2025.12.27

このような不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
猫は、人間と同じく、加齢によって体の機能が少しずつ衰えていくもの。
そして前兆を知っておけば、愛猫の変化に早く気づき、適切にケアできます。
本記事では、猫の老衰の前兆や飼い主ができること、長生きしてもらうためのポイントを詳しく解説します。
シニア期を迎えた愛猫と暮らす方は、ぜひ参考にしてください。
猫の老衰とは、年を重ねることで体を構成する細胞や組織が機能を維持できなくなり、自然に死を迎える状態を指します。人間の老衰と比較して、違いはありません。
猫は人間よりも早く年を取ります。15歳の猫は人間でいうと76歳、16歳で80歳に相当します。すなわち、一般的には15歳前後で老衰が始まるといえるでしょう。
老衰時には特有の体調・行動の変化があり、これを理解するのが適切なケアのスタートです。主なポイントとして以下が挙げられます。
それぞれを理解し、老衰後のケアにつなげましょう。
まず、睡眠時間が長くなる一方、運動時間が減少します。
本日も死んだように眠る保護猫ちゃん。寝る、食べる、トイレ。これ以外の行動はほぼしない猫ちゃん。高齢猫はどの猫ちゃんも一緒ですか?#保護猫 #ねこの居眠り #猫 #睡眠 pic.twitter.com/9p9U5VWypW
— 堺市北区の不動産屋さん (@nZPSgo2iBLbt2nW) February 11, 2023
猫はもともと1日16〜20時間眠る動物ですが、老衰が進むとさらに眠る時間が増えます。食事やトイレの時間になっても起きてこないことがあるでしょう。
筋力が落ちるため運動能力も低下し、高い場所への昇り降りを嫌がったり、ジャンプを避けたりになります。
じゃれたり、パトロールに出かけたりする頻度も落ちるでしょう。
なお、年齢とともに運動量が減るのは自然なことですが、急激な変化がある場合は病気が隠れている可能性もあります。この場合は老衰だと判断せず、動物病院で診察を受ける必要があるでしょう。
進行度によっては、走る・歩くなどの基本的な運動ができなくなるかもしれません。
老衰が進むと、筋力低下や関節の炎症により歩くことが難しくなります。後ろ足を引きずる、立ち上がりに時間がかかるなどの症状が現れるでしょう。
また、運動不足によって、これまでは心配する必要のなかった疾患が現れることも。
走らなかったり、歩きづらかったりしているなら、多くの場合で老衰が進行していると言えるでしょう。
老猫になると毛からツヤが失われ、パサパサした質感になることがあります。
主な原因は加齢による消化機能の低下で、栄養素をうまく吸収できなくなるためです。
また、関節の痛みにより体をひねる姿勢が難しくなり、毛づくろいの回数が減ることも原因のひとつ。
背中や後ろ足など手が届きにくい部分の手入れが行き届かなくなります。
猫の毛ヅヤは健康状態を測るバロメーターです。日頃からよく観察してあげましょう。
老化が進むと消化機能が低下し、運動量も減るため、食欲が落ちていきます。
嗅覚や味覚の衰えも食欲低下の原因となります。
食欲が落ちると必要な栄養が不足し、筋肉が減ったり免疫力が下がったりします。その結果、体のさまざまな機能が衰え、異様に痩せてしまうケースも。
食事や水を口に入れても飲み込まなくなると、老衰が近いサインとされています
特に、急激な体重減少には注意が必要です。
猫にも人間のアルツハイマー病に似た症状が現れることがあります。「認知機能障害症候群」と呼ばれ、脳の働きが衰えて行動に変化が出る状態です。
早ければ10歳頃から兆候が見え始め、これまでのように賢く機敏に活動できなくなることも。
11〜14歳の猫の約35%、15歳以上の猫の約50%に何らかの行動変化が見られるとされています。主な症状は以下のとおりです。
これらの症状の完治が難しいですが、早めに気づいて適切なケアをすれば、症状の進行を遅らせられる可能性があります。
老衰に対する根本的な治療法はありません。しかし、老衰と思われた症状が実は治療できる病気だった、というケースもあります。
たとえば、皮下点滴や強制給餌などで栄養を得て、一時的ながら老衰前に近い活動量を示すことがあります。
また、復活とはいかなくとも、老衰の進行を遅延させ、長らく生きるケースも少なくありません。
寿命自体は避けられませんが、老衰の進行度自体は、ある程度努力でカバーすることが可能です。
老衰が近づいた愛猫に対して、飼い主ができることはたくさんあります。快適に過ごせる環境を整え、穏やかな時間を一緒に過ごしましょう。
これらのポイントをおさえておけば、十分なケアを実施できます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
老猫の運動能力低下に合わせて、生活環境を整えてあげましょう。キャットタワーは高さを低くしたり、ステップを増やしたりしてジャンプの負担を減らします。
また、フローリングなど滑りやすい床には滑り止めマットやカーペットを敷くと、転倒を防げます。

