2023.01.27
上記のように考えている方は多いでしょう。猫の妊娠に慣れている方はめったにいません。わからないことだらけなのが普通です。
ただし猫の妊娠や出産の知識がないと、猫や生まれてくる子どもの命までが危ぶまれます。
そこで本記事では以下の点を解説します。
猫の妊娠を疑っていたり、子猫を産んでほしいと考えたりしている人はぜひご参考にしてください。
さいたま市の動物愛護ふれあいセンターによれば、猫の妊娠期間は約2ヶ月だとされています。
(引用:さいたま市-猫は繁殖力の強い動物です)
ただし、上記の数字はあくまでも目安です。人間と同じく、数日程度は出産日が前後する可能性もあります。
なお妊娠期間中の体調は安定しており、妊娠日数によりますが、基本的には活発に活動することが可能です。
もし飼い猫が妊娠したとしても、さほど気を遣う必要はありません。
動物病院京都によれば、メス猫ははじめての発情期を生後6ヶ月から7ヶ月で迎えることが多いとされています。
ただし猫の種類によってはその限りではありません。毛が長い種に関しては、1歳を迎えてから発情期に入ることもあります。
その後は2週間〜5週間サイクルで発情期を迎えるとのことです。
また発情は4日から20日続き、それが落ち着けばまた次のサイクルまで発情行動を示さない時期に入ります。
つまり月に1回前後のペースで発情すると考えて問題ないでしょう。
猫の交尾は、人間などの性行為とは異なり、行為があれば100%に近い確率で妊娠します。
100%に近い確率で妊娠するのは、交尾のあとに排卵が起こるからです。人間に置き換えれば「性行為があったその日が排卵日」になります。
したがって、猫は100%に近い確率で交尾後に妊娠するわけです。
もし妊娠を望まないなら、まず交尾自体があってはいけません。したがって、メス猫には不妊手術が必須となります。
参考文献:動物病院のさくら動物クリニック
なおメス猫にとって、交尾はかなり痛いと言われています。
オス猫の生殖器は特殊な構造で、無数のとげがあり、それが体内に刺さるからです。一方でとげがあることで排卵がなされるので、妊娠しやすい側面も。
交尾自体での痛みは通常のことであり、さほど気にする必要はありません。心配なのは、その後のケンカによるケガです。
メス猫は交尾が終わったあと、痛みに対して怒ってオス猫を攻撃する習性があります。このときオス猫が反撃した際に、ケガをしてしまうかもしれません。
メス猫を飼育する際、不妊手術をしないとこのようなリスクもあると覚えておきましょう。
さいたま市の動物愛護ふれあいセンターによれば、猫は1度の妊娠で4〜8頭ほど出産します。
(引用:さいたま市-猫は繁殖力の強い動物です)
ここで注意したいのは、生まれた子猫たちにも飼い主としての責任が生じることです。子猫たちを飼育していくか、あるいは里親を見つけるか、とにかく生涯が保証されるまで面倒を見きらなければいけません。
メス猫に行う不妊手術は、子猫が増えすぎて飼育管理できない、いわゆる「多頭飼育崩壊」を避けるためのものです。
何匹もの猫を同時に飼育したり、里親を探したりするのは難しい場合も多いでしょう。そのため、基本的には不妊手術を受けさせることをおすすめします。
メス猫が妊娠しているかどうか、兆候を知っていればある程度簡単に見極められます。具体的にどのような変化が起こるか解説するので、確認してみましょう。
また妊娠していた場合にやるべきことや、出産期の対応についても解説します。
メス猫が妊娠している場合、日数によって以下のような前兆や兆候が発生します。
(参考:日本動物医療センター、千葉市)
妊娠10日目あたりまでは、乳首がピンク色になる変化が起こります。ただし猫は基本的にお腹を隠すため、気付くのは難しいでしょう。
およそ11日目以降は、お腹が膨らみ始めます。歩き方もやや変化するため、この段階で気付くケースも。
最もわかりやすいのが、26日以降で起こりやすい食欲の増進です。今までの2倍ほどの量を食べるようになり、明らかに「なぜこんなに食べるのだろう?」と疑問が見えてきます。
そのあとでお腹の膨らみや乳首の色をチェックすれば、妊娠しているかどうかわかるでしょう。
メス猫の妊娠が疑われるなら、動物病院へ行って検査を受けましょう。
妊娠して20日ほど経っているならエコー検査で正確に判定できます。30日以上経過しているなら、胎児の姿も確認可能です。
