コラム

老猫ホームとは?費用相場と選び方・全国の施設一覧

猫ちゃんとの暮らしをもっと豊かにするための専門コラム

2022.06.10 猫の預かり・施設
布団で寝る猫

年老いた猫の介護が、そろそろ自分ひとりでは支えきれない。そう感じ始めている方に向けて、老猫ホームという預け先について整理しました。

老猫ホームは、高齢になった猫を長期または生涯にわたって預かる施設です。費用は施設によって大きく変わり、初期費用と継続してかかる費用の二階建てになっているのが一般的です。まだ預けると決めていない段階でも、相場と選び方を知っておけば、いざというときに慌てずに済みます。

その老猫ホームと同じように、猫を生涯にわたって預かっているのが東京都町田市のNPO法人ねこほーむです。料金に何がどこまで含まれるのかも、預けたあとの面会や看取りの取り決めも、施設ごとにかなり違います。

この記事では、次のことを順に説明します。

  • 老猫ホームの定義と、ペットホテルや動物病院の預かりとの違い
  • 費用の内訳と、実際に公表されている料金の例
  • 利用するかどうかを決めるための判断材料
  • 信頼できる施設を見分ける方法と、見学時に見るべきこと
  • 預けたあとの面会・近況報告・看取りの取り決め
  • 全国の老猫ホーム一覧

年老いた猫の預け先を探している方へ|NPO法人ねこほーむ

東京都町田市で、高齢や病気で飼い続けられなくなった猫を生涯にわたってお預かりしています。ご相談は無料です。預けると決める前の、費用や条件だけを確かめたい段階でも構いません。

お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。

老猫ホームとは?高齢の猫を長期または生涯にわたって預かる施設のこと

凛々しい猫

老猫ホームとは、飼い主に代わって高齢の猫を世話する施設のことです。人でいえば介護付きの高齢者施設にあたり、食事とトイレの介助、獣医師の指示に沿った服薬の管理、健康状態の見守りまでを引き受けるところです。

預かる期間には、大きく二つの形があります。ひとつは1か月単位や半年単位で契約を更新していく長期預かり、もうひとつは猫の一生を引き受ける生涯預かり(終身預かり)です。どちらを選ぶかで費用の払い方も、猫が最期を迎える場所も変わります。

法律の面から見ると、飼い主が費用を負担して猫を託す形の預かりは、第一種動物取扱業のうち「動物を譲り受けてその飼養を行うこと(当該動物を譲り渡した者が当該飼養に要する費用の全部又は一部を負担する場合に限る。)」にあたります(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律施行令 第1条第2号)。この業種は俗に譲受飼養と呼ばれ、事業を営むには都道府県知事等の登録が必要です(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第10条第1項)。施設を選ぶときの手がかりになるため、あとの章でくわしく取り上げました。

施設で受けられるケアは、おおむね次の三つに分かれます。多くの施設は、これらを組み合わせた内容を提示しているはずです。

<介助サービス>

  • トイレ・食事・移動・入浴介助
  • 運動による認知能力のケア
  • 爪研ぎ、爪切り・耳掃除

<健康管理>

  • 獣医の往診・投薬
  • ケージを使わないのびのびとした生活
  • 老猫に必要な栄養素を重視した食事

<安全管理>

  • 転落や転倒が起こりづらい間取り・構造
  • 脱走防止
  • 性格ごとのグルーピングによるケンカやケガの防止や、ケージでの一時的な隔離

どこまで対応してもらえるかは施設ごとに違います。パンフレットや公式サイトの記載だけで判断せず、見学の際に実際の様子を確かめてください。

ペットホテル・動物病院の預かりとの違い

「猫を預かってくれる場所」と一口にいっても、目的も期間も費用の払い方も異なります。混同したまま問い合わせると話がかみ合わないので、先に整理しておきましょう。

種類 預かる期間 主な目的 受け入れの条件 飼い主のもとへ戻るか
老猫ホーム(生涯預かり) 数か月〜猫の一生 飼い主に代わって世話を続ける 高齢・要介護の猫が中心。ワクチン接種や検査を求められることが多い 戻らない前提。返還の可否は契約による
老猫ホーム(長期預かり) 1か月〜1年単位で更新 一定期間だけ世話を代わる 同上 契約期間の満了後に戻る
ペットホテル 数時間〜数週間 旅行や出張のあいだ預かる 健康な猫が中心。介護対応は施設による 戻る
動物病院の預かり 治療に必要な期間 入院と治療 治療の必要があること 戻る
一時預かりボランティア 数週間〜里親が決まるまで 次の飼い主が見つかるまで保護する 団体の基準による 戻らない(里親へ譲渡)

