2024.09.30
このような疑問を持っている人は多いでしょう。
高齢者でも猫を飼育することは十分に可能です。また猫と暮らすことには、飼い主の生活が向上するなどのメリットもあり、魅力的な選択肢ではあります。
ただし、高齢者の方が猫を飼う場合、工夫や注意が必要です。そうすることで、飼い主にとっても猫にとっても、よい暮らしを送れるでしょう。
そこで本記事では、高齢者が猫を飼う場合に必要な工夫と注意点などに関して解説します。
これから猫を飼おうと考えている方はぜひ参考にしてください。
もくじ
高齢者の方が猫を飼育するなら、まずは飼いやすい猫種を選択する必要があります。
猫のなかには、運動量が活発であるなど、高齢者との暮らしに向かない種もあります。そのような猫種との暮らしは、避けたほうがよいでしょう。
高齢者が飼育しやすい猫種として、以下が挙げられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
第一に、ラグドールが、高齢者でも飼育しやすい猫種として挙げられます。
性格はおだやかで、比較的のんびりとしています。また猫特有のいたずらをすることがあまりなく、飼い主に負担はかかりにくいでしょう。
警戒心も薄く、周囲の環境に対して寛容です。また愛情深く人懐っこい側面もあり、対人交流の不足がストレス要因になりがちな老年期を過ごすパートナーには、適しているといえます。
ただし長毛種であるため、定期的にブラッシングが必要な点には注意が必要です。
ブリティッシュショートヘアの大人びた性格は、高齢者との暮らしに向いています。
基本的に落ち着いた性格で、独立心が強く、育てるのにあまり手間がかかりません。
じゃれるよりも静かに過ごすことを好み、飼い主に体力的な負担をかけることはないでしょう。鳴き声なども控えめです。
また丸々とした体型は一般的に愛らしいとされ、高い人気を集めています。
懸念点としては、運動不足が挙げられるでしょう。やや肥満になりやすい猫種であるため、運動量と食事量には一定の配慮が必要です。
アメリカンショートヘアは、病気に対して高い耐性を持っていることから、高齢者との暮らしに向いています。
体調を崩しにくいため、世話の負担はかなり小さいでしょう。
密度が高い短毛種がゆえ、寒さや暑さにも強い傾向にあります。毛並みやサイズ感も、日本人好みだとされます。
性格は非常に愛情深く、犬のような忠実さを有しており、かかわりを持ちやすいでしょう。
ただし、身体能力が高く運動が好きなため、遊びの時間を取り入れるなどの工夫が必要です。
スコティッシュフォールドは、比較的おとなしく人懐っこい性格を有しており、非常に育てやすいです。活動量も控えめであり、体力的負担もおさえられるでしょう。
人間の愛玩動物として活発に品種改良された種であるため、見た目が可愛らしいのが特徴です。特徴的な「折れ耳」や丸々とした体型は、癒しとなるでしょう。
懸念点として、遺伝的に関節に関連した問題を抱えやすい点が挙げられます。特に折れ耳の部分に関しては、関節炎などが起こりやすいため注意しましょう。
また運動量が少ないぶん、体重のコントロールもおこないたいところです。
マンチカンも高齢者におすすめできる猫種です。
比較的サイズが小さいため、活発に動いたとしても、飼い主に大きな負担がかかりません。
また特徴的な短足ゆえ、敏捷性や跳躍力はさほど高くなく、比較的落ち着いています。
基本的に甘えたがりであるため、孤独感をやわらげてくれるでしょう。
注意点として、長毛タイプのマンチカンを飼育する場合は定期的なブラッシングが必要な点が挙げられます。
マンチカン以外でも、小型猫は高齢者の方におすすめです。小型猫は、以下のような猫種が挙げられます。
これらの猫種はマンチカンと同等の体格で育てやすいでしょう。ただし、猫種としては珍しい部類に入るため出会うまで時間がかかるかもしれません。
猫種に限らず、以下の理由から高齢猫を飼育するのもおすすめです。
運動量も性格も落ち着くため、高齢者でも無理なく世話ができるでしょう。
また猫種の選択肢が増えるのもメリット。
大柄かつ寂しがりやな性格で知られるノルウェージャンフォレストキャットや、個体によっては高い運動量とすぐれた敏捷性を有する雑種は、通常であれば高齢者にとって好ましいパートナではありません。
しかし高齢猫であれば、加齢にともない世話のしにくさがある程度解消されるため、比較的飼育がしやすいでしょう。
高齢者が猫を飼うと、数多くのメリットが得られます。
総合すると、猫とともに生きることで心身ともに充実するでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
高齢者が猫を飼育すると、精神的な安定感や幸福を得られるでしょう。
高齢者は、退職や配偶者との死別、子どもの独立などによって、孤独感や精神的な不安定感を感じやすくなることがあります。
しかし猫と暮らすことにより、孤独や不安といった感情がやわらぎます。そのような感情を得る経験は、幸福な時間を過ごすことにつながるでしょう。
また、猫を撫でると精神的健康に寄与するホルモンが分泌されることが科学的に判明しています。
