いま猫と暮らしていて、この先も飼い続けられるかどうか分からなくなっている。そんな状況でこのページにたどり着いた方に向けて、猫の引き取り先とそれぞれの費用・手続きを整理しました。
引越し、入院、家族の事情、経済的な事情。理由はさまざまでも、決めなければならないことは共通しています。どこに、いつまでに、いくらで託すのか。この3つが決まらないまま時間だけが過ぎてしまう前に、まずは選択肢の全体像を確認してください。
その託し先のひとつが、東京都町田市で猫の生涯預かりを行っているNPO法人ねこほーむです。預け先が決まらないまま期限だけが迫ると、選べる相手はそのぶん減っていきます。裏を返せば、動き出すのが早いほど愛猫を託せる先は多く残ります。
この記事で扱うのは、次の内容です。
- 引き取り先5つの比較と、それぞれの手続き
- かかる費用の目安と、「無料」をうたう相手に確かめること
- 自治体が引取りを断ることがある法律上の理由
- 引き取られた猫がその後どうなるのかの実数
- 信頼できる預け先を見分ける5つのチェックポイント
猫の預け先を探している方へ|NPO法人ねこほーむ
東京都町田市で、さまざまな事情で飼えなくなった猫を生涯にわたってお預かりしています。ご相談は無料です。どこに託すか決めきれていない段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。
お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。
猫を飼えなくなったら選べる引き取り先は大きく5つ
猫を託せる先は、大きく5つに分かれます。向いている人も、費用の考え方も、決まるまでの時間もそれぞれ違うので、順に見ていきましょう。
| 引き取り先 | 向いている人 | 費用の考え方 | 決まるまでの目安 | 猫のその後 |
|---|---|---|---|---|
| ①親族・知人に引き継ぐ | 身近に猫を受け入れられる人がいる | 飼育費の分担を相談する | 相手が決まっていれば早い | 知っている人のもとで暮らす |
| ②里親を自分で探す | 時間に余裕がある | ワクチンや検査の実費がかかることが多い | 数週間〜数か月 | 新しい飼い主のもとへ |
| ③保護団体・NPOに相談する | 自分で里親を探すのが難しい | 費用の負担を求められるのが一般的 | 受け入れの空き状況による | 里親を探す団体と、生涯世話をする団体がある |
| ④生涯預かり施設(老猫ホーム)に預ける | 高齢・持病があり、最期まで託したい | 初期費用と継続費用の二階建てが一般的 | 面談と書類手続きを経て | 施設で生涯を過ごす |
| ⑤自治体(保健所・動物愛護センター)に相談する | ほかの手段を尽くしても決まらない | 引取り手数料がかかる | 事前相談が必要 | 返還・譲渡に努められるが、殺処分となる場合もある |
どれを選ぶにしても、猫の年齢、持病の有無、ワクチンの接種状況は必ず聞かれます。母子手帳や検査の証明書があるなら、先に手元にまとめておいてください。ここからは、5つを順に見ていきます。
①親族・知人に引き継ぐ
猫にとっていちばん負担が小さいのが、すでに面識のある人に引き継ぐ方法です。環境は変わっても、来客として会ったことのある相手なら警戒が薄れやすくなります。
相談するときは、次の情報をそろえて伝えてください。
- 年齢と、これまでにかかった病気。獣医師から処方されている薬があればその内容
- いつも食べているフードの銘柄と量
- 使っているトイレ砂の種類
- 性格とくせ(人見知りの度合い、触られて嫌がる場所、先住動物との相性)
- かかりつけの動物病院の名前と連絡先
費用の分担や、体調を崩したときの連絡についても、口約束にせず簡単な書面にしておくと後々おだやかです。親しい相手ほど、あいまいなまま渡してしまいがちなので気をつけてください。
②里親を自分で探す
自治体は引取りを求める前に、新しい飼い主を探す努力を求めています。横浜市も「動物の引取りは飼い続ける努力、新たな飼い主を探す努力を尽くした後の最後の手段です」と明記しました(出典:横浜市・犬または猫が飼えなくなってしまったら)。
探し方には次のような手段があります。
- 里親募集サイトに掲載する
- かかりつけの動物病院に、里親募集の掲示をお願いする
- 自治体や公的な団体のマッチング事業を利用する(千葉県では公益財団法人千葉県動物保護管理協会が「新しい飼い主紹介」を行っています)
- 職場や地域の知り合いに声をかける
