2024.05.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
時として猫は、他の生き物に対して激しく威嚇します。実際その対象になってしまっている人もいるでしょう。
そこで本記事では猫が威嚇する理由や、仲良くなる方法などを解説します。
また威嚇に関する問題は、新入り猫と先住猫が顔合わせしたときにも起こりがち。そのような問題をクリアする方法にも触れているのでぜひ参考にしてください。
猫が威嚇する理由は、大きく分けて5つあります。
多くは敵対心やナワバリ意識によりますが、単に不機嫌なだけな場合も。さらに母性本能がはたらいているケースもあります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
威嚇する理由としてもっとも多いのは、相手を敵視しているというものです。ほとんどの場合、敵対心があってのことと考えて問題ありません。
これは、まだ敵か味方かわからない心理猫と先住猫同士が初対面したときのようす。相手を睨みつけ、威嚇しあっています。
要は敵か味方かわからないときは敵だと考えて、戦う姿勢を示しているわけですね。
一方で、味方だと思ってもらえたら、威嚇されることはありません。自身がこのような態度を取られているなら、まずは信頼関係を作るのが重要。その点に関しては後述します。
また、ナワバリ意識がはたらいて、侵入者を排除しようとしていることもあります。いわゆる猫同士の喧嘩です。
猫は、自身が巣穴として定めている場所を中心に半径数百メートルを自分のテリトリーとして捉えます。そしてそのテリトリーに他の猫が現れた場合、上動画のように威嚇して、排除しようとするわけですね。
ナワバリ意識がはたらいた場合、音圧のある「ウー」「ニャー」という声で威圧する傾向にあります。
特にテリトリーを侵されたわけでも、嫌っているわけでもなく、不機嫌なだけで威嚇してくることもあります。
たとえば、よその猫と喧嘩して帰ってきた、病院に行ってイヤな思いをしたケースです。
喧嘩してくるのも、病院に行くのも飼い主の責任ではありません。しかし、その分別なく、八つ当たりしている状態です。
ただ、あまりにも八つ当たりの頻度が多いなら、信頼関係がきちんと構築できていないことのあらわれなのかもしれません。
その場合はより親密になるための努力が必要となるでしょう。スキンシップやコミュニケーションの機会を増やすとよいかもしれません。
また、子連れのメス猫の場合、自らの子猫を守る母性本能に突き動かされ、威嚇することがあります。
あらゆる動物の母猫は、子供を守るためなら、なりふり構わず威嚇するようになります。
クマなら全速力で追ってきて攻撃してくるし、キリンなら相手が動かなくなるまで執拗に踏みつけを繰り返します。
これと同様で、母猫も、子供を守るためならなりふりかまいません。たとえ相手が圧倒的に体格の良い人間であっても、積極的に攻撃しようとしてきます。
エサを取ろうとされたので怒っている猫もいます。
ただし、与えられたおやつやキャットフードを取られたくらいでは、あまり怒りません。
猫にとって腹立たしいのは、危険を承知で狩りをしたエサ、つまり獲物を横取りされたケースです。
たとえば食卓に並んでいる魚料理などを奪うのは、猫にとっては狩りに近いようす。それを取り戻そうとすると、飼い主に対して激しい威嚇を示すことがあります。
なお、猫が威嚇している、攻撃的になっている状態の鳴き声の特徴として以下が挙げられます。またそのようすで、なぜ怒っているのか、何が不満なのか判断することも可能です
鳴き声以外では、以下のような仕草を見せます。
また以下のように体を膨らませて、大きく見せようとすることも(やんのかステップ)。
猫に激しく威嚇されたときは、とにかく距離を置き、目を合わせないようにしましょう。
威嚇されているなら、本気で引っかかれる、噛みつかれることがあります。手加減なしにこういうことをされると、飼い主側が大怪我することも。
そして目を合わせないようにしましょう。目と目を合わせるのは、「ケンカを買った」というサインになってしまうからです。
威嚇している猫も、こちらから距離を置けば、それ以上深追いはしてきません。無理になだめようとすると、逆効果になることもあるので、注意してください。
「新しく買い始めた猫が威嚇してばかりで、まったく仲良くなれない」と悩んでいる人も多いでしょう。
しかし、基本的にずっと仲良くなれないわけではありません。慎重に距離を詰めていけば、いずれ打ち解けることが可能です。
そのステップとしては以下が挙げられます。
ケージ内で飼育する すこしずつコミュニケーションをおこなう フリーローミングを実施する スキンシップを取る
この順番で信頼関係をすこしずつ構築していけば、まず問題ありません。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
すでにこのステップは終えているかもしれませんが、まずケージ内での飼育からスタートしましょう。放し飼いの状態になっていても、状況によってはケージに戻す必要があるかもしれません。
ケージ内で飼育するメリットはふたつあります。ひとつは飼い主を攻撃から守ること。そして猫のストレスレベルを下げること。
まずはお互いに安全な状況を作り、信頼関係を作るための環境を整えましょう。
次に、ケージ越しにコミュニケーションを取りましょう。具体的には以下アプローチが考えられます。
猫の威嚇や攻撃が落ち着くまで、このようなコミュニケーションを繰り返しましょう。しだいに慣れてきて、「この生き物は敵ではない」と認識するようになります。
ただし、それでも攻撃されるリスクはあります。可能であれば軍手やゴム手袋を使って怪我を防ぎましょう。
また、やはりチュールなどを与えると、如実に好感度が高まります。
(引用:いなばペットフード株式会社)
こういったおやつも、存分に活用するのを推奨します。
続いてフリーローミングを実施しましょう。これは、家のなかを自由に歩かせるトレーニングです。
