2026.01.28

このように考えている人は多いのではないでしょうか?
今まで「どれだけ食べるのだろう」と思っていた猫が、途端にご飯を食べなくなったら、心配でたまりませんよね。
高齢猫がご飯を食べないことには、何かしらの原因があります。そしてそれがわかっていれば適切に対応できるでしょう。今回はその原因と対応に関して解説します。
例外的に、急いで病院へ連れて行くべきケースもあります。その点にも触れているので参考にしてください。
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高齢猫が食事をとらない状態は、想像以上にリスクが高いものです。
「様子見でいいのか」「すぐ病院に行くべきか」を判断するため、まずは受診の目安を把握しておきましょう。
まず、猫の食事に関して以下3つのポイントを知っておきましょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
高齢猫が24時間以上まったく食べない状態が続いた場合は、要注意と考えてください。
半日程度の食欲低下であれば一時的な体調不良やストレスの可能性もありますが、丸一日食べないのは正常とはいえません。
特に以下の場合は、より深刻に受け止める必要があります。
「そのうち食べるだろう」と待つことで、状態が一気に悪化するケースも少なくありません。24時間食べないのであれば、何かが起こっていると考えて対処しましょう。
高齢猫がご飯を食べない状態を放置してしまうと、衰弱や栄養不足などさまざまなリスクが生じます。
特に注意したいのは肝リピドーシスという疾患。数日食べないだけで発症し、一度かかると長期間の治療が必要になるかもしれません。
さらには命さえも危ぶまれる、非常に危険な疾患です。
また、食事量が減ることで体力が落ち、脱水・低血糖・免疫力低下による衰弱も進行します。
猫がご飯を食べられないことには、重大なリスクがあると理解しましょう。
食べない状態に加えて、以下の症状が見られる場合は、迷わず早急に動物病院を受診してください。
これらは、内臓疾患や感染症、重度の脱水が進行しているサインかもしれません。
猫は不調を隠す動物です。飼い主には、それをある程度見抜くことが求められるといえるでしょう。
こういった兆候を見逃さず、すみやかに病院へ連れて行くようにしましょう。
高齢猫がご飯を食べない理由は、さまざま考えられます。主だったところで以下が挙げられるでしょう。
まず、食欲や嚥下力、咀嚼力の衰えが考えられます。また一時的な体調不良や、基礎代謝の低下も考えられるでしょう。
そして腎機能の低下に関しては、特別な注意が必要です。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
まず、老齢化による基礎代謝や筋力の低下が考えられます。
人間と同じく、猫も年齢を重ねればパフォーマンスが低下し、たくさんは食べられなくなるもの。
ご飯を食べない、食べたとしても想定より少なくなるという変化はかならず起こります。
これは、猫年齢を人間年齢に換算した場合の数値です。13歳頃には人間でいう70代。キャットフードを、量が少なく食べやすいシニア基準のものに切り替えるタイミングに差し掛かります。
もし13歳前後を迎えたころにご飯を食べる量が減ったなら、それは老齢化によって食欲が衰えたと考えて問題ないでしょう。
また、咀嚼力や嚥下力の低下により、ご飯を食べなくなることもあります。
猫が高齢になると、食欲と同様、噛んだり飲み込んだりするための筋肉が衰えます。そうなると、ドライキャットフードを食べるのがむずかしくなるわけですね。
猫も、お腹が減っているのに、食べるのがたいへんなので食べていないだけかもしれません。
この問題は後ほど解説するように、ウェットフードやシニアフードに切り替えることで簡単に解決できます。
また、嗅覚の低下によって食への興味が薄れているケースがあります。
猫は、食べてよいものか、食べたいと思うかを、ほとんど匂いだけで決定します。
よい匂いがすれば食べるし、そうでなければ興味を示しません。
つまり嗅覚が衰えていると、食べるべきか否かを正確に判断できず、結果として食べる機会が減ってしまいます。
この場合は匂いをより強める、鼻詰まりを解消するなどの対応が必要となるでしょう。
口内炎や歯周病が原因で、ご飯を食べられないのかもしれません。人間と同じように、猫も口の中が荒れたり、歯茎が傷ついたりします。
