2023.05.31
このように感じている人は多いのではないでしょうか?
犬猫とともに過ごす毎日は、たいへん幸せなものです。違う動物同士が仲良くしている姿は愛おしいですよね。
しかし犬と猫がケンカするなどして、同居がうまくいかないこともあります。平和な暮らしを守るには、犬猫が仲良くできるような工夫が必要です。
そこで本記事では、同居が失敗する原因や、成功させる方法、そしてトラブルがあった場合の対処法を解説します。
犬と猫との暮らしを考えている人はぜひご参考にしてください。
犬と猫が同居するとき、ときどきケンカしたり、一方が少し嫉妬したり、多少のトラブルはつきものです。
しかしそれも行き過ぎると、以下のような同居失敗の原因になります。
違う動物同士であることや、環境などの調整のむずかしさが原因になりがち。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
犬と猫は、お互いをよく知らない相手を敵だと認識してしまい、争ってしまうことがあります。具体例は以下のとおり。
とくに猫のほうが自分よりも大きい生き物と対面するため、強い恐怖を感じ、攻撃的になりがちです。
犬には敵意がない場合でも、一方的に攻撃してしまうこともあります。また犬猫の間に攻撃する意思がなくても、以下のような問題が起こることもあります。
こういったことで犬と猫の仲が悪くなってしまい、より激しい争いが起こることも。犬猫の間で、敵同士ではなく害のない相手であることをどう認識させるかがポイントになりそうです。
次に飼い主の環境調整や愛情の不足が挙げられます。具体例は以下のとおり。
基本的に、「猫がかわいそうな状況」を作ってしまいがちです。
とくに距離感を保ったり、猫に対するコミュニケーションを躾けたりしないのは、猫にとって大きな問題になります。
猫配慮が足りないと、常に犬の様子に怯えるような生活を続けなければいけません。また人懐っこい犬ばかりかまってしまい、愛情不足を感じて問題行動に走るケースもあります。
犬と猫の習性の違いが、ストレスになることもあります。
やはり猫のほうが可哀想な立場になりがちです。
犬は猫と比較して警戒心が薄く、好奇心で自由に動く傾向にあります。それが繊細な猫の生活を邪魔してしまうケースは多いものです。
一方で、猫の習性が犬を困らせることもあります。
猫は飼い主や他の動物を観察する習性を持っており、犬をつけまわしてしまうことがあります。ずっと見られていたのでは、犬もストレスを感じるでしょう。
また夜行性の猫が、夜中に動き回って犬の睡眠を邪魔するケースもあります。
このように習性の違いが双方のストレスになることは少なくありません。
初対面時の悪印象が、同居をむずかしくすることも。
犬と猫が初めて顔を合わせたとき、互いを敵として認識して威嚇・攻撃しあうことがあります。
上記動画は先住犬と保護猫が初めて対面した場面をおさえたものです。
動画の場合は最終的には打ち解けていますが、犬猫同士の性格ではケンカに発展するかもしれません。
そこから互いにいがみあうようになり、同居がむずかしくなる可能性があります。
犬猫同居を成功させるには、大きく分けて6つのポイントがあります。
これくらい慎重にやれば、よほど相性が悪くない限り同居は成り立つでしょう。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
まず犬と猫の習性を理解しましょう。
<犬の習性>
<猫の習性>
全体的に犬はおおらか、猫は繊細な習性を持っており、どちらかといえば猫のほうにいろいろな心配りが必要になりそうです。
とはいえ、個体によって習性の強さや性格が異なります。一頭一頭がどのようなタイプで、どのような配慮が求められるのか考えてみましょう。
犬猫同居を始めるときは、必ず段階的に交流させるようにしましょう。
このように少しずつ距離を縮めることで、ストレスやトラブルを避けながら同居の準備を進めていきます。
段階が1つ進んで問題が起こったら、1つ前に戻り、また次のステップに挑戦するといった形で進めましょう。