短期間だけ預けたいのか、それとも最期まで託したいのか。この区別がつくと、問い合わせ先はかなり絞り込めます。ペットホテルの使い方については別の記事にまとめました。

あわせて読みたいペットホテルとは?料金や特徴、利用時に猫にストレスを感じさせないための工夫ペットホテルってどのような施設なんだろう? 猫のストレスになると聞いたけど、少しでも楽にしてあげられないだろうか? 上記のように考えている飼い主は多いでしょ…

老猫ホームの費用相場は初期費用と月額または年額に分かれる

費用は、契約時にまとめて払う初期費用と、預かっているあいだ継続してかかる利用料の二階建てになっています。終身一括のプランを用意している施設もあり、その場合は契約時に全額を払う形です。

実際に公表されている料金を二つ挙げます。いずれも2026年8月29日時点で各施設が公開している金額で、猫の年齢や介護の必要度によって変わります。

施設 初期費用 継続してかかる費用 別途かかるもの
猫専門ペットホテル&老猫ホーム かぎしっぽ(大阪府茨木市)
2026年8月29日 公式サイトで確認
保証金 300,000円(1年契約時/契約終了時に全額返金) 1年単位 500,000円/年。終身一括は1,300,000円(14歳以上)、13歳以下は1,500,000円 消費税、介護料金、治療費
老犬・老猫ホーム 東京ペットホーム(東京都大田区)
2026年8月29日 出典ページで確認
入居一時金 330,000円(税込)+医療予備費 100,000円 一生預かり(6か月更新)で、介護なし330,000円/軽度介護429,000円/中度介護528,000円/重度介護627,000円(いずれも税込) 医療費、ワクチン代、指定フードの費用

(出典:猫専門ペットホテル&老猫ホーム かぎしっぽ・老猫ホームご利用料金老犬ケア・老犬・老猫ホーム 東京ペットホームの料金表。いずれも2026年8月29日に確認)

並べてみると、同じ「生涯預かり」でも払い方がまるで違うことがわかります。保証金が返ってくる施設もあれば、介護の必要度で半年ごとの料金が二倍近くになる施設もあります。相場の数字だけを見て判断せず、申し込む前に必ず各施設の公式サイトと見積もりで確認してください。

受け入れ枠が埋まっていることもある
料金を調べる前に、そもそも空きがあるかを確かめておくと無駄がありません。上に挙げたかぎしっぽは、2026年8月29日の時点で「老猫さんのお預かり枠が埋まっています」と公式サイトに掲示していました。生涯預かりは一度受け入れると何年も枠がふさがるため、こうした状況は珍しくありません。

料金に含まれるものと、別途になりやすいもの

金額そのものより先に確かめたいのが、その料金に何が含まれているかです。同じ年額でも、医療費が込みなのか実費なのかで、実際に払う総額は大きく変わります。

区分 内容
含まれることが多いもの 居室の使用料、毎日の食事、トイレ砂、日常のケア(給餌・排泄の介助・爪切りなど)、定期的な健康チェック
別途になりやすいもの 通院と治療の実費、ワクチン代、療法食や指定フード、介護度に応じた加算、送迎、看取りと火葬にかかる費用
確認しておきたいこと 介護度はどう判定されるのか、更新のたびに見直されるのか、料金を改定する条件はあるのか

東京ペットホームの料金表では、介護度が「軽度=食事・排泄の介助等が必要な状態」「中度=認知症・歩行困難な状態」「重度=夜鳴き・寝たきり等の状態」と定義され、ヒアリングのうえで決まると明記されています(出典:老犬ケア・老犬・老猫ホーム 東京ペットホームの料金表、2026年8月29日確認)。問い合わせのときは「月額に医療費は含まれますか」「介護度が上がったら費用はどう変わりますか」と、この二つを必ず聞いてください。

