猫の鳴き声には何の意味がある?鳴き方による気持ちの変化と対処法について

  • 猫が変な鳴き声を出しているが、どすたのか
  • 鳴き声にはどのような意味が込められているのか
  • 夜鳴きや発情期の鳴き声をどうにかしたい

このように思っている人は多いのではないでしょうか?

猫の鳴き声は、そのときの感情や体調によって変化します。中には、病気のサインとなる鳴き方もあり、その場合は適切に対応することが求められるでしょう。

そこで本記事では猫の鳴き声の種類や感情などに関して詳しく解説します。また、夜鳴きや発情期の鳴き声を改善する方法に関しても触れているので参考にしてください。

鳴き声の種類・バリエーションごとの猫の感情

猫の鳴き声は、そのときの感情によって変化します。

  • 高い声で「ニャー」/甘えたい・エサが欲しいなどの訴え
  • 短い声で「ニャッ」/あいさつや不安感の訴え
  • 口を大きく開けて「シャー」警戒心や怒り
  • 口を少し開けて「カチカチ」/狩猟本能のたかぶり
  • オオカミのように「ミャー!」/発情によるたかぶり

主だったところだけでも、これだけのバリエーションがあります。それぞれ、どのような感情が反映されているのか詳しく解説します。

高い声で「ニャー」/甘えたい・エサが欲しいなどの訴え

もっともよく聞かれるのが、「ニャー」という、猫らしい鳴き方です。

これは基本的に、甘えたい、エサが欲しい、扉を開けてほしいなどのリクエストと考えましょう。

特に問題がないなら、その訴えに応えてやるのがよいでしょう。

たとえば甘えたいのに甘えられない、といったことが続くと、猫にとってストレスになり得ます。できるだけリクエストは叶えてやりたいところです。

しかしながら、飼い主にもできないことがあるでしょう。その部分に関しては、無理にリクエストに応える必要はありません。

「ゴロゴロ」は機嫌がよいあかし

猫の喉元から「ゴロゴロ」という音が聞こえることがあります。これは怒っている、喉が詰まっているわけではなく、機嫌がよいことを示すものです。

短い声で「ニャッ」/あいさつや不安感の訴え

猫が短く「ニャッ」と鳴くのは、不安感を訴えているものです。このように鳴いて注意を引き、補助を求めていると考えましょう。

飼い主が家に帰った際などに、この鳴き方はよく聴かれます。人によっては「猫が文句を言っている」ように感じることも。

一方で、単なる「あいさつ」として、「ニャッ」と鳴いていることもあります。その際は人間の言葉であいさつを返すなどするとよいでしょう。

口を大きく開けて「シャー」/警戒心や怒り

「シャー」という鳴き声を出しているのは、いわゆる「怒っている」「キレている」状態です。合間に「ウー」と、唸るような鳴き声が混ざることも。

この鳴き方は、引き取り直後や、動物病院(注射)帰りのタイミングでよく聴かれます。

このように怒っているときは、飼い主といえど、強い力で噛みつかれたり、引っ掻かれたりするかもしれません。

しばらく放っておくと落ち着くので、距離を置きましょう。期限が直ったら、仲直りできるようなスキンシップを図りましょう。

口を少し開けて「カチカチ」/狩猟本能のたかぶり

口を少し開けて、「カチカチ」という音を立てることがあります。

これは厳密にいえば鳴き声ではなく、上下の歯を震わせている音。一般にクラッキングと呼ばれます。

これは、獲物を捕まえる際の狩猟本能を思い出したときのしぐさです。特に鳥類など、捕まえたくても捕まられない獲物を見かけたときに見受けられます。

クラッキングしているときは、やや感情がたかぶっているので、あまり刺激しないほうがよいでしょう。

オオカミのように「ミャー!」/発情によるたかぶり

発情期の猫の鳴き声はかなりうるさく、オオカミのような大きな声で鳴きます。

この鳴き声を発することで、オスメスの出会いを促進するねらいがあります。

ただし発情期の鳴き声は非常にうるさく、飼い主の暮らしに強烈なストレスを与えることも。

また鳴き声のみならず、動き回る、かみつくといった問題行動も、多くの場合でともないます。したがって発情期を迎えないよう、去勢。不妊手術をするのが一般的です。

【補足】サイレントニャー/鳴いているが聞こえない鳴き声

なお、鳴いているように見えて、なぜか鳴き声が聞こえない「サイレントニャー」という現象も見られます。 これは、声を出していないのではなく、人間の可聴領域外の高音で鳴いています。