猫を撫でると、愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌されることが知られています。このホルモンはストレスや鬱の軽減に寄与し、全体的な精神的健康を向上させます。猫の存在は孤独感を軽減する効果もあり、これは社会的な支援や情緒的なつながりを提供するためです。また、猫のゴロゴロ音にはリラック…
— 藤井動物病院FVMC(WBC動物病院グループ) (@FujiiACC) June 4, 2024
高齢者が猫を飼育する際、以下のような方法で社会的なつながり広げられるでしょう。
「NYATCHING」のような、猫の飼い主専用のブリーディングサービスもあります。
(引用:NYATCHING)
このようなサービスを利用すれば、さらに社会的なつながりを広げられるでしょう。
高齢者が猫を飼育すると運動量が増え、健康的に過ごせるようになるでしょう。
猫が運動不足にならないよう、ある程度遊びに付き合う必要があります。トイレを掃除したり、食事を要したりする必要もあるでしょう。
そのため、毎日適度に体を動かせるようになります。体力の低下防止や健康の維持につながるでしょう。
ただし運動量が多すぎるとかえって負担になるため、適度にとどめることが重要です。
高齢者が猫を飼う際、事前に確認したいことがいくつかあります。
これらを確認したうえで飼育するかを決める必要があります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、経済的に猫の飼育が可能か、よく検討する必要があります。
猫を1年間飼育するには、およそ10万円ほどの費用がかかります(参考文献:一般社団法人ペットフード協会)
さらに怪我や病気があれば、その治療費などもかかります。
そのため、これらの費用を捻出できるかが猫を飼育できるかを判断するひとつのポイントになります。
経済的に飼育が可能か、慎重に検討しましょう。
体力的に世話が可能なのかも検討する必要もあるでしょう。
猫を飼育するなら、餌を与えたり病院に連れて行ったりする必要があります。活発に活動する猫種の場合、遊びに付き合う必要も出てくるでしょう。
しかしあまりにも猫が元気だったり飼い主の体力が低下していたりすると、面倒を見切れなくなるかもしれません。
十分に猫を世話できる体力が十分にあるか、慎重に検討しましょう。
猫が体調を崩したときに対応できるかも検討する必要があります。
猫は人間と同じく、突如として体調を崩すことがあります。思わぬきっかけで怪我をすることもあるでしょう。
まず金銭的な面でそれに備える必要があります。少なくとも10万円ほど、診察費となる資金を残しておきましょう。
また動物病院の場所やそこまでのルートなども、把握しておく必要がありあます。
以下のようなサービスも活用しながら、最寄りの動物病院を確認しておきましょう。
(引用:夜間・救急動物病院マップ)
猫を残して亡くなった場合の引き取り先も考える必要があります。
万が一に備えて、家族や知人に引き取ってもらえるか事前に相談すると良いでしょう。
家族や知人に引き取ってもらうのが難しい場合は、引き取り手をつなげてくれるペット信託というサービスを利用する方法があります。
猫が一人ぼっちになることがないよう、事前に引き取り先を見つけておきましょう。
本記事では、高齢者が猫を飼うことに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫を飼育できる最後の年齢は明確には定義できません。
猫は、平均寿命は15年とされています。この数値から逆算すれば、猫を迎えられる年齢をある程度割り出せるでしょう。
猫のほうが長生きする見込みの場合は、自身が亡くなったあとの引き取り先を確保するようにしましょう。
70代から80代でも、猫を飼うのは可能です。むしろその年代にこそ、孤独感をやわらげる猫の存在は必要だといえるでしょう。
ただし、猫を飼育するにはある程度の体力が必要です。そのため、できるだけおとなしい猫を迎える、周囲のサポートを得られるようにするなどの工夫が必要です。
きちんとした配慮と準備があれば、70代から80代でも問題なく猫を飼えるでしょう。
高齢猫には、消化がよいキャットフードを与えるとよいでしょう。
猫の健康状態によっては、腎臓ケア機能のあるキャットフードを選ぶ必要があります。
市販のキャットフードにも以下のような療法食があります。
(引用:楽天市場)
また顎の力が落ちてきたら、噛み砕きやすいウェットフードなど与えるなど工夫が必要です。
高齢猫になると、猫の体にはさまざまな変化が現れます。猫の健康状態に合わせたキャットフードを与えるようにしましょう。
本記事では、高齢者でも飼育しやすい猫種に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
高齢者でも猫を飼育することは十分に可能です。
きちんと準備したうえで、猫との暮らしをスタートできるか検討してみましょう。
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