自宅で介護を続ける場合との費用の比較

老猫ホームの費用が高いかどうかは、自宅で介護を続けた場合と並べてみないと判断できません。参考になるのが、ペット保険の契約データをもとにした統計です。

猫にかかる年間の診療費は、10歳以上で平均106,158円、中央値46,606円でした(出典:アニコム損害保険・家庭どうぶつ白書2025(2023年度・269,938頭))。平均と中央値の差が大きい点に注意してください。多くの猫は中央値に近い金額で収まる一方、重い病気を抱えると平均を大きく超えることがあります。猫の腎不全末期の症状と余命|在宅でできる緩和ケアと看取り方で扱っている腎臓の病気のように、長く通院が続くケースでは月々の負担がじわじわ効いてきます。

同じ資料では、猫1頭にかかる年間の支出の合計を178,418円としています(2024年調査・回答数1,966頭)。ただしこの調査の回答者はペット保険の契約者で、金額にはペット保険料29,791円が含まれています。保険に入っていない場合の実感とはずれる可能性があるので、目安として受け取ってください。

猫の平均寿命は14.5歳です(出典:同白書2-4-3、2023年度)。仮に15歳の猫を生涯預かりで託すとすれば、残りの年数はそれほど長くないかもしれません。逆に、まだ10歳前後であれば数年から10年近い契約になります。年額と終身一括のどちらが妥当かは、猫の年齢と健康状態で答えが変わります。

もっとも、自宅介護でかかるのはお金だけではありません。夜間のトイレ介助や、決まった時間に薬を飲ませる作業が毎日続けば、飼い主の睡眠と仕事にも響いてきます。生涯預かりと長期預かりの仕組みそのものは、こちらの記事で整理しました。

あわせて読みたい猫を生涯・長期で預かりしてもらうには?2つのサービスと利用条件・費用を解説!事情があって猫を飼えなくなったので、生涯にわたって預かって欲しい 転勤や出張などでしばらく猫と暮らせなくなったので、数週間から数年単位で預かってほしい しか…

老猫ホームを利用するか迷ったときの判断材料

外方を向く猫

預けるかどうかは、次の三つを順に確かめていくと整理しやすくなります。

  1. 猫の状態はどうか(介護がどの程度必要になっているか)
  2. 飼い主の状況はどうか(世話を続けられる体力・時間・環境があるか)
  3. この先どのくらい続けられそうか(半年後、1年後を想像できるか)

一つ目と二つ目を、それぞれ見ていきます。

老猫ホームの利用は無責任ではない

老猫ホームを利用するのはけっして無責任ではありません。

たしかに「飼ったら最後まで”面倒を見るべき”だ」という趣旨の批判は気になるでしょう。

しかし状況に応じて老猫ホームを頼るのも”面倒の見方”のひとつであり、必ずしも側に一緒に暮らすことだけが答えではありません。

むしろ不十分な自宅介護よりも安定した施設介護を受けさせるほうが、猫にとっては快適で安全なケースも多々あり、むしろ良心的な判断だといえます。

猫の状態と自身の状況を書き出しても決めきれないときは、預け先の条件のほうから当たってみる手もあります。

ねこほーむに預かりの条件を聞く

猫の状態から判断する

次のような変化が続いているときは、猫の体が老いのステージに入っているサインです。あてはまるものがないか確かめてみてください。

  • ジャンプやダッシュ、じゃれ合い、激しい運動をしなくなり、元気がない
  • 押し入れの奥など見つけづらいところへ行く
  • 食事量が減る、辛そうに食べる
  • 痩せたり、お腹が垂れたり、体が衰えていて辛そう
  • 夜中に鳴く、粗相が増えるなど、これまでになかった行動が出てきた

ただし、これらは加齢だけでなく病気が隠れている場合もあります。老猫ホームを検討する前に、まずかかりつけの獣医師に相談して、いま何が起きているのかを確かめてください。治療で改善する不調であれば、預けずに済む可能性もあります。食事量が落ちている場合の見分け方は高齢猫がご飯を食べない理由・対処法は?病院に連れて行くべきケースも解説で説明しました。

