2024.10.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
たしかに動物病院へ報告する必要があるか判断に迷うところです。結論からいえば、早い段階で連絡したほうがよいでしょう。
本記事ではその理由に関して解説します。
合わせて、お葬式、供養の流れや、ペットロスから立ち直る方法などにも触れているので参考にしてください。
もくじ
ペットが死んだ場合、動物病院には連絡したほうがよいでしょう。
連絡すれば、動物病院から、遺体に関する適切な処置や、お葬式に関するアドバイスを受けられる可能性があるからです。また、精神的に負担の大きいペットロスを緩和する方法に関してもレクチャーがあるかもしれません。
また一言連絡すれば、動物病院側も精神的に一区切りつけられます。突然に亡くなったといわれるよりも事実として受け入れやすいでしょう。
このような理由から、動物病院への連絡は必須とはいえないまでも実施したほうがよいと考えます。精神的に余裕があれば一報入れましょう。
またここでは動物病院への連絡を含めた、ペットの死亡後にやるべきことの流れを解説します。
まず、きちんと死亡を確認する必要があります。これは専門的な知識がなくても容易に見分けられます。
そのあとの流れはやや複雑なので確認が必要でしょう。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
最初に、ペットが死亡したかどうか確認しましょう。死亡したかどうかを見極めるポイントはふたつです。
呼吸の有無を見分けるのはむずかしくありません。すでになくなっているならお腹が膨らんだり縮んだりしません。まったく動かないなら、すでに呼吸は停止していると判断できます。
ついで、瞳孔の反応も確認しておきましょう。猫の目にスマートフォンのライトなどを当てて、瞳孔が開閉、伸縮しないか確認します。
呼吸もなく、瞳孔の反応もないなら、死亡していると判断して問題ありません。
しかし「それだけでは本当に死亡しているのか確信できない」人もいるでしょう。その場合は動物病院へ連れて行き、獣医師に生死を判定してもらうのがよいでしょう。
続いてエンゼルケアを実施しましょう。
エンゼルケアは、なくなった猫の見栄えを整えるための身体的なケアを意味します。具体的にはケアの内容は以下のとおり。
エンゼルケアは、猫よりも飼い主にとって重要なステップです。ケアを実施すれば、「最後まで世話できた」という満足感を得られ、ペットロスを防止することにつながります。
なお家族全員が揃うまで、ペットの遺体を安置するサービスも。
このようなサービスも利用し、可能な限り家族全員がエンゼルケアに参加できるよう工夫してみましょう。
エンゼルケアが完了した前後で、動物病院へ連絡するとよいでしょう。伝えるべき点として以下が挙げられます。
上記を伝えたうえで、可能であれば、お葬式や供養などに関して質問しておくのがよいでしょう。
なお開院直後や休日前後の連絡は控えるのを推奨します。このタイミングは病院が混み合う傾向にあるからです。
電話ができない場合は、後日にする、あるいは手紙やメールで知らせるといった手段を取りましょう。
動物病院以外にも、いくつかの連絡が必要になります。
犬を飼育していた場合、自治体に連絡する必要があります。これは死亡届を提出する必要があるからです。
電話連絡したうえで指示にしたがい届出を作成しましょう。ただし期限は死亡後30日後であるため、急ぐ必要はありません。
保険会社に加入していたなら、保険の手続きのため、連絡が必要になります。
ペットが里親やブリーダー出身の場合は、必須ではないものの連絡しましょう。彼らの多くはペットの行末を心配しているので、連絡すれば安心してもらえます。
続いて、遺体を棺に入れてあげましょう。小型の動物の場合は、もっぱら段ボールが使われます。ここにタオルなどを敷き、遺体を安置しましょう。
大型犬などの場合、適当な棺が見当たらないと思われます。その場合は無理に納棺する必要はありません。