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家具の配置を急に変えないことも大切です。老猫は家の配置をある程度記憶しており、急な変更は怪我の原因になるでしょう。
運動能力の低下度合いに合わせて、生活環境を再度整備しましょう。
老猫の移動負担を減らすため、トイレ・寝床・食事場所を近くに配置しましょう。
トイレ、は縁が低く出入りしやすいものに変えると安心です。
複数階の家では各階にトイレを設置し、移動距離を短くします。食器は少し高い位置に置くと、前かがみの姿勢が楽になります。
水飲み場も増やして、いつでも新鮮な水を飲める環境を整えましょう。寝床は暖かく静かな場所に置き、クッション性のある素材で体への負担を軽減してあげるのもよいでしょう。
猫がまだ元気なうちに、介護や終末ケアについて家族で話し合っておくことをおすすめします。
寝たきりになった場合に備えて、以下のような準備を検討しましょう。
延命治療を実施するか、最期を自宅で迎えるか病院で迎えるかなども事前に考えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
また、老猫ホームへの入居を検討してもよいでしょう。
老猫ホームは、高齢猫が快適に暮らすための介護施設と考えて差し支えありません。
高齢でも不自由なく暮らせる設備が整っており、面会に訪れることも可能です。
利用を検討している方へ向けて、各地域での主要な老猫ホームの施設情報を紹介します。
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都道府県 |
施設名 |
所在地 |
電話番号 |
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北海道 |
北海道釧路市春日町3-6 |
0154-64-1385 |
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群馬県 |
群馬県前橋市南町4-39-5 |
027-226-1219 |
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茨城県 |
茨城県つくば市沼田579 |
029-886-3601 |
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東京都 |
東京都大田区大森南1-23-5 |
0120-22-4205 |
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東京都 |
東京都町田市金井1丁目41-9 |
042-370-0778 |
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千葉県 |
千葉県柏市しいの木台5-29-2 |
080-4151-7730 |
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埼玉県 |
埼玉県加須市久下5-316-1 |
0480-37-8102 |
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大阪府 |
大阪府茨木市竹橋町8-12 |
072-646-8251 |
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大阪府 |
大阪府大阪市都島区都島南通1-20-9 |
06-6921-0590 |
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京都府 |
京都府亀岡市西別院町犬甘野泓38 |
0120-732-303 |
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広島県 |
広島市安佐北区落合南1丁目11-18 |
082-842-7002 |
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福岡県 |
福岡県北九州市門司区高田1丁目2-25 |
093-980-6537 |
老猫には年齢に合ったフードへの切り替えが必要です。シニア向けフードは消化しやすく、必要な栄養素がバランスよく含まれており、健康状態の維持に役立ちます。
以下のように年齢が記載されているものがおすすめ。

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ドライフードをぬるま湯でふやかしたり、ウェットフードに切り替えたり水分を多く摂れるようにするのもよいでしょう。
なお、高齢猫がかかえがちな腎臓病を患っている猫には、タンパク質とリンを制限した療法食が推奨されます。
慢性腎臓病は高齢猫に多く、15歳以上の猫の約81%がかかるとされています。獣医師の指導のもと、適切な食事管理を行いましょう。
老猫の変化が老化によるものなのか、病気によるものなのかを自分で判断するのはむずかししいものです。シニア期に入ったら、少なくとも年2回は健康診断を受けましょう。
血液検査や尿検査により、以下のような病気を早期発見できます。
慢性腎臓病は初期には症状が現れにくいですが、SDMA検査(腎臓の働きを早期に調べる血液検査)などで早期発見が可能です。
早期発見・早期治療により、老衰後であっても猫の生活の質を長く維持できる可能性が高まります。
老猫との残された時間を大切にし、できる限り愛情を注ぎましょう。老衰が近づくと性格が変わることがあり、甘えん坊になったり、逆に距離を置くようになる場合があります。
猫の様子をよく観察し、望むスキンシップの量や方法を尊重してあげてください。優しく体をマッサージしてあげると、血行促進やリラックス効果があり、痛みの軽減にもつながります。
日頃からこまめにコミュニケーションを取ることで、小さな変化にも気づきやすくなります。愛猫との思い出を写真に残すといった取り組みもよいでしょう。
これは猫の精神状態を安定させるだけでなく、飼い主のペットロスを緩和する効果もあります。
老化による衰えを完全に防ぐことは難しいですが、衰えの進行を遅らせることは可能です。以下のポイントを意識して、愛猫の健康を守りましょう。
若い頃からの健康管理を続け、シニア期に入ったら特に注意深く変化を観察するのが大切です。
先述のとおり、猫のライフステージに合わせたフード選びが健康維持の基本です。
基本的にフードの種類は年齢によって区分されます。猫の好みや値段の問題もありますが、対象年齢に合ったものを与えるのが基本。

