野良猫の保護依頼は原則対応されない!保護猫の引き取り方も解説

野良猫

  • 近くにケガをした野良猫がいる
  • 元気がなくて、助けが必要なように見える

傷ついた猫を見かけたとき、ボランティア団体や市役所で保護をお願いできないか考えるでしょう。

結論から言えば、各組織には対応する義務も余裕もなく、対応は期待できません

だとしても助けたいというなら、自身で捕獲したうえで家族として迎えるか、あるいは里親を探すこと。そこで本記事では以下を解説します。 

  • 野良猫を捕獲、保護するうえでの注意点と具体的な方法
  • 不幸な猫を減らすことに貢献できる里親募集サイトについて

捕獲する前に具体的な方法を知り、そしてそのあとで何をする必要があるのかおさえましょう。

野良猫は依頼しても保護してもらえない助けたいなら自分でやるしかない

森の中の猫

傷ついた野良猫を見て、「なんとかしてあげたい!」と強く思った人もいるでしょう。

しかしボランティア団体や市役所が動いてくれない以上、助けたいなら自分で捕まえて、なんとかするしかありません。

そして”保護できた”と呼べる状態になるまでは、5つのステップに分けられます。

  1. 地域猫かどうか確認する
  2. 捕獲したあとでやるべきことを今一度確認する
  3. 猫を正しい方法で捕獲する
  4. 動物病院へ連れていく
  5. 自分で飼育するか引取先を探す

まず、捕まえてはいけない”地域猫”がいるので確認が必要です。

そのあとは捕獲して動物病院へ連れて行き、自分か里親が飼い主になります。

5つのステップすべてが事前の知識がないとできないことなので、一つひとつ確認しておきましょう。

1.地域猫かどうか確認しよう

まずは保護しようとしている猫が地域猫ではないか確認しましょう。

地域猫はすでに地域での保護を受けているので、基本的に捕獲する必要はありません。地域とボランティア団体が責任を持って管理しているからです。

しかしケガや衰弱があり、明らかに治療が必要なことから何とか保護したい場合は、市役所に連絡し、保護してもよいか確認しましょう。

もしどこのボランティア団体が管轄しているのか把握しているなら、直接確認してもかまいません。

地域猫とは地域で飼われている猫

地域猫とは、特定の飼い主がおらず、その地域おいて共同で面倒を見られている猫のこと。

ボランティア団体が、異常繁殖を防ぐ目的で避妊手術をしたあとで野生に戻し、周囲の人々に見守られながら暮らしています。

地域猫か野良猫かは耳の形で見分けよう

地域猫は耳がV字にカットされていることがあり、それであれば野良猫ではないと判別することが可能です。

さくら耳

(引用:どうぶつ基金

ただしすべてのケースで耳をカットされているわけではありません。

まれに見た目がまったく変わらない地域猫もいるので、確実に判別するには市役所やボランティア団体に連絡するのがおすすめです。

2.捕獲したあとの流れを今一度確認しよう

野良猫は捕獲して終わりではありません。その後は以下のように対応する必要があるので、問題ないか確認しておきましょう。

  1. 動物病院へ連れて行き、実費で検査を受ける
  2. その後、自宅で最期まで飼育を続ける
  3. 飼育が難しい場合は、責任を持って里親を探す

つまり動物病院へ連れていくことから始まり、飼い主になるか里親を見つけるまで責任を負うこととなります。

保護したあとで、”やはり責任が取れないので逃がす”手段は取れません。これは”愛護動物の遺棄”という法律違反に該当するからです。

愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。違反すると、懲役や罰金に処せられます。(中略)

・愛護動物を遺棄した者→1年以下の懲役または100万円以下の罰金

(引用:環境省

捕獲したあとの流れと責任の範ちゅうを理解し、それでも問題がない場合のみ保護を実施しましょう。

3.猫を正しい方法で捕獲しよう

野良猫必ず”捕獲器”という装置を使い、安全かつていねいに捕獲する必要があります。

捕獲器

(引用:コメリ

これは近隣の動物病院やボランティア団体で貸出されることもあるので、一度連絡してみましょう。

そのうえで、以下の手順を参考に捕獲します。

  1. 猫が出没する場所を把握する 
  2. 可能であれば数日前から周辺に焼き魚やチュールを撒く
  3. 同様に猫が好む食べ物を入れた捕獲器を置く(人目につかない薄暗い場所がよい)
  4. 捕獲器にかかったら、逃げないようにキャリーケースへ移す

