2024.02.29
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
猫は発情期を迎えると、オスメス関係なくしきりに鳴くようになります。おそらく何らかの対策を取らないと、おだやかに暮らせないでしょう。
そこで本記事では、発情期の猫の鳴き声対策に関して解説します。また、去勢や避妊の手術に関しても解説するので参考にしてください。
発情期の猫がうるさいときの対策はいくつもあります。
第一に伝えておきたいのが、最優先すべきで、もっとも有効な解決方法は、去勢・避妊手術を受けること。
発情期に猫が鳴くようになるのは自然なことで、根本的に解決するには手術しかありません。それ以外は一時的な対処法、もしくは猫にストレスを与える手段です。
それを踏まえたうえで、下記を読んでいきましょう。
上記のとおり、もっとも有効なのは去勢・避妊手術を受けることです。発情がなくなるとともに、鳴き声もおさまります。
去勢・避妊手術とは、オスであれば睾丸、メスであれば卵巣(ときおり、卵巣と子宮)を摘出する手術。
この手術を受ければ発情期が来なくなり、それに由来する鳴き声もおさまります。
去勢・避妊することには、感染症を防ぐ、望まない妊娠を防ぐなどの意味合いでも重要。
なおやや古いデータではありますが、平成23年時点での飼い猫の去勢・避妊手術の実施率は、環境省によればおよそ83%でした。
(引用:環境省)
ほとんどのケースで手術を受けているのがわかります。
「どうしても子供を産んでほしい」といった特殊なケースをのぞいて、基本的には去勢・避妊手術を受けさせるようにしましょう。
たしかに、「本人(本猫)の意思に反して、生殖能力を奪う」という点では、かわいそうかもしれません。しかし以下の理由から、去勢したほうが、猫にとっても幸せだといえます。
去勢・避妊手術を受けさせたからといって、不幸になるとは限りません。むしろ長く穏やかに生きることをよしとするなら、手術を受けるのは猫にとって望ましいことといえるでしょう。
上述のとおり、去勢・避妊していない猫の鳴き声をおさえるのはむずかしいので、飼い主がそれをシャットアウトするのが現実的です。
イヤホンで音楽を聴く、離れた部屋に行く、耳栓をするなどするのがよいでしょう。
(引用:Amazon)
耳栓ならAmazonで700円程度で購入できます。
しばらくはこういった方法で鳴き声をシャットアウトし、タイミングを見計らって去勢・避妊手術を受けるのがよいでしょう。
また、防音効果のある場所に猫を入れておく方法もあります。
猫にストレスが生じるため、長く使える方法ではありませんが、一時的に鳴き声を遠ざけるうえでは役立つでしょう。
具体的には飼い主がいる部屋から離れた部屋、押し入れなどが考えられます。しばらくはそれで鳴き声をしのぎ、タイミングを見計らって手術を受けさせるのがよいでしょう。
とはいえ、鳴き声という理由があろうとも、猫をどこかに閉じ込めてしまうのは、ストレスが生じるうえ、倫理的とは言い難いでしょう。
なるべくこの方法を取る前に、手術を受けさせるのを推奨します。
夜間の鳴き声が気になる場合は、日中の運動量を増やす方法が有効です。
昼間に外を歩き回らせたり、より長い時間遊んだりすれば、夜間に睡眠を取るようになります。
そうすれば、少なくとも夜鳴きに悩まされるケースは減るでしょう。
しかし猫は本来夜行性であり、夜に動き回れなかったことがストレスになるかもしれません。
飼い主が耳栓を使うなどして、猫ばかりに負担がかからないように工夫しましょう。
またたびを与えることで、一時的に鳴き声をおさえる方法もあります。
(引用:Amazon)
またたびは、Amazonなどで簡単に購入できます。
これを与えれば、一時的に酩酊状態となり、鳴き声がおとなしくなるでしょう。
しかしまたたびを与えすぎると、心身に負担がかかる、中枢神経に異常をきたすなどの問題が生じます。
与えるペースは、週に1〜2回程度にするのがよいでしょう。
ただ、発情期を迎えるたびにまたたびを用意するのもたいへん。やはり去勢・避妊手術するのがもっともよい方法だといえます。
