2024.10.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
一人暮らしで、ペットを飼っている(一頭と一人)しているなら、やはり自身に万が一があった場合の備えが必要です。特に、引き取り手を見つけておくのは、もっとも大切。
そこで本記事では、一人暮らしの飼い主に何かあった場合に備えた、引き取り先を解説します。
また、一人暮らしの場合(特に高齢者)は飼い主の孤独死とそれにともなう猫の孤立が心配されます。孤独死を防止し、猫の安全を確保するポイントも解説するので参考にしてください。
もくじ
一人暮らしで自身が亡くなった場合、猫がひとりぼっちになってしまいます。最悪の場合、ペットも命を落とすかもしれません。
飼い主が亡き後の猫の今後を守るため、以下のような引き取り先を見つける必要があります。
ただしいずれの場合も、飼い主が健在であるうちに、相手と約束したり、ペットの譲渡したりする必要があります。下記を参考に、今のうちに引き取り先を見つけておきましょう。
まず、動物愛護団体に引き取りを依頼する方法があります。
動物愛護団体とは、行き場を失った猫を引き取って育てたり、何らかの方法で譲渡したりする団体のこと。
もちろん、自身が高齢であるがゆえの引き取りにも対応しています。
動物愛護団体のほとんどは法人格を有しており、国に許可を得たうえで活動しています。したがってここに預けることができれば、猫は大切に育てられるでしょう。
動物愛護団体に相談するには、まず団体が周囲に存在しないか探してみましょう。インターネットで、「地域名+動物団体」で検索すると出てくるかもしれません。
また私たちねこほーむも、上述の活動に取り組む動物愛護団体のひとつであり、猫の引き取りに関する相談も受けています。関心がある方はぜひご相談ください。
ペット後見人とは、飼い主が死亡、入院などした場合、本人に代わってペットの世話や管理を引き継ぐ人を示します。
一般的に飼い主が信頼している家族や親族に頼みます。
ただし近年では、ペット後見人をサービスとして提供する団体も。
たとえば「人と動物の共生センター」は、入会者同士が後見人候補となり、万が一に備える「互助」を実施しています。
入会金や本人死亡後の飼育費を支払えば、自身が亡くなったあとをペット後見人に任せられます。
ただし費用として100万円以上かかるケースがほとんどであり、経済的な負担が非常に大きい点には注意しましょう。
猫が高齢である場合、老猫ホームや老猫介護施設に預け入れる方法もあります。
これは、年老いた猫を、多くの場合亡くなるまで預かる介護施設に該当します。
特徴として、高齢猫を専門とするため、単なる世話ではなく「介護」がおこなわれる点が挙げれらます。
トイレや食事の世話はもちろん、認知能力の維持や獣医師による往診なども実施されるケースが多いようです。
猫が高齢であれば、老猫ホームなどに入所させるのも選択肢に入るでしょう。ただし施設が定めた年齢以下では利用できないケースがある点に注意してください。
ボランティアとして里親になりたい人に、猫を預ける方法も考えられます。
近年は保護猫ブームの影響もあり、猫を引き取って育てたいと考える人が増えてきました。以前よりも里親は探しやすくなっています。
探す方法として以下3つが挙げられるでしょう。
これらを並行してやっていきましょう。
里親募集サイトなら、NYACHINGなどがおすすめです。
出典:NYACTCHING
ただし里親が探しやすくなったとはいえ、数日で見つかるものではありません。
数週間から数ヶ月はかかると考えましょう。
なお里親の探し方に関しては「野良の子猫を拾ったら…?自分で飼えない場合は里親を探そう」で解説しているので参考にしてください。
親族・知人による引き取りも考えられるでしょう。
お金がかからないうえ、信頼できる相手なら、猫も大切に育ててもらえます。
ただし注意したいのは、親族や知人の引き取りを法的に約束してもらうのが難しい点。
動物愛護団体などのように、同意書などを交わすわけではなく、最終的な対応や判断は猫を引き取る側に委ねられます。もしかしたら、死後に「やはり飼育ができない」と考えるかもしれません。
一応、「負担付贈与契約」というのを用いて、「財産を見返りに猫を引き取る約束」を交わすことが可能。しかしその約束が履行されているかを見張る人はいません。
したがって確実に猫の将来を保証したいなら、動物愛護団体などを利用するのがよいでしょう。
残念ながら、飼い主が死亡したあとで、猫が保健所に連れて行かれるケースはあります。
引き取り手がいなかった場合は、ほとんど保健所預かりになると考えて問題ありません。
なお保健所は、行き場のない動物を育てる機能を持っていません。したがって猫が連れてこられてまもなく、殺処分されると考えられます。
猫の命を守るためには、生前の段階で引き取り手を見つけておくのが重要です。
自身の死後、猫の孤立を防ぐ方法は多々あります。引き取り手がいればまず問題ないでしょう。
しかし自身が孤独死して、猫と共に共倒れするケースもあり、これには十分な警戒が必要です。孤独死を防ぐためには、以下の方法が考えられるでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、市区町村による高齢者支援サービスを受ける方法が考えられます。
多くの自治体では、高齢者を対象とした、さまざまなサービスが無償でおこなわれています。
サービスの一環として、安否確認の実施があり、これは孤独死の防止に役立つでしょう。