譲渡先が見つかったら、渡す前に確認しておきたいことがあります。飼育環境が完全室内飼いか、先住の動物がいるか、家族全員が同意しているか、そして連絡が取れる状態が続くか。譲渡誓約書を交わし、身分証で本人確認をしてから引き渡してください。
持病があり獣医師から薬を処方されているなら、それも隠さず伝えることが大切です。あとから発覚すると、猫が再び行き場を失うことになりかねません。問い合わせへの返信を早くする、質問にごまかさず答えるといった誠実な対応の積み重ねが、結果として決まるまでの時間を短くします。引き取り手の探し方はこちらでもくわしく説明しました。
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③保護団体・NPOに相談する
行き場のない猫を引き取り、里親を探したり生涯世話をしたりしている団体があります。自分で里親を探すのが難しいときの相談先になります。
ただし、次の点は前提として知っておいてください。
- 受け入れには条件がある:ワクチン接種や不妊手術を済ませていることを求める団体が多い
- 空きがないと待つことになる:一頭を受け入れると長く枠がふさがるため、すぐには決まらない場合がある
- 費用の負担を求められるのが一般的:猫の一生ぶんのフード代・トイレ砂代・医療費・施設運営費がかかるため
- 団体によって役割が違う:里親を探す団体と、施設で生涯世話をする団体がある
問い合わせるときは、まず「里親を探す形か、生涯預かる形か」を確かめると話が早く進みます。動物愛護団体から猫を引き取りできる?引き取ってもらう方法も解説では、団体に相談する際の流れをまとめています。保護シェルターという仕組みそのものを知りたい方は、次の記事もご覧ください。
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④生涯預かり施設(老猫ホーム)に預ける
飼い主に代わって猫の一生を世話する形の預かりもあります。高齢の猫や持病のある猫を、最期まで託したいときの選択肢です。
この形の預かりは、法律上は第一種動物取扱業のうち譲受飼養にあたり、都道府県知事等の登録を受けなければ営めません(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第10条第1項、同法施行令 第1条第2号)。登録した事業者は事業所ごとに登録番号を記した標識を掲げる義務があるので、見学に行けば自分の目で確かめられます(同法 第18条)。
費用は、契約時にまとめて払う初期費用と、預かっているあいだ継続してかかる利用料の二階建てが一般的です。金額の幅は施設によって大きく、相場と内訳は別の記事に整理しました。
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なお、期間を区切って預ける長期預かりと、最期まで託す生涯預かりの違いは猫を生涯・長期で預かりしてもらうには?2つのサービスと利用条件・費用を解説!で説明しています。
この記事を運営しているNPO法人ねこほーむも、生涯預かりを行っている団体のひとつです。参考までに、受け入れの条件をお伝えします。
- 対象:原則として完全室内飼いの猫ちゃん。外で生活していた猫は室内での集団生活に順応するまで時間とストレスがかかるため、性格などをうかがったうえでの判断になります
- 預かり日までにお願いしている処置:三種以上の混合ワクチン、猫ウイルス検査(猫エイズ・猫白血病)、血液検査、避妊・去勢手術、ノミ取り・爪きり
- 処置が難しい場合:当ホームで代行できます(費用は実費)。施設まで連れて来られない場合は有料でお迎えにも伺います
- 高齢猫・持病のある猫:病状や治療方法をうかがい、かかりつけの獣医師とも相談したうえで可否を判断いたします
- 費用:猫の生涯にかかる費用の一部を寄付金としてお願いしています。金額は猫の年齢や健康状態で変わるため、個別にご案内する形です
④の生涯預かり施設を検討される方へ
ねこほーむでは、面会や写真付きの近況報告にも対応しています。飼い主様のご希望に合わせて里親をお探しすることもできます。
お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。
⑤自治体(保健所・動物愛護センター)に相談する
ほかの手段を尽くしても決まらない場合の相談先が、お住まいの自治体の動物愛護センターまたは保健所です。ただし、思っているような手続きにはならないことが多いので、先に実際の運用を知っておいてください。
- 事前相談が必要:連絡せずに持ち込むと断られることがあります
- 有料:引取り手数料が定められています