老いの進み方そのものを知っておきたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

あわせて読みたい猫における老衰とは?一般的な兆候と長生きのポイント「愛猫が最近よく寝るようになったけど老衰のサイン?」 「猫の老衰が近づいたとき飼い主は何をしてあげられる?」 「猫に少しでも長生きしてもらうにはどうすればい…

飼い主の状況から判断する

判断材料は猫の側だけではありません。世話をする人の状況が変われば、同じ介護でも続けられるかどうかが変わります。

  • 介護を続けるのがつらいと感じた
  • 仕事や日常生活との両立が厳しい
  • 老猫化に合わせた家具の安全化が難しい

預け先を探す理由は、猫の老いだけとはかぎりません。ねこほーむが相談先として挙げているのも、次のような場面です(出典:NPO法人ねこほーむ・猫のお預かりについて)。

  • 転居先がペット禁止:引越しや住宅事情の変化で、猫と一緒に暮らせなくなった
  • 高齢化による飼育の不安:自身の年齢や体力の変化により、十分な世話が難しくなってきた
  • 入院・介護施設への入所:長期入院や施設への入所などで、世話を続けられなくなった
  • 突然の別れ:家族の急逝や病気など、予期せぬ出来事で世話が困難になった

猫の状態と飼い主の状況、どちらか一方でも限界に近づいているなら、いまのうちに預け先を調べておく意味があります。ねこほーむもこうした事情での相談を受け付けています。条件や流れはお預かりについてにまとめてありますので、目を通したうえで気になる点を聞いてみてください。

なお、自宅での介護を少しでも楽にする工夫が残っているかもしれません。預ける前に一度、こちらも読んでみてください。

あわせて読みたい老猫の介護方法とは?飼い主の負担を減らすケア方法を解説この記事では、猫の介護につい準備すべきことや飼い主を負担を軽減する方法などを解説します。また、猫の介護が必要になるサインも解説しているので、猫を飼っている方…

失敗しない老猫ホームの選び方と見学時のチェックリスト

老猫ホームは、一度預けたら何年も付き合うことになる相手です。料金の安さだけで決めると、あとから医療対応や面会の条件でつまずきます。

選ぶ手順は、次の三段階で考えてください。

  1. 登録と体制を確かめる(書類の上での信頼性)
  2. 見学して環境を見る(現場の状態)
  3. 契約書で条件を確かめる(あとから揉めない取り決め)

第一種動物取扱業(譲受飼養)の登録番号を確認する

いちばん最初に確かめてほしいのが、登録の有無です。

飼い主が費用を負担して猫を託す形の預かりは、第一種動物取扱業のうち譲受飼養にあたり、都道府県知事等の登録を受けなければ営めません(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第10条第1項同法施行令 第1条第2号)。そして登録を受けた事業者には、事業所ごとに公衆の見やすい場所へ、氏名または名称と登録番号を記載した標識を掲げる義務があります(同法 第18条)。さらに事業所ごとに動物取扱責任者を選任し、都道府県が行う研修を受けさせることも定められています(同法 第22条)。

つまり、見学に行けば標識を自分の目で確かめられるということです。掲示が見当たらなければ、その場で登録番号を尋ねてください。

参考までに、NPO法人ねこほーむの登録は次のとおりです(出典:NPO法人ねこほーむ・団体の概要)。他の施設に問い合わせるときも、同じ形で答えが返ってくるかを目安にしてください。

  • 東京都譲第101833号(稲城第一シェルター)
  • 東京都譲第102142号(町田第二シェルター)
  • 動物取扱責任者:若田 翼

猫の年齢や持病が入居条件に合うかを確かめる

登録の次に確かめたいのが、その施設の入居条件です。ここは施設ごとの差がとても大きく、条件が合わないと見学まで進んでも話が止まってしまいます。

  • 年齢:上限を設けていない施設もあれば、原則1歳以上のように下限を設けている施設もあります
  • 飼育環境:完全室内飼いだった猫に限る、という条件をつけている施設があります
  • 健康面の書類:混合ワクチンの接種証明書、猫エイズ・猫白血病のウイルス検査の結果、不妊手術の証明書を求められるのが一般的です
  • 持病・処方薬:受け入れの可否は病状を見ての個別判断です。かかりつけの動物病院の情報を添えて、早めに伝えてください
  • 空き状況:生涯預かりは一頭で長く枠がふさがるため、条件が合っても順番待ちになることがあります

