子猫を保護したいときはどうすればよい?捕獲したあとの行動と引き取り先

  • 近所にひとりぼっちの子猫がいるので保護したいが、捕獲する方法がわからない
  • 保護したあとはどうしてあげるべきなんだろう?

上記のように考えている人は多いでしょう。

ひとりぼっちでさみしそうにしている子猫がいたら、助けてあげたくなるもの。ただし保護したり捕獲したりするうえでは多くの注意点があります

「子猫を助けたい!」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

子猫を保護する前に確認することと、ケガさせずに捕まえる方法

子猫を保護するには、以下3つのステップを踏みましょう。

  1. 本当に保護すべき子猫かどうか確認
  2. 保護したあとの責任を果たせるか再確認
  3. 正しい方法で子猫を捕獲する

まず保護して問題ないかを確認し、ケガをさせないように正しく安全な方法で捕獲する必要があります。

傷ついた子猫がいたら、今すぐにでも助けてあげたくなります。その気持ちはすごくよくわかりますが、捕獲するには慎重な判断が必要です。 下記で解説するので参考にしてください。

1.本当に保護すべき子猫か確認しよう

最初に、本当に保護すべきか確認しましょう

外にいるから野良猫とは限らず、脱走した飼い猫かもしれません。すでに飼い主が警察や動物愛護センターに届けているケースも。 

まず迷い猫ではないか最寄りの警察署や交番に問い合わせましょう。 もし飼い主が届け出ていれば、あとは警察が対処します。

Twitterで情報を募っているケースもあるので、可能ならそちらもチェックしましょう。

また、母猫がいないかも確認しましょう。子猫一匹で孤立しているように見えて、意外と母親や兄弟姉妹がいるかもしれません。

無理やり家族と引き離すのは避けてあげたいところ。母猫や兄弟姉妹との暮らしをそっと見守るのがよいでしょう。

2.保護したあとの責任を果たせるか確認しよう

「子猫を保護したい!」という気持ちは痛いほどわかります。

しかし子猫を捕まえたら、もう野良には戻せません。手放すことが動物愛護法違反になるからです。

拾い主として以下のように対応する必要があります。

  1. 動物病院へ連れて行き、実費で検査を受ける。
  2. その後、自宅で最期まで飼育を続ける。飼育が難しい場合は、責任を持って引き取り先を探す。

つまり拾った時点で家族として迎え入れるか、引き取り先を探すか、どちらかに至るまで面倒を見なければいけません。

責任を果たせるかしっかりと考えましょう。

3.正しい方法で逃げる子猫を保護しよう

準備ができたら、正しい方法で子猫を保護しましょう。すばしっこく逃げるなら、以下のような”捕獲器”が必要です

捕獲器

(引用:コメリ

中に餌を置き、そこに子猫が触れると扉が閉まるワナが仕込まれています。

動物愛護団体や動物病院で貸出されているので、必要な場合は一度確認してみましょう。捕獲器が入手出来たら、以下の方法で捕獲を試みます。

  1. 猫が出没する時間と場所を把握する
  2. 可能であれば数日前から周辺に焼き魚やチュールを撒き、猫に「この辺りにはおいしい食べ物がある」と認識させる
  3. 同様に猫が好む食べ物を入れた捕獲器を置く(人目につかない薄暗い場所がよい)
  4. 捕獲器にかかったら、逃げないようにキャリーケースへ移す
  5. 成果が出なければ捕獲器の設置場所を変える

子猫は思ったよりも賢く、なかなか捕獲器にかかりません。場所や餌を変えるなどして根気強く取り組みましょう。

野良猫・子猫を捕獲・保護してくれる団体はほぼ存在しない

「野良猫や子猫の保護を依頼できないんだろうか?」と思う人もいるでしょう。結論から言うと対応してくれる団体はほぼ存在しません

例えば市役所や警察は、猫に限らず動物全般の捕獲や保護に対応していないのが実情です。 動物愛護団体も同様で、依頼を受けて対応できるほど予算や人員に余裕がありません。

そのため、捕獲や保護をしたい場合は自分で対応する必要があります。

子猫を保護したら動物病院へ!診察時間外の対応は?

子猫を保護したらすぐに動物病院へ連れて行き、健康チェックを受けることが理想的です。

問題は、動物病院が診察時間外の場合。診察を受けられるまで一晩、あるいは土日を挟んで数日待つかもしれません。

しかし、「どうしてあげればよいかわからない!」という人もいるはず。ここでは、診察が受けられるまでのお世話の仕方を解説します。

正しい知識をもって、命を守りましょう。

保護したらまずは子猫の歳を確認!