- 原則として返還されない:横浜市は「一度引き取った犬や猫は、原則返還することはできません」と明記しています
- 最後の手段という位置づけ:飼い続ける努力と新しい飼い主を探す努力を尽くしたあとの手段とされています
(出典:横浜市・犬または猫が飼えなくなってしまったら、千葉県・犬・猫の引取り、神奈川県・犬や猫などのペットが飼えなくなってしまったら)
案内の書き方は自治体によって差があります。神奈川県のように県のページで手続きの入口だけを示す例もあれば、横浜市のように断ることがある理由と手数料まで公開している例もあります。お住まいの市区町村名と「動物愛護センター」で検索して、地元の窓口を先に確かめてください。
相談すれば、里親探しの方法や飼育の困りごとについて助言を受けられる場合もあります。まずは電話で状況を伝えるところから始めてください。保健所に相談する場合の流れは、こちらでくわしく扱いました。
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引き取りにかかる費用の目安と「無料」を探すときの注意点
「無料で引き取ってくれるところはないか」と探している方は多いはずです。結論からいえば、費用がまったくかからない選択肢はほとんどありません。
理由は単純で、猫を引き受けた側にその後の費用が発生し続けるからです。フード代、トイレ砂代、ワクチンや検査の費用、病気になったときの治療費、そして施設を維持する費用。生涯を引き受けるなら、それが十数年ぶん積み上がります。
選択肢ごとの費用の考え方を整理すると、次のようになります。
| 引き取り先 | 費用の考え方 |
|---|---|
| 親族・知人 | 飼育費の分担を話し合う。ワクチンや検査を済ませてから渡すと相手の負担が減る |
| 里親を自分で探す | ワクチン接種・ウイルス検査・不妊手術の実費。譲渡時にこれらを求められることが多い |
| 保護団体・NPO | 団体ごとに設定が異なる。寄付や協力金という名目で負担を求められるのが一般的 |
| 生涯預かり施設 | 初期費用と継続費用の二階建て。医療費や介護度による加算は別になることが多い |
| 自治体 | 引取り手数料。金額は自治体ごとに定められている |
そのうえで、「無料で引き取ります」とうたう相手に出会ったときは、次の4点を必ず確かめてください。
- 引き取ったあと、その猫はどうなるのか(里親を探すのか、施設で世話をするのか)
- 施設を見学させてもらえるか
- 第一種動物取扱業の登録があるか。登録番号を答えられるか
- 書面を交わせるか
この4つに答えられない相手には渡さない。それだけで、猫が行方の分からない場所へ流れていく事態はかなり防げます。ねこほーむでも同じ考えから、お預かりの前に面談と施設見学を行い、申込書と同意書を交わしてからお迎えする流れにしています。
なお、入院や出張のあいだだけ預けたいのであれば、生涯預かりではなく一時預かりを探すほうが負担は軽く済みます。数日から数週間であれば、ペットホテルという手も選べるはずです。
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自治体の引取り手数料は自治体ごとに違う
自治体の手数料は条例で定められており、金額は地域によって異なります。横浜市の場合は、生後91日以上の犬または猫が1頭につき4,000円、生後91日未満が1頭につき1,000円です(出典:横浜市・犬または猫が飼えなくなってしまったら、2026年8月29日確認)。
いっぽうで、金額を公開せず相談時に案内している自治体もあります。千葉県の案内は「引取りは有料ですので、相談の際に確認してください」という書き方でした(出典:千葉県・犬・猫の引取り、2026年8月29日確認)。お住まいの自治体の金額は、必ずその自治体の窓口で確認してください。
引き取りの条件は預け先ごとに違う
「条件が厳しくて、うちの子は受け入れてもらえないのでは」という不安もよく聞きます。実際、民間の預け先が求める条件は次のようなものが中心です。
- 混合ワクチンを接種していること(証明書の提出を求められることが多い)
- 猫エイズ・猫白血病のウイルス検査を受けていること
- 不妊・去勢手術を済ませていること
- 完全室内飼いだった猫であること
- 申込書や同意書などの書類を交わせること
ただし、これらを満たしていないと門前払いになるとは限りません。ねこほーむの場合、動物病院へ連れて行けない事情があれば、検査や処置を実費で代行しています。高齢の猫や持病のある猫も、病状をうかがってかかりつけの獣医師と相談したうえで判断します(出典:NPO法人ねこほーむ・猫のお預かりについて)。
