2024.07.31
このように思っている人は多いでしょう。
猫は子猫期において、主に夜間、激しく走り回ることがあります。しかしこれが飼い主の暮らしに支障をきたすことも。
また、あまりにも激しく走り回るので、不安を覚える人も多いでしょう。そこで本記事では、子猫が狂ったように走り回る理由や原因、その対策などを解説します。
子猫が元気に走り回っている場合は、本記事を読んで対処してみてください。
もくじ
まず子猫が狂ったように走り回るのは、決しておかしなことではありません。まれに病気が原因になっていることもありますが、ほとんどあり得ません。
走り回るのは、たとえば「人間の赤ちゃんがよく泣く、笑う」くらいのことだと考えましょう。
ただしその原因はいくつかあり、主に以下が考えられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、単純に元気が満ち溢れている可能性があります。
子猫期は、月齢などにもよりますが、基本的に体力と気力を余らせています。それに突き動かされ、激しく動き回るわけですね。
これほどの元気を蓄えるのは、外敵からすみやかに逃げるだけの脚力を発揮するためだと考えられています。
また子猫にとって、見るものすべてが新しく、興味深いものです。
それに刺激されて、人間から見れば狂ったように走り回るケースもあるでしょう。
また、猫の活動時間である夜を迎えているから、走り回るようになることもあります。
猫は夜行性と誤解されがちですが、実際に明け方と日没すぐあとに動き出す、「薄明薄暮性」を有しています。
つまり人間が休もうとする時間帯には、活動意欲が高まっているわけですね。
その結果、夜11時とか、朝3時とか、そういった時間に走り回ることがあります。
薄明薄暮性を変えるのはむずかしく、基本的には飼い主が受け入れた対応するほかないのが現状です。
メスなら生後半年、オスなら生後8ヶ月で発情期を迎える可能性があります。つまり子猫に見えているものの、すでに生殖可能なほどの年齢に達しているのかもしれません。
発情期を迎えた猫は、走り回る、食欲が増す、大声で鳴くなどの挙動を見せるようになります。
そうしてもなかなか相手が見つからないので、さらにフラストレーションを感じ、走り回るようになるわけですね。
ただし一般的に「子猫」と認識されるサイズのうちに発情期に入ることはないので、可能性としては考えにくいでしょう。
関連記事▶︎猫の発情期はいつやってくる?鳴き声などの問題行動をできるだけ防ぐ方法
また、「トイレハイ」に入った結果、激しく動き回るケースもあります。
これがトイレハイ…🐱
今日から夏季休暇まで鬼のように忙しくなりそうです…0(:3 )~ =͟͟͞͞(‘、3)_ヽ)_ pic.twitter.com/sp5CMHnGzK
— いこ🐴子猫を迎え入れました🐱 (@ikokoko22) July 9, 2024
トイレハイは、排泄の前後に精神的に高揚する現象を示します。子猫にはよく見られるもので、決して異常なものではありません。
子猫期には、排泄に関係する感情と、それ以外の精神的な向上を区別がつかないことがあります。だから、トイレの前後で走り回るなどすることがあるわけですね。
基本的にトイレに慣れてくるにつれ、トイレハイに入ることが少なくなります。
成猫になるころには単なる日常の活動となり、淡々と排泄するようになるでしょう。
唯一、適切な対応が必要なケースとして、ストレスを感じているケースがあります。
家や人に慣れていない、食事や睡眠が不足しているといった条件が重なると、人間同様にストレスを感じるでしょう。
そのストレスを発散するなどの目的で、走り回っているかもしれません。
ただし、よほどひどい接し方、いい加減な餌のやり方などをしていない限り、このレベルのストレスが生じることはありません。
可能性としては非常に低いと考えて問題ないでしょう。
関連記事▶︎猫との引っ越しはとにかくストレスを与えない!安全な引っ越しと新しい暮らしの準備
子猫が狂ったように走り回るのは、異常ではなく、成長過程における正常なできごとのひとつです。
ゆえに走るのを止めるのはむずかしいので、その悪影響に対策するのが、現実的な対応となるでしょう。
その方法として以下が挙げられます。
これらの方法で、ある程度は狂ったように走る問題に対処できます。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず考えられるのが、昼間に遊ぶか遊ばせることです。
この時間に運動して体力を使うことで、夜の睡眠をうながします。元々が薄明薄暮性なので、限界はありますが、一定の効果は得られるでしょう。
昼間のうちにじゃれあったり、スキンシップを取ったりしてみましょう。
また以下のようなおもちゃを置いておき、自発的に体力を消耗するようにできるように誘導するのもひとつです。
ただしあまりに激しく運動させると、けがや病気の原因になります。あくまでも体力的に無理のない範囲で活動させるようにしましょう。
走り回っている具体的な時間帯や、飼い主のライフスタイルにもよりますが、「走り回る時間帯を遊ぶ時間にする」方法もあります。
たとえば飼い主も「夜働いて、朝帰ってくる」という暮らしを続けているなら、ある程度猫の動きに合わせられるでしょう。
そうすれば猫も「動きたいときに一緒に動ける、遊べる」ので、精神的な満足を得られる可能性があります。
もしライフスタイルが噛み合うなら、走り回る時間帯に遊べるようなスケジュールを組めないか検討してみましょう。
キャットタワーなどを設置するのもおすすめです。
これを設置するだけで、上下運動の機会が得られるため、夜に動き回らず眠るように誘導できます。
さらにキャットタワーに付属する小穴などが、猫にとって落ち着きやすい環境になります。