(出典:老犬ケア・東京ペットホームの入居の条件かぎしっぽ・お預かりの条件、いずれも2026年8月29日確認)

並べてみると条件そのものはどこも似ていますが、どこまで融通が利くかは施設ごとに違います。書かれている条件だけを読んで「うちの子は当てはまらないのでは」と自分で線を引いてしまう前に、猫の年齢と健康状態を伝えて問い合わせてみてください。書類の準備が難しければ、代行してくれる施設もあります。

見学して施設の環境と体制を見る

書類の次は現場です。写真ではわからないものが、におい、音、スタッフの動き方に出ます。

  • 居室の広さと高さ。上下に動けるスペースがあるか
  • においと清掃の状態。トイレの数は頭数に見合っているか
  • 猫どうしの分け方。相性で部屋を分けているか、隔離できる部屋があるか
  • スタッフの人数と勤務体制。夜間や休日は誰が見ているのか
  • かかりつけの動物病院との連携。急変時にどこへ運ぶのか
  • 脱走防止と転落防止の設備
  • 災害時の備え。停電や断水のときにどうするのか

見学を断られる施設は、候補から外して構いません。大切な猫を何年も預ける相手なので、中を見せてもらえないまま契約する理由はないはずです。ねこほーむも事前にご連絡いただければ見学に対応しています(出典:NPO法人ねこほーむ・猫のお預かりについて)。

契約前に条件を書面で確認する

最後は書面です。口頭の説明だけで済ませると、数年後に事情が変わったときに拠りどころがなくなります。

確認項目 聞き方の例
医療費の扱い 月額に医療費は含まれますか。高額な治療が必要になったときは誰が判断しますか
介護度の加算 介護度はどう判定し、いつ見直されますか。上がった場合の追加費用はいくらですか
料金改定 契約後に料金が変わることはありますか。変わる場合は何か月前に知らせてもらえますか
面会 面会はできますか。予約は必要ですか。回数の制限はありますか
近況報告 写真や動画での報告はありますか。どのくらいの頻度ですか
返還 事情が変わって返してほしくなったとき、返してもらえますか。費用の精算はどうなりますか
看取り 猫が亡くなったときの連絡方法、遺体の扱い、火葬の手配はどうなりますか
施設の継続性 事業を続けられなくなった場合、猫はどうなりますか

返還と返金の条件は、施設によってはっきり差が出るところです。たとえばかぎしっぽは、終身契約を1年未満で解約する場合は1日のホテル料金を基準に精算し、保証金の返金はないと公式サイトに明記しています(出典:猫専門ペットホテル&老猫ホーム かぎしっぽ・老猫ホームご利用料金、2026年8月29日確認)。契約書を持ち帰って読む時間をもらい、納得してから署名してください。

預けたあとはどうなる?面会・近況報告・看取りまで

預けたら会えなくなるのではないか。ここが不安で決めきれない方は少なくないはずです。実際の運用は施設ごとに違うので、契約前に必ず確かめておきたいところです。

おおよその流れは次のようになります。

  • 面会:予約制で受け入れる施設が多い。頻度や時間帯に制限があることもある
  • 近況報告:写真つきの報告を定期的に送る施設と、こちらから聞かないと状況がわからない施設がある
  • 体調が変わったとき:どの段階で連絡が来るのか、治療方針を誰が決めるのかを決めておく
  • 看取り:亡くなったときの連絡、遺体の引き取り、火葬の手配をどうするか

ねこほーむの場合は、事前にご予約いただければいつでも面会にお越しいただけます。近況は写真付きで定期的にお届けしています。また、預けたあとに里親を探してほしいというご希望があれば、その対応も可能です(出典:NPO法人ねこほーむ・よくあるご質問)。

