40歳まで猫を飼ってはいけない理由は?一緒に暮らす本当のメリット

  • 「40歳まで猫を飼ってはいけないって本当?」
  • 「猫を飼うと結婚できなくなるの?」
  • 「高齢になってから猫を飼っても大丈夫?」

こうした疑問を抱えている方もいるかもしれません。

「40歳まで猫を飼ってはいけない」根拠はありません。

これは、作家・松原惇子氏のエッセイに登場するフレーズで、もう少し深い意味があります。

今回は、「40歳まで猫を飼ってはいけない」という言葉の真意や、実際に40歳以降に猫を飼うメリット、高齢者が猫を迎えるときのポイントを詳しく解説します。

猫との暮らしを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

40歳まで猫を飼ってはいけない理由とメリット

「40歳まで猫を飼ってはいけない」という言葉は、先述の松原惇子氏が30代のころに先輩女性からかけられた言葉が由来です。

猫と暮らし始めると、猫に夢中になって恋愛や結婚への意欲が薄れてしまう。結婚の可能性がある年齢のうちは我慢しなさい、という意味が込められていました。

本当に40歳から猫を飼ってはいけないわけではなく、松原氏の先輩が面白おかしく、猫の魅力を恋愛や結婚を踏まえて表現したわけです。

実際に、40歳を過ぎてから猫を迎えることには多くのメリットもあります。ここでは6つのメリットを紹介します。

  • 日々の生活に安心感と落ち着きをもたらしてくれる
  • 孤独感や不安感がやわらぎ、心の支えになる
  • 生活リズムが整い、規則正しい暮らしにつながる
  • 小さな変化に気づく習慣が身につく
  • 命と向き合うことで、責任感や思いやりが育つ

