2025.11.29

このような疑問や不安を持っている方は多いのではないでしょうか。
猫は交尾すると90%以上の確率で妊娠し、約2ヶ月という短期間で出産を迎えます。飼い主が気づいたときにはすでに出産間近というケースも珍しくありません。
本記事では、猫の妊娠を見分けるためのチェックリストや動物病院での検査方法、妊娠中の基礎知識から出産準備まで詳しく解説します。
愛猫の妊娠の可能性が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
猫が妊娠しているかどうかを把握するには、チェックポイントを知るのが大切。
外見や行動の変化から妊娠の可能性を見極め、病院で正確な診断を受けましょう。
ここでは以下の方法を解説します。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
猫の妊娠を見分けるには、以下の6つのポイントをチェックしましょう。
もっとも早期化つわかりやすいサインは、妊娠3週目頃から現れる乳首の変化です。乳首がピンク色になり少しずつ膨らんでくる「ピンクアップ」です。
出典:wikiHow
妊娠30日頃になるとお腹の膨らみが目視で確認でき、40日頃からは食欲が旺盛に。また、妊娠初期には床でゴロゴロと転がる「ローリング行動」が見られることも。
さらに発情期特有の大きな鳴き声が収まり、体をすり寄せてくる様子が見られたら、妊娠の可能性を疑いましょう。
偽妊娠とは、交尾後に妊娠が成立しなかった場合などに、ホルモン異常によって妊娠と同じような症状が現れる状態です。よく見られる現象で、決して珍しくはありません。
保護猫氏、エイズも白血病も陰性(よかった……)
そして、まさかの偽妊娠(または乳腺炎)でおなかに子どもはいませんでした🐈⬛ pic.twitter.com/JZBW3IDlNT
— 田中健一/田中先生 (@TNK_KNCH) October 1, 2023
乳腺が張って母乳が出たり、お腹が大きくなったりします。
偽妊娠の場合は通常45日前後で症状が収まるため、それ以降も兆候が続くなら本当の妊娠と考えられるでしょう。
病気ではないため特別な治療は不要ですが、食欲不振がひどい場合はかかりつけ医に相談しましょう。
猫が妊娠しているかどうかを確実に知るには、動物病院で診察を受ける必要があります。妊娠のサインはときにわかりにくく、自己判断では見逃してしまうかもしれません。
病院では腹部の触診や胎児の心音を聞く聴診、超音波検査やレントゲン検査などを実施します。診断できるのは交尾から約20日以降で、妊娠が確認されたら出産に向けてのアドバイスも受けられます。
猫は安産が多いといわれていますが、難産になった場合の対応を事前に確認しておくためにも、早めの受診を心がけましょう。
妊娠の状態を詳しく知るには、超音波検査(エコー)が用いられます。
猫への負担が少なく、比較的初期から妊娠を確認できる検査方法です。
交配日から19〜25日目以降に検査が可能。さらに、胎児の心拍や動きをリアルタイムで観察できます。
エコー検査の長所は、胎児が生存しているかどうかを心拍で確認できる点です。胎児の成長状態も確認できるため、妊娠経過が順調かどうかの判断材料になります。
一方、見える部分と見えない部分があるため、正確な胎児数の把握は難しいという短所もあります。妊娠前期の診断に適した検査方法といえるでしょう。
レントゲン検査は交配から40〜45日以降に実施できる検査です。胎児の骨格が形成されてくると、背骨や頭蓋骨などを数えることで正確な胎児数を把握できます。
エコー検査では難しい胎児の正確な数だけでなく、逆子かどうかや胎児の大きさも確認可能。母猫の骨盤と胎児の頭の大きさを比較できるため、難産になる可能性を事前に予測できます。
出産前にレントゲン検査を受けておくと、お腹の中に胎児が残っていたのに気づかなかったというトラブルを防げます。
この時期のレントゲン撮影は母猫にも胎児にも悪影響はないとされているため、安心して受けてください。
猫の妊娠を正しく理解するためには、基礎的な知識を身につけておくのが大切です。まずは基本的な知識を理解しましょう。
