較して寿命が2〜3年ほど伸びるようす。
(引用:一般社団法人ペットフード協会)
その他交通事故、迷子などのリスクもほぼ完全に避けられます。猫風邪の予防のみならず、猫と人間の穏やかな暮らしを守るという意味でも、完全室内飼育を強く推奨します。
また適度にブラッシングするのも有効です。くしを使ってなでるなどすれば、ダニを追い出すことが可能。
噛み付いたばかりのダニなら、セメント物質が固着していないと考えられるため、取り除けるかもしれません。
したがってブラッシングで、ダニの寄生の兆候がないか確認しながら駆除するのは、非常に強力な方法となるでしょう。
できれば定期的な習慣として取り入れ、ダニの寄生が生じないように工夫してみましょう。
猫の性格にもよりますが、定期的にシャンプーするのも、ダニ予防には役立ちます。
可能であれば、1〜2週間に1回程度実施しましょう。
ただし、シャンプーを極端に嫌がる猫が大半です。また手間もかかるため、無理におこなうのはおすすめできません。
近年ではトリミングサロンにて、シャンプーを受けることも可能です。そちらをあたってみるのもよいでしょう。これらはEPARKペットライフなどで容易に探せます。
予防薬を投与するのも、ダニ防止策として有効です。
動物病院ではフロントライン・プラスという薬が処方されています。
これを使えば、ノミ、ダニを予防除去することが可能。投与すれば48時間以内にマダニが駆除されるともされており、高い効果が望めます(参考文献:ノミダニフィラリア)。
ただし診断、処方には3,000円〜5,000円ほどかかります。また自宅で継続的に投与する必要があり、手間もかかる点にも注意してください。
また寄生されていないか定期的に確認するのもよいでしょう。
どれだけ気をつけていても、ダニがどこにでも発生しうる以上、寄生される可能性は否定できません。
しかし定期的に確認していれば、ダニが完全に定着する前に発見できるでしょう。
このように腹部が膨張してしまった状態では、簡単には除去できません。
しかし定期的にチェックして、早期に発見できれば、指で弾くだけで除去できます。
なるべく早い段階で見つけられるよう、定期的に確認するようにしましょう。
ダニに噛まれてから、腹部が膨張したり、体調に変化が現れたりするまでには、少なく見積もっても6日ほどの猶予があります。すなわち1週間に1回程度チェックする習慣があれば、効率よく寄生の有無をチェックできるでしょう。
どれだけ気をつけていても、猫がダニに寄生されることはあります。どこにでも生息している以上、完全に回避するのは困難。
もし寄生されたら、手で払えないか試してみましょう。それがむずかしいなら、以下の手順で対処します。
この手順で対応すればまず問題ありません。
猫がダニに寄生されたら、まず無理やり取りのぞかないようにしましょう。
腹部が膨張しているダニは、深く噛み付いており、無理に取り除こうとすると怪我をします。また、除去したからといって、各種ウイルスに感染している可能性は否定できません。
あまりダニを刺激することなく、動物病院へ連れていきましょう。
ダニの寄生は、さほど緊急性は高くなく、よほどのケースでなければ急いで連れて行く必要はありません。夜間や土日であれば、次の診察時間を待ってもよいでしょう。
動物病院では、獣医に患部を見せ、ダニを除去してもらいます。
といってもこのあたりは獣医であれば慣れた症例であるため、こちらが注意することはほとんどありません。
除去が終わったら、指示にしたがい、家庭内での治療をおこないましょう。
先述したフロントライン・プラスを処方されたり、ブラッシングのやり方を指導されたりします。
こういった指導内容を、家庭でもきちんと守るようにしましょう。
猫の体調が落ち着いたら、可能な範囲でダニの発生原因を取り除きましょう。
完全室内飼育で寄生された場合は、自宅内に相当数のダニが生息していると考えられます。
市販の駆除剤を利用し、再度の寄生を予防しましょう。
おすすめは、ダニアースレッドのような噴煙タイプの薬剤です。これを利用すれば、簡単にダニを駆除できます。
また布製品を洗濯、天日干しするといったことも有効となるでしょう。
本記事では猫のダニ寄生に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
特に猫のダニが人間を刺すケースに関してはよく知っておく必要があります。
猫に寄生するダニは、人間を刺すこともあります。その場合は以下のような症状を呈するとされています。
また猫同様に、疾患にかかる可能性もあります。たとえば重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱などを発症するかもしれません。
つまり猫のダニ寄生を予防するのは飼い主の健康を守ることにもつながります。
以下のように市販の駆除薬が存在します。
寄生初期であれば、これらの駆除薬を使って、駆除できる期待があります。また商品によっては、予防にも使えるでしょう。
ただし腹部が膨張する段階にまで至ったダニは、駆除できないかもしれません。また駆除できたとしても、すでにウイルスが回っており、動物病院へ連れて行かざるを得ないケースもあります。
したがって市販の駆除薬で対応するのではなく、寄生が認められたら、その時点で動物病院へ連れて行くことを推奨します。
また、確実に効果があるとは断言できないので、過信は禁物といえるでしょう。
ノミを予防する方法な、ダニ対策とさほど変わりません。完全室内飼育やブラッシングなどが有効になります。
ノミはあまりにも小さいため、視認して除去するのは困難です。
一方で噛み付く力が弱く、ブラッシングやシャンプーをすれば取り除くのは困難ではありません。
ノミはダニ以上に数が多く、付着すること自体を避けるのは困難です。体についたものを、定期的に除去する習慣を持つのが重要となるでしょう。
本記事では猫のダニ寄生に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
人間のみならず、猫にとってもダニは大きな脅威になります。特に腹部が膨張するほど長きにわたって寄生された場合は、取り除くのも困難で、お金もかかります。
こういったことが起こらないよう、普段から徹底した予防に努めましょう。
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