2024.09.30
このような疑問を持っている人は多いでしょう。
保護猫活動の具体的な取り組みは、単に猫を保護するにとどまりません。それ以上に多様な目的に向かって努力しています。
また保護猫活動には、誰しもが何らかの形で協力することが可能。
今回は保護猫活動の内容と目的と、それに参加する方法を解説します。同活動に興味がある人はぜひ参考にしてください。
なお全般を通して、「活動したい」と思った場合、近隣の動物愛護団体やNPO法人に連絡を取り、自ら支援を申し出るのがポイントとなります。この前提を踏まえたうえで、本記事をお読みください。
もくじ
保護猫活動の内容と目的は多岐に渡り、団体によっても異なります。主な活動内容は以下の通りです。
基本は里親を見つけることを目的としています。またそれに付随して、手術の実施や居場所づくりにも注力します。
それぞれの取り組みに関して解説するので参考にしてください。
最大の目的は、里親などの新しい保護者を見つけて、命を落とす猫を減らす点にあります。
現在、国内での捨て猫や殺処分の問題は、深刻なものと見られています。
環境省によれば、令和3年に国内で殺処分された犬猫の頭数は14,457頭でした。
(引用:環境省)
減少傾向ではありますが、いまだに1万を超える猫が、殺処分されています。この事実に対する批判の声は、いまだに根強いものがあります。
この数字を1つでも多く減らすことも、保護猫活動の主な目的だといえるでしょう。保護猫活動への参加は、間接的に猫の命を救うことにつながります。
保護猫活動では、不妊・去勢手術の実施を促進するねらいがあります。これも殺処分数減少に関係します。
野生の猫は、不妊・去勢手術を受ける機会がありません。また、交尾における妊娠率がほぼ100%あるなど、高い繁殖率を有します。さらに近親相姦が禁忌ではない点も、過度な繁殖の要因のひとつでしょう。
そのような背景によって猫による獣害が起こると、殺処分されてしまうケースがあります。
保護猫活動では、猫が殺処分されることを避けるため、去勢・不妊手術を実施したうえで野生に戻すという取り組みがなされます。
このような異常繁殖を防ぐことも、保護猫活動における重要な一面といえるでしょう。
地域猫活動も、保護猫活動の一部と考えられます。
地域猫活動とは、野良猫を地域全体で見守り、育てていく活動を示します。つまり、地域そのものが親代わりになる、とイメージするとよいでしょう。
より具体的には、不妊・去勢手術をおこない、異常に繁殖するのを防ぎます。また餌やりしたり居場所を清掃したりして、猫の暮らしを支えます(TNR+M)。
(引用:宇美町)
このような活動をおこない、獣害を防ぎ、住民が猫と触れ合い、「共生」することを目指します。
保護猫の居場所を作るのも、保護猫活動における目的のひとつです。
里親へつないだり、シェルターや一時預かり家庭などの居場所につなげたりするなど、猫が安心して暮らせるように努力します。
また近年見かけるケースが増えた保護猫カフェなども、猫の居場所として考えられるでしょう。
またシェルターや一時預かりには、「保護猫が人間との暮らしに慣れるように訓練する」という狙いもあります。
このような試みは、猫と人間の共存を図ったり、殺処分などを減らしたりするうえで重要な役割を果たします。
後述しますが、このような保護猫カフェを利用することも、保護猫活動の支援につながります。
保護猫活動には、誰しもがあらゆる形で貢献できます。一例として、以下のような関わり方があるでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
保護猫活動をしたいと思った場合、近隣の動物愛護団体やNPO法人に連絡を取り、自ら支援を申し出る必要があります。その点を踏まえて本項をお読みください。
現実的かつ有効な取り組みとして、動物愛護団体やNPO法人に対する金銭の寄付が挙げられます。
保護猫活動には、相当なお金がかかるのはいうまでありません。
診察代や手術代、餌や用品の購入費など、継続的にお金がかかります。
そのため、金銭を寄付することは保護猫活動に大きく貢献します。可能な範囲で寄付をおこないましょう。
多くの動物愛護団体やNPO法人は、金銭のみならずキャットフードをはじめとした、猫グッズの寄付も受け付けています。
