2024.07.31
このような疑問を持っている人は多いでしょう。
子猫の離乳食に関しては、成猫を世話する場合とは異なる知識や工夫が必要となります。
しかしほとんどの人が子猫期の猫を過去に育てた経験がないはずです。したがって、離乳食に関する疑問が生じるのも自然なことといえるでしょう。
そこで本記事では、子猫に与える離乳食の種類や与え方などに関して解説します。どのような食事を与えるべきかわからない人は、ぜひ参考にしてください。
まず、子猫に離乳食を与えるのは、早くて生後3週間目以降と考えてください。それまではミルクを与えることになります。
離乳食、としては、以下が挙げられるでしょう。
基本的には週齢、月齢に合わせて1から2、2から3と切り替えていくこととなります。その後、
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
生後2週間あたりでは、離乳食ペーストというものを与えることになるでしょう。
(引用:ASKUL)
基本的にはやや粘りのある液状のものです。生後2週間過ぎたあたりでは、咀嚼、嚥下に関わる筋力が鍛えられていないので、ペーストでないと食べられないわけですね。
これでも固くて食べられない場合は、ミルクで希釈するなどして、やわらかくして与えることもあります。
生後1ヶ月目〜1.5ヶ月目あたりでは、缶詰のウェットフードや半固形の離乳食なども食べられるようになるでしょう。
(引用:Charm)
ペースト主体に、一部固形物が混ざったものが多いです。ただしまだドライフードを食べられるほどではないので、このようなものを与えることになります。
ただしかならず与えなければいけないわけでもなく、後述のようにふやかされたドライフードを与えるケースもあります。
このあたりは子猫の食の好みに合わせて、選んでいくことになるでしょう。
生後1ヶ月半〜3ヶ月あたりでは、やはりふやかされたドライフードを与えることになるでしょう。
もちろん子猫用にデザインされたものを与えます。健全な成長に必要な栄養がバランスよく含まれています。
(引用:DCM)
ドライフードに水をかけて、電子レンジで20秒ほど加熱すると、ふやけて食べやすくなります。
また温めることで、魚の香りや風味が引き立ち、食いつきがよくなる効果も。
この時期は、十分な栄養を摂取するためにも、ふやかしたドライフードを与えるのを推奨します。
ただ、それでも食べないこともあるので、前述の離乳食に戻す、あるいはミックスするなどの工夫も有効になるでしょう。
生後2ヶ月〜4ヶ月以降では、子猫用ドライフードをそのまま与えます。上述のとおり、子猫の成長期に必要な栄養素が理想的なバランスで含まれた、専用のフードです。
すでに咀嚼、嚥下する力が十分に育っているので、特にふやかす必要もありません。
ただしドライフードは匂いが立ちづらく、猫が興味を示さないこともあります。
したがってかつおぶしを巻いたり、子猫向けの猫缶をトッピングしたりして、食欲を刺激するなどの工夫が必要になるかもしれません。
一部では、フードを手作りして与えることもあります。しかしこれは以下の理由からおすすめできません。
まず栄養バランスが問題になります。市販されているものは栄養素がきちんと計算されていますが、手作りでそれを再現するのは困難です。
また猫が食べてはいけないものを入れてしまう可能性があるのも大きな問題。
さらに人間の食べ物に慣れてしまうと、猫用フードを食べなくなるなど、今後の飼育に悪影響が生じます。
したがって、手作りのフードを与えるのは避けるのを強く推奨します。
続いて、子猫に対する離乳食の与え方に関して解説します。離乳食を食べる時期に関しては以下のように3分割できるでしょう。
うち、離乳食が主に必要なのは1と2の期間です。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
生後3週間目までは、ほとんどの場合ミルクを飲ませます。しかし早ければ生後3週間、遅くても1ヶ月目には、離乳食(主にペースト)を食べられるようになります。
(引用:ASKUL)
分量に関してはパッケージどおりで問題ありません。ただしたいていの離乳食ペーストはややカロリーが高めに設計されています。
したがってあまり多く与えすぎると、肥満などの形で健康を害しうるので注意してください。
生後1ヶ月から2ヶ月目も、引き続き離乳食を与える時期になります。
ただしこの段階では噛む力がある程度養われているので、以下のような半固形タイプのものも与えられるようになるでしょう。
また上述したとおり、ふやかした子猫用キャットフードなども食べられるようになります。
ただ、発育のペースなどによって、まだ離乳食しか食べられないケースも。様子を見ながら、何を与えるか判断するようにしましょう。
生後2ヶ月目以降になると、たいてい離乳食を与える必要はなくなります。
子猫用キャットフードか、それをふやかしたもののいずれかを与えることになるでしょう。
分量や回数に関しては、この月齢になると、さほど神経質になる必要はありません。
朝昼晩、パッケージどおりの分量を与える、といった考え方で問題ないでしょう。
上記までをおさえておけば、栄養のある離乳食を、十分に与えられるようになります。
あわせて、以下のようなポイントと注意点も知っておきましょう。
特に禁忌物に関しては、一度目をとおしておきましょう。
離乳食を食べないときは、一度前の段階に戻してみましょう。