恋愛や結婚はさておき、主だったところでもこれだけのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

日々の生活に安心感と落ち着きをもたらしてくれる

猫がそばにいるだけで、毎日の暮らしに安心感が生まれます

ひとり暮らしの場合はとくに、この感覚が大きな支えになるでしょう。

また、猫は基本的に穏やかな動物なので、静かに寄り添ってくれる時間を過ごせます。猫がいることで、辛い時期を乗り越えられたと語る人も少なくありません。

40歳を過ぎると仕事や人間関係でストレスを抱えやすい時期です。猫との穏やかな時間が、心のバランスを整えてくれます。

孤独感や不安感がやわらぎ、心の支えになる

猫と暮らすことで、孤独感や不安感がやわらぐ効果が期待できます。猫と触れ合うと「オキシトシン」というホルモンが分泌されるためです。

オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスや不安をやわらげる働きがあることで有名。

たとえばひとり暮らしの方や、子どもが独立した後の夫婦にとって、猫は大切な家族になります。

話しかけたり、なでたりするだけで心が満たされる。「うちに帰れば猫がいる」という安心感が、日々の心の支えになるでしょう。

生活リズムが整い、規則正しい暮らしにつながる

猫を飼うと、自然と生活リズムが整いやすくなります。

猫は毎日決まった時間にごはんを欲しがるため、飼い主の起床時間や就寝時間も安定しやすくなるでしょう。

また、トイレの掃除や水の交換など、毎日やるべきことが生まれます。この「やるべきこと」があることで、だらだら過ごしてしまう日が減ります。

規則正しい生活は健康維持にもつながります。猫のおかげで、自分自身の生活も整えられる点は大きなメリット。

ちなみに、飼い主の生活リズムに合わせてくれる猫もいます。その場合も猫はある程度規則正しい生活をするので、リズムを掴みやすいでしょう。

小さな変化に気づく習慣が身につく

猫と暮らすと、小さな変化に気づく力が養われます。猫は体調が悪くても、それを隠そうとする動物です。

そのため飼い主は、食欲・排泄・毛並み・行動パターンなど、日頃から細かく観察する必要があります。この習慣が身につくと、自分自身や周囲の人の変化にも敏感になれます。

「いつもと違うな」と感じる力は、健康管理や人間関係にも役立つでしょう。

命と向き合うことで、責任感や思いやりが育つ

猫を飼うことで、命に対する責任感や思いやりの気持ちが育ちます。

猫は15年から20年ほど生きる動物。なかには25年ほど生きる長寿の猫も。

その間、ごはん・トイレ・健康管理など、すべてを飼い主が担います。「この子の命を預かっている」という自覚が、自然と責任感を育てます。

また、猫が病気になったときや老いていく姿を見守ることで、命の大切さを実感できます。この経験は、人に対する思いやりや優しさにもつながりうるでしょう。

飼い主本人のみならず、子どもに命の大切さを教育する絶好のチャンスにもなるでしょう。

高齢者が猫を飼い始めるときのポイント

先述のとおり、40歳あたりから猫を飼い始めることには、さまざまなメリットがあります。

ただし、40歳以降に飼育を始めるとなると、いくつか理解しておくべきポイントが出てきます。とくに60代・70代で猫を飼い始める場合は、より一層ポイントを理解し、それにしたがって準備するのが大切。

以下の点をおさえておけば、無理な猫を飼い始められるでしょう。

  • 無理のない世話ができるか、体力と生活リズムを確認する
  • 通院や災害時を想定し、預け先や引き取り先を考えておく
  • 段差や滑りを減らし、猫と人の両方が安全な環境を整える
  • 医療費やフード代など、継続的な費用を見積もっておく
  • 年齢や性格が落ち着いた猫を選択肢に入れる
  • かかりつけの動物病院を事前に決めておく

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

無理のない世話ができるか、体力と生活リズムを確認する

まずは、自分の体力や生活リズムで猫の世話ができるかを確認しましょう。

猫の世話には、毎日のごはんやり、トイレ掃除、ブラッシングなどがあります。

犬のように散歩などは必要ありません。しかし、上記を毎日続ける必要があり、これには相当の負担があるでしょう。

たとえば腰や膝に痛みがある場合、床に置いたトイレの掃除が負担になるかもしれません。

このようなことがあっても、無理なく世話をできるか、まずは考える必要があります。そして、「今後、飼い主自身の体力が低下したとしても、飼育に問題がないか」という長期の目線で考えるのも大切。

また、仕事や結婚などで生活リズムが変化しないか検討する必要もあります。

通院や災害時を想定し、預け先や引き取り先を考えておく

万が一のときに猫を預けられる人や場所を、事前に決めておくことが大切です。

飼い主が入院したり、施設に入ることになったり場合、猫の世話をしてくれる人が必要になります。

家族や親戚、信頼できる友人に相談しておくと安心できるでしょう。

最近は「ペット信託」などのサービスも増えています。

ペット信託とは、飼い主に何かあったときに信託財産で猫の世話を続けてもらう仕組みです。災害時の避難先でペットを受け入れてもらえるかも、事前に確認しておきましょう。

また、動物愛護団体などの存在を把握し、万が一の場合に引き取ってもらうなどの方法も考えておけば盤山です。

段差や滑りを減らし、猫と人の両方が安全な環境を整える

猫を迎える前に、家の中の環境を見直しておきましょう

たとえば、以下の点には注意する必要があります。

  • 玄関や廊下の段差にスロープを設置する
  • フローリングに滑り止めマットを敷く
  • キャットタワーは掃除しやすい高さを選ぶ
  • 電気コードにカバーをつけて感電を防ぐ
  • 落下しやすい小物や割れ物を片付ける

猫との暮らしでは、さまざまな要素がケガなどの原因になりえます。飼い主自身も世話をするなかで、転倒したり、どこかをぶつけたりするかもしれません。

だからこそ、上記のように環境を整える必要があります。

「猫のため」と「自分のため」の両方を考えた環境づくりを心がけてください。

より詳しい環境の整え方は、「」で解説しているので参考にしてください。

医療費やフード代など、継続的な費用を見積もっておく

猫を飼うには、毎月の費用と突発的な出費の両方を考えておく必要があります。

毎年の調査方式や、フードの価格変動などにも左右されますが、一般的な飼育費用の目安は以下のとおりです。

項目 費用の目安
フード代 月3,000〜5,000円
猫砂・トイレシート 月1,000〜2,000円
定期的なワクチン接種 年5,000〜8,000円
健康診断 年5,000〜10,000円
病気やケガの治療 1回数千円〜数万円