表情がないので分かりづらいですが、これらが原因で、食べるときに痛みを感じているかもしれません。
(引用:READYFOR)
上図は口内炎を発症したようすです。赤みが強くなっている部分が炎症部位です。こういった口腔内トラブルがあると、食べたくても食べられないのも致し方ないでしょう。
猫の口内炎は、自然治癒しないケースもあります。急ぐほどではないものの、病院に連れて行く必要があるでしょう。
そもそも、これまで同様の食事量が必要でないのかもしれません。基礎代謝が低下するからです。
猫が若い頃、つまり3歳から8歳くらいの間は、周囲をパトロールしたり、家中走り回ったり、とにかくカロリーを消費します。時にはケンカしたり、交尾をしたりするので、基礎代謝も高いでしょう。
しかし高齢になると動き回ることが少なくなり、基礎代謝も低下します。それが食欲に反映され、食べる量が減っている、あるいは食べないケースが増えたのかもしれません。
腎機能が低下した結果、ご飯が食べられないこともあります。これは特に注意が必要なパターンです。
猫は腎臓を痛めやすい生き物で、高齢になると腎不全になるのも珍しくありません。腎臓機能が落ちていると消化や毒素の代謝がうまくこなせなくなり、それが食欲不振として現れることがあります。
また腎不全は、老齢猫の死因になりやすいことがわかっています。宝塚まりも動物病院によれば、15歳以上の高齢猫の実に60%が、慢性的な腎臓の病気で亡くなっているとのこと。
腎不全だった場合、多飲多尿や嘔吐、貧血などの症状が併発しているかもしれません。

(引用:宝塚まりも動物病院)
そういった様子が見られれば、「体調が悪いだけ」で片付けず、早い段階で診察を受ける必要があります。
また、ストレスを感じて食欲が減退することはあります。その結果、まともにご飯を食べなくなる高齢猫もいます。
猫はストレスに弱い生き物で、たとえば以下のような環境では食欲減退をはじめとした不調を見せることも珍しくありません。

(引用:キャットストレス.com)
しっかりとご飯を食べさせるためには、上記のようなストレス要因を取り除くのが重要といえるでしょう。
特に高齢猫であれば、さまざまな経験が、若い猫よりと比較して大きな負担になり得ることを知っておきましょう。
口内炎や腎不全などの病気が疑われない場合は、少しの工夫で食欲不振を解消できます。高齢の場合、特に以下4つが有効です。
もっともシンプルなのは年齢に合ったキャットフードを与えること。また、ウェットフードやチュールも効果的です。
そのほかフードを温めたりふやかしたりする工夫も有効でしょう。それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。
まず、年齢に合ったキャットフードに切り替える方法が考えられます。
「シニア」と銘打たれたものは、高齢猫でも食べやすいよう、小粒に設計されています。また食物繊維や鉄分など、老齢期の病気予防に役立つ成分が多分に含まれているものも。

(引用:ユニ・チャーム)
老齢向けキャットフードの一例です。おいしさは保ちつつ、腎臓疾患リスクを考慮してリンの含有量を制限するなど、配慮されています。
成猫用と老齢猫用で、キャットフードの栄養成分バランスは大きく異なるもの。年齢に合ったシニアフードを与えましょう。
特に高齢である場合は、ウェットフードやチュールを与えるのも有効です。いわゆる「猫缶」「パウチ」と呼ばれるものですね。
上図はウェットフードの一例で、ほぐした魚の身にスープやジェル、ゼリーなどが混ぜられています。咀嚼力や消化能力が衰えた高齢猫でも問題なく食べられるでしょう。
ただし私たちの飼育経験上、「ウェットフードを与えすぎて、それしか食べなくなる子」もいました。ドライフードも組み合わせて、偏食が起こらないように注意しましょう。
フードを温めてから与えるのも有効です。たったこれだけで、猫の食欲を一気に高められることがあります。
知ってのとおり、猫が「食べるか食べないか」を判断する決め手は、美味しそうな匂いがするかどうか。つまり温めて湯気を出して、匂いを目立たせたら、喜んで食べるようになるかもしれません。
ドライフードは温まりにくいですか、ウェットフードならちょうどよい温かさになります。温め方は、レンジで数十秒から1分ほどチンするだけでかまいません。
ただし温めすぎると火傷の原因になるので、ほどよい温度で与えてあげましょう。
