2024.10.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
猫の喧嘩は時として想像以上に激しく、飼い主としては心配になるところ。
そこで本記事では、猫が喧嘩する理由や、予防策などを解説します。あわせて喧嘩を止めるタイミングなども解説するので参考にしてください。
もくじ
猫が喧嘩する理由はさまざまです。ただ、主だったところで以下が挙げられるでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
よくあるパターンとして、じゃれあいが本気の喧嘩になってしまうケースのが挙げられます。
猫が同居猫や飼い主とじゃれあうのは珍しいことではありません。しかし、たまたま機嫌が悪かったり、当たりどころが悪かったりすると、単なる遊びが喧嘩に発展します。
じゃれあいか遊びかを見分けるポイントとして、以下動画がわかりやすいです。
動画のように「ウー」「シャー」といった声は、通常、じゃれあいの中では聞かれません。これは本気で怒っているときにだけ聞かれる威嚇の一種です。
後述するようにこのようなシーンがあれば飼い主が止めに入る必要があります。
ストレスが増えたことで、攻撃的になり、喧嘩するようになったのかもしれません。直近で以下の出来事はなかったでしょうか?
これらの出来事はすべて猫のストレスになりうるものです。
引っ越しや新入り猫の入居は当然として、模様替え、近隣の工事音も、猫にとってはストレスになります。
したがって喧嘩を止めるには、このようなストレス要因をできるだけ遠ざけるのがポイントとなるでしょう。
また、下記動画のように、獣医師によっては、「匂いがストレスの原因」とも語ります。
匂いまでケアするとなると少々たいへんかもしれません。ただ可能な限り意識すれば、さらにストレスフリーな環境になるでしょう。
また、以下のものを独占するため、喧嘩という手段を取っているかもしれません。
猫は独占欲が強い生き物で、自らが所有していると意識したものを、横取りされるのを嫌います。これは、飼い主や家族などとの接触の機会も例外ではありません。
このような状況になったら、なるべく双方が満足するように、可愛がり、寝る場所や餌を与える必要があるでしょう。
ただし「何かを独り占めしたい」という感情が長続きすることはあまりなく、これが問題になるケースは多くありません。
また、縄張りが侵されるようになったのかもしれません。これは家の中ではなく、主に別の家の猫や野良猫との間で起こるものです。
猫は、自らの家や巣を中心に、一軒家3〜5軒が収まるくらいの範囲をテリトリーとして考えています。この領域に対する他の猫の侵入を許しません。
しかしある猫とまた別の猫のテリトリーは重複する可能性があります。つまり飼い猫が縄張りと思っている部分に対して、別の猫が「自分の場所だ」と主張して侵入した結果、争いが生まれるわけですね。
特にこのケースでは、激しい喧嘩が繰り広げられます。
また猫の縄張りは、年齢を重ねる、時間が経過することで拡大する傾向にあります。その結果ほかの猫の縄張りに踏み込むようになり、喧嘩が起こっているかもしれません。
去勢手術を受けていない場合、発情期を迎えた可能性が考えられます。
この時期を迎えると、異性猫を激しく求めるようになり、普段の行動や習性にも変化が訪れます。
たとえば、大声で鳴いたり、飼い主に対して攻撃的になったりするでしょう。そして同居猫がいる場合、感情のたかぶりから、喧嘩をふっかけるようにもなります。
発情期の訪れは、同居猫および飼い主にとって大きな負担となります。後述するように去勢手術を受ける必要があるでしょう。
関連記事▶︎猫の発情期はいつやってくる?鳴き声などの問題行動をできるだけ防ぐ方法
猫の喧嘩は時に苛烈で、心配になるものです。また頻回かつ激しい喧嘩が続くのは、猫の健康や安全を考えれば見過ごせません。
したがって以下の方法で、適切に喧嘩を予防するようにしましょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の喧嘩を予防するには、まずトイレをそれぞれに分けるのが有効です。トイレを分けることがストレスの緩和につながるからです。