また、先述のチェックリストとは別に、妊娠フェーズごとの妊娠のサインを理解すれば、さらに判断しやすくなります。
それぞれ下記で詳しく解説します。
猫の妊娠期間は約2ヶ月(59〜68日程度)で、最も多いのは63〜65日での出産です。
猫は「交尾排卵動物」(交尾の刺激で排卵が起こる動物)のため、交尾すれば90%以上の確率で妊娠します。発情期は春(2〜4月頃)と夏(6〜8月頃)がピークで、年に2〜3回訪れます。
1回の出産で生まれる子猫の数は平均3〜5頭で、多い場合は8〜10頭産むことも。
なお、多くの出産により飼育が困難になるのは、多頭飼育崩壊と呼ばれます。

出典:どうぶつ基金
これほど激しく崩壊するのはまれですが、出産によって飼育に悪影響が出ないよう、避妊手術を受けるのもひとつの方法です。
猫は生後6〜10ヶ月頃に性成熟を迎え、初めての発情期が訪れます。早い猫では生後4〜5ヶ月で発情することもあるため、「まだ子猫だから大丈夫」と油断しないようにしましょう。
メス猫は2〜8歳頃が出産のピークで、約12歳頃まで妊娠・出産が可能とされています。ただし、生後6ヶ月未満の出産は体への負担が大きく、10歳以上での出産も未熟児や死産のリスクが高まります。
安全な出産のためには最低でも体重2.8kg以上が必要とされているため、体の成長を待ってからが望ましいでしょう。
室内飼いの猫でも妊娠の可能性はあります。
発情期の猫は外に出たがる傾向があり、脱走して屋外のオス猫と交配してしまうケースも少なくありません。
窓やドアの開閉時には細心の注意が必要です。不要な外出や迷子を避けるためにも、以下のようなバリケードを設置するのもよいでしょう。
「無事に帰ってきたと思ったら妊娠していた」という事例は多いため、繁殖を望まない場合は注意しましょう。
関連記事:妊婦期は要注意!猫から感染する「トキソプラズマ」とは
妊娠初期は外見上の変化が少なく、妊娠を見分けるのが困難です。
最大のヒントは先述した「ピンクアップ」。妊娠3週目頃から乳首がピンク色に変化し、少し張ってくるようすが見られます。
出典:wikiHow
また、つわりのような症状として一時的に食欲が落ちることもあります。性格が穏やかになったり、床でゴロゴロと転がる「ローリング行動」が見られたりすることも。
これらの兆候は発情期の行動と似ていることもあり、個体差も大きいため、確実な診断は動物病院で受けてください。
妊娠30日頃になると、お腹の膨らみが目視で確認できるようになります。
乳房もさらに発達し、触診でも妊娠を判断できる時期です。この頃からエコー検査で胎児の確認も可能になるでしょう。
妊娠40日前後になると食欲が旺盛になり、通常の1.5〜2倍程度の栄養が必要になります。体重も増加し、活動量は減少する傾向に。お腹の子を守るために攻撃的になる猫もいます。
妊娠45日頃にはレントゲン検査で胎児数を確認できるため、この時期に再度検診を受けるとよいでしょう。
妊娠50日頃になると、お腹にそっと手を当てると胎動を感じられるようになります。母猫も神経が過敏になり、静かな環境を好むようになります。
この段階ではほぼ確実に妊娠を把握できるでしょう。
妊娠60日前後になると、乳首から乳汁が分泌され始め、分娩が近いサインに。出産が近づくと、暗くて静かな場所を探し回る「巣作り行動」が見られます。
分娩の24時間前には食欲が急激に低下し、体温も約1℃下がります。乳房や陰部をしきりにグルーミングし始めたら分娩直前と考えましょう。
猫の妊娠がわかったら、出産に向けてしっかりと準備を進めることが大切です。猫は安産が多いといわれていますが、いざというときに慌てないためにも事前の備えは欠かせません。
それぞれのポイントを解説します。
出産に備えて、必要なものを事前に揃えておきましょう。出産予定日の7日前頃までには準備を整えておくのが理想的です。
母猫の匂いがしみついたおもちゃやブランケットがあると、産箱に入りやすくなります。出産は夜間に起こることも多いため、すべての準備物は手の届く場所にまとめておきましょう。
