2025.08.31
このような疑問や不安を持っている人は多いのではないでしょうか?
ケージ飼いでは、猫に一定のストレスがかかります。
しかし、正しい環境づくりと接し方によって、そのストレスは大きく軽減できるでしょう。
また、正しい使用方法に基く限りは、ケージはむしろ猫の安全を守る重要なペット用品として扱えます。
本記事では、猫がケージ飼いで感じるストレスの要因や、その具体的な対策、そしてケージ飼いのメリットやよくある誤解を詳しく解説します。
猫との暮らしを見直したい方や、安全にケージを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
猫のケージ飼いのストレス強度は環境によって左右されます。
多少、長めにケージに入れたなら、少し怒ったり疲れたりする程度でしょう。しかし、あまりにも長く入れていると、体調を崩したり、ストレス性の疾患を患ったりすることも。
要因を細かく分析すると、おおむね以下が挙げられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、運動をしたいのに行動を制限される点が挙げられます。
猫は本来、家の中を自由に歩き回ったり、高いところに登ったりしてストレスを発散する習性があります。
しかし、ケージに閉じ込められると、体を十分に動かせません。これが原因で、ストレスを溜めるケースが多いです。
特に若い猫ほど運動量が多く、制限されると強いストレスを感じやすいです。
さらに運動不足の影響で、肥満になったり、腎臓を痛めたりするかもしれません。
フリーローミング(放し飼い)からケージに移動し、環境が変わったことでストレスを感じるケースが多いです。
猫は、基本的に「昨日と何も変わらない状態」を好みます。しかし何かが変わるとストレスを感じるもの。
たとえば、多少模様替えしたり、物の位置を動かしたりするだけでも不安がります。
模様替えしてたら不安そうな顔してたまるちゃん(*´꒳`*)#猫好きさんと繋がりたい #エキゾチックショートヘア #exoticshorthair #猫 pic.twitter.com/qTiP1SqBOQ
— エキゾチックのまるみ🐈⬛ (@marumi408) December 15, 2022
その性質を考えれば、フリーローミングからケージ飼育に切り替えれば、ストレスが生じると考えるのが自然でしょう。
また、構ってもらえない寂しさを感じていることも。
一般に猫は気まぐれと思われがちですが、実際には飼い主との触れ合いが必要な動物です。
特に甘えん坊な性格の猫種や、普段から飼い主とよく遊んでいる猫は、ケージに隔離されると強い寂しさを感じます。
その結果、鳴き続けたり、トイレ以外の場所で排泄をするなどの「抗議」を見せることも。
ケージに入れたい都合だけではなく、猫の気持ちにも配慮する必要があるでしょう。
ケージ内でトイレや食器、寝床が混在しているのは、猫にとって大きなストレスです。
猫は、基本的に清潔な環境を好みます。
一方でケージ内の寝床が乱れていたり、食器周りにトイレの汚れがあったりすると、強いストレスを感じるでしょう。
それが原因でゆっくり寝られなかったり、満足に食事を取られなかったりすれば、体調も崩してしまいます。
トイレや食器、寝床はきちんと分けて、快適な環境を保つのが大切です。
長時間閉じ込められている場合は、特に強いストレスを感じるでしょう。
ケージに猫をとどめること自体はさほど問題ではありません。
しかし、1日中閉じ込める、嫌がっているのに入れ続けるなどすれば、強いストレスが生じます。
長時間の閉じ込めは避け、できれば1日数時間程度のケージ飼いにとどめましょう。
一方で高齢猫や病気を患っている猫の場合、長時間のケージ生活が有効なケースもあります。
また、自立傾向が強い、ゆっくりするのが好きな猫にとっては、多少長い時間のケージ生活がむしろ心地よいケースもあるでしょう。
以下の動画ほど広いケージであれば、閉じ込められても問題がないことも。
ケージは、大型のものでも1万円台から購入できます。予算に余裕があり、ケージ飼育の安全性や利便性を高めたい場合は、買い替えや追加を検討してもよいでしょう。
猫のケージ飼いは、一定のストレスをもたらします。
