2024.04.30
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
猫は急に近くに寄ってきたり、逆に離れていったりします。独りで寝る日もあれば、突然一緒に眠りたがる日もあり、その心理がつかみづらい部分があります。
そこで本記事では、猫が近くで横になる理由や、一緒に寝るときの注意点などを解説。猫を飼っている・飼おうと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
猫が飼い主の近くで横になる、一緒に寝る理由は、いくつかあります。
基本的には、飼い主に対する愛情をうかがわせるポジティブなものです。ただし体か心の調子を崩している場合もあるので、きちんと観察して必要あれば対処する必要があります。
それぞれ詳しく解説ので参考にしてください。
猫が近くで横になるなら、飼い主に対する信頼感があることの現れであるのが大半です。きちんと懐いていて、一緒に過ごしたい、寝たいと考えています。
基本的に猫は警戒心が強く、安全な相手でなければ近寄りたがりません。しかし一度信頼した対象には甘く、親密な距離を好む傾向にあります。
ちなみに多頭飼育している場合、猫同士がくっついて「猫団子」になる子もあります。
これは友好の感情を感じたり、体を温め合ったりしたいがゆえの行動。これと同様に信頼ある飼い主にも密着し、心を満たそうとします。
一緒に寝る場合、飼い主ではなく、単に寝具が好きなだけなケースもあります。
基本的に猫は、布団や布などに包まるのが好きな生き物。母親に抱き抱えられた感覚や暖かさを感じられるからです。
その感覚を感じるために寝具に来たら、たまたま飼い主がいた、という、すこしさみしいケースもあります。
ただ警戒されているなら、その理由ですらそばには来てくれません。寝具目当てだったとしても、近くに来るなら一定の信頼関係はあるといえるでしょう。
また飼い主に甘えたがっているから、近くにいるのかもしれません。
基本的に猫は甘えん坊の生き物で、飼い主が他のことに集中していると、「構ってほしい」と考えるようになります。そうして、自分自身に愛情が向いていることを確かめるわけですね。
なお甘えたいのに甘えられないと、猫が拗ねてしまうこともあります。甘えたがっているなら、その期待に応えてあげるのがよいでしょう。
また、猫が飼い主を守ろうとして、そばにいると考える獣医師もいます。
どうやら「親猫」としての本能があるらしく、飼い主を子に見立て、天敵から守りたいようです。またほかの猫に取られないように、見張っているといった部分もあるかもしれません。
なお猫は、本能的に「人間の赤ちゃんは大切にし、守るべきもの」と判断する能力を持っています(猫が赤ちゃんを攻撃し、怪我をさせたという事例が少ない理由はこの本能にあると思われる)。
赤ちゃんの近くにいるなら、それはおそらく「自分が守らなければ」と思っているのでしょう。
一方で、体か心の調子を崩しているため、近くで寝ようとしていることも。
体調が悪いうえに独りだと不安なので、守ってほしいわけですね。また、「どこかが痒いのでかいてほしい」「エサや水をほしい」と訴えているのかもしれません。
ただし猫が体調を崩したなら、たいていは独りになりたがって、押し入れの奥などに隠れます。
したがって体調不良がゆえに近寄ってくるのはレアケースといえるでしょう。
寝ているとき、ときどき猫が寄ってきますが、どこに座るかは以下のようにさまざまです。
そして座った位置によって、そのときの心理や飼い主との親密度は異なるもの。それぞれの状態における猫のきもちに関して解説するので参考にしてください。
枕元にいるのは、もっとも強い信頼感を抱いていることのあらわれです。やはり顔の近くで眠ると、安心するようす。
また、特別に甘えたい、コミュニケーションを取りたいという心理も読み取れます。体を撫でたり、抱っこしたりするとよいかもしれません。
極端なケースでは、腕枕を求めてくることもあります。
この距離感で一緒に眠ることには、飼い主にとっても幸せな体験。しかし枕元で眠る場合、寝返りしたとき、猫を手で押さえつけてしまうケースもあるので注意してください。