石川県能美市では、家電によって安否確認を実施するシステムが導入されています。安全が確認されなければ、市区町村などに通報され、孤独死が防がれるわけです。
このようなサービスが自治体にあれば、ぜひ利用しましょう。安否確認に準ずるサービスがあるかどうかは、市区町村の役所に問い合わせるとわかります。
電話口で「生活課につないでください」と伝え、「安否確認をしてほしい」と伝えれば、実施可能か判断できるでしょう。
また地域内のイベントに参加するのも、孤独死を防止するうえで大切です。
自治体や市区町村では、主に高齢者を対象とした何かしらのイベントが開催されています。
ボランティアや趣味に取り組むものもあれば、単に集まって雑談をするものもあるでしょう。
出典:町田市
たとえば町田市であれば、輪投げ大会や体操などの軽い運動を主旨としたイベントが開催されています。
このようなイベントに参加すれば、不参加が目立ったときに、何かあったときに、地域で連携して安否確認ができるかもしれません。
また定期的に家族と連絡を取るのも有効です。1日〜3日に一回ほどの頻度で、安否確認の電話をかけましょう。
もし電話に出ない、折り返しもないとなると、家族は「何かがあったのだろう」と考え、行動を起こせるようになります。これがきっかけで、命が守られたケースも少なくありません。
そうすることで孤独死が防がれ、猫の命が危ぶまれる事態も避けられます。
また、以下のように、定期的に電話をかけてくれるサービスも存在します。
出典:らいしらすふコール
必要に応じてこういったサービスの利用も考えましょう。
自身の体調に鑑み、介護施設に入る選択肢もあります。孤独死はまず起こらなくなるでしょう。
ただし介護施設に入る場合は、猫を動物愛護団体や親族などに引き渡しておく必要があります。
ただ、近年は、飼い主と猫が一緒に入居できる「ペット可の介護施設も増えました。
ペット可の介護施設なら、引き続き一緒に暮らせます。また職員が世話に協力しているため、飼育の負担も減らせるでしょう。
ただ、費用がかかる点に注意してください。ペット不可の老人ホームは、入居一時金100万円弱、(月)月額利用料13万円程度で入居できますが、ペット可の場合は以下のようになります。
出典:みんなの介護
介護費用に余裕がない場合は利用がむずかしい点に注意してください。
本記事ではペットと飼い主が死去した場合に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ペット信託とは、飼い主に万が一のことがあった場合に備えて、財産を託す制度を示します。
そもそも信託とは何らかの目的のために、個人の財産の運用や管理を依頼するもの。ペット信託では、ペットの今後の行き先を確保するために、財産を預けることになります。
財産は信託会社に管理され、飼い主に何かがあったとき、その財産は後見人に引き渡されます。後見人はそれを飼育費として、猫を飼育するわけですね。
ただし初期費用で15万円ほど、それから年間20万円から30万円の信託が必要になります。経済的に余裕がない場合、ペット信託はおすすめできません。
ペットを自然に還すのは、いかなる場合でも違法とされます。
日本には、「動物愛護及び管理に関する法律」というのがあります。いわゆる「動物愛護法」と考えて問題ありません。
同法では、愛護動物を遺棄、つまりペットを捨てた場合、1年以下の懲役または100万円の以下の罰金が課せられると定められています。
出典:愛媛県
遺棄の定義には、「飼っていた犬や猫を捨てる」ことも含まれています。
したがって、猫を自然に還すのは、違法と判断されます。
猫の引取先がなくても、遺棄だけはしないようにしましょう。
ペットは遺産の扱いになります。
遺産は、亡くなった人が持っていた財産を示します。またペットは法律的には飼い主の財産となるため、ペットは遺産となるわけですね。
したがって通常は、相続人がそのペットを財産として相続することになります。
ただし有価証券などと違い、財産的な価値はありません。また「何人で均等に分けられる」ものでも泣いため、遺産分割協議の議題にはなり得ません。
多くの場合、財産的価値がなければ「形見分け」という方法で、ペットを引き取ることになります。これは法的な手続きではなく、単なる風習であり、法的拘束力はありません。
思い出の品を、ゆかりある人物に分けるような形で、ペットを引き取ることになるでしょう。もちろん形見分けで引き取ることを希望するものがおらず、ペットの行き場所がなくなることもあります。
負担付贈与契約とは、「何らかの負担を付帯させながら、財産を贈与する契約」を示します。今回の場合、負担とはすなわち、「ペットを引き取って育てること」を意味します。
つまり生前の負担付贈与契約によって現金などを贈与する代わり、ペットを引き取ってもらうことが可能。
贈与を受けた側も、十分な財産を受け取れれば、ペットを育てやすいでしょう。
ただし負担付贈与契約は、生前に結んでなければ履行のしようがありません。契約を結びたい場合は、なるべく早く進めていきたいでしょう。
本記事では、一人暮らしの飼い主が亡くなったあとのペットのその後に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいします。
一人暮らしの状態で、飼い主が亡くなってしまうと、猫の今後が危ぶまれます。生前のうちに引き取り先を見つけて、世話してもらえるように準備しておきましょう。
また、そもそも孤独死対策をおこない、猫と共倒れしないようにするのも大切です。
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