2022.05.15
本記事を読んでいる人は、何らかの理由で猫が飼えなくなり、引き取って欲しいと考えているでしょう。
この場合国が運営する保健所に持ち込めば、制度上は引き取ってもらえる可能性があります。
しかし引き取りしてもらうための条件は相当厳しく、また処分費用も必要です。
そこで本記事では以下について解説します。
猫の引き取りを考えている方は、本記事で引き取り先を見つけましょう。
もくじ
まずは保健所で猫を引き取ってもらう、つまりやむをえず殺処分するケースを考えましょう。
最初に断っておくと、連れて行った途端にすぐ引き取りしてもらえることはあり得ません。
まずは保健所が定める条件と費用、手続きの流れを知りましょう。
最初に知って欲しいのは、保健所での引き取り条件は非常に厳しく、殺処分ケースはほとんどないことです。
引き取られるのは、以下のように最大限努力しても猫を飼えない場合に限ります。
つまり飼い主には飼い続けるために最大限の努力をしたか、厳しく問われています。 まだほかにできることはないか、一度振り返ってみてください。
引き取り条件が厳しいのは、自治体がただの一頭でも殺処分対象の猫を減らしたいからです。
環境省の発表によれば、2020年度には19,705頭の尊い命が、ガス室で蒸し焼きにされて失われています。
この状況を変えるために引き取り条件を厳格にし、不幸な猫を減らそうとしているわけです。
(引用:環境省)
上記のようなアクションプランを考え、官民一体で殺処分を減らそうとしています。
その背景を踏まえて、本当に殺処分で良いのか、一度冷静に考えましょう。
引き取りにかかる相場は1頭あたり4,000円〜6,000円です。
東京都、埼玉県に問い合わせたところ、大抵がこの金額を費用として設定していました。
仔猫の場合の費用生後91日未満でなら、埼玉県のケースでは10頭ごとに4,000円、つまり仔猫だとさらに1頭400円となります。
殺処分での金銭的負担は大したものではありませんが、お金以上に大切なものを失わないかよく考えましょう。
保健所で猫を引き取ってもらうまでの手続きの流れは以下のとおりです(埼玉県の場合)。
文字に起こすとスムーズそうですが、下記のように実態は簡単ではありません。
保健所は猫の引き取り依頼があったとき、殺処分を回避するためなら全力を尽くします。
埼玉県などいくつかの自治体にある保健所へ問い合わせたところ、以下のように回答されました。
手続きの中で、徹底して殺処分を避けられるように動きます。 素直に説得・指導を受け入れたほうが、猫の命も救われるし、よほど理に適うのではないでしょうか?
猫の命を守るために、保健所以外の選択肢がないか考えてみましょう。
以下3つの方法なら、お金こそかかりますが猫を引き取りしてもらえるうえ、生涯にわたって大切に育ててくれます。
NPO法人とボランティア団体は、「地域名+猫+引き取り」と検索すれば、周辺でいくつか見つかるはずです。 里親を探す場合は募集サイトを利用し、信頼できる引き取り手を探しましょう。
保健所では、毎日数十頭の猫たちがガス室で窒息死させられています。
残酷な現実を直視し、「自身が引き取りたい」と感じた人も多いでしょう。
もしその思いがあるなら、動物愛護センターに申し出ることで、里親になることが可能です。
そのうえでセンターは、里親の希望や猫の引き渡しを実施しています。
ぜひしかるべき方法で、殺処分を待つしかない猫たちに手を差し伸べてほしいと思います。
里親になる考えがあるなら、まず各自治体の動物愛護センターに問い合わせ、引き取りの手続きをはじめましょう。
ここでは京都府動物愛護センターをモデルケースとして、基本的な手続きを紹介します。
(引用:京都動物愛護センター)
上記の手続きにより、里親として猫を迎え入れることが可能です。
ペットショップで売れ残りになった猫の里親になることも可能ですが、少したいへんです。
NPO法人やボランティア団体は、売れ残りだった猫の引き取り家庭を里親募集サイトで探しています。
ただ、その猫がペットショップからやってきたとは逐一書いていないケースが多いので、探すには時間がかかるもの。
そのため売れ残りの子を探し出して助け出すのは、少したいへんです。
センターから猫を引き取りする場合は、里親にも譲渡手数料として1,000円から3,000円の費用が発生することもあります。 京都府の例では1,050円を手数料として求めるとのことでした。
自治体によって費用が異なるので心配なら事前に確認しましょう。
自治体や里親サイトのルールにもよりますが、猫を引き取って里親になるにはおおむね以下の条件をクリアする必要があります。
条件が厳しいと感じた、あるいは「自分がひどい里親だと疑われている」と思った人もいるでしょう。
このようなハードルが設けられるのは、ひとえに猫を信頼できる家庭へ送り届け、ただの1頭でも殺処分するケースを減らしたいから。
したがってこの大切な条件を受け入れられるのか、里親になる前に一度点検してみましょう。
本記事では保健所での猫の引き取り(殺処分)、もしくは里親になることを解説しました。 最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
保健所で引き取られた猫は、ほとんどの場合殺処分され、ガス室で呼吸に苦しみながら窒息死させられます。
しかしNPO法人をはじめとした保護施設なら、殺処分されず生涯にわたって猫は保護してもらうことも可能。 本当に殺処分するしかないのか、今一度考えてみましょう。
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