2022.09.29

「近所にひとりぼっちの子猫がいるので保護したいが、捕獲する方法がわからない」
「保護したあとはどうしてあげるべきなんだろう?」
「そもそも保護していいのだろうか?」
上記のように考えている人は多いでしょう。
ひとりぼっちでさみしそうにしている子猫がいたら、助けてあげたくなるもの。ただし保護したり捕獲したりするうえでは多くの注意点があります。
「子猫を助けたい!」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
外でひとりぼっちの子猫を見かけると、すぐにでも助けてあげたくなるもの。
その気持ちはとても自然なことですが、保護する前に確認しておくべき注意点があります。
つまり、保護する必要があるかどうか、冷静に見極める必要があります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
第一に、「保護したあとで面倒を見られるか」を考える必要があります。
日本の法律上、一度保護した子猫を、野外に戻すことはできません。
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)により、保護した動物を遺棄することは違法となります。つまり保護した時点で、以下のいずれかの責任が生じます。
「かわいそうだから保護したい」という気持ちだけでなく、その後の責任まで含めて判断できるかどうかが重要です。じっくり考えてから、保護するかどうかを決めるようにしましょう。
また、母親や兄弟がいないかを確認するのも重要です。
子猫が一匹でいても、必ずしも保護が必要な状態とは限りません。母猫が近くで見守っていたり、すぐそばに兄弟がいたりする場合もあります。
母猫は外敵から身を守るために、子猫のそばを離れることがあります。人間が近づくと警戒して姿を隠してしまうケースも少なくありません。
少なくとも数時間は離れた場所からそっと様子を見て、母猫が戻ってくるかどうか確認しましょう。
母猫と一緒に暮らせる環境があるなら、無理に引き離すよりも見守るほうが子猫にとっても幸せな場合があります。
外にいる猫が、地域住民やボランティアによって管理されている「地域猫」である可能性も検討します。
地域猫かどうかを見分けるポイントとして、耳の先端がV字にカットされているかどうかがあります。
これは「さくら耳」と呼ばれる目印で、避妊・去勢手術が済んでいることを示すもの。一般的にオスは右耳、メスは左耳がカットされています。
さくら耳の猫にはすでに世話をしている人がいる可能性が高いと考えられます。
近隣の住民に声をかけてみると、管理者が見つかることもあるでしょう。
外で生きている猫のすべてが、保護を必要としているわけではありません。地域に根ざして自力で生活できている猫も多く存在します。
以下のようなケースでは、保護よりも見守ることが適切な場合があります。
一方で、以下のような場合は保護を検討すべき状況といえます。
保護したい気持ちを尊重しながらも、「この猫にとって本当に必要なことは何か」を冷静に考えることが、猫のためにも地域のためにもなります。
子猫を保護することを決めたら、次は安全に捕まえる方法を考えましょう。子猫の状態や警戒心の強さによって、適切な方法が異なります。
捕獲においては、以下の方法が検討されます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
人馴れしていて近づける子猫であれば、直接手で捕まえるのがもっともシンプルな方法です。ただし、いくつかの点に注意が必要です。
まず、子猫に正面から近づくのは避けましょう。猫は正面からの接近を威圧と感じる傾向があります。体を低くして視線を外しながら、ゆっくりと横から近づくのが基本です。
また、素手で捕まえようとすると引っかかれたり噛まれたりするリスクがあります。
タオルや厚手の手袋を使うと、猫にも人にも負担を減らせるでしょう。
捕まえたらすぐにキャリーケースや段ボール箱に移し、ふたをして落ち着かせてあげましょう。
ただし子猫がある程度成長している場合は、すでに俊敏な動きを身につけて、軽やかにかわされることもあります。
その場合は、後述の洗濯ネットや捕獲器を利用するのがよいでしょう。
洗濯ネットは、保護猫の扱いに慣れたボランティアや動物病院でも広く使われている方法です。私たちねこほーむでも、そういった経緯で捕獲された子猫の話をよく聞きます。
手順は以下のとおり。
洗濯ネットに入ると、猫は体が密着する感覚から落ち着くことが多いとされています。
通気性もあるため、短時間であれば猫への負担も少なめ。
しかし、洗濯ネットはあくまでも一時的な手段です。動物病院への移動が終わったらすぐに適切な環境へ移してあげましょう。