いずれの場合でも重要なのが、きちんと冷却すること。このあと、多くのケースで火葬を実施しますが、当日まで何日かかかります。したがって火葬をおこなうまで、腐敗を防ぐための冷却が必要になります。
ナイロン袋などにドライアイスなどを入れて、遺体の近くに置いておきましょう。
多くの人は、ペットのお葬式などの段取りや選び方に関して戸惑う部分があるでしょう。
ペットのお葬式は、主に以下3つの方法で実施されます。
よほど小さい爬虫類などをのぞいて、1か2で火葬することになるでしょう。いずれの場合も、お寺や霊園、もしくは自治体に連絡すれば、案内がなされるはずです。
本記事でもそれぞれでのお葬式の進め方や、その費用感に関して解説します。
第一に考えられるのが、お寺や霊園での火葬です。本格的なお葬式をおこないたいなら、この方法を取ることになるでしょう。
一部のお寺・霊園では、ペットのお葬式を受け付けています。プランによっては火葬のみならず、あいさつや読経、繰り上げ初七日などの行事もおこないます。
出典:東京都町田市
東京都町田市の寿量寺は、ペットのお葬式や火葬、供養までを引き受けるお寺・霊園のひとつです。家族のみでおこなう個別葬、いくつか家族が合わせておこなう合同葬などのプランを用意しています。
ほとんどの地域で、このようなサービスを提供するお寺や霊園があるでしょう。一度Webで検索するのを推奨します。
費用は、たとえば小型犬で個別葬をおこなうなら、寿量寺では44,000円に設定されています。ただし費用はお寺や霊園によって異なります。
火葬した場合、多くの場合納骨もしくは埋葬をおこなうことになります。
お寺は納骨、霊園は埋葬が主流となるでしょう。
お寺には納骨堂と呼ばれる場所があり、保管料を支払いお骨を保管します。
霊園ではペット用の墓地に、供養代を支払って埋葬することになるでしょう。
この点に関しては「猫の葬儀にかかる費用はどのくらい?供養のやり方も解説」で詳しく解説しているので参考にしてください。
また自治体で引き取ってもらう方法があります。
各市区町村では、亡くなったペットの遺体を引き取り、火葬する公的支援を実施しています。
(引用:東大阪市)
たとえば東大阪市では、2,000円の費用で仮装を実施しています。
経済的な懸念がある場合には選択肢に入るでしょう。
ただし自治体で火葬するケースでは、「お骨が戻ってこない」点を理解しておきましょう。
ペットが小さい場合、火葬ではなく土葬を選択するケースもあります。この場合は費用がかからず、またペットを身近にも感じられます。
たとえばハムスターなどの場合では、火葬より土葬のほうが現実的でしょう。
ただし犬や猫などを土葬する場合、相当な準備が必要。野生動物による掘り起こしは虫の発生を避けるため、最低でも60cmほどの墓穴を掘削する必要があります。
ほとんどの場合で、火葬よりも負担が大きいでしょう。
また土葬した場合、特殊な方法を取らない限りはお骨が回収できません。納骨したい場合は、かならず火葬を選択しましょう。
ペットが亡くなったあとで特に心配されるのが、飼い主のこころの状態です。長年寄り添ったペットがいなくなると、精神的なダメージがともなうでしょう。いわゆるペットロスと呼ばれるものです。
ペットロスは時として非常に苦しいものであり、何年にもわたって精神的な落ち込みから抜け出せなくないケースもあります。
精神的に立ち直り、新しい一歩を踏み出すためには、以下のアクションが有効です。
それぞれ詳しく解説します。
まず、ペットが亡くなったショックを誰かに打ち明ける方法が考えられます。
人に話すだけでも、気持ちは相当に楽になるでしょう。
話し相手は、親しい友人や親族など、信頼できる相手が望ましいです。
また、同じく「ペットを失った経験がある」人だと、共感されやすいので、よりよいでしょう。
人に話すのがむずかしい場合は、Web上のコミュニティを利用するてもあります。
たとえばForever familyは、ペットロスで精神的なダメージを受けた人同士が、励まし合うコミュニティ。ここでメッセージを発信すれば、勇気づけられるような返信が得られるでしょう。
