- 「自分が入院したら、猫はどうなってしまうのだろう」
- 「一人暮らしなので、もしものときに猫を託せる人がいない」
- 「飼い主が亡くなったあと、猫が保健所に送られるのは避けたい」
このような不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
そのような飼い主のために、「ペット後見」と呼ばれる制度があります。
これを利用すれば、飼い主に万が一のことがあっても、猫の生活を保証することが可能。
本記事では、ペット後見の内容や料金・メリット、入会の手順、ペット後見以外の選択肢まで詳しく解説します。猫の将来が心配な方は、ぜひ最後までご覧ください。
ペット後見の概要・料金・メリット

ペット後見とは、「飼い主が入院や死亡などで猫を世話できなくなったときに備える、仕組みもしくは団体」を意味します。
飼い主が入院したり、急に亡くなったりしたとき、猫がそのまま取り残されてしまうケースがあります。
ペット後見はそうした事態を防ぐために、あらかじめ飼育費用・引き取り先・見守り体制の3つを整えておくもの。
また、新しい里親を探したり、入居する老猫ホームを探したり、施設内で引き取ったり、とにかく何らかの形で世話をしてくれる人を見つけてくれます。
ここではさらに、ペット後見の料金やメリットを解説します。
ペット後見にかかる料金の目安
ペット後見の費用は、サービスの種類によって大きく異なります。
代表的な互助会「ペット後見互助会とものわ」を例にすると、以下の費用がかかります。
ペット信託を利用する場合は、初期費用が15万円前後、年間の管理費が20〜30万円程度かかる傾向があります。
この金額は、家庭によっては大きな負担となるでしょう。それだけに、メリットとデメリットと、料金を比較したうえで、利用の可否を判断する必要があります。
ペット後見のメリットは備えと安心感
ペット後見の主なメリットは以下のとおりです。
特に一人暮らしの方や高齢の飼い主にとって、ペット後見は非常に心強い備えになるでしょう。
また、後見人がいることで、飼い主自身が大いに安心できるのも重要なポイントです。
ペット後見のデメリットは費用とエリア制限
ペット後見のデメリットとして費用と対応エリアの制限の存在があげられます。
互助会を利用する場合、入会から終生飼育費まで含めると100万円以上になることがほとんど経済的に余裕がない飼い主には、現実的でないこともあります。
また、対応できるエリアが限られており、地方在住の方は近くに連携事業者がいない場合もあります。
注意点として、以下の点も押さえておきましょう。
- 実際に施設を見学し、スタッフと話してから契約する
- 費用の支払いに問題がないかよく考える
- 判断能力が低下してからでは契約が難しくなるため、元気なうちに動き始める
「まだ早い」と思っているうちに手続きができなくなるケースもあります。早めに情報を集めておくことが大切です。
ペット後見に入会する5つのステップ
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ペット後見への入会は、いくつかの手順を踏んで進めていきます。
流れは以下のとおりです。
- ステップ1:後見サービス・団体を探す
- ステップ2:施設を見学・スタッフと話す
- ステップ3:契約内容・費用を確認する
- ステップ4:飼育費用を準備する
- ステップ5:緊急連絡網とエンディングノートを整備する
なお、基本的に「お客様」の扱いになるため、後見サービス側からは手厚く対応してもらえるでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
ステップ1:後見サービス・団体を探す
まずは、自分の住んでいる地域で対応できる団体を探すことから始めましょう。方法は大きく分けて3つあります。
- ペット後見.jpを利用する
- 普段からお世話になっているサロンや動物病院に聞いてみる
- NPO法人・動物愛護団体に相談してみる
ペット後見.jpでは、全国の連携事業者、つまりペット後見サービスを地域ごとに検索できます。
出典:ペット後見.jp
もしお世話になっているトリミングサロンや動物病院があれば、紹介してもらえないか聞いてみる方法もあります。
さらに、NPO法人や動物愛護団体を通じても、有力なペット後見を教えてもらえるかもしれません。
まずは複数の候補をリストアップし、比較してみることをおすすめします。
ステップ2:施設を見学・スタッフと話す