最終的には自宅内で放し飼いすることになるのですが、いきなりそれに適応できません。したがって数分、数十分単位のフリーローミングをおこない、少しずつ慣らしていきます。
もしこの時点で攻撃的になるなら一度ケージに戻しましょう。
徐々にフリーローミングの時間を伸ばして、「共に暮らす家族」としての認識を持たせていきます。
フリーローミングに慣れてきたら、可能な範囲でスキンシップを取りましょう。
こういったことができたなら、もう最低限の信頼関係はできています。あとは一般的な世話を続けて、より親密性の高い関係を築いていきましょう。
子猫が威嚇している場合は、それ以上恐怖を与えないようにしてください。
子猫は通常、母親とともにいます。しかしそうでないなら、強烈な不安を感じていることでしょう。
その状態で威嚇するなら、それは「寂しいなかでも何とか生きるために、無理をして威嚇している」という状態です。
非常に可愛いようすですが、子猫にとってはかなり大きなストレス。すぐにその場を離れてこれ以上怖がらせないようにしましょう。
猫が威嚇する問題は、先住猫と新入り猫が初対面し、仲良くなるまでの間に表面化することが多いです。
二頭を仲良くさせるには、以下のようなステップを踏んでいきましょう。
最初は対面させず、匂いの交換からスタートします。お互いの触っていたおもちゃやタオルなどの匂いを、それぞれに嗅がせましょう。
この時点で猫は、テリトリー内に別の猫が入ってきたことを悟り、警戒心を持ちます。しかしこれを何度か繰り返していると、「テリトリーにあっても問題がない匂い」だと判断するようになります。
そうすると、実際に対面したときのショックを和らげることが可能。
まずはいきなり対面させず、匂いの交換からスタートしましょう。
こちらの動画が参考になります。
続いてケージをはさんで対面しましょう。この段階ではまだ新入り猫を解放してはいけません。
ケージを挟んでいても、まだお互い警戒しているはず。しかし、直接攻撃しあって怪我をすることはありません。
ケージをはさんだ対面も、何度か繰り返すことになります。
お互いがケージがない状態で遭遇しても問題がないと確信できるところまで、これを継続しましょう。
ケージをはさんだ対面で問題がなさそうなら、フリーローミングに移ります。
ただし長時間、一緒に過ごさせる必要はありません。最初は数分程度の交流で問題ないでしょう。
無理に長時間のフリーローミングを実施すると、途端に取っ組み合いの喧嘩を始めることがあります。
そうすると、どちらかが大怪我を負うかもしれません。
そういったことが起こらないスパンから初め、慣れてきたらフリーローミングの時間を伸ばしていきましょう。
フリーローミングで特段の問題がなくなってきたら、一緒に食事させるようにしましょう。
ただしいきなり隣同士にさせると、喧嘩になるかもしれません。一緒とはいえ、一定の距離を取るとよいでしょう。
ここで重要なのは、必ず先住猫を優先して、フードなどを与えること。新入り猫を優先すると強烈な嫉妬心を抱かせてしまいます。
先住猫を優先するのは、食事に限らず、そのほかの生活においても気をつけたいところ。新入り猫ばかり可愛がらず、先住猫との関係性をきちんと守るようにしましょう。
フリーローミングで数時間交流できたら、まず問題ありません。
続いて受け入れサインを確認しましょう。つまり、以下のような仲良く慣れているという証拠を見つけます。
こういったようすが見られれば、お互い受け入れあったと考えて問題ありません。
それでも、ふとしたときに猫同士が威嚇する、しあうことがあります。
そのようなときは、足を踏むなどして、大きな音を立てましょう。
そうすると大きな音にびっくりし、威嚇の行動が一時中断されます。
もしくはどちらかを持ち上げるなどして距離を置くなどするとよいでしょう。
ただしその場合、引っ掻きや噛みつきに巻き込まれる懸念があるので、十分に注意してください。
今回は猫の威嚇に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の威嚇が怖いと感じたら、距離を置きましょう。
先ほども触れたとおり、威嚇してきたら、離れさえすれば問題ありません。そして目と目を合わすのは「喧嘩を買う」というサインなので、距離を置くのが得策です。
怪我などが怖ければ、軍手や長袖、靴下などで、地肌を隠すのが有効。
基本的に威嚇をする時期は長続きしません。相手が落ち着く時期が訪れるまで待ちましょう。
保護猫の威嚇がいつまで続くかは個体によります。
ただしほとんどの場合は、1週間から2週間ほどで落ち着くでしょう。
しかし個体によっては、まったく人間になつくつもりなく、いつまでも威嚇し続ける場合があります。つまり、もともと飼育に向かない個体だったのかもしれません。
その場合は、NPO法人に引き取りを依頼するといったことも必要になりそうです。
私たちもそんなNPO法人のひとつです。引き取り先に困っている方は一度ご相談ください。
その他詳細は下図を参考にしてください。
諸説ありますが、「牙を見せることで、非常に危険な存在である」ことをアピールしたいのかもしれません。
なお「シャー」と威嚇しているのは、人間で言えば「相当に怒っている」「キレている」状態に該当します。また、猫にとっても怒り心頭に達するのはストレスになるでしょう。
「シャー」という威嚇が見られたらこれ以上刺激しないようにしましょう。
本記事では、猫の威嚇に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫は警戒心が強い生き物で、相手を安心できると確信するまで、威嚇行動に出ることがあります。
実際、威嚇の対象になっている人も多いでしょう。
しかし、きちんと愛情を持って少しずつ距離を詰めていけば、たいていの場合は分かり合えるはずです。
少し時間はかかりますが、根気よく信頼関係を築いていきましょう。
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