しかし、ある程度の対策ができていれば、さほど問題にはなりません。
具体的な対策として以下があげられるでしょう。
基本的には、ケージの環境を整えて、外にいる場合と差を作らないのがポイントです。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、十分な広さと、配慮ある設計のスペースを作るのが大切です。
ケージが狭すぎると身動きが取れず、ストレスを感じます。
ある程度歩き回れたり、ゆとりを持って寝転べたりできる程度のスペースを作りましょう。
可能であれば、二階層構造で、上下運動ができるようにするのがおすすめ。
場合によってはケージの買い替えも検討しましょう。
また、トイレ・食器・寝床を別々にするのが大切です。
なるべく、それぞれを遠ざけて配置しましょう。
トイレや食器のスペースは、さほど広くても問題ありません。
しかし、寝床に関しては寝返りが打てる程度には広くしておく必要があります。
合わせて後述するように、普段使い慣れている毛布などを敷いておくと、よりストレスフリーな環境を構築できます。
定期的にケージの外で遊べるようにするのも大切です。
ケージ内でスペースを確保したとしても、やや運動がしにくい点は否めません。
長時間ケージに入れっぱなしにせず、数時間に1回程度、外に出して遊ばせましょう。
このとき、おもちゃではなく飼い主が遊び相手になれば、「構ってもらえていない」というストレスも解消できます。
遊び方は、特別なものではなく、簡単にじゃれあうだけで問題ありません。
一方で、その日の気分で出たがらない場面もあるでしょう。
その場合、無理にケージの外に出す必要はありません。
ケージの設置場所を見直すのも重要です。
たとえば人の出入りが激しい玄関や、大きな音がするテレビの近くに置くと、猫は安心して過ごせません。
ほかにも、直射日光やエアコンが直接に当たる場所などは体調不良の原因となります。
家族の気配をほどよく感じられるリビングの一角や、静かで安心できる寝室などがおすすめ。
可能であれば、目線を向ければ飼い主や家族の顔が見える角度を確保しましょう。
猫にとって「一人になれる落ち着いた場所」でありながら「完全に孤立しない」位置に設置するのが大切です。
必要に応じて、猫が落ち着けるようなアイテムを設置するのも有効です。
猫は、自分や家族の匂いを嗅ぐと、精神的に安心する習性があります。
使い慣れたおもちゃや布団などを、入れておくとよいでしょう。においを嗅ぐことで、ここが自分自身のテリトリー内であると認識し、リラックスするはず。
また、マタタビが含まれたスプレーなどを散布する方法もあります。
精神面のフォローも意識すると、猫はより安心してケージ内で生活できるようになります。
猫のケージ飼いは、デメリットが注目されがちです。
しかし、以下のように数多くのメリットもあります。
ケージに隔離すること、猫の安全を守れるのが大きなポイント。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、来客時などに猫の安全を確保できるのがポイントです。
ほとんどの猫にとって、見知らぬ人が家に上がってくるのは恐怖の対象です。
そのようなとき、ケージがあれば、避難先が確保でき、安心できるでしょう。
また、猫アレルギーの人物が来訪した際なども、アレルギー反応をおさえるある程度の対策となります。
人間ではなく、新しい猫が家にやってきた際にも役立つでしょう。
ケージでお互いの距離を保ちつつ、少しずつ関係性を築けるようになります。
新しい猫を迎え入れる予定があるなら、ケージは持っておいたほうがよいでしょう。
関連記事▶︎先住猫と子猫が仲良くなるまでの期間は?仲良くなるためにやるべきことと
留守番中の事故を防止する効果もあります。
猫は、飼い主がいないと家のなかで悪さをすることがあります。
人間不在時に猫をケージで留守番させる理由がまた1つ増えましたオイコラヤメロ pic.twitter.com/4zFOGUH6Yh
— セツ (@pinomarinetiki4) January 30, 2023
電源コードを噛んだり、小物を飲み込んだりするかもしれません。
特に若い猫はこの傾向が強く、実際に事故で骨折するケースなどもあります。
