子猫の餌やりはどうすればよい?種類・分量・回数などを一斉に解説

  • 「子猫のころは、どのように餌をあげればよいのか」
  • 「回数や分量はどの程度か」
  • 「そもそも何を食べさせるべきなのか」

このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?

子猫期の餌関しては、成猫期とは異なる配慮や工夫が必要になります。特に飼育するのが初めてなら、事前に知識を得ておくのはほぼ必須となるでしょう。

そこで本記事では、子猫期の餌のやり方や回数、分量などを解説します。

合わせて、より健康な食事を提供するためのコツやポイントも紹介しているので参考にしてください。

子猫期の餌のやり方・回数・分量を解説

子猫期の餌のやり方や回数、分量は、猫の日齢・週齢・月齢によって左右されます。

今回はそれに応じて子猫期を以下5つの期間に分け、それぞれでの対応に関して解説します。

  • 生後期/誕生〜生後2週間目
  • 授乳期/生後2週間目〜1ヶ月目
  • 離乳期/生後1ヶ月目〜2ヶ月目
  • 生育期/2ヶ月目〜3ヶ月目
  • 準成猫期/4ヶ月目〜6ヶ月目

ただし猫の発育には個体差があり、また体調や食欲の変化などもともないます。これはあくまでも目安であり、実際には状況に応じて微調整が必要な点に注意してください。

生後期/誕生〜生後2週間目

生後期は、餌のやり方や回数に関して、もっとも慎重になる必要があります。

与える餌は、ほとんどの場合で子猫用ミルクになります。これをシリンジや子猫用哺乳瓶で吸い上げ、子猫に飲ませます。

具体的な飲み方に関しては以下動画を参考にしてください。

関連記事▶︎子猫がミルクを飲まないときはどうすれば?正しい作り方と飲ませ方も解説

そして注意したいのが、回数と分量です。以下の表のとおり、日齢が若いほどこまめに与える必要があります。

特に生後1週間までは、家族で連携する、一人暮らしなら夜中にいったんは起きるなどして対応する必要があるでしょう。

授乳期/生後2週間目〜1ヶ月目

生後2週間目から1ヶ月目に関しても、以下表のとおり、ミルクを与える必要があります。

ただし回数が1日4〜6回になるため、飼い主の負担はやや軽くなります。とはいえ飲ませるのを忘れたりすると健康状態に支障が出るため注意してください。

また生後1ヶ月が経過したあたりから、ペースト状の離乳食を併用して与える必要が出てきます。

ジェーピースタイル キャットフード 幼猫用離乳食 420g 1缶 ペットライン 旧日清ペットフード

(引用:ASKUL

ペットショップで月齢にフィットするものを選び、与えるようにしましょう。作り方などはパッケージにしたがえば問題ありません。

離乳期/生後1ヶ月目〜2ヶ月目

生後1ヶ月を超えたあたりから、ミルクを飲む必要がなくなり、上述した離乳食を中心とした食事に切り替えます。

回数に関しては、1日3〜4回、分量に関しては、「子猫自身が欲しがる程度」。ここまで大きくなれば、回数と分量に関してはある程度柔軟に対応しても問題ありません。

また離乳食のみならず、子猫ドライフードをふやかしたものを与える必要も出てきます。いずれドライフードを食べるようになるので、その練習という意味でも必要になります。

ふやかす方法は非常に簡単で、水を入れて電子レンジで20秒ほど加熱するだけ。そのあと箸でつついて崩すなどすればさらに食べやすくなるでしょう。

生育期/2ヶ月目〜3ヶ月目

2ヶ月目から3ヶ月目から、ふやかしていない、硬いままの子猫用ドライフードを与えるようにします。

以下のように専用のものがあるので、かならずそれを選択しましょう。

(引用:DCM

ただし、いきなり硬い状態のものを出しても興味を示さないかもしれません。その場合は、かつおぶしをまぶしたり、少しだけふやかして香りを立てたりして、興味を持てるように工夫しましょう。