候補が絞れたら、実際に施設を訪れて確認することが大切。引き取られたペットがどのように育てられるのか、スタッフにはどのような人がそろっているのかは特に重要。
それを踏まえて、見学では、以下の点を確認しておくと安心です。
- 施設の清潔さや猫の飼育環境
- スタッフの対応や動物への接し方
- 緊急時の対応体制
- 普段の飼育方針や医療対応の考え方
初回相談を無料で受け付けている団体も多いので、まずは気軽に連絡してみましょう。
なお、遠いところにある施設は、いざというときに猫の状況を確認しにくくなります。できるだけ生活圏内、少なくとも1〜2時間以内でアクセスできる場所を選ぶとよいでしょう。
なお、ペット後見互助会であれば以下の紹介動画があります。
ステップ3:契約内容・費用を確認する
見学・相談を終えたら、契約書の内容を細かく確認しましょう。重要なのは以下3点です。
- 入会金・月会費・終生飼育費用の内訳
- 猫が先に亡くなった場合の費用の扱い
- 途中解約したときの対応
ペット後見の利用では、数十万円単位のお金が動き、契約書を締結すると簡単には返金されません。したがって、この段階でサービス内容と契約内容に相違がないかきちんと確認しましょう。
納得がいくまで質問し、複数の団体を比べたうえで判断することをおすすめします。
ステップ4:飼育費用を準備する
契約が決まったら、実際に飼育費用の準備方法を選びます。
これは、実際にペット後見を利用する際、猫の世話をする人に託す資金です。
といっても、貯金して蓄えるものではありません。以下の方法で、確実に後見人に信託する必要があります。
- 遺言|負担付遺贈を使って費用を渡す
- ペット信託(民事信託)|生前から費用を預けておき、逝去後に費用を渡す
- 生命保険信託|死亡保険金を飼育費として指定の団体に渡すように準備する
- 事前振込|あらかじめ費用を振り込んでおく
いずれの方法でも問題なく飼育費用を渡せます。
ただし、認知症の進行や生命保険の契約状況、相続の混乱によって、スムーズに決断できないことも。この点は飼い主自身の状況に応じて、適切な方法を考案する必要があります。
どのようにしてお金を渡すのか、必要であれば行政書士やファイナンシャルプランナーに相談するのがよいでしょう。
なお、ペット信託には以下の動画をぜひ参考にしてください。
あわせて読みたいペット信託とはどのような契約?概要や費用・手続きの方法を解説「飼い主が亡くなったあと、うちの子はどうなるの?」 「ペット信託とはどのような信託か」 「信頼できる人にペットを託したいけど、トラブルにならないか心配」 こ…
ステップ5:緊急連絡網とエンディングノートを整備する
費用の準備が整ったら、最後にいざというときの連絡体制を作りましょう。
飼い主に何かあったとき、誰かがすぐに気づいて猫を保護できる仕組みが必要です。後見人・かかりつけ動物病院・信頼できる知人の連絡先をまとめた緊急連絡カードを作り、財布や目立つ場所に入れておくと安心。
エンディングノートには、以下の情報を記録しておきましょう。
- 猫の名前・年齢・既往歴
- かかりつけ動物病院の連絡先
- 好きな食べ物・性格・日常のルーティン
- 後見人や引き取り先の連絡先
引き継ぎのときに役立つ情報をまとめておくことで、猫が新しい環境でも安心して暮らしやすくなります。
ペット後見以外に面倒を見てくれる人を見つける方法

ペット後見は、飼い主に万が一の事態があっても、
ペット後見への入会が難しい場合でも、猫の将来を守る方法はほかにもあります。
主な選択肢は以下のとおりです。
- 家族・友人・知人に頼む
- 遺言書・負担付遺贈を活用する
- ペット信託を利用する
- 老猫ホーム・保護施設に預ける
- NPO・動物愛護団体に相談する
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
家族・友人・知人に頼む
費用をかけずにできる方法として、信頼できる身近な人に頼む方法があります。
ただし、口約束だけでは、いざというときに断られてしまうリスクがあります。事前に飼育費用の負担方法や、世話の具体的な内容について話し合い、できれば書面に残しておくのが大切。
頼む相手を決めるときは、以下の点も確認しておきましょう。
- 住んでいる部屋がペット可かどうか
- 相手の健康状態や年齢
- アレルギーの有無
一人だけに頼みすぎず、第二候補まで決めておくとより安心です。ペット後見と組み合わせて、バックアップとして家族・知人の協力を得る方法も有効でしょう。
遺言書・負担付遺贈を活用する
「負担付遺贈」とは、財産を渡す条件として猫の世話をお願いする遺言の方法です。