条件の一覧を読んで自分で線を引いてしまう前に、いまの状況を伝えて聞いてみてください。受け入れの枠が埋まっていて順番待ちになることもあるので、早く相談するほど選べる先は多くなります。
自治体は猫の引取りを断ることがある(動物愛護管理法 第35条)
ここは誤解の多いところなので、法律の条文にそって説明しましょう。
都道府県等は、所有者から犬または猫の引取りを求められたときは、これを引き取らなければならないと定められています。ただし条文には続きがあり、環境省令で定める場合には引取りを拒否できるとされています(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第35条第1項)。
その「環境省令で定める場合」は、次の7つです(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律施行規則 第21条の2)。
- 犬猫等販売業者から引取りを求められた場合
- 引取りを繰り返し求められた場合
- 子犬または子猫の引取りを求められた場合であって、繁殖を制限するための措置に関する自治体の指示に従っていない場合
- 犬または猫の老齢または疾病を理由として引取りを求められた場合
- 引取りを求める犬または猫の飼養が困難であるとは認められない理由により引取りを求められた場合
- あらかじめ引取りを求める犬または猫の譲渡先を見つけるための取組を行っていない場合
- そのほか、都道府県等の条例・規則等に定める場合
ただし、これらにあてはまる場合であっても、生活環境の保全上の支障を防ぐために必要と認められるときは、この限りではないとされています。
横浜市はこの内容を自らのページに掲載しており、「猫の高齢化・病気等の理由」や「あらかじめ新たな飼い主を探す取り組みをしていない場合」を断る理由として挙げています(出典:横浜市・犬または猫が飼えなくなってしまったら)。
読み取れることは二つあります。「高齢だから」「病気だから」を理由に持ち込もうとしても、断られる可能性が高い。そして、相談する前に里親を探す取り組みをしておく必要がある。高齢や持病を抱えた猫の預け先を探しているなら、自治体ではなく民間の生涯預かりを先に当たったほうが早く進みます。
引き取られた猫はその後どうなるのか
「引き取られたら殺処分される」と聞いたことがある方は多いでしょう。実際の数字を確かめてみます。
環境省の令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の統計によると、猫の引取り数は22,010頭で、そのうち16,854頭が新しい飼い主へ譲渡されました。殺処分数は4,866頭です(出典:環境省・犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(令和6年度))。
殺処分数の内訳は、国の基本指針にそって3つに分けて公表されています。千葉県の説明にならって整理すると、次のようになります(出典:千葉県・犬・猫の引取り)。
| 分類 | 内容 | 令和6年度の猫の頭数 |
|---|---|---|
| ① | 譲渡することが適切でない(治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等) | 2,387頭 |
| ② | ①以外の処分(譲渡先の確保や適切な飼養管理が困難) | 780頭 |
| ③ | 引取り後の死亡 | 1,699頭 |
また、殺処分された4,866頭のうち2,579頭(53.0パーセント)は幼齢の個体でした。法律も、引き取った犬猫について「殺処分がなくなることを目指して」返還と譲渡に努めることを自治体に求めています(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第35条第4項)。
つまり、引き取られた猫が必ず処分されるわけではありません。それでも、譲渡先を確保できずに処分された猫が令和6年度に780頭いたことは事実です。この数字をどう受け止めるかは人それぞれですが、自治体に持ち込む前にできることが残っていないか、もう一度だけ確かめる価値はあります。
信頼できる引き取り先を見分ける5つのチェックポイント
民間の引き取り先は数が多く、対応も費用も一律ではありません。次の5つを順に確かめれば、判断の材料はそろいます。
- 第一種動物取扱業の登録があるか:費用を負担して猫を託す形の預かりは登録が必要な業種です。事業所には登録番号を記した標識を掲げる義務があるため、見学時に確認できます(動物の愛護及び管理に関する法律 第10条第1項・第18条)