警戒心が強く近づくことができない子猫には、捕獲器の使用が有効です。捕獲器は、中に入れた餌に子猫が触れると扉が自動的に閉まる仕組みになっています。
(引用:コメリ)
捕獲器は動物愛護団体や動物病院で貸し出しているケースがあります。まずは近くの施設に問い合わせてみましょう。捕獲器が手に入ったら、以下の手順で捕獲を試みます。
子猫は思ったよりも賢く、なかなか捕獲器にかかりません。場所や餌を変えながら根気強く取り組みましょう。
捕獲器を設置するときは、設置場所と見守り方にも気を配る必要があります。
設置する場所は、できるだけ日陰で風雨をしのげる場所を選びましょう。
直射日光の当たる場所では、夏場に熱中症、冬場には凍傷のリスクがあります。捕獲器に入った子猫が待つ時間を、できるだけ安全に過ごせるよう配慮することが大切です。
また、捕獲器を設置したら完全に放置するのは避けましょう。
人の気配があると猫が警戒するため、見守る際は距離を置いて目立たないようにします。
そして、捕獲器にかかったことにすぐ気づけるよう、定期的に様子を確認するようにしましょう。
子猫を保護したらすぐに動物病院へ連れて行き、健康チェックを受けることが理想的です。
問題は、動物病院が診察時間外の場合。診察を受けられるまで一晩、あるいは土日を挟んで数日待つかもしれません。
しかし、「どうしてあげればよいかわからない!」という人もいるはず。ここでは、診察が受けられるまでのお世話の仕方を解説します。
正しい知識をもって、命を守りましょう。
最初に子猫の歳を確認します。日齢・週齢しだいでお世話の仕方が変わってくるためです。
以下を基準に子猫の歳を判断しましょう。
生後日数によりケアや世話の内容が変わります。間違った処置を防ぐため、できるだけ正確に日齢・週齢を予測しましょう。
2週齢以降の子猫は目が見えているので、激しく暴れるケースもあります。
しかし急に環境が変わった子猫が取り乱すのは自然な反応。大人しくなったり、人慣れするまで待ちましょう。
続いて以下の表を参考にお世話に必要なものを準備しましょう。できれば保護する前に用意したいところですが、難しい場合は徐々に揃えても大丈夫です。
夜間帯だと手に入らないものもあります。特に子猫用ミルクはペットショップ以外では購入できないでしょう。
そのような場合は、コンビニなどでも販売されていることが多い無低糖乳・低乳糖乳で代用できます。
普通の牛乳は下痢・腹痛の原因になるので、与えないよう注意しましょう。
保護した子猫を預かるときは、安全な環境を作ってあげましょう。ポイントは2つあります。
もっとも大切なのは、子猫の体を冷やさないこと。日齢・週齢が若いほど、うまく体温調節できません。
湯たんぽや使い捨てカイロをタオルにくるみ、寝床に置いておきましょう。これで母猫の体温に近い温度で温めてあげられます。
また、できるだけ人とは触れ合わないようにしましょう。子猫にとって自分よりも圧倒的に大きい生物との接触は大きなストレスになるかもしれません。
子猫がいるキャリーケースや段ボールをタオルでくるむなど、子猫と人間の目が必要以上に合わないようにしましょう。
湯たんぽや使い捨てカイロがない場合は、ペットボトルで代用することができます。
45度前後のお湯を入れてタオルにくるみ、寝床に置いてあげましょう。
湯たんぽやカイロと異なり適宜取り替える必要はありますが、じゅうぶんな保温が可能です。
子猫の世話は、主に授乳と排泄です。ただしこれも猫の日齢・週齢によってやり方が異なります。以下の表を参考に、適切な世話をしてあげましょう。
夜中も定期的にミルクをあげなければいけません。家族で授乳を交代制にするなど、負担にならないよう工夫できるとよいでしょう。
また2週齢未満だと、お皿に出しても飲めないケースも。その場合は、シリンジ(哺乳瓶)を用意して直接飲ませてあげます。
自力でトイレができない場合は、ミルクを与える前後で排泄をうながす必要があります。まだそれだけの筋力が育っていないからです。
濡れティッシュのようなものでお尻をトントンと叩きましょう。そうすることで排泄を助けてあげられます。
衛生的に少し抵抗があるかもしれませんが、排泄ができないと子猫はすぐに体調を崩してしまいます。やさしくお世話してあげましょう。
子猫を保護した結果、「この子はウチで育てたい」と考える人もいるでしょう。もちろんそれ自体はまったく問題ありません。
ただし飼い主としての責任がついて回るのはもちろん、準備と費用が必要な点を理解しましょう。 子猫を育てるなら、少なくとも以下のものが必要です。
猫を飼ったことがない場合、持っていないものも多いはず。高価なものでなくてもよいので、とりあえず一通り揃えましょう。
