2023.02.24
上記のような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?本記事では猫の平均寿命について解説します。
また、少しでも長く一緒にいられるように、猫の寿命を延ばすための方法にも触れているので、ぜひご参考にしてください。
もくじ
結論から言うと、猫の平均寿命はおよそ15年と考えられています。
2021年に一般社団法人ペットフード協会が発表した令和3年全国犬猫飼育実態調査では、平均の寿命が15.66歳と報告されています。
(引用:一般社団法人ペットフード協会-令和3年全国犬猫飼育実態調査結果)
つまり、特別な病気や怪我によって寿命が縮むようなことがなければ、15年は一緒にいられそうです。
逆に15年、場合によっては20年近く、飼い主としての責任を負うという意味でもあります。猫を飼うときは、これだけ生き続ける点は踏まえて、きちんと面倒を見られるか考える必要があるでしょう。
「猫の⚪︎歳は、人間でいう何歳?」という疑問を持った人も多いでしょう。猫の平均寿命を15年、人間が80年だとした場合、以下のように年齢を置き換えられます。
おおむね、猫は人間の5.5倍の速度で年齢を重ねるわけです。
ちなみに猫の成人(成猫)は、4歳ごろではなく1歳。このころには体も頭も成長しきっています。
また異性にちょっかいを出すようになるのも1歳前後です。繁殖を望まないならそれまでに避妊・去勢手術を受けましょう。
ちなみに長生き猫のギネス世界記録は、なんと38歳と3日。
米国、ペリー家で飼われていたメスの猫の”クリームパフ”(シュークリームの意味)で、1967年から2005年までを生きました。
東京オリンピックの直後から、ハウルの動く城が公開されるまでの時を過ごしたわけです。
(引用:How to Raise a 165-Year-Old Cat)
猫の平均寿命が15.66歳だとすると、平均の倍以上生きた計算になります。人間の年齢に換算すると、なんと170歳です。
なおペリー家にはグランパという猫もおり、34年間も存命でした。クリームパフたちが長生きできたのは、ベーコンエッグやブロッコリーなどを食べていたからではないかとも言われています。
日本の猫の長寿記録は36歳だとされています。
明治時代の動物学者である平岩米吉の「猫の歴史と奇話」によれば、青森県で飼われていた”よも子”が36年生きたとのこと。
しかし36歳まで生存していた根拠が乏しく、今のところ一説にしか過ぎません。
また、よも子が生きた時代は1930年前後。まだギネスワールドレコーズが立ち上がっておらず、ギネス記録として認定されることもありませんでした。
猫の寿命を決める要素は、大きく分けて3つあり、以下の条件下でより長寿になります。
まず完全室内飼育か室外かで、猫の寿命は2、3年ほど変わります。
一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、2021年で外に出ない猫の寿命は16.22歳、外に出るなら13.75歳です。
また、アニコムグループによる家庭どうぶつ白書2017では、雑種(混血猫)は純血種よりも長生きすると報告されています。
さらに同白書では、メス猫の平均寿命が14.8歳、オス猫が13.7歳とレポートされました。
つまり雑種のメス猫で、かつ完全室内飼育されているパターンが最も長生きするといえるでしょう。
かぎしっぽの猫は寿命が短いと言われることがありますが、そのような調査結果は確認できませんでした。
そもそもかぎしっぽは奇形ではなく、一定数は存在する通常の形です。
ただし獣医師の徳田竜之介は以下のようにかぎしっぽの危険性を指摘しています。
獣医師として言わせてもらえば「 かぎしっぽ」には上向きと下向きがあり、下向きは室内では コンセントやヒモ、屋外では草やツルなどに引っかかってしまい、よく怪我をします。(引用:獣医師徳田竜之介オフィシャルブログ)
つまりかぎしっぽ自体が寿命を左右するわけではないものの、怪我のリスクがやや高く、結果として健康を害する可能性があります。しっぽの形状しだいでは、配慮が必要かもしれません。