準成猫期/4ヶ月目〜6ヶ月目

4ヶ月目以降は、慣習的には子猫と判断されますが、食事に成猫とさほど違いなく、細かい工夫はあまり必要ではありません

引き続き子猫用のドライフードを与えましょう。おそらくすでにふやかして与える必要は無くなっているはずです。

このあたりから、缶詰やパテなど、さまざまなタイプのフードを与えるのもよいでしょう。

今のうちに多様な風味や舌触りのものを経験させると、成猫になったときの好き嫌いを減らすことに繋がります。

子猫の餌やりに関するコツとポイント

上記では子猫に対する基本的な餌やりに関して解説しました。これを理解しておけば、まず困ることはありません。

ただ、以下のことを知っておけば、さらに子猫に対して良好な食事を提供できるようになるでしょう。

  • 適度におやつも与える
  • 食べないときは味や香りを変える
  • 状況に応じて療法食を与える

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

適度におやつも与える

子猫の満足度の向上や栄養補助の観点から、適度におやつを与えるのもよいでしょう。

おやつに関しては、各ペット用品メーカーからさまざまな形、風味、匂いのものが販売されています。これまでの食の好みから、気に入りそうなものを予想し、与えてみるのがよいでしょう。

またチュールなどは、子猫にとって非常に魅力的なおやつとなります。

(引用:いなばペットフード株式会社

ただし、「おやつばかり食べる」状態にならないように気をつけてください。あくまでも栄養の補助であり、フードから必要な栄養を摂取させるのが基本の考えとなります。

食べないときは味や香りを変える

食べないときは、味や香りを変えるのがおすすめです。

猫も人間同様に食べ物の好みがあり、嫌いな風味だとどうしても食べられないことがあります。

そのような場合は別なフレーバーのものを用意するなどしてみましょう。

また、フードの袋にかつおぶしの出汁パックを入れるなどして匂いつけすると、食いつきがよくなることがあります。

食欲アップ!フードを与える時のひと工夫 | 相模原市の動物病院『アム動物病院』

(引用:アム動物病院

ふやかすと食べることがある

味や匂いだけでなく、食感を変えるだけで食べるようになることもあります。

特にふやかしたドライフードを好む仔猫は多いです。食べないときは、ドライフードに水を足し、電子レンジで20秒ほど温めましょう。

そのあと、十分に冷めてから与えると、食いつきがよくなる可能性があります。

子猫期は、咀嚼および嚥下に使われる筋肉が十分に発達しておらず、ドライフードが食べられないこともあります。

その際はこの方法でふやかしてみましょう。

状況に応じて療法食を与える

特定の状態にある、もしくは疾患を抱えている場合、いわゆる「療法食」を与える必要があります。人間でいう、食事療法にあたるものです。

(引用:ROYAL CANIN

たとえばこれは、ロイヤルカナンが販売する腎臓治療をサポートするための療法食です。状況に応じてこのようなフードを与える必要があるでしょう。

ただし療法食を自己判断で与えるのはおすすめできません。獣医師が与えるよう指示を出した場合にのみ、与えることを強く推奨します。

子猫の餌やりにおけるポイントと注意点

子猫に餌やりする場合は、いくつかのポイントと注意点があります。最低限、以下の4点だけは理解しておきましょう。

  • 水のあげ方も理解しておく
  • ドライフードは正しく保存する
  • 食べ残しを放置しないようにする
  • 禁忌物を与えないように徹底する

まず水のあげ方にも、ある程度の配慮が必要です。また禁忌物などに関しても、よく知っておくべきでしょう。

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

水のあげ方も理解しておく

まず、以下のような水のあげ方もきちんと理解しておきましょう。

  • 1日あたり、体重1kgにつき50mlほどの水分摂取を目安にする
  • 最低でも1日1回は新鮮な水に取り替える
  • 抜け毛やゴミが入ったら適宜交換する
  • うまく飲めない場合はシリンジやスポイトを使って飲ませる

特に、飲料用の水は清潔であることが求められます。最低でも1日1回は交換するようにしましょう。

夏場などであれば、もっと高い頻度で交換したほうがよいでしょう。

ドライフードは正しく保存する

また、ドライフードは以下のように正しい方法で保存しましょう。

  • 密閉性の高い容器に入れて酸化を避ける
  • 直射日光と高温多湿を避ける
  • 乾燥した場所に置く
  • 可能であれば乾燥剤などを入れる

ドライフードは、いい加減に管理すると、しけったり、腐敗したりすることがあります。そうすると猫の食欲が減退したり、食あたりを起こしたりするかもしれません。

そういったことがないように、人間の食べ物同様に、安全に保存するようにしましょう。

以下のようにジップロックに保存するのがもっとも手軽だと考えられます。

食べ残しを放置しないようにする

基本的に、猫の食べ残しは放置しないようにしましょう。

  • フードや水が風化、腐敗する
  • 皿をひっくり返してしまう可能性がある
  • 「いつどれだけ食べたのか」を把握しにくくなる
  • 害虫が寄ってくる原因になるetc.