キャットフードや猫砂、トイレ用品など、日常的に使用する物資は不足状態にあることも多いです。それらを寄付することで、保護猫活動をおこなう団体の助けになるでしょう。
また寄付によって猫グッズを確保できると、団体がより有意義な活動に注力できるといった面もあります。
なお私たちねこほーむも、動物愛護団体として猫を保護して里親へ送る活動を展開しています。物資の寄付も受け付けていますので、ご協力をお待ちしております。
保護猫カフェを利用することでも、保護猫活動に貢献できます。
保護猫カフェとは、多くの猫と触れ合う体験を提供する施設です。
保護猫カフェの利用料金は、保護猫活動の貴重な資金源となります。また多くのカフェでは直接に寄付することも可能です。
プロボノとしてボランティアに参加する方法もあります。
プロボノとは、業務で培った知識や技術を持って活かして、社会貢献につながる活動に参加することを意味します。
保護猫活動では、以下のようなプロボノとして参加できるでしょう。
このように、あらゆるスキルが保護猫活動の支援につながります。
もし過去の経験からプロボノができそうなら、動物愛護団体などでスキルを発揮しましょう。
一時預かり・ミルクボランティアになる道もあります。
一時預かりボランティアは、新しい里親が見つかるまでの短期間、保護猫を自宅で飼育する活動です。保護施設が一杯になっている時期などに、きわめて重要な役割を果たします。
ミルクボランティアは、主に母猫を失った子猫の世話をおこなう取り組みです。
ミルクの給餌や体温管理など、子猫期特有の世話をおこないます。子猫の面倒を見るのは、労力と時間がかかるため、こちらも喜ばれるボランティアのあり方です。
このようなボランティア募集はSNSや地域の動物愛護団体のホームページなどで見つけられるでしょう。興味がある人はぜひ応募してみましょう。
もし保護猫を育てられる場合は、里親として猫を引き取る方法もあります。
動物愛護団体でも猫の飼育していますが、いつまでも団体で育てられるわけではありません。常に里親として猫を引き取ってくれる人を探しています。
もし引き取れる場合は、動物愛護団体などに申し出てみましょう。
ただし里親になるには、いくつかの条件などがあります。
猫の里親になる条件は?準備や手続きの流れも完全解説で詳しく解説しているので参考にしてください。
シェルターでの飼育を手伝うのも、ひとつの方法です。
シェルターとは保護猫を集め、一時的に飼育する施設を意味します。このようなシェルターで、飼育を手伝うボランティアを募集している場合があります。
興味がある人は地域の団体にコンタクトを取り、シェルターで活動したい旨を伝えてみましょう。
なお、飼育経験がないからといってシェルターで手伝いができないわけではありません。施設管理者の意向によっては、飼育経験がなくても参加可能です。ホームページや電話で確認するとよいでしょう。
本記事では、保護猫活動に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
保護猫活動を実施するにあたり、特別な資格は必要ありません。
よほど特殊な関わり方を除けば、誰でも関われます。
ただし、猫に関する知識は十分に持っておいたほうがよいでしょう。
育て方やケガ・病気があったときの治療法などを理解できていれば、活躍のチャンスが広がります。
ボランティアとして活動している場合、報酬が発生しない場合がほとんどです。
ただしNPO法人などとして活動するなら、補助金や寄付の一部を収入とすることが可能です。
NPO法人の設立プロセスは複雑なため、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
本記事では保護猫活動に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
保護猫活動は、殺処分される猫を減らすうえできわめて重要です。
そしてその貢献のあり方はさまざま。里親になる、金銭を寄付するといった関わり方だけでなく、ボランティアになる、猫グッズを寄付するといった方法もあります。
保護猫に対する思いがあるなら、自分に合った手段で活動をサポートしていきましょう。
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