つまりペースト状離乳食を食べているならミルクに、子猫用キャットフードを食べているなら、それをふやかしたものに、という考え方です。
猫の噛む力には個体差があり、一般的にはその離乳食を食べられる月齢でも、例外的に食べられないケースがあります。
そのような場合は、これまで食べ慣れたものに戻してみましょう。
しばらくするとまた発育が進み、次の段階の離乳食も食べられるようになっている可能性が高いです。
また、かつおぶしをまぶしたり、これまで使っていたミルクを粉のままふりかけたりする方法もあります。
猫に鰹節
うちの子たち魚は好きじゃない。
おかかおにぎり作ったから少しあげたら
凄い勢いで食べてる 😅
かつおぶしは別格(゜∇^d)!!? pic.twitter.com/I9l6Yl1wPo— Yosi (@Yosi65190175) May 28, 2023
特に猫にとってかつおぶしは相当な魅力があるもので、ひとふりするだけで勢いよく食べ始めるケースも。
このようなトッピングを使いこなし、うまく食欲を刺激しましょう。
また、さまざまな風味や舌触りを経験させるのも重要。これは将来的な好き嫌いをなくすうえで役立ちます。
風味ならかつお、まぐろ、たい、ささみなどのバリエーションがあるでしょう。
舌触りも、ペースト、缶詰、ドライフードなど多岐にわたります。
さらには「ゼリー仕立て」や「パテ状」のものまであります。
(引用:カルカンブレッキーズ)
さまざまな風味や舌触りを経験すれば、何でも美味しく食べるようになるでしょう。それは世話の手間を減らす、栄養を効率的に摂取することにつながります。
なるべく小さいころに、さまざまな味わいを経験させ、将来に備えましょう。
必要に応じておやつも与えるようにしましょう。これは栄養の補助と、子猫の満足度を高めるうえで役立ちます。
たとえばちゅーるやShibaの「カリカリ」などが代表的。
(引用:Amazon)
主食とするには栄養素が不足していますが、その補助や、猫の満足度を高めるうえでは非常に役立ちます。
ただしおやつも硬すぎては楽しめません。子猫期は柔らかいものを選ぶ、ふやかすなどして、食べやすいように工夫をしましょう。
可能であれば、できるだけ決まった時間に食事を与えるようにしましょう。そうすることで以下のメリットが得られます。
まず、「普段食べる量」がはっきりわかるので、食欲の増減がわかるようになります。そうすると明らかに食べる量が少ない、つまり疾患や体調不良の兆候に気づきやすくなるでしょう。
また飼い主にとっても給餌がルーティン化するので、世話も少し楽になります。
そのうえ決まった時間に起きて眠るという生活リズムを築くきっかけにもなるでしょう。リズムがきちんと作れたら、夜鳴きを避けたり、日中なのに寝て過ごしてばかり、といったことも避けやすくなります。
また、猫が食べてはいけない禁忌物を与えないようにしましょう。具体的に以下が挙げられます。
チョコレートやアルコールを与えることは、まずないでしょう。しかし「魚が好き」という特徴から連想し、貝類や甲殻類を与えてしまうことはありえます。
しかし実際には重大な禁忌となります。
基本的には「猫のためだけに作られたフード以外は与えない」と考えると、安全を確保しやすくなるでしょう。
本記事では子猫の離乳食に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
チュール(ちゅーる)だけでは離乳食にはなりません。含まれている栄養素は限定的であり、総合健康食と同等の役割を果たすのは困難です。
メーカーにもよりますが、そもそもエネルギー量が不足しています。
さらに猫が必要とするタンパク質、体内で蓄積できず定期的な摂取が必要になるビタミンB群の含有量が足りていない側面もあります。
あくまでチュールはおやつもしくは栄養補助食であると考えましょう。
ただ、猫にとってはきわめて魅力的な食べ物らしく、与えるだけで相当に満足します。
うまく活用して、猫の機嫌を取ったり、ストレスを解消したりするのがよいでしょう。
なおチュールに限らず、ほかのメーカー、種類のおやつに関しても、ほとんどの場合同様のことが言えます。
どこまでを離乳食として考えるかにもよりますが、基本的に生後1ヶ月から2ヶ月の間に与えます。
ただし猫の発育には個体差があるので、多少の微調整は必要です。
生まれつき体が小さいなら、もう少し長いだ間離乳食を与えるなどの工夫が必要になるでしょう。
生後3ヶ月を過ぎれば、基本的には子猫用のキャットフードに移行します。
離乳食に限らず、餌や食べ残しを置きっぱなしにするのは推奨できません。
これはいわゆる「置き餌」という方法ですが、これには以下の問題があります。
特に腐敗によって食あたりを起こすなどのトラブルは避けたいところ。特に子猫期は、ささいなことでも大病に発展するケースがあります。
上記の理由から、離乳食を置きっぱなしにするのはおすすめできません。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
子猫にとって、どのような離乳食を与えられるかは重要です。きちんとした知識を持ち、適切な回数と分量を与えるようにしましょう。
十分に配慮された食事を与え続ければ、より健康に成長するでしょう。
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