猫は基本的に一匹で活動しており、「誰かとトイレを共有する」のをよしとしません。使おうとしたら別の猫がいる、自分以外の匂いがするだけで、それなりに強いストレスを感じます。
しかしトイレを別々に配置するだけで、それぞれのテリトリーが尊重され、落ち着いて過ごせるようになります。またトイレの取り合いをきっかけとした喧嘩もなくなるでしょう。
トイレに限らず、「何かを共有する」体験は、猫にとって好ましいものではありません。できるだけテリトリーを尊重し、プライベートな時間や空間を過ごせるように、今後意識するとよいでしょう。
猫ごとのプライベートスペースを用意するのも有効です。
先ほども触れたとおり猫は本来単独行動を好み、ずっと誰かといるのをよしとしません。しかし独自のプライベートスペースを配置することで、テリトリーを確保し、精神的に安心できるようになります。
ただしプライベートスペースが侵されることがあると、喧嘩の原因になります。
ある猫に与えられた場所は、別の猫には使わせないよう徹底しましょう。
場所がない場合は、キャットタワーなどを設置するのがおすすめ。
これなら簡単にプライベートスペースを作れます。
またおもちゃの取り合いが起こらないよう、それぞれに専用のものを用意するなどの取り組みも有効になります。
猫の喧嘩を予防するには、先住猫ファーストを心がけるのが重要です。
食事、遊び、飼い主とのコミュニケーション、あらゆる面で先住猫を優先しましょう。でなければ先住猫のストレスになるからです。
そもそも猫は、縄張り(家)で、「もっとも古くから住んでいる猫」を頂点としたヒエラルキーを形成する習性があります。つまり先住猫と新入り猫であれば、猫社会では前者のほうが偉いわけですね。
にもかかわらず新入り猫が優先された場合、先住猫には大きなストレスが生じるでしょう。妬み嫉みから新入り猫に喧嘩をふっかけるようにもなります。
猫同士でのやっかみが増えないよう、先住猫ファミリーを心がけましょう。
雄猫の喧嘩が激しい場合、去勢手術を受けるのも、重要な取り組みです。
発情期を迎えた猫はとにかくアクティブになり、ほかの猫や飼い主との喧嘩もいとわなくなります。さらに大声を上げたり、野良猫と交尾して病気をもらってきたりするかもしれません。
発情期がある猫と人間が共生するのは一般的でなく、きちんと去勢手術を受けるのを強く推奨します。
去勢手術を受ける費用は、50,000円程度と見ておけば問題ありません。
手術は各地の動物病院で受けられます。早い段階で去勢し、喧嘩の原因を取り除きましょう。
なお去勢手術に関しては、助成金が出る可能性があります。
たとえば日本動物愛護協会は、以下の内容で助成金を提供しています。
(引用:日本動物愛護協会)
ただし日本動物愛護協会の場合、飼い主のいない猫、つまり「拾った猫」だけが対象なので注意してください。
そのほかにも数多くの団体や自治体が助成金制度を用意しており、それは「ぜんこく犬猫助成金リスト」で検索できます。
そのなかで、現状の条件で受けられる助成金を探すとよいでしょう。
またフェロモン製品を利用して、喧嘩しないようにするのも効果的です。
フェロモン製品とは、猫のリラックスをもたらすためのスプレーやディフューザーのこと。「フェリウェイ」が代表的なブランドとして挙げられます。
フェロモン製品を使えば、猫のストレスが軽減され、リラックスし、喧嘩する機会が減ります。
ただし注意したいのは、製品を使っても原因が取り除かれるわけではない点。根本的に解決するためには、喧嘩の理由を取り除く必要があります。
その点を踏まえて、特に喧嘩が苛烈になったときなどに、ピンポイントで使うのがよいでしょう。
猫の喧嘩が始まったときの対処法として、以下が挙げられます。
基本的に1から試し、4は最後の手段として実施してください。
この順序なら、猫の喧嘩に適切に対処できます。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず威嚇行動が見受けられないなら、特に手出しする必要はありません。そのままやさしく見守りましょう。
先述のとおり、猫がじゃれあう、体を寄せ合うのは決して異常なことではありません。