- 見学できるか:断られる場合は候補から外して構いません
- 動物病院との連携があるか:急病や事故の緊急時に、どこへ運びどう連絡をもらえるのかを聞いてください
- 費用の内訳が説明されるか:あとから加算される費用があるかどうかまで確かめます
- 書面を交わせるか:契約書や同意書がないまま渡さないでください
加えて、預けたあとに面会できるか、近況の報告があるかも聞いておくと安心です。
参考までに、ねこほーむの場合は登録番号を公開しており(東京都譲第101833号・東京都譲第102142号)、事前にご連絡いただければ施設をご見学いただけます。提携動物病院と連携した健康チェックを行い、お預かりの際は申込書・同意書を交わします(出典:NPO法人ねこほーむ・団体の概要、猫のお預かりについて)。ほかの施設に問い合わせるときも、同じ形で答えが返ってくるかを目安にしてみてください。
手放す前に、続けられる方法が残っていないか確かめる
この章を読んでも続けられる見込みが立たないときは、預け先を並行して当たっておくと期限に追われずに済みます。
ここまで引き取り先の話をしてきましたが、事情によっては手放さずに済む道が残っていることもあります。急いで決める前に、この章の内容にあてはまるものがないかだけ確かめてみてください。
転居先がペット不可のとき。ペット可の物件が見つかれば、一緒に暮らし続けられます。会社の指示でペット不可の物件を指定されているなら、別の家に住めないか相談する余地があるかもしれません。ペット不可の住宅で隠れて飼うことは賃貸借契約の違反にあたり、契約の解除を求められる場合があるため、交渉の道を先に探してください(ペット禁止・不可の住宅で猫を飼ったらバレない?バレる原因や交渉のポイント)。
離婚で転居がともなう場合、猫を飼いはじめたタイミングが判断の手がかりになります。結婚前から飼っていたなら、その人のものとして扱われるのが一般的です。結婚後に迎えた場合は共有の財産として扱われることが多く、話し合いが必要になります。ただし個別の事情によって結論は変わるため、判断が分かれるときは弁護士や家庭裁判所にご相談ください。夫婦お互いの気持ちに整理がついてからでよいので、猫の面倒はどうするのかゆっくり話し合いましょう。
世話をする時間や体力がないとき。ペットシッターに頼る方法があります。自宅を訪問して飼い主に代わり猫の世話をするサービスで、次のようなことを任せられます。
- トリミングやマッサージ、シャンプーなどのボディケア
- スキンシップによるストレス解消
- 爪切り・爪研ぎ
- 食事・トイレ・移動の世話や補助
心身ともに疲れ果てているなかで、猫の世話まで手が回らないのは仕方のないことです。全部を自分で背負う前に、外の手を借りられないか考えてみてください。
医療費が払えないとき。動物病院に分割払いの相談をしてみる方法があります。どこまで応じてもらえるかは病院ごとに異なるので、まずは現状を正直に伝えてください。クレジットカードに対応している動物病院を探すのもひとつです。
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そして、ここまで試したうえで続けられないと判断したなら、愛猫を手放すことを選ぶのは無責任ではありません。十分に世話ができない状態を続けるより、しっかり世話をしてもらえる場所へ託すほうが、猫にとってよい結果になる場合もあります。限界まで抱え込んでから動くよりも、まだ選べるうちに相談先をあたってみてください。
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やってはいけないこと
最後に、これだけは避けてほしいことを挙げます。
猫を捨てることは犯罪です。愛護動物を遺棄した者は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処すると定められています(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律 第44条第3項)。自治体のページには「懲役」と書かれているものもありますが、これは法改正前の表記です。
相手の身元を確かめずに渡すのも避けてください。連絡が取れなくなれば、その後どう扱われたかを知る手立てがなくなります。身分証の確認と譲渡誓約書は、相手を疑うための手続きではなく、猫を守るための手続きです。
ペット不可の住宅で隠れて飼い続けるのも、解決にはなりません。賃貸借契約の違反にあたり、契約の解除を求められることがあります。管理会社に相談するか、ペット可の物件へ移るか、どちらかの道を選んでください。