走り回っていた時間帯にもここで休息を取るようになり、結果的に問題が解決されるかもしれません。
上記のような特殊な例を除いて、夜に走り回っても相手をしないようにするもよいでしょう。
これは、かまうことがさらなる活動のモチベーションになるからです。すると、今まで以上に睡眠が妨害されるかもしれません。
また相手にすることで、「走り回ったり、暴れたりすればいうことを聞いてもらえる」と学習するケースがあります。
したがって「走り回っても、特にメリットはない」と思わせられるように、相手にしないようにしましょう。
子猫が狂ったように走り回る問題は、生後5ヶ月から1歳半くらいのどこかでおさまると考えましょう。
走り回ってしまう時期はそれなりに長く、ある程度の我慢が求められます。
それだけに、狂ったように走ることにどう対策するかは重要になってくるでしょう。
上述の方法で、子猫が狂ったように走り回る問題は、ある程度緩和されるでしょう。
また子猫が狂ったように走り回る際に、やってはいけないことがいくつかあります。
これらの対応は取らないように注意しましょう。
まず、狂ったように走り回っても、叱りつけないようにしましょう。
そもそも効果がないうえ、信頼関係の構築に悪影響が及ぼされるからです。
先述のとおり、子猫期に走り回るのは成長過程のひとつであり、おかしなことではなく、矯正できるものでもありません。
したがって叱っても、叩いても、改善は見られないでしょう。
また、本人(猫)にとってどうしようもないことに対して叱られたり叩かれたりすると、相当なストレスや恐怖感につながります。
つい叱り飛ばしたくなる部分もあるでしょうが、直接的に感情をぶつけることだけは避けましょう。
猫が走り回るような時期が来たら、ケガの原因になるものを放置しないようにしましょう。具体的に以下のものは片付けておくのが推奨されます。
特に注意したいのが扉です。そもそも扉の開閉で、子猫の体や尻尾を挟んでしまう事故は、よく聞かれます。
やられた〜😭
娘が閉めた扉に、猫のしっぽが挟まった〜😭聞いたことない悲鳴と動きで逃げてったし、相当痛そう😱💦触ってみたら痛がる様子は無いけど、ちょっと腫れて気もするし、明日病院🏥です😭
大きな怪我じゃありませんように…— グリ 5歳🦖3歳🎀1歳🦖 (@momoo_rio) June 23, 2024
猫の動き方しだいでは、「自分で動いて自分で挟まる」ということも考えられます。
引き戸以外の扉は、できるだけ動かないように固定しましょう。
走り回ったあとで、中途半端にかまうのもやめましょう。
そうすることで、「走り回れば遊んでもらえる」と学習してしまうからです。
そのように学んでしまうと、走り回る頻度が上がったり、「かまってもらえなかった」ということにストレスを感じたりするかもしれません。
したがって子猫が狂ったように走り回っても、かまわないのが基本となります。
飼い主自身はもちろん、家族や子供にも、このことを徹底してもらいましょう。
また、おやつや餌を与えて、走り回るのをやめさせるのは避けましょう。
「走り回れば何かがもらえる」と学習するからです。そうすると、毎晩のように走り回って、おやつか餌がもらえるまでそれを続けるかもしれません。
これが定着すると、本来なら走り回るクセが落ち着く時期になっても、走り続けるようになる可能性があります。
また「わがままを言っても聞いてもらえる」といった、あやまった考えを持ったまま成猫になるかもしれません。
今後の暮らしも踏まえて、おやつや餌を与えてなだめるのは避けましょう。
今回は、猫が狂ったように走り回る問題に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
病気の可能性はあるか? 真空行動とは? 外に出して遊ばせたほうがよい?
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
子猫が走り回ったからといって、病気である可能性はかなり低いでしょう。基本的に関係ないと見て問題ありません。
ただ走る走らないに限らず、子猫は以下の病気を発症しやすいので、知っておくとよいでしょう。
真空行動とは、何もないところを目掛けてジャンプしたり、急に走り回ったりする行為を示します。つまり「狂ったように走り回る」のも、これに該当するでしょう。
走ること以外の真空行動も、成長過程で必要なので、たとえ観察されてもさほど心配する必要ありません。
ただしあまりにも頻回である場合は、強いストレスを感じている可能性などもあるので、注意してください。
現状で外に出す習慣がないなら、外に出すのはおすすめできません。
室外飼育にすると、けがや病気、事故などのリスクが生じるからです。また子猫期は捕食されるリスクもあるでしょう。
したがって、室外に出すのはおすすめできません。
一方でいわゆる完全室内飼育には、けがや病気のリスクを回避できる、寿命が伸びるなどのメリットがあります。
一般社団法人ペットフード協会によれば、完全室内飼育をすると、そうでないケースと比較して寿命が2〜3年ほど伸びるようす。
(引用:一般社団法人ペットフード協会)
このような理由からも、外には出さないことを強く推奨します。
関連記事▶︎猫は外飼いしてもよい? 完全室内飼育のメリットとは?
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
子猫は、有り余る体力などを背景に、夜中でも狂ったように走り回る習性を持ちます。
完全にやめさせるのは困難ですが、対策によりある程度はコントロールすることが可能。
生後5ヶ月から1歳半くらいまででおさまる習慣なので、それまで何とか乗り切りましょう。
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