むしろそうすることで精神的に安定する側面もあります。特に威嚇行動がないなら、見守りましょう。
しかし以下のように明らかに威嚇するなら、それは喧嘩であり、怪我や仲違いのリスクがあります。
この場合は2の対応を取りましょう。
威嚇行動が見受けられるなら、おやつで気を引くのがよいでしょう。それだけで喧嘩が終わることもあります。
おやつは、猫たちが好むなら何でもかまいません。
おすすめとしては、「ちゅーる」などが挙げられます。
(引用:いなばペットフード株式会社)
ちゅーるは猫にとってきわめて魅力的なおやつであり、威嚇行動を取っていてもただちに機嫌を直すケースもあります。
おやつを上手に使い、喧嘩の意思をいさめるよう工夫してみましょう。
おやつでは解決しないなら、どちらか一方を抱えて引き離しましょう。体格や猫の性格にもよりますが、「攻撃的になっていない方」を抱えるのが基本。
注意したいのは、飼い主の怪我です。たとえば以下のように一触即発の状態にあると、飼い主が間違って攻撃されるかもしれません。
本気を出した猫の顎や爪の力は、相当なもので、地肌に直接攻撃されれば、流血や怪我は免れ得ないでしょう。
したがっていっぽうを抱えて引き離す際は、誤って攻撃されないよう十分に注意してください。長袖の服やゴム手袋があると、怪我のリスクを下げられます。
ひどい喧嘩が続く場合は、一時的に生活スペースを分けるようにしましょう。これが最終手段となります。
猫も、人間と同じように、機嫌が悪い時期が続いたり、仲違いが継続したりします。そのような段階では、一緒に暮らしていても喧嘩は減りません。
したがって、怒っている猫を別の部屋に隔離するなどして、生活スペースを分けるようにしましょう。
そしてしばらく経ってから、少しずつ共有時間を増やし、元の生活に戻れるように調整します。
ここまでやれば、基本的に喧嘩の問題は解決されるでしょう。
飼い猫同士の喧嘩やじゃれあいは、時として放っておいても問題ありません。
しかし野良猫を相手にしているならただちにやめさせましょう。怪我をして病気をもらってくる可能性があるからです。
野良猫は、飼い猫と異なり、さまざまな感染症リスクを抱えています。たった一度噛み付かれるだけで、何かしらの疾患を発症するかもしれません。
野良猫と同居猫では、喧嘩にまつわるリスクが異なります。野良猫との喧嘩があれば、可能な限りすみやかに割って入り、やめさせましょう。
本記事では猫の喧嘩に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の取っ組み合いは、いっぽうが負けを認めて立ち去るまで続くでしょう。
猫の喧嘩は、おおむね以下の「流れ」に沿って進められます。
取っ組み合いの喧嘩は長く続かず、1分も経たないうちに終わるケースがほとんどです。
猫同士の喧嘩で死亡するケースはほとんどありません。
猫にとって喧嘩は「自身の身を守る、主張を通すための手段」であり、相手の命を殺すことを目的としていません。
そもそも猫にはほかの猫を殺すほどの腕力はなく、死亡のリスクはほとんどないといえるでしょう。
成猫と子猫ほどの体格差があれば、意図しないところで子猫側が命を落とすかもしれません。しかし成猫は子猫を攻撃するでなく保護する傾向にあり、直接に喧嘩することもないでしょう。
猫同士を仲直りさせるためには、一度距離を取ってから、少しずつ元の距離感を取り戻すのがポイントです。たとえば以下の方法が考えられます。
喧嘩した直後は、お互いが視界に入らないように隔離する
人間同様、猫も大喧嘩した直後に仲良くできません。その点を理解し、少しずつ距離感を取り戻すように工夫しましょう。
本記事では猫の喧嘩に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫は意外にも怒りっぽい生き物で、時には激しく争います。
じゃれあい程度であれば、大きな問題はありません。しかし本気の喧嘩になると、お互いが怪我をするリスクが生じます。
そのような場合は、飼い主がきちんと間に入るようにしましょう。またそうならないための予防も大切です。
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