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また、腎臓病のケアに向いているもの、肥満防止を目的としたフードもあります。状況に応じてこれらを与えるのも有効です。
シニア期(7歳頃〜)に入ったら、シニア用フードへの切り替えを検討しましょう。
完全室内飼育は猫の寿命を延ばす重要な要因です。調査によると、完全室内飼育の猫の平均寿命は16歳前後であるのに対し、屋内外を行き来する猫は14.2歳ほどと約2年の差があります。

外出することで以下のようなリスクにさらされます。
猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などの感染症は、外出する猫に多く見られます。
しかし、室内飼育でも十分な運動と遊びの機会を提供すれば、猫は健康で充実した生活を送れます。
慢性腎臓病は高齢猫に最も多い病気のひとつです。10歳以上の猫の30〜40%、15歳以上の猫の約81%がかかるとされています。
初期症状として以下のようなものがあります。
症状が現れるころには腎機能の半分以上が失われていることも。
ほかにも甲状腺機能亢進症、糖尿病、心臓病、関節炎、歯周病など高齢猫に多い病気があります。
これらが重態化すると、老衰や早期の死亡につながりかねません。
日頃から水を飲む量や食欲、体重の変化を観察し、異変に気づいたらすぐに受診しましょう。
シニア期(7歳以上)に入る前の時期でも、定期的な健康診断を受けるのがおすすめ。
血液検査や尿検査で、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などを早期に発見できます。
先述のSDMA検査は従来の検査より早い段階で腎機能の低下を見つけられます。
腎臓は、猫にとってもっとも傷めやすい臓器。これを見つけるためにも、健康診断は有効です。
また、ちょっとした違和感を「年のせい」と見過ごさないのも大切。それらを発見したら、健康診断の時期でなくとも、動物病院での診察を受けるのがおすすめ。
猫にとってストレスは免疫力低下や病気の悪化につながります。静かで安全な休息場所を確保し、急激な環境変化を避けましょう。
特に認知機能が低下している猫には、以下のような配慮が必要です。
適度な刺激も重要で、パズルフィーダー(遊びながら食事できる知育玩具)などは脳の活性化に効果があるとされています。
人間で言うところの「ボケ防止」に役立つでしょう。
また、温かい寝床、清潔なトイレ、新鮮な水と食事へのアクセスなどの基本的な配慮も欠かせません。
この記事では、猫の漏水に関して解説しました。
最後に、よくある質問にお答えします。疑問をお持ちの方は参考にしてください。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
老衰末期の猫には複数の変化が見られます。
身体面では極度の衰弱、食欲と水分摂取の完全な喪失、体温の低下、呼吸の変化、失禁などがあります。これまでと比較して大きな変化であるため気がつきやすいでしょう。
行動面では隠れようとする、周囲への反応が鈍くなる、目がうつろになるなどの変化が見られます。
最期はかならずしも静かに眠るようではなく、痙攣や呼吸困難を伴う場合もあります。
なお、これらの変化は治療できる病気でも見られるため、獣医師に相談して適切な対応を判断してもらいましょう。
老衰には複数の前兆があります。
などが代表的な前兆です。
また、性格の変化として甘えん坊になったり、距離を置くようになったりすることも。
ただし、老衰ではなく治療できる病気の症状である可能性もあるため、自己判断せず獣医師に相談してください。
看取り方は事前に家族で話し合っておくのが大切です。主な検討事項として、延命治療を行うかどうか、最期を自宅で迎えるか病院で迎えるかといった点が挙げられます。
また、安楽死という選択肢に関しても一考の余地があるでしょう。
自宅での看取りを選ぶ場合は、静かで暖かい場所に寝床を用意し、傍に寄り添う時間を大切にしましょう。
亡くなった後の埋葬方法(ペット霊園での火葬、自宅での埋葬など)も事前に調べておくと安心です。
本記事では、猫の老衰について解説しました。最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
猫の老衰は避けられないものですが、適切なケアで穏やかな時間を過ごせます。ぜひ愛猫との残された時間を大切に、最大限の愛情を注いであげてください。
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