妊娠中は胎児を育てるために多くの栄養が必要です。妊娠40日頃からは食欲が旺盛になり、通常の約1.5〜2倍のカロリーが必要になるでしょう。
妊娠・授乳期用のフードや、高栄養な子猫用フードに切り替えることをおすすめします。良質なたんぱく質を多く摂取させ、脳と筋肉の発達に必要な栄養素を確保しましょう。
妊娠・授乳期用フードは、これらに加えてビタミンAなど、安全な出産には欠かせない成分も多分に含みます。ロイヤルカナンのものなどは、広く普及しています。
出典:ロイヤルカナン
ただし、妊娠中に太り過ぎると難産の原因になるため、与え過ぎには注意してください。食事回数を1日3〜4回に分けて、一度に大量に食べさせないようにするのがポイントです。
出産が間近になると、猫は安心して出産できる場所を探し始めます。飼い主は事前に「産箱」を用意しておく必要があります。
母猫が横になれるくらいの大きさの段ボール箱を用意し、前面の一部を切り取って猫が出入りしやすくします。底にペットシーツを敷き、その上に清潔なバスタオル、さらにちぎった新聞紙を重ねましょう。
産箱は四方を囲まれた暗くて静かな場所に設置します。母猫の匂いを事前につけておくと、スムーズに入ってくれるでしょう。
妊娠中の猫はストレスを感じやすく、流産や早産の原因にもなりかねません。静かで人があまり出入りしない場所を用意し、母猫が落ち着いて過ごせる環境を整えましょう。
出産が近づくと知らない人や動物が近づくのを嫌がるようになります。来客を控えたり、他のペットと隔離したりする工夫も必要です。多頭飼いの場合はトラブル防止のため、妊娠猫専用のスペースを確保してください。
お腹が大きくなってからは、抱き上げる際にお腹に負担がかからないよう十分注意しましょう。激しい運動も避け、穏やかに過ごせるよう配慮することが大切です。
本記事では猫の妊娠の見分け方に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
疑問を解消し、万全の状態で出産を迎えましょう。
猫の妊娠期間は約2ヶ月(59〜68日程度)で、もっとも多いのは63〜65日での出産です。いずれにせよ、人間の約10ヶ月と比べると非常に短いのが特徴。
品種や胎児の数、栄養状態によって個体差があります。胎児が少ないと短く、多いと長くなる傾向があるのを覚えておきましょう。
交配日がわかっている場合はそこから約2ヶ月後が出産予定日の目安になります。
人間用の妊娠検査薬では猫の妊娠を判定できません。
人間と猫では妊娠時に分泌されるホルモンが異なるためです。猫の妊娠を確認するには、動物病院でエコー検査やレントゲン検査を受けなければいけません。
エコー検査は交配から約20日以降、レントゲン検査は約40日以降に診断が可能です。
以下のように、市販の猫用妊娠検査キットもありますが、あまり一般的ではありません。
出典:Amazon
検査結果が正確でない可能性もあるため、あまり過信しないようにしましょう。
妊娠中でも避妊手術を行うことは技術的には可能です。
ただし、妊娠が進行するほど手術のリスクは高まるため、妊娠初期のうちに決断する必要があります。
望まない妊娠で子猫を責任持って飼育できない場合は、獣医師によく相談してください。
仮にまだ妊娠しておらず、かつ妊娠を避けたいのなら、できるだけ早く手術を受けましょう。
発情期と妊娠期は簡単に見分けられます。
以下のようにやたらと歩き回ったり、大声で鳴いたりするなら発情期です。
ただし、妊娠期であるにもかかわらず、発情期のような振る舞いを見せることも。
より正確に判断したい場合、は先述のチェックリストを活用する、診断を受けるなどしましょう。
本記事では、猫の妊娠の見分け方について解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
猫の妊娠を早期に発見し適切なケアを行うことで、母猫も子猫も健康に出産を迎えられます。ぜひ本記事を参考に、愛猫の出産に向けた準備を進めてみてください。
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