また、発情以外の理由で鳴いている可能性も考慮しましょう。たとえば、以下の疾患や精神状態の悪化が考えられます。
発情が考えにくいなら、上記のいずれかである可能性が高いです。
特になんらかの気管支炎や尿結石、感染症は重篤な症状に発展することがあります。発情以外の原因が考えにくいなら、ただちに診察を受けるようにしましょう。
上述のとおり、去勢・避妊手術を受けて猫に発情させないのを強く推奨します。
手術さえ受ければ、生殖に対する欲求がなくなり、鳴き声もおさまります。
その他、手術を受ける具体的なメリットとして以下が挙げられるでしょう。
猫の発情期を受け入れながら育てるのはたいへんです。しかし去勢・避妊手術を受ければずいぶんと楽になります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、手術を受けると、以下のような問題行動も避けられるようになります。
なかには可愛らしいものもありますが、尿をしたり、攻撃的になったりするのは大きな問題です。
部屋が汚れたり、飼い主が怪我をしたりするかもしれません。特に子供が猫にじゃれつき、反撃されるパターンが心配です。
しかし去勢・避妊手術を受けておけば、上記の問題行動のほとんどを避けられます。
飼い猫がメスだった場合、望まない妊娠を避けられるのもメリットです。
完全室内飼育を実施していない場合、発情期のメスが外へ出ていったとき、妊娠して帰ってくることがあります。
なお、猫の交尾における妊娠率はほぼ100%。つまり、外で少し魅力的なオスがいて行為に発展したなら、まず間違いなく妊娠するでしょう。
(引用:大阪市)
なお妊娠した場合、上図のとおり、平均6頭を出産します。猫との暮らし方や環境に関して、大幅な変更は避けられないでしょう。
なお、一度に妊娠が多頭飼育崩壊につながることもあります。
多頭飼育崩壊とは、猫が繁殖しすぎて、とうてい飼育しきれないほどの数に達することを指します。
たとえばメスが産んだ子世代のメスが避妊をしなければ、完全室内飼育でないかぎり、孫世代を産むでしょう。また、兄妹間で交尾することもあります。
それを繰り返すことで、上動画のような状態になるかもしれません。もちろん、ここまでの事態になるのは珍しいですが、「数が多すぎて生活がままらなくなる」程度のことは現実的に起こり得ます。
去勢も避妊もしないなら、多頭飼育崩壊の状態にならないようにするのが大切です。
関連記事▶︎多頭飼育崩壊の猫の引き取りはむずかしい?まずは市役所の生活課に相談してみよう!
去勢手術を実施すると、基本的には育てやすい性格になります。具体的には以下のように変化するでしょう。
去勢手術を実施する前は、性ホルモンのはたらきにより、攻撃的、積極的な性格をのぞかせます(人間に置き換えて考えれば、男性的である)。
しかし去勢するとホルモンバランスが変化して、育てやすい性格に変化するわけです。
ただし生まれ持った気質から、去勢したあとも活発に動き回る個体も。
去勢・避妊手術をしたら、猫は性格が穏やかに甘えるようになると聞いたのですが…?#ねこ #ネコ #猫 #子猫 #保護猫 #猫好きさんと繋がりたい #ツナとマヨ #ツナマヨ#Cat #RescuedCat #TunaToMayo #TunaMayo pic.twitter.com/XLmqCbtrqW
— 猫のツナとマヨ TunaMayo Cats (@tunamayo_cats) March 11, 2021
とはいえ、発情期ほど激しく動き回ったり、頻繁に鳴いたりするわけではありません。いわゆる「元気な猫」程度の活動強度であり、さほど心配する必要はありません。
感染症リスクを低減できるのも重要です。猫が交尾するなかでは、人間同様にさまざまな病気にかかる可能性があります。
もちろんワクチンを接種しておけば感染しにくいものもあります。しかし、交尾する以上可能性は否定できません。
そのリスクを避けられる意味でも、去勢・避妊手術は重要な意味を持つでしょう。
関連記事▶︎猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)とは?治療法や予防法を解説
近所迷惑にならずに済むのも重要です。