しかし、留守番中にケージを利用できれば、事故のリスクはほとんどありません。
留守にすることが多い家庭では、ケージを導入して役立てるのがおすすめです。
ケージは、子猫期の飼育でも、以下の理由から役立ちます。
子猫は判断力や体力が未熟で、思わぬ事故が起きやすい時期です。ケージを活用すれば安全を確保でき、安心できる寝床にもなります。必須ではありませんが、子猫期にあると安心して育てられるでしょう。
住居内の掃除が楽になるのもポイントです。
常にフリーローミングしている場合、あちこちに毛が散らばったり、爪で引っ掻かれたりします。
しかし、ケージで生活する習慣があれば、多少は住宅内での掃除の手間が省けます。
ただし、ケージ内部の清掃はきちんとおこなうのが大切。
定期的に掃除機をかけたり、食器を洗ったり、トイレをきれいにしたりする習慣を保ちましょう。
本記事では、猫のケージ飼いに関して解説しました。
ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫を一生ケージ飼いするのは、現実的に不可能です。
ケージは、先述のとおり猫の安全を守るうえで有用なペット用品です。
しかし、一生ケージ飼いをすると、運動ができなかったり、孤独を感じたりするデメリットが解消されません。
そのままケージ飼育を続けていれば、心身ともに負担がかかるのは当然といえるでしょう。
したがって、猫を一生ケージ飼いにするのは、現実的には不可能です。
正しく使う限りケージ飼いが寿命を縮めることはありません。
むしろ、適切に管理されたケージ飼いは猫にとって安心できる寝床となり、心身の健康を高めるもの。
ただし、異常な使用に関しては注意が必要です。
不必要に長時間閉じ込める、運動やスキンシップの時間を奪うなどすれば、猫にとって強いストレスが生じます。
結果的に、それが寿命を縮める原因になりかねません。
ペットショップで販売される子犬子猫の親たち
一生ケージの中、子を産み続け外に出ることはない。一度も散歩したりじゃれたりすることもない犬生猫生、そんな子たちがショップの背後にはいるのです。ペット生体販売の禁止と動物愛護法の改正強化を求めます https://t.co/rX7qEky7jM @change_jpより
— Bernieニャンパリ9/3 (@MEEandREIKA) August 27, 2025
一生のケージ飼育は、多くの動物愛好家から懸念している部分でもあります。
<p”>ケージでの暮らしが猫の負担にならないよう、十分に配慮するのが大切です。
共働きなら、ケージを設置するのが望ましいです。
共働きでは長時間留守にするケースが多く、フリーローミングだと思わぬ事故やいたずらのリスクがより強く懸念されます。
特に子猫期などの好奇心旺盛な時期には注意が必要でしょう。
したがって事故やいたずらを防止するため、ケージを導入するのがおすすめです。
なお、子猫期からケージ飼育に慣れておくと、ケージ内でストレスを感じにくくなる傾向にあります。
猫をケージ中心で飼育すると、ややなつきにくくなる傾向があります。
これは、飼い主との接触時間が限られてしまうため、信頼関係を築くスピードが遅くなったり、場合によっては関係そのものが築きにくくなるからです。
特に子猫の時期は社会性を育む大切な時期であり、この時期に十分なスキンシップや人との触れ合いが得られないと、人間に対して警戒心を抱きやすいでしょう。
その結果、「人を怖がる」「抱っこを嫌がる」といった行動が定着してしまうこともあるので注意が必要です。
なついてもらうには、ケージ飼いしつつも、十分なスキンシップを確保するのが大切です。
この記事では、猫のケージ飼いに関して解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫のケージ飼いには一定のストレスがともなうもの。長時間閉じ込める、清掃が行き届かないなどの問題があれば、猫の負担となるでしょう。
一方で、適切な使い方や頻度であれば、ケージはむしろ役立つペット用品です。
本記事を参考に、適切なケージ飼育の環境を整備しましょう。
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