2022.10.31
一匹で鳴いている子猫を見つけたら、やはり助けたい気持ちが湧いてきます。同時に、上記のように考える人は多いのではないでしょうか?
一度子猫を捕獲したあとで「やはり飼えない」と手放すわけには行きません。それは動物愛護法違反になるからです。
拾ったら、自身で飼うか、里親を探す責任が生じます。そこで本記事では以下について解説します。
本記事を読めば、野良の子猫を拾ったあとにどうすればよいかがわかります。ぜひ参考にしてください。
もくじ
野良の子猫を見つけたら、以下のステップで対処しましょう。
子猫を見かけても、ただちに捕獲しようとしてはいけません。まず自分で飼えるか飼えないか考えましょう。
同時に保護してもよい子猫か、確認する必要があります。 そして子猫がケガをしないように、安全な方法で捕まえたうえで、動物病院に連れていきましょう。
それぞれ詳しく解説するので、ご参考にしてください。
野良の子猫を拾う前に、自分で飼えるか飼えないか冷静に考えてみましょう。
これは拾った時点で飼育するか、里親を見つけるまで捨てずに面倒を見る責任があるからです。よって飼えるかどうか、拾う前によく考える必要があります。
猫との暮らは楽しい部分もありますが、寿命をまっとうするまで面倒を見られるかシミュレーションしましょう。また、万が一飼育できなくなった場合の引き取り先もある程度知っておきたいところです。
参考文献:横浜市-猫の適性飼育ガイドライン
猫の寿命は、2021年度全国犬猫飼育実態調査によれば15.66歳。
そうするとトータルして240万円ほど必要になります。 これだけの費用を余裕を持って捻出できるか、一度大まかにでも計算してみましょう。
助ける決心がついたら、まずは「本当に捕獲してよい子猫か」を確認しましょう。以下のように手出ししては行けない猫もいます。
子猫が一匹いたからといって。保護が必要な野良だとは限りません。上記いずれの場合でも、捕獲してしまうとトラブルの原因になります。
まずは確実に野良であることを確認しましょう。
野良の子猫だったとしても、近くに母猫の姿を確認できるなら無理に拾わないほうがよいでしょう。親子を引き離すことになるからです。
また、子猫に触るのもやめておきましょう。もし人間の匂いがついたら、母猫が「異物」と判断して育児放棄する可能性があるからです。
これは大分県の動物愛護センターも指摘されています。
(引用:おおいた動物愛護センター)
もし近くに母猫がいるなら、まだ親子で生活しているので、邪魔をしないようにしましょう。
続いて子猫を安全な方法で捕獲しましょう。知能や警戒心がさほど発達していないため、意外と単純なやり方で捕まえられるこも多いです。
チュールなどのおやつを差し出しておびき寄せれば、多くの場合捕獲できるでしょう。近くに餌を置いて、近づいてきたところをそっと抱き上げるのでもかまいません。
子猫があまり動かない場合は、どこかをケガしているかもしれません。特に地面と触れる足は負担がかかりやすく、骨折や捻挫の場合もあります。
もしそのような様子があれば、患部に触れたり、曲げたりしないようにしましょう。子猫が辛いだけではなく取り返しのつかなくなるケースもあるので、注意してください。
子猫はさほど警戒心が強くありませんが、なかには人間を怖がって逃げ出すこともあります。ある程度の日齢なら動きも俊敏で、捕獲に手を焼くケースも。
その場合は捕獲器の利用を検討しましょう。 これは中に餌を置いておき、子猫がそれに触れると後ろ側で扉が落ちるトラップのひとつ。
これなら追いかけ回さずとも、安全に捕獲できます。 捕獲器の入手方法や使い方は下記の記事で解説しているので、参考にしてください。
野良の子猫を家に連れて帰ってきたら、まずは寝床を作り、体温を温めましょう。
猫は元来、体温調節が得意ではありません。特に子猫はその点がまだ不器用で、あっという間に体が冷えてしまいます。そのままの状態では命に関わることも。
そのためにはまず寝床を作りましょう。猫用キャリーケース(以下画像参照)や、段ボールに毛布を敷くなどすれば十分です。
そして湯たんぽや使い捨てカイロなどをバスタオルで包み、寝床に置いてあげましょう。これで母猫に抱えられるのと同様の温かさを確保できます。
もし湯たんぽや使い捨てカイロがなければ、ペットボトルを使いましょう。40度前後のお湯を入れて毛布に包み、そして寝床に起きます。
これで湯たんぽとほぼ同様の保温効果を得ることが可能です。とにかく子猫の命を守るためにも保温は徹底しましょう。
保温ができたら動物病院へ連れていきましょう。そして猫の健康状態をチェックしたり、おおまかな日齢を把握したりするための診察を受けます。
動物病院を見つけるには、「地域名+動物病院」「地域名+獣医」などと検索すればOK。夜の時間でも、病院によっては夜間診察を受け付けています。諦めずに探してみましょう。
また、初回の診察で受ける必要はありませんが、飼育、里親への譲渡どちらを選ぶにしても、以下の処置を受ける必要があります。
これは猫が異常繁殖したり、病気にかかったりしないよう、かならず必要な処置です。費用総額は病院にもよりますが、30,000円から50,000円が相場でしょう。