フードをふやかしてから与えると、すんなり食べてくれる場合もあります。これも、ドライフードが固くて食べられない場合に有効です。
やり方はいろいろありますが、フードの少量の水をかけてチンするのが楽です。これだけで食べやすくなり、また匂いもある程度立つようになります。
硬さが気に食わないようなら、フードをふやかしてみましょう。
高齢猫がご飯を食べない場合、嗜好性の高いトッピングを少量加えることで食欲が戻るケースがあります。
年齢とともに嗅覚が衰えるため、「おいしそう」と感じる刺激が足りなくなっている可能性があるからです。
たとえば以下のようなものが有効でしょう。
ポイントはあくまできっかけ作りとして使うこと。トッピングだけを選り好みしてしまう場合は、量を減らしたり、徐々に外したりして調整しましょう。
高齢猫がご飯を食べなくなったとき、意外と見落とされやすいのが、食器の高さや形状が体に合っていないケースです。
年齢を重ねた猫は、首や背中、関節に負担がかかりやすく、前かがみの姿勢そのものが苦痛になることがあります。その結果、空腹でも途中で食べるのをやめてしまうことも。
ポイントは、床に直接置く食器よりも、少し高さのある食器を使うこと。たったこれだけで首や背中への負担を軽減できるでしょう。以下のようなサイズ感がおすすめ。
出典:nekozuki
また、深すぎる器はヒゲが縁に当たりやすく、不快感から食欲を落とす原因になります。
したがって、広口で浅めのものを選ぶのもおすすめ。
また、食器が動いてしまうのも食べづらさにつながるため、滑りにくく、ある程度重みのある素材を選ぶと安心です。
高齢猫の場合、とりわけ静かに安心できる食事環境を整えましょう。
高齢猫は、若い頃よりも環境の変化や刺激に敏感になります。そのため、食事を与える場所が落ち着かないだけで、食欲が大きく低下してしまも。
テレビの音や人の出入りが多い場所、ほかの猫に見られたり邪魔されたりする環境では、安心して食事に集中できません。また、食事中に頻繁に声をかけられることや、トイレや騒音源の近くで食べることも、猫にとっては大きなストレスになります。
なるべく静かで、人の出入りが絡まない場所を食事場所にしましょう。そうすることで少しずつ食欲を取り戻す可能性が出てきます。
どうしても食べない、食欲が回復しないときは、強制給餌を試みる方法もあります。
これは、シリンジなどに流動状のフードや栄養食を入れ、少量ずつ口に入れて栄養を補給する方法。
市販の流動食や、ウェットフードをお湯で溶いたものを与えます。
こうすれば匂いを感じやすく、まだ喉にも通りやすくなります。また、消化の負担を減らせる、口内炎を避けられると言ったメリットも。
なお、考える人もいるでしょう。たしかに摂りたくもない栄養を無理に与えているので、猫にとって愉快な体験ではありません。
しかし実際のところ、猫に対する負担はそれほど大きくありません。
これは腎不全を患った猫に対し、強制給餌をおこなうようすです。このようにシリンジを使って液体を流し込むだけなので、それほど無理な行為ではありません。
高齢猫がご飯を食べないのは、重大な病気のサインかもしれません。特に以下の場合では重大な疾患や健康上の問題が疑われるため、できるだけすみやかに病院へ連れて行きましょう。
ポイントはやはり、食事を摂らずに過ごした時間です。丸一日食べなかったら、何かあると思ったほうがよいでしょう。そのほか嘔吐や水の多飲なども、何かのサインかもしれません。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、24時間以上ご飯を食べていないなら、病院へ連れて行ったほうがよいでしょう。
猫は人間と違い、頻繁な栄養補給が必要な生き物です。健康な状態であれば、1日数回は食事を摂るはず。
にもかかわらず24時間以上ご飯を食べていないなら、何らかの異変が起こっていると考えましょう。単なる風邪かもしれませんが、重大な口内炎をはじめ、内臓疾患などさまざまな病気にかかっている可能性があります。
丸1日ご飯を食べていないなら、かならず病院へ連れて行きましょう。
いちおう食べているとはいえ、食欲の減退が72時間以上続いたなら、病院へ連れて行くほうがよいでしょう。これは日本臨床獣医学フォーラムの声明にも記載されています。
72時間にもわたって食欲の減退が見られるなら、一時的な体調不良とは考えにくいでしょう。普段は楽しみな食事に意識が行かないほど、重大な変化があると考えられます。