室内で暮らす猫と比較して過酷な環境であることは否めません。また子猫の段階で野生動物に襲われ、命を落とすことも。
数週間、あるいは数日足らずの寿命しかなかったケースも多々あります。
平均的には15年ほど生きる猫ですが、病気や怪我があると寿命は縮みます。
よくある消化器疾患やねこ風邪程度なら、さほど影響しません。
しかし腎臓病や腎不全などは、猫にとって重大です。これらの病気に罹ると、最悪の場合余命宣告を受ける可能性も。
猫とできるだけ長く一緒に過ごすには、大きな病気や怪我を避けるのが重要です。
しかし、「どうすれば大きな病気や怪我を避け、長生きさせられるのか」と思う部分もあるでしょう。
一緒にいる時間を長くするには。以下のポイントをおさえておく必要があります。
人間と同様に、猫にも長生きするための秘訣があります。まずは普段の暮らしで実践しましょう。
とはいえ、猫も永遠に若くいられるわけではありません。年齢の変化や老化に合わせたサポートをしていく必要があります。
それぞれ詳しく解説するので、ご参考にしてください。
寿命を延ばすためのは4つあります。
長生きする最大の秘訣は、完全室内飼育であることです。たったこれだけで、2〜3年ほど寿命が長くなります。
定期的な健康診断も重要です。重大な疾患や怪我があると寿命に影響しますが、常に悪いところがないかチェックしていればその可能性も少なくなります。
年齢に合った食事を心がけるのも重要です。キャットフードには対象年齢が設定されているので、それに従いましょう。
あとは遊べる環境を与えて運動させ、また人間側がかまいすぎるなどしてストレスを与えないように配慮しましょう。
ちなみに以下のように、生まれつき長生きしやすい猫というのも存在します。
どうぶつ白書の調査によれば、混血種・日本猫はもっとも平均寿命が長いと報告されています(2017年の調査で14.3歳)。
純血種で長寿なのはスコティッシュ・フォールド(13.4歳)、アメリカン・ショートヘア(13.5歳)。またメス猫というだけで寿命は1年以上長くなります。
つまりメスで上記の品種に該当する猫が、長生きしやすいでしょう。長く一緒にいたいなら品種と性別に注目するのもひとつの方法です。
また猫が本格的に老衰し始めたとき、以下の変化が見受けられます。
わかりやすいのが、狩りをするうえで、つまり厳しい野生を生き抜くなかで最大の武器だった歯(牙)が抜ける現象。相当に老衰した場合にのみ見受けられます。
こういったことがあれば死期が近いことを踏まえ、少しでも長生きできるように、ゆっくりさせるのがよいでしょう。
猫は死期が迫ると、飼い主の目の前からいなくなることがあります。これは猫が、「なんだか体調が悪いから、狭いところに隠れよう」と本能的に考えるためです。
そもそも猫は体調不良や怪我があったとき、狭いところに潜り込んで外敵を遠ざける習性があります。
年老いて老猫になったなら施設に預ける方法もあります。
高齢になってくると自由に歩けなくなったり、食事を満足に取れなくなったり、飼い主がサポートする範囲は広くなるものです。
同時に飼い主も年齢を重ねた結果、世話をするのがたいへんになるケースも少なくありません。結果として飼い主が疲弊し、猫も満足なサポートを受けられず、共倒れになってしまうことがあります。
こういったケースでは、老猫を施設に預ける方法もあるでしょう。いわゆる動物愛護団体は、事情あって飼育が困難になった猫を引き取り、生涯にわたって飼育し続けるサービスを提供しています。
我々ねこホームも、そういった団体のひとつです。もし「老猫の世話がたいへんだ」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。
本記事では猫の平均寿命を解説しました。最後に重要なポイントおさらいしておきましょう。
ペリー家のクリームパフのように30年以上生きる例外はありますが、基本的に15年が猫の寿命だと考えましょう。
ただし普段の暮らし方次第では、より長寿になる可能性があります。健康にはしっかり配慮してあげましょう。
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