猫を飼えなくなったときによくある質問
Q. 猫を無料で引き取ってもらえますか?
A. 費用がかからない選択肢はほとんどありません。自治体の引取りは有料で、保護団体や生涯預かり施設も費用の負担を求めるのが一般的です。引き受けた側に、その後の飼育費と医療費が発生し続けるためです。
Q. 高齢の猫や病気の猫でも引き取ってもらえますか?
A. 自治体については、老齢または疾病を理由とする引取りを拒否できると環境省令で定められています(出典:e-Gov法令検索・動物の愛護及び管理に関する法律施行規則 第21条の2第4号)。民間の施設は、病状や治療内容をうかがったうえでの個別判断になります。まずは猫の状態を伝えて相談してみてください。
Q. 保健所に引き取られた猫は殺処分されますか?
A. 必ずそうなるわけではありません。令和6年度の統計では、猫の引取り22,010頭に対し16,854頭が譲渡されています。ただし、譲渡先を確保できずに処分された猫が780頭いたことも同じ統計から読み取れます(出典:環境省・犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(令和6年度))。
Q. 引き取ってもらった猫を返してもらえますか?
A. 自治体は原則として返還しません。横浜市も「一度引き取った犬や猫は、原則返還することはできません」と案内しています。民間の施設は取り決めによるため、契約前に返還の条件と費用の精算方法を書面で確かめてください。
Q. 決まるまでにどのくらいかかりますか?
A. 里親探しは数週間から数か月かかることがあります。保護団体や生涯預かり施設も、受け入れの空き状況によっては待つことになります。いつまでに決めたいかを先に決めて、複数の選択肢を並行して当たってください。
まとめ
猫を飼えなくなったときにできることを整理しました。要点は次のとおりです。
- 引き取り先は、親族・知人/里親探し/保護団体・NPO/生涯預かり施設/自治体の5つ
- どれを選んでも費用と時間がかかる。「無料」をうたう相手には、その後の扱いと登録の有無を確かめる
- 自治体は、老齢や疾病を理由とする引取りや、譲渡先を探す取組をしていない場合の引取りを断ることがある
- 民間の預け先は、登録番号・見学・書面の3点で見分ける
そのうえで、いまの状況に合わせて次の一歩を選んでください。
- 期限が迫っている方:生涯預かりを行う団体へ早めにご相談ください。ねこほーむへはお電話(042-370-0778)またはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください
- 時間に余裕がある方:この記事の「②里親を自分で探す」に戻り、伝える情報を書き出すところから始めてください
- まだ続けられる余地がある方:「手放す前に、続けられる方法が残っていないか確かめる」の章にあてはまるものがないか確かめてください
ひとりで抱えたまま期限が来るのが、いちばん選べる道が狭くなる状況です。決めきれないうちでも構わないので、早めに相談先を持っておいてください。
期限が来る前に、相談先だけでも持っておいてください
NPO法人ねこほーむは、東京都町田市で猫の生涯預かりを行っています。ご相談は無料です。お預かりできるかどうかは、猫の状態とご事情をうかがったうえで個別にご案内します。
お預かりの条件と流れはお預かりについてをご覧ください。



本記事は一般的な情報の提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合や判断に迷うときは、早めにかかりつけの動物病院へご相談ください。