ただし妊娠して間もない時期に検査を受けると、エコー検査で妊娠嚢や胎児の姿を確認できない場合があります。もし病院に連れて行くなら、妊娠に気づいてから少し時間をおいたほうが、二度手間を避けられるでしょう。
参考文献:サム動物病院
妊娠50日以上となれば、出産は間近で、場合によっては「おしるし」が確認できるかもしれません。
出産日を迎えるあたり、出産用の巣を作ってあげましょう。といっても作り方は簡単です。
もし可能であれば、上記画像のように”部屋”の形にしてもOKです。猫は入り組んだ狭い場所を好むため、より安心できます。
出産用の巣以外で必要なものは特にありません。
以下のような様子が見られれば、もう間も無く出産が始まります。
間も無く破水が起こり、”羊膜”に覆われた胎児が娩出されます。1匹が出てくるのに数分から数十分はかかるでしょう。
全頭娩出されれば出産は終わりです。あとはメス猫が本能に従い、羊膜やへその緒を噛み切ります。
出産時、飼い主がやることはさほど多くありません。猫のお産は比較的安定しており、リスクが少ないからです。
ただ必要に応じて、以下のように補助してあげるのがよいでしょう。
ただし破水や陣痛があるのに出産をしなかったり、娩出が途中で止まったりしたら、いわゆる難産に当たるかもしれません。この場合は帝王切開などの処置が必要になるため、すぐに獣医師へ連絡しましょう。
本記事では猫の妊娠に関して解説しました。しかし、「まだわからないことがある!」方も多いでしょう。
そこで猫の妊娠に関してよくある質問を、Q&Aの形式で解説します。
猫を妊娠させたい、つまり子猫が欲しいなら、オス猫とお見合いさせる方法が考えられます。
3つ目に関しては、仲介料として数万円の費用がかかる可能性があるため、注意してください。
また、お見合いしたオス猫と交尾するとは限りません。我々がそうであるように、猫も「この”ひと”はタイプじゃないからイヤ」と思い、何も起こらない場合もあります。
人同士の恋愛が思いどおりに行かないこともあるように、お見合いもまたうまく行くとは限らないと覚えておきましょう。
妊娠すると、よく鳴くようになるメス猫もいます。その理由として、体調の変化が考えられます。
人間と同様に、妊娠すると食欲が落ちたり、ややイライラしたりすることがあります。そのストレスが原因で、よく鳴くようになる場合があるようです。
しかし、あまりにも頻繁に、例えば赤ちゃんのように鳴き続けるなら何かの病気を患ったのかもしれません。心配であれば動物病院へ連れて行きましょう。
人が妊娠初期を迎えたとき、猫が寄ってきたり甘えてきたりすると感じる人が一定数います。
(引用:Yahoo!知恵袋)
原因は、獣医師の増田国充氏によれば「赤ちゃん返り」とのことです。
妊娠している場合、お腹をさすったり撫でたりするでしょう。そのぶん、猫をかまう機会が減るはずです。
つまり「自分に注目してほしい」と考えて、寄ってきたり甘えたりしてアピールしてきます。
人間の心理とまったく同じで、猫も飼い主の愛情が自分に向かなくなることに不安を感じるあまり、このような行動をとってしまうと考えられています。
このまま猫に構わずにいると、ストレスから体調を崩すなどの問題が起こるかもしれません。お腹の中にいる子どもも大切ですが、猫にもある程度気配りしてやる必要があるでしょう。
野良猫の出産時期は1年を通していつでも、と考えられます。
メス猫はそもそも3週間から5週間のサイクルで、発情期を迎える生き物です。つまりいつ出産したとしてもおかしくはないでしょう。
ただし福井市によれば、日照時間が長くなる2〜4月が発情期であるとのこと。妊娠期間がおよそ60日だと仮定すれば、4月から6月が野良猫の出産が多い時期であるといえます。
本記事では猫の妊娠に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫は繁殖力が強い動物だとされています。交尾の成功率が高く、妊娠・出産もスムーズな傾向です。
飼い主のやることとしては、動物病院へ連れて行き、出産用の巣を用意して多少アシストする程度。
ただし、猫が出産した場合はその子猫を育てるか、里親を見つけるまで責任を持たなければいけません。
もし自力で飼育するのがむずかしいなら、ぜひ一度ねこほーむへご相談ください。ねこほーむでは、飼育しきれない猫を引き取るサービスを展開しています。
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