このように枕になっても嫌がらない猫もいます。
枕元でなく足元で寝ようとすることもあります。これは「一緒に寝たいが、ベタベタはしたくない」程度の信頼感、もしくは機嫌と捉えましょう。
また、飼い主が目当てでなく、単に寝具のやわらかさが目当てなのかもしれません。
とはいえ、一緒に寝ようとする時点である程度の信頼関係はできているといえます。もうすこし安心感を与えられたり、機嫌がよかったりすれば、枕元で一緒に眠れるようになるでしょう。
なお、足元で寝られると、寝返りを打ったときに足で挟むなどすることがあります。たまに足元で寝る日がある程度なら問題ありませんが、連日それが続くとそのうち怪我をしかねないので、注意しましょう。
布団の上に上がってくる場合は、特に安心感と寝心地を求めています。
基本的に猫は、布団や毛布などの柔らかな素材を好みます。これは、その感覚が母親の胸元で眠っていたときの感覚を思い出し、安心できるから。
時には布団を挟んでお腹や胸のうえに乗ってくることもあります。
猫に乗られるうれしみ pic.twitter.com/6wXSm20KXP
— 湯津原稿ペン入れ (@yuduzuu) April 19, 2024
わざわざ体のうえに乗ってくるなら相当に信頼されているでしょう。
個体にもよりますが、好んで布団のなかに入ってくる猫もいます。
基本的に猫は、何かが体にかかることを好みません。しかし一部個体は、安心感と温度を求めて、布団のなかに入ってきます。
ただし布団のなかで寝返りを打つと、猫の体に圧をかけてしまうことになります。またシーツの掃除もたいへんになるので、この形で一緒に寝るのはおすすめしません。
猫と飼い主が一緒に睡眠を取るのは、双方の精神的な満足などに鑑みれば歓迎すべきことです。しかし以下のような注意点もあります。
一緒に寝ることには、それなりに気を配る必要があります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
もっとも注意したいのは、猫に体重をかけないことです。
一緒に寝ていると、寝返りを打つなどしたときに、猫におおいかぶさり、体を圧迫してしまう可能性があります。
起きているときは、加重があった瞬間に飛び跳ねるなどしてくれますが、熟睡しているならその限りではありません。毛布に手足を取られ、そのまま押し潰れてしまうことも。
これを避けるには、できるだけ頭の近く、もしくは布団の上に移動させるのがおすすめ。これなら寝返りを打っても、思い切り踏み潰すことはまずありません。
一方で、「猫を押し潰してはいけない」と、飼い主が気を使いすぎるのもあまりよくありません。
寝ているときにも注意がはたらいてしまい、気づかない範囲で睡眠の質が落ちていることも。
また、「起こしてはいけない」という気持ちが、安眠を阻害する部分もあります。
気を使いすぎている感覚があるなら、一緒に寝るのは控えたほうがよいかもしれません。
猫がよほど一緒に寝たがるなら、ある程度応じてあげたほうがよいでしょう。一方で、気を使いすぎてまで一緒に寝る必要はありません。
また、猫の爪はきちんと切っておくようにしましょう。これには3つの理由があります。
猫は寝ているとき、基本的には爪をしまっています。しかし寝相が悪かったり、夢を見て寝惚けたりしたとき、格納した爪部分が出てくることも。
それで上記のような問題が起こるのも珍しくありません。定期的に爪を切り、寝具の汚損や怪我が起こらないようにしましょう。
なお爪切りに関しては、獣医師の鳥海早紀氏による解説動画が参考になります。
電源コードをしまっておくのも大切です。猫がそれを噛んで感電することがあるからです。
多くの人は、枕元でスマートフォンを充電するなどしているでしょう。しかし猫が近くにいると、そのケーブルを噛み、感電するケースがままあります。
もし一緒に寝るなら、電源コードは露出させないようにしましょう。
どうしても充電などが必要なら、以下のようなコードカバーを通すのがおすすめ。
(引用:Amazon)
価格は数百円程度です。コードの断線を防ぐ意味でも役立つので、ぜひ活用を検討しましょう。
またマーキングと嘔吐に関しては注意してください。