子猫を飼うと決めたなら、状況に応じて様々な処置を受ける必要があり、以下の通り費用がかかります。
<合計:28,000円〜50,000円>
避妊・去勢手術を受けていないと、多頭飼育崩壊を招く可能性があります。基本的にはかならず受けさせましょう。
各種検査とワクチンは、猫だけでなく人へのウイルス伝染を防ぐうえで重要です。動物病院の指示に従い、速やかに処置を受けましょう。
先住猫がいる家庭では、すぐに一緒にするのは危険です。
保護した子猫は、ノミ・ダニ・猫風邪などの感染症を持っている可能性があります。
先住猫への感染を防ぐため、動物病院でのチェックが終わるまでは必ず別の部屋で管理しましょう。
隔離期間中は、以下の点に気をつけてください。
動物病院から許可が出たら、いよいよ対面です。ただし、いきなり同じ空間に放すのは避けましょう。
まずはお互いの匂いがついたタオルやおもちゃを交換し、存在に慣れさせるところから始めます。
次にケージ越しで顔を合わせ、問題がなければ短い時間から直接対面へと段階を踏んで進めましょう。
子猫を保護したものの、残念ながら自宅では飼育できないケースも。
その場合は引き取り先を探します。 引き取ってもらうには3つの条件をクリアする必要があります。
引き取り先についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
保護した子猫を引き取ってもらう条件は以下の3つです。
引き取り先や里親を見つけるには、それぞれの処置を終えている必要があります。
引き取り先は動物愛護団体か、里親募集サイトが考えられます。
それぞれ解説するので、参考にしてください。
子猫の引き取り先としてもっとも安心なのは動物愛護団体です。生涯にわたって面倒を見たり、信頼できる里親を探してくれたりします。
ねこホームでも、猫の引き取りに関する相談を随時お受けしています。お悩みの方はぜひ一度ご連絡ください。
里親募集サイトとは、猫を引き取ってほしい人と引き取りたい里親希望者をマッチングするサイトです。
「ペットのおうち」や「OMUSUBI」などが有名です。 里親になってくれそうな人がいたらメッセージを交換し、条件が一致すれば子猫を引き取ってもらえます。
子猫を生涯大事にしてくれる人かどうか、コミュニケーションを取るなかで見極めましょう。
この記事では子猫の保護に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
保護直後の夜鳴きは、ほぼすべての子猫に見られる自然な反応です。慣れ親しんだ環境から突然連れてこられた子猫は、不安やストレスから大きな声で鳴くことがあります。
対処法としては、ケージに暗めの布をかけて視界を遮り、落ち着ける環境を作ることが有効です。飼い主の匂いがついたタオルを寝床に入れてあげると、安心感につながることもあります。鳴くたびに反応すると「鳴けば構ってもらえる」と学習してしまうため、危険な様子がなければ落ち着くまで見守るのが基本です。
多くの場合、環境に慣れるにつれて自然と落ち着いてきます。数日から数週間で改善するケースが大半ですが、長引く場合は動物病院に相談しましょう。
保護直後に食欲がない子猫は珍しくありません。環境の変化によるストレスや、慣れない食事が原因であることが多いです。
まずは子猫の日齢・週齢に合った食事を用意できているか確認しましょう。離乳前の子猫には子猫用ミルクが必要で、お皿では飲めないためシリンジを使う必要があります。また、フードの温度を人肌程度に温めると食べやすくなる場合もあります。
それでも丸一日以上食べない場合や、ぐったりしている様子があれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。子猫は体力の消耗が早く、低血糖になるリスクがあります。
野外で育った子猫が人間を警戒するのは自然なことです。無理に触ろうとせず、まずは同じ空間で静かに過ごす時間を増やすことから始めましょう。
子猫のそばでごはんを置いて離れる、低い声でゆっくり話しかけるなど、「この人間は怖くない」と感じてもらう積み重ねが大切です。焦って距離を縮めようとすると逆効果になる場合もあります。
一般的に、生後2〜3ヶ月以内の子猫であれば比較的早く慣れる傾向があります。時間はかかっても、根気強く接することで距離が縮まっていくでしょう。
この記事では子猫の保護に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
子猫を一度保護したら、自身で飼わない場合でも引き取り先が見つかるまでの責任が生じます。責任を果たせるかをしっかり考えてから、保護するかどうかを判断しましょう。
関連記事