また手紙や日記を書くことにも意味があります。これは、ジャーナリングと呼ばれる瞑想の一種です。
手紙を書く場合は、ペットに対する感謝の思いを綴りましょう。その手紙は出さずに、どこかに保管します。
日記の場合は、あまり深く考えず、その時に思いついたことを書いていきましょう。
このような取り組みにより、ストレスが軽減され、精神的に立ち直るのを助けられます。
ジャーナリングは、現在世界的に流行しているマインドフルネスのひとつで、その効果にはエビデンスがあります(出典:越川房子)
ぜひ手紙と日記を活用して、精神的に立ち直っていきましょう。
新しい趣味や取り組みを始めるのもよいでしょう。
たとえば真剣に打ち込める趣味を見つけられれば、少なくともその間は、ペットを失った悲しみをあまり感じずにいられます。またそれに取り組むことの楽しさを感じられ、少しずつ精神状態が上向いていくでしょう。
運動といっても、かならずしも運動量が多いスポーツに取り組む必要はありません。散歩やウォーキングでも、ある程度の効果は期待できます。
また運動の機会を作ると、太陽の光を浴びて、精神的な安定をもたらすセロトニンの分泌を促すことも可能になります。
また、ペットロス専用のカウンセリングを受診する方法もあります。
一部の臨床心理士や公認心理師は、ペットを失ったクライアントに対するカウンセリングを提供しています。
彼らに話を聞いてもらう機会を持てば、精神的に落ち着くでしょう。
とはいえ、そのために精神科や心療内科を訪れるのは抵抗がある人も多いはず。その場合はオンラインカウンセリングを受けるのをおすすめします。
出典:うららか相談室
たとえばうららか相談室では、 Zoomや電話、メッセージでのカウンセリングを実施しています。これなら、精神科や心療内科を訪れなくてもカウンセリングを受けることが可能。
どうしても立ち直るのがむずかしいと感じている人は、ぜひ一度相談してみましょう。
本記事ではペットが亡くなった場合の連絡やお葬式に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
「お礼」が電話やメール、手紙の意味なら、したほうがよいでしょう。
その際に今後のお葬式の手続きや、ペットロスからの立ち直りなどに関してアドバイスがもらえるかもしれません。とはいえ連絡しなくてもマナー違反ではなく必須とはまではいえません。
「お礼」が贈り物などの意味であれば、必要ありません。動物病院側も飼い主の心労は理解しており、そのうえで物を受け取るには強い抵抗があると思われます。
したがってお礼は電話かメール、手紙でおこない、それ以上の対応は必要ないと考えましょう。
お礼の手紙には以下のことを書きましょう。
動物病院に対するペットの死亡の報告の手紙に関して、厳格なルールやフォーマットはありません。あまりむずかしくは考えず、素直に感謝の気持ちを伝えるのがよいでしょう。
基本的に必要ありません。
ただし犬が死亡した場合のみ、市区町村役所もしくは保健所に連絡する必要があります。
また30日以内に死亡届を提出することが、法律で義務付けられています。
葬儀などが落ち着いたら、保健所に市区町村役所もしくは保健所に連絡するようにしましょう。
なお保健所は、火葬などには対応していないので注意してください。
本記事ではペットが亡くなった場合の対応に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
ペットが亡くなった場合の動物病院への連絡は、義務ではありません。
しかし病院でお世話になっていたなら、感謝を伝えるよい機会となるでしょう。余裕があれば連絡するのを推奨します。
そのあとは、ペットのお葬式をおこない、納骨する流れになります。
一方で心配なのが、ペットロスなどの影響を受ける飼い主のメンタル。ジャーナリングやカウンセリングなどをはじめとした対策で、少しずつこころを癒していきましょう。
関連記事