なお、クレジットカード決済を導入している場合は分割で支払うことも可能です。対応している病院は、東京ドクターズなどで絞り込んで検索できます。
(引用:東京ドクターズ)
診察している動物病院がない場合は、それまで家で面倒を見てあげる必要があります。このときの世話の仕方などは下記の記事で解説しているので、参考にしてください。
残念ながら、野良猫の子猫を、通報を受けて保護する団体は存在しません。つまり警察や市役所、あるいは動物保護団体による協力を得るのは諦めましょう。
厳しい話ですが、野良の子猫を見つけたら、基本的には「自分で拾って面倒を見るか、そっと見守るか」しかありません。
捨て猫だと考えられるなら、保健所や警察へ連絡することになります。そして飼い主が現れるまで一定期間保護される仕組み。
ただしいつまでも飼い主が現れない場合、子猫は殺処分されてしまいます。 もし可能であれば捨て猫も野良の子猫同様に捕獲し、自宅で飼育したり、里親に譲渡したりできないか検討してみましょう。
野良の子猫を拾ったものの、自宅では飼えないケースもあるでしょう。しかしもう一度野生に返すと、法律違反になってしまいます。
したがって自宅で飼えないなら、子猫を引き取り、代わりに育てる里親を探す必要があります。 近年は「保護猫ブーム」の影響もあり、「猫を引き取って育てたい」と考える人が増えています。そのような背景もあり、ある程度里親は見つけやすい状況です。
具体的な探し方として、主に以下3つが挙げられます。
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
野良の子猫を預けるなら、動物愛護団体が最も安心です。飼い主に代わって、専門スタッフが生涯面倒を見たり、里親を探したりします。
動物愛護団体は国から運営補助を受けており、飼育環境やスタッフ教育が整っているのが特徴。最も安心できる引き取り先です。
当法人「ねこホーム」でも、子猫の引き取りの相談を随時受け付けています。お困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
動物愛護団体を利用できない場合は、里親募集サイトで譲渡先となるボランティアを探す方法もあります。これは猫を譲り渡したい人と、引き取りたいボランディアをマッチングさせるサービスです。
子猫の引き取り手を募集すれば、里親になりたい人から応募が来ます。そしてDMや面談などで条件を確認し、問題がなければ引き取りが成立します。
里親募集サイトとして、OMUSUBIやNYATCHINGなどが多くのユーザーに利用されています。一度引き取り手がいないか探してみましょう。
ただし動物愛護団体と比較して相手が個人なので、猫を大事に育てられるか不安が残ります。DMや面談で本当に信頼できるか、念入りに確認しましょう。
最近ではSNSを通じて、里親を探す方法もあります。
🆘里親募集のお願いです。
千葉市動物保護指導センターに収容されているオスの仔猫です。里親さまに繋がるよう皆さまのご協力宜しくお願い致します。 pic.twitter.com/lUcL5ENnkH
— ただの猫ゃで (@siba4884) October 22, 2022
Twitterのユーザーは里親募集に協力的で、1回のツイートが何百回もリツイートされるケースもあります。拡散されることで、引き取りを希望する人とマッチングする可能性も高くなるでしょう。
ただし動物愛護団体と比較して、「子猫を預けてもよい相手か判断しづらい」デメリットもあります。この点は本人の過去の投稿をチェックしたり、よく話を聞いたりして、安心して預けられるか慎重に判断しましょう。
里親に出すのではなく、自身で育てる決心をする人もいるでしょう。 もちろん野良の子猫を拾って育てるのは、拾い主の自由です。
猫のことをよく理解し、育てていきましょう。そのためには、以下のペット用品を揃える必要があります。
上記が揃っていえば、ひとまず問題なく猫を育てることが可能です。また同時に、家の中は以下のように整理しましょう。
物を片付けたり、電気コードに目張りしたりするのは猫の安全を守るため。物が落ちてきたり、感電したりする心配を減らせます。
観葉植物を撤去するのは、種類によっては猫にとって猛毒であり、それをかじることを防ぐためです。
このように、猫を飼うためにはペット用品と環境の整備が必要になります。
本記事では野良の子猫を拾った場合のことを解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
一匹で寂しそうにしている野良の子猫を見かけると、つい助けたい思いに駆られます。しかし拾った時点で自身で飼い続ける責任が、法律上は生じます。
もし子猫を見かけたら、その責任を果たせるかよく検討しましょう。
仮に「拾ったものの冷静に考えると飼えなくて困っている」なら、里親を探す方法があります。動物愛護団体を中心に、里親ボランティアやSNSの利用で引き取り手がいないか探してみましょう。
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