猫が、飼い主の寝床を「自分のテリトリー」だと判断すると、マーキングする可能性があります。それがゴロゴロして毛を撒く程度ならさほど問題はありません。
しかし、おそろしいことにおしっこしてマーキングすることもあります。一緒に寝るなら、「おしっこはトイレでしかやっては行けない」ことをしつけてからにしましょう。
また去勢・避妊手術をしているなら、基本的におしっこでマーキングすることはありません。
嘔吐にも注意が必要です。一度でも吐いたらきちんと叱り、クセにならないようにしましょう。
関連記事▶︎猫の去勢手術はいつ受けるべき?費用・手術内容・術後のケアも解説
猫と人間どちらか一方でも体調不良にあるなら、別々に寝ましょう。病気が感染する可能性があるからです。
ほとんどの病気や疾患は、猫と人の間で感染拡大しません。しかし一部の「ズーノーシス」と呼ばれる病気群は、たとえ動物の種を超えて感染します。
したがって体調が悪いなら、別々に寝るようにしましょう。
猫のほうが体調不良を起こしているなら、むしろ向こうから独りになりたがります。一緒に寝ようと駄々をこねるなどは、あまりしないでしょう。
本記事では猫の寝方と飼い主の関係に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫のなかには、飼い主の足の間に入り込んで寝ようとする子もいます。
これに取り立てて特殊な理由はなく、単に「飼い主が近くて、暖かく、適度に狭いから」という心理で入ってきます。
特に猫は狭い場所を好むので、足の間はよい寝床といえるでしょう。特に問題がないなら、そのまま一緒に寝るのもよいでしょう。
ただし上述したとおり、足で挟んだり、上から押しつぶしたりしないように注意しましょう。心配であれば、枕元で寝るように促してみましょう。
一緒に寝るとなると、どうしても猫の毛が布団に付着します。これをきれいに処理するには、専用の掃除グッズを使うのがおすすめ。
このようなグッズを使えば、効率的に猫の毛を処理することが可能。価格も数百円から1,000円台と決して高くありません。
一緒に寝るなら、猫の毛用の掃除グッズは用意しておきましょう。特に抜け毛が多くなる4、5月あたりでは必須となります。
一緒に寝てもらうためには、以下の取り組みが有効です。
飼い主が嫌いなのではなく、本能的に寝具の触り心地や匂いが気になっているケースがあります。特に匂うことには注意が必要。猫は多くのことを匂いで判断するからです。
一方で匂いがない、あるいはよい匂いがするなら、むしろ積極的に一緒に寝てくれるようになるでしょう。
また信頼関係も大切なので、普段からスキンシップしたり、エサを与えたりして、親密度を高めておくのも有効です。
猫と一緒に寝るなどすると精神的に落ち着くのは、オキシトシンが分泌されるからです。
オキシトシンとは、ストレスや不安を低減する役割を果たす脳内ホルモンのひとつ。「幸せホルモン」とも呼ばれます。
そして猫を撫でたり、近くで過ごしたりすると、このオキシトシンが活発に分泌されることがわかっています。
すでにその効果が注目され、医療や福祉の場面では、オキシトシン分泌を活用した「アニマルセラピー」が実用化されるほどです。
それだけに、猫と一緒に寝たり、ゴロゴロしたり、あるいは撫でたりするだけでも、精神的に落ち着くわけです。もちろん、オキシトシンによって幸せな気持ちになる部分もあるでしょう。
ただし飼い主がよくても、あまりにもベタベタすると猫にとってはストレスになりえます。思いやりを持って接するのが重要といえるでしょう。
本記事では猫の寝方と飼い主の関係に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
飼い主との信頼関係がきちんとできていれば、猫は近くに寄ってきて横になるものです。
基本的には甘えているだけですが、体調が悪いがゆえのSOSであることも。そのように感じた場合はきちんと対応する必要があります。
また一緒に寝る場合は、押し潰したり、爪で引っ掻かれたりする事故を防止するようにしましょう。
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