対面時から明らかにケンカしそうなら、「匂いの交換」からスタートする方法もあります。
犬猫は別の部屋に離して暮らしつつ、お互の匂いがついたものを嗅がせるという方法です。
とくに猫は、嗅いだことのない匂いに対して強い警戒心を持つ習性があります。さらに見たこともない犬の姿を見れば、攻撃的になるのも仕方ありません。
しかし先に匂いを嗅がせておけば、「これが家の匂いなんだ」と認識するようになります。その状態でもう一度対面させれば、少なくとも以前よりは仲良くなりやすいでしょう。
犬猫が同居になれるまでは、できるだけ目を離さず様子を観察します。具体的には以下の点に注意しましょう。
こういった問題が起こったら、後ほど解説するように距離を取ったり別部屋に離したりする工夫が必要です。
また同居間もない間は、重大なトラブルを防ぐために、犬猫だけで留守番させないようにしましょう。どうしても見る人がいないなら、別部屋に隔離するなどしましょう。
犬猫の同居では猫がストレスを受けやすいのでとくに配慮が必要です。以下のように細かく配慮しましょう。
このように猫のストレスには相当な配慮が必要です。他にもストレスを感じそうなことがあれば適宜対応しましょう。
ただし猫が慣れてきて、犬も「やってはいけないこと」を学習すれば、ある程度自由にさせても問題は起こらなくなります。
「犬が猫を食べることがある」と聞いた人もいるでしょうが、そういった事例はほとんど聞かれません。
そもそも犬は「家の中にいる動物を仲間だと認識する」習性を持っており、そのうえ飢餓状態になるわけでもなく、猫を食べようとする必要がないわけです。
ただし獣医行動診療科認定医のフリッツ吉川綾氏は、実際に食べるとは言わないまでも、捕食行動をとる可能性はあると述べています。
(引用:WanQol)
上記のとおりテリアやハウンドと呼ばれる犬種に関しては、本当に食べるとは言わないまでも、攻撃をする程度のことは考えられます。
仲良く慣れるまでは、猫が被害を受けないように、目を配る必要があるでしょう。
ペット用品を使って、犬猫が同居しやすい環境を整えるのも大切です。
たとえば以下の方法が考えられるでしょう。
ペット用品は、お金はかかるものの、環境整備ではかなり役立つのでぜひ活用しましょう。
<h4>フェロモンスプレーとは?</h4>
フェロモンスプレーは猫が匂いを嗅ぐと落ち着けるフェロモンが含まれているスプレーです。
これを自宅内に散布すると、猫のストレスや問題行動をおさえられるかもしれません。
(引用:Amazon)
「セバ・ジャパン」の「フェリウェイ」というものが有名です。
少し値段は高いのですが、どうしても猫の様子が不穏なら、試してみてもよいでしょう。
効果に関しては以下動画を参照する限り、ある程度は期待できそうです。
犬猫同居がうまくいかないときは以下のように対応しましょう。
最初は1から試して、うまくいかなければ2、3と進めていけば、順序よく問題を解決できます。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
犬猫の同居でトラブルがあったら、たとえば以下のように原因を特定して対処しましょう。
というように小さな問題は、ちょっとした工夫で解決することが可能です。
犬と猫が一緒に暮らしていると、細かなトラブルはつきものなので、日々よく面倒を見てあげる必要があります。
小さなことでも放置していると大きな問題になるので、こまめな配慮を続けるのが必要です。
犬猫間でケンカしたり、いっぽうが強いストレスを感じたりしているなら、接触回数が減るようにしましょう。
具体的な方法の一例として以下が挙げられます。
このように接触の回数を減らせば、一旦はケンカやストレスを減らせます。とくに以下のようなキャットタワーは、猫にとって格好の避難所になるでしょう。
しばらくして落ち着いたら、触れ合う機会を増やしてみましょう。時間が経過したことでお互いに慣れ、仲良くできるようになっているかもしれません。
接触回数を減らしても効果がない場合は、一時的に別部屋で生活させましょう。