飼い主が「うるさい」と思うなら、近隣住民も同様の感想を抱くでしょう。
どこからともなく猫の鳴き声が聞こえてくる。気になって眠れない。近所迷惑な猫だ(;`皿´)
— き ひろし (@hiroshi0063) November 24, 2011
実際、そのことを嘆く人は決して少なくありません。
特に発情期の大きくて頻繁な鳴き声は、近隣住民にとって大きなストレスになりえます。それが原因でトラブルになるかもしれません。
このようなリスクを避けられるのも、手術を受けるメリットのひとつです。
ここでは去勢・避妊手術を受けるメリットを解説しました。弊法人としても、この手術を受けるのを強く推奨します。
去勢・避妊手術は、動物病院で受けることが可能です。まずは近くの病院に連絡してみましょう。
費用に関しては、以下を目安にしてください。
手術の難易度は低く、後遺症などが残る可能性はほぼありません。
ただし手術後は安静にさせるなどのケアが必要です。この点に関しては、「猫の去勢手術はいつ受けるべき?費用・手術内容・術後のケアも解説」で解説しているので参考にしてください。
本記事では猫の発情期の鳴き声に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
発情期に関しては悩みを抱えている人も多いでしょう。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の発情期は、一般に5日から14日ほど続くとされています。長く続く個体だと、飼い主、猫ともにかなり疲弊するでしょう。
また猫の発情期には周期があります。
(引用:子猫のへや)
つまり5日から14日の発情を経て最大68日の休止期があり、また発情期に入るサイクルを繰り返します。
この休止期が極端に短い個体だと、より負担が大きくなるでしょう。
「この季節だから発情期になる」とは決まっていません。1月から9月、つまりほぼ年中は発情期に入りうる状態です。
ただ、それでも一定の傾向はあり、2月〜4月(冬から春)、6月から8月(夏)は発情しやすいようです。
したがって去勢・避妊手術を選択しないなら、この期間に発情期の準備をしておくとよいでしょう。
とはいえ、毎年対策したり、猫を我慢させたりするのは大きな負担になります。もちろん、それ以外の時期でも、周期に沿って発情期が訪れます。
やはり去勢・避妊手術を選択するのが現実的でしょう。
発情期を放っておくと、それが済むまで、以下の行動が続きます。
マーキングとは、自身の匂いを擦り付けることです。
その方法として、上動画のような「転がり」が挙げられます。
これだけなら問題はありませんが、ところまわず尿をすることでマーキングするケースもあります。もちろん部屋のなかも例外ではありません。
これらの行動は猫の本能に基づくものであり、しつけなどで制御できるものではありません。
先ほど触れたとおり猫の発情期は5日から14日ほど続きます。去勢・避妊手術を選択しない場合、飼い主もこの期間は相当に我慢する必要があるでしょう。
近所の猫がうるさいときの対応は、管理素体に相談するのがおすすめです。ただし連絡先は住宅の種類によります。
そうすれば、電話連絡で注意する、張り紙で注意喚起するなどの対応が取られるでしょう。
なお、飼い主に直接苦情を言うのは、トラブルに発展しやすいため、おすすめしません。
本記事では発情期の猫の鳴き声に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫は頻繁に発情期を迎える生き物です。また、その際はとにかく活発に動き、そして鳴き声を上げる習性があります。本記事で何度か触れている去勢・避妊手術をはじめ、できる限りの方法で対策しましょう。
最後に、猫が発情期を迎えて鳴き声を上げるのは、生態上普通のことです。それを制限するのは、猫にとってストレスになります。
またそれを「うるさい」と断ずることを、「自分勝手だ」とする意見もあります。
そのような点に鑑みれば、やはり去勢・避妊手術を受けるのが最優先だといえるでしょう。
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