領域外であるがゆえ、人には聞こえません。

なおサイレントニャーで鳴く猫の個体は減っていると言われています。その理由として、「鳴き声を聞き取ってもらえず、人間に保護されたり、餌を与えられたりしてもらえない個体が増えた」ことが挙げられます。

猫の鳴き声を止めたいときの対処法

一般的に猫の鳴き声は、さほど不快なものではありません。ただし猫の性格や、声の性質によっては、飼い主や家族のストレスになることもあります。

鳴き声を静かにしたいときは、以下を参考にしてください。

  • 理由を特定して訴えに応える
  • 夜鳴きは無視をする・昼間に遊ぶ
  • 発情期の鳴き声は不妊・去勢手術を受ける

基本的には訴えに応えるのがベストです。ただしそれでは解決しないケースもあるので注意しましょう。

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

鳴く理由を特定して訴えに応える

基本は、鳴く理由を特定して訴えに応えることです。

  • ご飯を求めている▶︎食べてもよい範囲でフードを与える
  • 構ってほしい▶︎なでる、じゃれるなどする
  • 攻撃されて怒っている▶︎攻撃と誤解されるような行動をやめるetc.

このように、シンプルに対応するのが基本となります。

特に年齢が若いときは、不安を感じやすく、わがままもいいがち。しかしこれは加齢とともに落ち着いていきます。

夜鳴きは無視をする・昼間に遊ぶ

猫の鳴き声が気になるとしたら、夜鳴きが主な原因と考えられるので、その前提で解説します。

夜鳴きに関しては、とにかく無視をするようにしましょう。下手にかまうと、「鳴けばわがままがとおる」とあやまった学習をしてしまい、余計に状況が悪くなるからです。

特に根負けしておやつを与えるなどの対応は避けましょう。

また、昼間に遊んで、疲れさせて、夜は眠るようにみちびくのも有効な手段です。

関連記事▶︎猫の夜鳴きについて

発情期の鳴き声は不妊・去勢手術を受ける

先ほども触れましたが、発情期の鳴き声は、共生するうえで大きな問題となります。したがって、基本的には不妊、去勢手術を受ける必要があるでしょう。

この手術は、動物病院などで、15,000円から30,000円ほどで受けられます

なおやや古いデータではありますが、平成23年時点での飼い猫の去勢・避妊手術の実施率は、環境省によればおよそ83%でした。

(引用:環境省

ほとんどのケースで手術を受けているのがわかるでしょう。

「どうしても子供を産んでほしい」といった特殊なケースをのぞいて、基本的には去勢・避妊手術を受けましょう。

診察や治療が必要かもしれない鳴き声の種類

通常、猫の鳴き声は、多少構ったり、ご飯を与えたりすれば問題が解決するものです。中にはあいさつだったり、単に気まぐれで鳴いてみた、くらいの意味しかないケースもあります。

しかし以下のケースは、通常の鳴き声とは性質が異なり、場合によっては適切な対応が必要かもしれません。

夜中に犬のように「ナオーン」/認知症や極度のストレス 元気がなさそうに「ナーナー」/各種体調不良 喧嘩をしているかのような「アオー」/強い痛みや呼吸不全 喉が苦しそうな「ゼーゼー」/呼吸不全および猫喘息

それぞれがどのような状況にあって、なぜ診察や治療が必要なのか、解説します。

夜中に犬のように「ナオーン」/認知症や極度のストレス

夜泣きに近いですが、夜中に犬のように鳴くのは、年齢しだいでは認知症の可能性があります。

猫も、人間と同様に、加齢によって認知能力を失っていきます。それが一定水準を下回った際に認知症を発症し、状況を正しく認識できなくなるわけですね。

その結果として、夜中に犬のような声で鳴く傾向が認められます。

また認知症ではなく、極度のストレスを感じていることから、犬のような鳴き声を上げることも。

その場合は環境や体調、どこに原因があるのかを特定し、それを取り除く必要があります。

そして認知症が懸念されるなら、やはり、その治療が必要となるでしょう。

元気がなさそうに「ナーナー」/各種体調不良

元気がないときは、声も弱々しくなり、「ナーナー」と鳴くようになります。基本的に「ミャ」ではなく「ナ」の音で鳴いてるのは、ネガティブな傾向だと考えて問題ありません。