最初に子猫の歳を確認します。日齢・週齢しだいでお世話の仕方が変わってくるためです。

以下を基準に子猫の歳を判断しましょう。

生後日数によりケアや世話の内容が変わります。間違った処置を防ぐため、できるだけ正確に日齢・週齢を予測しましょう。

凶暴なら落ち着くのを待とう

2週齢以降の子猫は目が見えているので、激しく暴れるケースもあります。

しかし急に環境が変わった子猫が取り乱すのは自然な反応。大人しくなったり、人慣れするまで待ちましょう。

お世話に必要なものを準備しよう

続いて以下の表を参考にお世話に必要なものを準備しましょう。できれば保護する前に用意したいところですが、難しい場合は徐々に揃えても大丈夫です。

夜間帯だと手に入らないものもあります。特に子猫用ミルクはペットショップ以外では購入できないでしょう。

そのような場合は、コンビニなどでも販売されていることが多い無低糖乳・低乳糖乳で代用できます。

普通の牛乳は下痢・腹痛の原因になるので、与えないよう注意しましょう。

安全に過ごせる環境を作ってあげよう

保護した子猫を預かるときは、安全な環境を作ってあげましょう。ポイントは2つあります。

  • 体が冷えないようにする
  • できるだけ人とは触れ合わない

もっとも大切なのは、子猫の体を冷やさないこと。日齢・週齢が若いほど、うまく体温調節できません。

湯たんぽや使い捨てカイロをタオルにくるみ、寝床に置いておきましょう。これで母猫の体温に近い温度で温めてあげられます。

また、できるだけ人とは触れ合わないようにしましょう。子猫にとって自分よりも圧倒的に大きい生物との接触は大きなストレスになるかもしれません。

子猫がいるキャリーケースや段ボールをタオルでくるむなど、子猫と人間の目が必要以上に合わないようにしましょう。

ペットボトルとお湯で体温調節

湯たんぽや使い捨てカイロがない場合は、ペットボトルで代用することができます

45度前後のお湯を入れてタオルにくるみ、寝床に置いてあげましょう。

湯たんぽやカイロと異なり適宜取り替える必要はありますが、じゅうぶんな保温が可能です。

授乳と排泄も、子猫の歳に合った方法で

子猫の世話は、主に授乳と排泄です。ただしこれも猫の日齢・週齢によってやり方が異なります。以下の表を参考に、適切な世話をしてあげましょう。

夜中も定期的にミルクをあげなければいけません。家族で授乳を交代制にするなど、負担にならないよう工夫できるとよいでしょう。

また2週齢未満だと、お皿に出しても飲めないケースも。その場合は、シリンジ(哺乳瓶)を用意して直接飲ませてあげます。

自力でトイレができない場合は、ミルクを与える前後で排泄をうながす必要があります。まだそれだけの筋力が育っていないからです。

濡れティッシュのようなものでお尻をトントンと叩きましょう。そうすることで排泄を助けてあげられます。

衛生的に少し抵抗があるかもしれませんが、排泄ができないと子猫はすぐに体調を崩してしまいます。やさしくお世話してあげましょう。

自分で飼う場合はペット用品を準備しよう

子猫を保護した結果、「この子はウチで育てたい」と考える人もいるでしょう。もちろんそれ自体はまったく問題ありません。

ただし飼い主としての責任がついて回るのはもちろん、準備と費用が必要な点を理解しましょう。 子猫を育てるなら、少なくとも以下のものが必要です。

  • キャリーバッグ
  • ペット用のお皿ふたつ
  • ケージ
  • ペットシーツ
  • 子猫用ミルク
  • キャットフード
  • 猫砂
  • 猫用トイレ
  • 爪とぎシート
  • 湯たんぽ・使い捨てカイロ

猫を飼ったことがない場合、持っていないものも多いはず。高価なものでなくてもよいので、とりあえず一通り揃えましょう。

手術・検査・ワクチンで50,000円程度かかるかも

子猫を飼うと決めたなら、状況に応じて様々な処置を受ける必要があり、以下の通り費用がかかります

  • 避妊・去勢手術:15,000円〜30,000円
  • 血液・猫ウイルス検査:10,000円〜13,000円
  • 混合ワクチンの接種:3,000円〜7,000円

<合計:28,000円〜50,000円>

避妊・去勢手術を受けていないと、多頭飼育崩壊を招く可能性があります。基本的にはかならず受けさせましょう。

各種検査とワクチンは、猫だけでなく人へのウイルス伝染を防ぐうえで重要です。動物病院の指示に従い、速やかに処置を受けましょう。

子猫を保護したものの飼えない場合は引き取り先を探そう

子猫を保護したものの、残念ながら自宅では飼育できないケースも。

その場合は引き取り先を探します。 引き取ってもらうには3つの条件をクリアする必要があります。

引き取り先についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

引き取り先や里親を探す前に3つの条件を確認!

保護した子猫を引き取ってもらう条件は以下の3つです。

  • 避妊・去勢手術を受けている
  • 血液・猫ウイルス検査を終えている
  • 混合ワクチンを接種している

引き取り先や里親を見つけるには、それぞれの処置を終えている必要があります

引き取り先は動物愛護団体か、里親募集サイトが考えられます。

それぞれ解説するので、参考にしてください。

もっとも安心できるのは動物愛護団体

子猫の引き取り先としてもっとも安心なのは動物愛護団体です。生涯にわたって面倒を見たり、信頼できる里親を探してくれたりします。

ねこホームでも、猫の引き取りに関する相談を随時お受けしています。お悩みの方はぜひ一度ご連絡ください。

里親募集サイトで里親を探す

里親募集サイトとは、猫を引き取ってほしい人と引き取りたい里親希望者をマッチングするサイトです。

「ペットのおうち」や「OMUSUBI」などが有名です。 里親になってくれそうな人がいたらメッセージを交換し、条件が一致すれば子猫を引き取ってもらえます。

子猫を生涯大事にしてくれる人かどうか、コミュニケーションを取るなかで見極めましょう。

まとめ

本記事では子猫の保護・捕獲について解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • 子猫を捕獲する前に、保護する必要があるかを確認
  • 保護した後の責任を果たせるかしっかり考える
  • 逃げ回る子猫には捕獲器を使う
  • 保護できたらすぐに動物病院へ
  • 診察時間外なら、自宅で日齢・週齢に合ったケアを
  • 体が冷えないように体温調節を行う
  • できるだけ人と触れ合わせず、ストレスをかけないように配慮する
  • 自分で飼う場合は、様々な準備と多くの費用が必要
  • 保護したあと引き取ってもらう場合は、動物愛護団体か里親募集サイトで里親を探す

子猫を一度保護したら、自身で飼わない場合でも引き取り先が見つかるまでの責任が生じます。

責任を取れるのかをしっかり考えてから、子猫を保護しましょう。

お問い合わせ 詳しくはコチラ

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