長く生きた猫ほど、最期の時間の過ごし方が気になるものです。看取りまでの経過については長生き猫に立ち塞がる「19歳の壁」の壁とは?乗り越えるためのポイントを解説で触れています。

全国の老猫ホーム一覧

利用を検討している方へ向けて、各地域の主要な老猫ホームの施設情報を紹介します。

都道府県 施設名 所在地 電話番号
北海道 PECOMI 北海道釧路市春日町3-6 0154-64-1385
群馬県 どうぶつのウェルネスセンター 群馬県前橋市南町4-39-5 027-226-1219
茨城県 ひまわり 茨城県つくば市沼田579 029-886-3601
東京都 東京ペットホーム 東京都大田区大森南1-23-5 0120-22-4205
東京都 ねこほーむ 東京都町田市金井1丁目41-9 042-370-0778
千葉県 Cuddle Cat 千葉県柏市しいの木台5-29-2 080-4151-7730
埼玉県 あにまるケアハウス 埼玉県加須市久下5-316-1 0480-37-8102
大阪府 かぎしっぽ 大阪府茨木市竹橋町8-12 072-646-8251
大阪府 都島ナースペットケアセンター 大阪府大阪市都島区都島南通1-20-9 06-6921-0590
京都府 老犬ケア提携老犬・老猫ホーム D&C 京都府亀岡市西別院町犬甘野泓38 0120-732-303
広島県 おりづる園 広島市安佐北区落合南1丁目11-18 082-842-7002
福岡県 りあん 福岡県北九州市門司区高田1丁目2-25 093-980-6537

掲載しているURLは2026年8月29日にすべて接続を確認しました。ただし、受け入れの空き状況・料金・電話番号は変わることがあります。問い合わせる前に、必ず各施設の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

掲載した施設の多くは、名称のとおり老犬老猫ホームとして犬と猫の両方を受け入れています。猫だけを専門に扱う施設は数が限られるため、探すときは「老犬・老猫ホーム」の名前でも当たってみてください。

老猫ホームの施設数は増加傾向にあるものの、まだ全国に幅広くあるわけではありません。市区町村、もしくは都道府県をまたいで預けるケースもあり、ある程度距離が離れやすい点には注意しましょう。ここに載せたのは主要な施設に限っており、掲載のない地域もあります。

猫を生涯お預かりするNPO法人ねこほーむについて

ここまで施設の選び方を説明してきましたので、この記事を運営しているねこほーむについても、条件を含めてお伝えしておきます。

ねこほーむは、やむを得ない事情で飼い続けることが難しくなった猫を、生涯にわたってお預かりしているNPO法人です。東京都町田市に施設があり、提携動物病院と連携した健康チェックを行っています。

お預かりの対象は、原則として完全室内飼いの猫ちゃんです。外で生活していた猫は、室内での集団生活に順応するまで時間とストレスがかかるため、性格などをうかがったうえでの判断になります。難しいと決めつけず、まずはご相談ください。

預かり日までに、次の検査・処置をお願いしています。

  • 三種以上の混合ワクチン(1年以内に接種し、証明書を提出できる場合はそちらで結構です)
  • 猫ウイルス検査(猫エイズ・猫白血病)
  • 血液検査(CBC・生化学検査)
  • 避妊・去勢手術(高齢猫の場合は獣医師とよくご相談のうえで)
  • ノミ取り・爪きり

ご自身で動物病院へ連れて行けない場合は、当ホームで検査・処置を代行することもできます(費用は実費)。施設まで連れて来られない場合は、有料でお迎えにも伺いますのでご相談ください。高齢の猫や持病のある猫については、病状や治療方法をうかがったうえで、ねこほーむのかかりつけの獣医師とも相談し、お預かりできるかどうかを判断いたします。

お預かりに際してご協力をお願いしているのが、猫の生涯にかかる費用の一部にあたる寄付金です。金額は猫の年齢や健康状態によって変わるため、飼育状態をうかがったうえで個別にご案内します。お預かり後のフード代や医療費など、継続してかかる費用はすべてねこほーむが負担します。