特にフードや水が悪くなってしまうのは大きな問題です。成猫にとっては些細なことでも、子猫にとっては致命的な健康被害を引き起こす原因になるかもしれません。

食事が終わったら、かならず一度すべてのフードと水を下げるようにしましょう。

似たような理由で、餌が常時食器に乗っている「置き餌」も避けるべきです。

禁忌物を与えないように徹底する

猫には以下のような禁忌物があります。これらは与えないようにしましょう。

スクリーンショット 2023-09-19 102926

(引用:よしだ動物病院ねこのきもち

基本的に人間が食べるものは与えるべきでないと考えましょう。

安心して与えられるのは、かつおぶしあたりのみです。

また与えるつもりがなくても誤食してしまうケースも少なくありません。間違えて食べないようにしましょう。

子猫期の餌のやり方に関するよくある質問

本記事では子猫期の餌のやり方に関して解説しました。

ここではよくある質問に回答します。

  • ドライフードとウェットフードの違いとは
  • 高い餌のほうがよく食べるのか
  • ロイヤルカナンのキャットフードはすぐれているのか
  • 催促がひどいときはどうすればよいか

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

ドライフードとウェットフードの違いとは

いわゆる「カリカリ」がドライフードです。

「缶詰」や「チュール」、「ペースト」などがウェットフードとするのが一般的。

ウェットフードに関してはほかにも種類があり、ゼリー仕立てやパテ風のものもあります。

(引用:カルカンブレッキーズ

高い餌のほうがよく食べるのか

あくまでも一般論ですが、価格が高いからといって、よく食べるとは限りません

もちろん高価なものは、食べやすいように配慮されていたり、栄養価が高かったりします。

しかしどれだけ工夫されていても、結局は猫の好みによる部分が大きいです。たとえばどれだけ高級なかつお風味のキャットフードでも、かつおが好きでない猫はあまり食べたがらないでしょう。

逆に安価なものでも、好みでさえあれば勢いよく食べることもあります。あまり価格のことは気にしないほうがよいでしょう。

ロイヤルカナンのキャットフードはすぐれているのか

ロイヤルカナンは、一般的に栄養バランスにすぐれたキャットフードであると評価されています。食いつきもよいようです。

ただしキャットフードとのあいだには相性というものがあります。栄養バランスがよくても、その猫にとって必要な栄養がじゅうぶんに含まれているとは限りません。

また、栄養バランスが理想的でも、好き嫌いの問題でどうしても食べられないこともあります。

したがってロイヤルカナンが優秀なキャットフードであるとはいえ、かならずしもすべての猫に好まれるとは言い切れません。

催促がひどいときはどうすればよいか

ご飯の催促がひどいときは、そもそも必要な分量を見誤っている可能性があります。一度、年齢や月齢に対して不足していないか確認しましょう。

そのうえで適切な分量を与えるようにしてください。

十分な量を与えているにもかかわらず催促してくるなら、ある程度の「おかわり」に応じてもかまいません。実際、他の個体よりも多くの分量を必要とする猫もいます。

あまりにも催促がひどいなら、何らかの疾患などが疑われます。いつまで経っても改善しないなら、必要に応じて動物病院で診察を受けるなどしましょう。

まとめ

本記事では子猫の餌のやり方などに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいします。

  • 子猫期の餌のやり方は、生後何日経過したかで変える必要がある
  • 最初はミルクから始まり、そこから離乳食、子猫用キャットフードと段階を踏む
  • 基本的に月齢がかさむほど、世話の負担は小さくなる
  • 適度におやつを与える、食べないときは味や香りを変えるといったテクニックは有効になる
  • また、水のあげ方を理解する、ドライフードは正しく保存するといったことも重要になる
  • 禁忌物は決して与えないように注意する

子猫期の餌やりは、成猫の場合と比較して、細かい配慮が必要になります。本記事の情報を参照に、月齢に見合った餌を与えるようにしましょう。

また禁忌物を与えない、水のあげ方を理解して実質するなど、周辺知識も理解、実践しましょう。

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