つまり食べ物でおびきよせて、捕獲器にかけるのが正しい捕まえ方です。

ただしそう簡単に仕掛けにはかかりません。根気よく捕獲活動を続けましょう。

捕獲後に飼い猫ではないか確認しよう

野良猫を捕獲したあとで最初にやるべきは、飼い猫ではないか確認すること。

警察や保健所、市役所に連絡して、迷い猫として届けられていないか確認しましょう。

またSNSでは、以下画像のように「猫を探している」といった趣旨の投稿がないかチェックしてください。

ハッシュタグで#迷い猫を指定すると、上記のようなツイートがヒットします。

捕獲した猫を探している人がいないか念入りに確認しましょう。

4.野良猫を病院へ連れて行こう

間違いなく野良猫だとわかれば、動物病院へ連れて行き、健康状態を確認します。

猫がどのような状況であったかにもよりますが、おおむね以下の処置が必要です。

  • 足りていない栄養の特定と補給
  • 衰弱している場合の休息と食事
  • 予防接種
  • ノミやダニの駆除

4つすべて実施すると、トータル20,000円から30,000円の費用がかかります。またケガがあった場合は
さらに治療費がかかる場合も。

動物病院での検査は、自分が飼育するにしても、里親を探す場合にも必要なステップです。

捕獲できたら、猫の様子を観察しつつも、速やかに連れていくようにしましょう。

5.保護したなら自分で飼育するのが基本

野良猫を保護したとき、最も自然な対応は自分で飼育すること。

一度拾ったら、法的に倫理的にも飼い主としての責任が生じます。

もうすでにあなたの飼い猫であり家族であって、「やはり飼えない」と野生には戻せません。

保護したなら、自分が最後まで飼い続けることが基本だと考えましょう。

自分で飼えないなら引き取り手を探そう

とはいえ、自分で飼うことだけが答えではなく、他の人に引き取ってもらう道もあります。

要するに誰かが飼い主である状態まで導けば、法的にも倫理的にも問題ないわけです。

引き取り手を探すには、以下ふたつが考えられます。

  • 里親募集サイトで引き取り手を集める
  • 動物愛護団体に預ける

いずれにせよ一度拾ったなら、最期まで面倒を見るか、引き取り手を見つける責任は果たしましょう。

里親募集サイトで保護猫を減らすことで貢献できる

猫 だっこ

もし「不幸な猫を助けたい」と感じるなら、里親募集サイトで保護猫の引き取り手として名乗り出てみましょう。

保護猫は一時的に保護されている猫の総称

保護猫とは、飼い主が不在だったり、保健所に引き取られたりした猫のことです。

野良猫と同じく、引き取り手が見つからず、最悪の場合このままだと殺処分されることもあります。

目の前の野良猫を救えるわけではありませんが、また違う形で貢献できるわけです。そこで今回は以下について解説します。

  • 里親募集サイトの特徴
  • 里親として保護猫を引き取るための条件と費用

まずは里親募集サイトがどういうサービスか理解して、そのうえで条件や費用を確認し、引き取り手になれるのか判断しましょう。

里親募集サイト=飼い主と引き取り主のマッチングサービス

里親募集サイトは飼い主と引き取り主のマッチングサービスです。

ここでは保護猫を多く抱える動物愛護センターなどが里親を募集しています。OMUSUBIという里親募集サイトを例として、サービスの仕組みを見ていきましょう。

OMUSUBI

(引用:OMUSUBI

猫のプロフィールが掲載されており、猫種や年齢を確認できます。

ここから飼い主とメッセージで相談し、お互い合意すれば里親として引き取りできます。

「不幸な猫を減らしたい」という気持ちを持っている方は、ぜひ一度里親募集サイトで、猫の引き取り手になれないか動いてみましょう。

ほかにも里親を募集している団体がある

里親募集サイト以外にも、引き取り手を募集しているサービスや団体があります。

  • 動物愛護センター
  • 動物愛護団体
  • 保護猫カフェ

うち、動物愛護団体や動物愛護センターから引き取りについて、手続き方法や条件を下記で解説しているので参考にしてください。

保護猫カフェはいわゆる猫カフェのひとつで、猫と触れ合いながらお茶や食事を楽しめます。

ただ一般的な猫カフェと違うのは、気に入った猫がいれば引き取りできることです。

猫を新しい家族として迎え入れたい希望がある人は、一度保護猫カフェへ行ってみましょう。

里親になるための条件は4つある

里親は誰にでもなれるわけではなく、以下4つの条件をクリアする必要があります。

  • ペット可の家に住んでいる
  • 飼育放棄しないと約束できる
  • 先住猫が住んでいるなら完全室内飼育である
  • 引き取り前の段階で不妊手術を終えていないなら、実費で受けさせる

ペット可の家と、飼育放棄しないことは当たり前の条件。

ただ先住猫が完全室内飼育であり、また必要であれば不妊手術を実費で受けさせるのがハードルとなりそうです。

里親を希望する場合は、特に上記ふたつをクリアできるように準備しておきましょう。

猫を引き取るうえでかかる費用はほぼない

里親募集サイトから猫を引き取るなら費用はほぼかかりません。

サイト自体無料で利用でき、ほとんどの猫は必要な手術や接種は終えています。

相手に謝礼を支払う必要もなく、たいてい無償で引き取ることが可能です。

ただし里親になってからかかる費用は、すべて本人負担であることに注意してください。

まとめ

野良猫たち

本記事では野良猫の保護依頼と保護猫の引き取り方について解説しました。

最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • 市役所や動物愛護団体に保護を依頼しても、原則対応してもらえない
  • 助けたいなら、自分で捕獲して保護するしかない
  • 保護したあとの流れを理解し、保護主としての責任を果たせるか確認する
  • 捕獲したら、動物病院へ連れていき、最終的な飼い主を見つけるのが義務
  • 里親募集サイトで保護猫を引き取れば、違う形で不幸な猫を減らすことに貢献できる

野良猫の保護について、市役所や動物愛護団体は特に何か動くわけではなく、どうしても助けたいなら、何とか自力で保護する必要があります。

ただし捕獲したその瞬間から、最後まで面倒を見る、もしくは引き取り手を見つける義務が生じることを理解して、実行に移しましょう。

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