この場合、内臓を傷めていたり、外傷を抱えたいたりするケースがあります。それらから生命の危機を感じ、「助けてほしい」t訴えているかもしれません。

このような鳴き方を感じたら、まず、何があったのか事態を把握しましょう。それでも状況が掴めない場合は、やはり動物病院での受診を強く推奨します。

喧嘩をしているかのような「アオー」「ミャー!」/強い痛みや呼吸不全

喧嘩をしているときに出すような「アオー」「ミャー!」といった声は、強烈な痛みや呼吸の苦しさを感じる際に聞かれます。

これはすぐさま動物病院へ連れていくなどの対応が必要。 そもそも猫は、苦痛や体調不良を感じた際、狭いところに隠れて息を潜める習性を持ちます。

にもかかわらず大声で鳴くというのは、尋常ならざることが怒っていると考えて問題ありません。

場合によっては一国を争います。すぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。

喉が苦しそうな「ゼーゼー」/呼吸不全および猫喘息

「ゼーゼー」という声が聞かれたら、ただちに動物病院へ連れて行ってかまいません。これはいわゆる「喘鳴」であり、すでに呼吸器に何らかの異常があると判断できます。

また「ゼーゼー」という声が出ているなら、すでに相当な苦痛を受けているでしょう。これは「喘息を患ったことがある人間」に聞いてみると、わかるかもしれません。

とにかく「喘鳴」が確認されたら、ただちに動物病院へ連れて行くなどしましょう。

なお、以下のように咳のような声が混じることもあります。

猫の鳴き声などに関するよくある質問

本記事では猫の鳴き声に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。

  • しきりに顔を拭くのはぜ?
  • 地面を転がるのはなぜ?
  • パソコンやテレビの前にやってくるのはなぜ?
  • それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

しきりに顔を拭くのはぜ?

猫が頻繁に顔を拭くのは、主に毛づくろい、グルーミングの一環です。

顔を清潔に保つために、前足を使って目や鼻周りの汚れを取りのぞく狙いがあります。

また食事後に口周りをきれいにする、単に顔を刺激してリラックスするといった目的がある場合も。

これは猫の当たり前の仕草のひとつであり、何ら問題はありません。ただし、頻繁すぎる場合は、目や鼻の不快感やアレルギーなどの可能性もあるため、留意しておきましょう。

地面を転がるのはなぜ?

地面を転がるのは、マーキング行動の一種です。

自らの匂いを残すことで、他の猫に、「ここは自分のテリトリーである」と主張しています。

地面に転がるだけではなく、鼻を擦り付ける、尿を振りかけるなどして、マーキングをおこなうことも。

なおこのテリトリーに侵入した猫がいた場合、いわゆる猫同士の喧嘩に発展します。

パソコンやテレビの前にやってくるのはなぜ?

これは基本的に「飼い主に注目してほしい」心理が原因だと考えられています。

猫は基本的に嫉妬深く、「自分が今、どの程度大切にされているか」を気にしています。

そんななか、パソコンやテレビだけが大切にされている状態が、気に食わないのも当然でしょう。

「それよりも私の相手をしろ」という意味合いで、パソコンやテレビの前に鎮座しようとします。作業ペースにもよりますが、この場合は構ってやるのがよいでしょう。

少し構うと、満足して、どこかへ行ってくれることもあります。

まとめ

本記事では猫の鳴き声に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 猫の鳴き声は、感情によってさまざま
  • 「ニャー」と鳴くのは、甘えたい、エサが欲しいなどの訴え
  • 「ニャッ」という短い声は、不安感の訴えやあいさつなど
  • そのほかにもさまざまな鳴き声がある
  • 猫の鳴き声を止めたいなら、まずは鳴く理由を特定して対応
  • ただし夜鳴きはあえて無視するのがよい
  • 発情期の鳴き声は、不妊・去勢手術が必要になる
  • 「ナオーン」「ナーナー」といった鳴き声は何らかの疾患を示唆
  • そのほかにも不穏な鳴き声があれば、診察を受けるなど適切に対処する必要あり

猫の鳴き声には、さまざまな意味があります。

何度も聞いていると、どの鳴き声が何を伝えようとしているのか、わかってくるでしょう。

そして特殊な鳴き声は、病気の発症を示唆している可能性があります。そのような声を聞いたら、きちんとその可能性を念頭に入れて、適切に対応しましょう。

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