また猫が肥満の傾向にある場合は、脂肪肝などの厄介な病気を発症するかもしれません。
さらには猫特有のウイルスに感染している可能性もあります。ともかく72時間も食欲不振があるなら、放置せずに病院へ連れて行きましょう。
食欲減退に嘔吐の症状がともなっている場合も、診察が必要です。
この場合は胃腸炎や胃潰瘍、腸閉塞や誤飲など、さまざまな病気やトラブルが考えられます。
通常、猫が吐くのは珍しい話ではありません。猫草や毛玉を体から排出するため、あえて嘔吐する修正があります。
問題は嘔吐したあとも、食欲が戻らなかったり、引き続き吐き戻したりするケース。これは健康な状態ではないので、獣医師に診てもらう必要があるわけです。
ちなみに朝日新聞傘下のペットメディア「SHIPPO」によれば、嘔吐があった際、以下のように対処するのがよいとのこと。

(引用:SHIPPO)
今後のことも考えて、上のチャートを保存しておくとよいでしょう。
特に診察を急いだほうがよいのが「水だけは異常なほど飲んでいる場合」です。このケースでは、猫が発症しやすい重大な病気、腎不全が疑われるからです。

(引用:宝塚まりも動物病院)
宝塚まりも動物病院によれば、腎不全のステージ2で多飲多尿が、ステージ3で食欲不振が見受けられるそうです。となると、その子はステージ2と3の状態にあるかもしれません。
なお腎不全は、ステージ4を迎えると余命宣告を受ける可能性もある重大な病気です。そうならないように、異変に気づいたらすぐさま病院に連れて行きましょう。
本記事では、高齢猫がご飯を食べない問題に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
ストレスによる食欲の減退に関しては多くに人が疑問を持っているようです。その点に関して回答します。また、強制給餌や猫の寿命などのトピックにも触れているので、参考にしてください。
おやつやチュールしか食べない場合は、何とかしてキャットフードを食べさせるのが重要です。そうでなければ栄養バランスが乱れたり、カロリーオーバーしたりする可能性があるからです。
先ほど触れたように、キャットフードをふやかすなどして、食べるように誘導してみましょう。
またドライフードは食べなくても、ウェットフードなら食べることもあります。まだ与えたことがないなら、一度試してみましょう。
食べなくなった猫の寿命を一概に断言することはできません。
ただ、「一口も食べない、水さえまともに飲まない」という状態なら、早ければ数日、長くても数週間ほどが余命となるでしょう。
しかし猫は、余命宣告をひっくり返して長生きすることもある生き物です。
うちの猫、残り2週間という末期癌の余命宣告を受けてからもう既に7ヶ月も生き延びている。
「もうすぐ死んじゃうならおいしいご飯をあげよう…」と餌代を奮発した直後からめっちゃ盛り返して生き延びている。
死に目には会えないかもしれないけど、たくさん食べてまだまだ長生きしてくほしい。
— 逮捕される人 (@pig_box_) September 27, 2023
余命わずかと言われても、できる限りのケアを施すことで、復活する可能性もあります。
老衰で食べなくなった場合は「無理に食べさせること」よりも「苦痛を減らし、穏やかに過ごせる環境づくり」を最優先に考えます。
具体的には、静かで安心できる場所を用意し、体温が下がらないよう毛布などで保温し、水分だけは舐められる範囲で補助します。
撫でる、声をかけるなど、猫が落ち着く関わり方を心がけることも大切です。
最期の時間をどう過ごさせてあげるかを考え、猫の尊厳と安らぎを守ることが、老衰期の看取りにおいて最も重要なポイントとなるでしょう。
本記事では高齢猫がご飯を食べない理由や、その対策に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
猫が高齢化すると、食事のスタイルも変化します。食欲がなくなったり、硬いままでは食べられなくなったりします。
また高齢がゆえに、腎不全をはじめとした病気を抱え、それが食欲不振として現れている可能性もあります。それが疑われる場合は、とにかく病院に連れていくようにしましょう。
重い病気でも、早期発見すればさほど問題にならずに済むこともあります。とにかく悩んだら診察してもらうことを推奨します。
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