とくに高齢猫になると、慢性腎臓病(腎臓の機能が徐々に低下する病気)など継続的な治療が必要になるケースもあります。ペット保険への加入も検討してみてください。

年齢や性格が落ち着いた猫を選択肢に入れる

高齢者が猫を迎えるなら、成猫や高齢猫を選ぶのもひとつの方法です。

子猫は元気いっぱいで走り回るため、世話に体力が必要です。また、いたずらも多く、目を離せない時期が続きます。一方、成猫(1歳以上)や高齢猫は性格が落ち着いており、生活ペースも緩やか。

このように、のんびりとした活動になります。

さらに、高齢猫の場合は「飼い主が先に死去する可能性」が低いため、置き去りにされにくい点も挙げられます。

保護猫施設では、性格がすでにわかっている成猫を譲り受けられるため、相性を確認しやすいメリットもあります。

「残りの猫生を一緒にのんびりと過ごす」という気持ちで、成猫を家族に迎える選択肢も検討してみましょう。

とはいえ、子猫から成猫へ成長を遂げる姿を見届けることに価値を見出す人もいます。このあたりは、自身の体力や性格に鑑みたうえで判断しましょう。

かかりつけの動物病院を事前に決めておく

猫を迎える前に、近所の動物病院を調べておくと安心です。病院によって診療時間や得意分野、料金体系が異なります。

自宅から通いやすく、緊急時にも対応してくれる病院を見つけておきましょう。

可能であれば、24時間いつでも緊急搬送できる動物病院がのぞましいです。

猫を迎えたら、まずは健康診断を受けて、かかりつけ医との関係を築いておくとよいでしょう。

飼い主の年齢と猫との暮らしに関するよくある質問

最後に、飼い主の年齢と猫との暮らしに関するよくある質問にお答えします。疑問をお持ちの方は参考にしてください。

  • 猫を飼ってはいけない人の特徴とは?
  • 猫を飼う最後の年齢は何歳?
  • 猫が来ても綺麗な家を保つには?

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

猫を飼ってはいけない人の特徴とは?

猫を飼うのに向いていない人の特徴として、以下が挙げられます。

  • 長期間家を空けることが多い
  • 経済的な余裕がない
  • 動物アレルギーがある
  • 自分のペースで生活したい
  • あまり猫が好きではない

これに複数該当する場合は、飼ってはいけないとは言えないまでも、飼育するかどうかはより慎重に判断する必要があります。

猫を飼う最後の年齢は何歳?

明確な上限はありませんが、保護猫団体では60〜65歳を目安にしているところが多いです。

特に子猫を迎える場合、飼い主が75〜80歳になるまで世話を続ける計算になるため、特に譲渡に関しては慎重です。このことからも、60〜65歳あたりが、最後のチャンスと考えられるで絵しょう。

一方で、成猫や高齢猫を引き取る場合は、70歳以上でも譲渡が認められるケースもあります。すでに猫が年齢を重ねているなら、もう少し飼育のスタートが遅くても問題ないでしょう。

猫が来ても綺麗な家を保つには?

猫を飼っても綺麗な家を保つには、日頃からこまめな掃除を心がけることが大切です。特に抜け毛のケアは重要。

抜け毛対策として、毎日のブラッシングが効果的。これだけで、かなり綺麗な状態を保てます。

また、多くの家庭で心配される「爪とぎで壁や家具が傷つく」トラブル防ぐには、爪とぎ用ソファなどのグッズを複数の場所に設置するのがおすすめ。

出典:Amazon

なお、ロボット掃除機や空気清浄機を活用すると、高齢者にとって重大な掃除の負担を減らせます。

まとめ

本記事では、「40歳まで猫を飼ってはいけない理由」や、40歳以降に猫を飼うメリット、高齢者が猫を迎えるときのポイントについて解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。

  • 「40歳まで猫を飼ってはいけない」は結婚に集中すべきという考えから生まれた言葉
  • 40歳以降に猫を飼うと安心感や心の支えが得られるメリットがある
  • 高齢者が猫を飼う場合は預け先や費用の準備が大切
  • 成猫や高齢猫を選ぶと飼育の負担を減らせる
  • かかりつけの動物病院を事前に決めておくと安心

猫との暮らしは、年齢に関係なく多くの幸せをもたらしてくれます。ぜひ事前の準備を整えたうえで、猫との生活を楽しんでみてください。

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