ご相談からお預かりまでの流れは次のとおりです。

  1. ご相談・お問合せ(お電話・メール・LINEから)
  2. 事前ヒアリング(猫の状況や飼育環境などをうかがいます)
  3. 面談・施設見学(ご来所いただきます)
  4. 書類のご提出(申込書・同意書・必要書類)
  5. お預かり開始(ご自宅までお迎え、またはご来所にて)

ねこほーむへのお預けを検討される方へ

面会や写真付きの近況報告にも対応しています。お預かりできるかどうかは、猫の年齢や健康状態、ご事情をうかがったうえで個別にご案内します。

お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。

老猫ホームについてよくある質問

Q. 老猫ホームとは何ですか?
A. 高齢になった猫を、飼い主に代わって長期または生涯にわたって世話する施設です。食事とトイレの介助、獣医師の指示に沿った服薬の管理、健康状態の見守りまでを引き受けます。契約の形には1か月単位や年単位で更新する長期預かりと、猫の一生を引き受ける生涯預かりがあります。

Q. 老猫ホームの費用はいくらですか?
A. 契約時にまとめて払う初期費用と、預かっているあいだ継続してかかる利用料の二階建てが一般的です。公表されている例では、初期費用が300,000円台、年単位の利用料が500,000円前後、終身一括では1,300,000円からという施設があります(2026年8月29日に各施設の公式サイトで確認)。医療費や介護度による加算は別途になることが多いため、総額は見積もりで確かめてください。

Q. 何歳から預けられますか?
A. 施設によって条件が異なります。年齢の制限を設けていない施設もあれば、原則1歳以上としている施設もあります。年齢よりも、介護がどの程度必要か、持病があるかといった健康状態で受け入れの可否が決まることが多いので、まずは猫の状況を伝えて相談してください。

Q. 預けたあとに面会できますか?
A. 予約をすれば面会できる施設があります。頻度や時間帯に制限がある場合もあるため、契約前に確認しておくと安心です。ねこほーむでは、ご希望日を事前にご連絡いただければ面会に対応しています。

Q. 保健所に相談すれば引き取ってもらえますか?
A. 引き取ってもらえるとはかぎりません。都道府県等は所有者から求められた犬猫を引き取る義務がありますが、環境省令で定める場合には引取りを拒否できると定められています(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第35条第1項ただし書)。そして拒否できる場合のひとつが「犬又は猫の老齢又は疾病を理由として引取りを求められた場合」です(出典:e-Gov法令検索・同法施行規則 第21条の2第4号)。横浜市も同じ内容を公式サイトに掲載しています(出典:横浜市・犬または猫が飼えなくなってしまったら)。高齢を理由に持ち込もうとしても断られる可能性があるため、民間の預け先を並行して探しておくことをおすすめします。

引き取り先の選択肢を横断して比べたい方は、こちらの記事にまとめました。

あわせて読みたい猫を飼えなくなったら?引き取り先5つと費用・手続きいま猫と暮らしていて、この先も飼い続けられるかどうか分からなくなっている。そんな状況でこのページにたどり着いた方に向けて、猫の引き取り先とそれぞれの費用・手…

まとめ

ぐっすり眠る猫

老猫ホームについて説明してきました。要点を振り返ります。

  • 老猫ホームは高齢の猫を長期または生涯にわたって預かる施設で、法律上は譲受飼養として登録が必要な業種にあたる
  • 費用は初期費用と継続してかかる利用料の二階建て。施設によって払い方も含まれるものも違う
  • 選ぶときは、登録番号・見学・契約書の三点を順に確かめる
  • 面会、近況報告、返還、看取りの取り決めは、契約前に書面で確認しておく

そのうえで、いまの状況に合わせて次の一歩を選んでください。

年老いた猫を支える時間は、人の介護と同じかそれ以上の負担がかかります。ひとりで抱え込む前に、頼れる先を知っておいてください。

預け先を決めきれないままにしないために

NPO法人ねこほーむは、東京都町田市で猫の生涯預かりを行っています。ご相談は無料です。どうするか決めきれていない段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。

ねこほーむ編集部より

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合や判断に迷うときは、早めにかかりつけの動物病院へご相談ください。