あまりにもケンカなどのトラブルがあると、怪我をしたり、ストレスで病気を患ったりする可能性があります。しかし別部屋で生活させれば、ひとまずこういった危険を避けることが可能です。
ただ限られたスペースで生活させるのもストレスになるので、長期間この方法を取るのはおすすめしません。
数日ほど経ったら、少しずつ犬猫同士が触れ合う時間を増やしましょう。お互いに慣れて、仲良くできるようになっているかもしれません。
ここまでやっても仲良くできないなら、訓練サービスを利用して、犬をしつけするなどの対応が必要です。
訓練サービスとは、飼い主に変わり、ドッグトレーナーなどがしつけを代行するもの。このサービスなら、犬の猫に対する行動を改められるかもしれません。
どのようなことがおこなわれるか、以下が参考になります。
訓練サービスでプロによるしつけを受ければ、犬と猫が仲良くできるかもしれません。近隣で利用できるサービスは、「E PARK」で検索可能です。
(引用:E PARK)
もしかしたら、それでも犬猫の同居がうまくいかないかもしれません。
そうすると、犬と猫どちらかを、別なところで面倒を見る必要があります。おそらく、親戚や知人の家で引き取ってもらうことになるでしょう。
飼えなくなった犬や猫の引き取りを実施している動物愛護団体に相談する方法もあります。
詳しくは「猫を飼えなくなったときはどうすればよい?考えられる引き取り先一覧」をご参考ください。
本記事では犬猫の同居に関して解説しました。最後によくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
どちらかといえば猫から飼うのが望ましいでしょう。先住犬がいるところに新入り猫を連れてくるパターンを避けられるからです。
猫は犬と比較して警戒心が強く、先住犬と対面すると強いストレスを感じ、同居がうまくいかないことがあります。
一方で犬はおおらかで、先住猫がいるところに連れていっても比較的環境に適用しやすい傾向です。体も猫よりも大きいことが多く、恐怖心を抱くケースも少ないでしょう。
まだどちらも飼っていないなら、猫から飼うことをおすすめします。
3匹目の以降の多頭飼いを成功させるには、新入りの子に対する配慮がどこまでできるかがポイントです。
いきなり知らない犬猫が2匹いる前に連れてこられると、強い恐怖やストレスを感じるでしょう。
通常の犬猫同居よりも新入りに対する負担が大きいことを理解し、先ほど述べたような「同居を成功させるポイント」をよりていねいに実施する必要があります。
「猫と仲良くできない」と、研究や調査で裏付けられた犬種は存在しません。
ただ、獣医師の奥田順之氏によれば、以下犬種は飼い主に対する攻撃性が高いとのことです。
あくまで飼い主に対する攻撃性が高いとしていますが、その矛先が猫に向いてしまう可能性はあります。
上記の犬種と同居させるなら、猫が攻撃されないかよく考える必要があるでしょう。もし攻撃行動が見られたら、犬を叱ったり、一時的に距離を取ったりして、猫を守る必要があります。
Yahoo!配信記事によれば、犬には約30万円、猫には15万円の費用がかかるとのことです。
(引用:東京新聞)
犬には猫の倍以上の費用がかかるようです。
もし「猫がいて、これから犬を飼う」なら、飼育費用は従来の3倍になると考えられます。
そういった費用をまかなえるかどうか、確認しておきましょう。
本記事では犬猫の同居に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
犬と猫、両方を飼育できるのは、まさに夢のような暮らしです。
しかし犬猫を同居させるには、やはりそれなりの配慮が求められます。習性や性格を理解しつつ、慎重に距離を縮めてやる必要があるでしょう。
うまく打ち解けないときは、一度接触回数を減らすなどの工夫も必要です。できるだけ犬と猫の精神的な負担を考えつつ、両方が仲良くできるように工夫しましょう。
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