遺言書に「猫の飼育を条件として○○万円を渡す」と明記することで、引き取り先の確保と費用の手当てを同時に行えます。財産を受け取る相手は、個人でも法人でもかまいません。
ただし、受け取る側が拒否できる点がデメリットです。事前に相手の同意を得なければいけません。ただし、公証役場で「公正証書」として作成しておくと、遺言が確実に実行されやすくなります。
なお、この方法は飼い主の死亡後に効力が生じます。認知症など生前の判断能力の低下には対応できないため、別途信託契約などと組み合わせる必要があります。
ペット信託を利用する
ペット信託とは、猫の飼育費用を信頼できる人に預けておく仕組みです。
飼い主が「委託者」、費用を預かって管理する人が「受託者」となり、信託契約を結びます。飼い主が亡くなった後だけでなく、認知症や入院などで判断能力が低下した場合にも機能する点が大きな特徴です。
信託財産は飼育費用のみに使えるよう限定できるため、別の用途に使われる心配がありません。ただし初期費用が15万円前後、年間の管理費も20〜30万円程度かかる場合があります。
「信託監督人」を設定しておけば、第三者が世話の状況を確認できる体制も整えられます。
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老猫ホーム・保護施設に預ける
老猫ホームとは、高齢や病気の猫を終生預かってくれる介護施設のことです。
食事やトイレの世話はもちろん、認知能力の維持ケアや獣医師による往診に対応しているところも多くあります。新しい里親が見つかりにくい高齢の猫でも受け入れてもらえる点が特徴です。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 施設が定める年齢条件があり、若い猫は入居できないケースがある
- 月数万円〜の費用がかかる
- 施設によってサービス内容や飼育環境が大きく異なる
必ず事前に見学し、猫を安心して任せられる環境かどうかを自分の目で確認しましょう。
NPO・動物愛護団体に相談する
ねこほーむのような動物愛護団体では、飼い主の事情による猫の引き取り相談を受け付けていることがあります。
国に許可を得た法人格のある団体であれば、猫が適切なケアを受けられる可能性が高いです。事前に相談・契約を済ませておくと、いざというときにスムーズに引き継げます。
ただし受け入れ枠には限りがあり、費用が発生するケースもあります。まずは「地域名+動物愛護団体」でインターネット検索し、近くの団体を探してみましょう。
ねこほーむに相談されたい方は、はこちらの窓口よりご連絡ください。
ペット後見に関するよくある質問

この記事ではペット後見に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
後見人は途中で変更できる?
後見人の変更は、契約の形態によって手続き方法が異なりますが、一般的には可能です。
互助会の場合は窓口に連絡して手続きを行います。
遺言書で指定している場合は、新たな遺言書を作成することで変更が可能。
ペット信託の場合は、受託者の同意を得たうえで契約内容を変更する形になります。
後見人が高齢・病気・引越しなど事情が変わった際は、早めに見直しを行うことが大切。
飼い主の判断能力が低下してからでは変更が難しくなるため、元気なうちに定期的に契約内容を確認する習慣をつけておきましょう。
猫が先に亡くなったら費用はどうなる?
猫が先に亡くなった場合の対応は、利用している団体やサービスによって異なります。
たとえば互助会「とものわ」の場合、入会金・事務手数料・月会費は返金されませんが、終生飼育費として事前に振り込んだ金額については返金されるようす。
生命保険信託を活用していた場合は、保険を解約することで解約返戻金が飼い主に戻ります。
新しく別の猫を迎えた場合に、その猫を対象として契約を継続・変更できるケースもあります。「猫が先に亡くなったらどうなるか」は、契約時に必ず確認しておくべき点のひとつです。
認知症になってからも契約できる?
認知症が進んで判断能力が低下した状態では、原則として新しい契約を結ぶことができません。これは法律的な規制によるものです。
https://www.youtube.com/watch?v=FbebCUPfkkM
場合に役立つのがペット信託(民事信託)で、判断能力があるうちに契約しておけば、認知症になった後も信託の仕組みが機能し続けます。
また「任意後見契約」を結んでおくことで、判断能力が低下したときの対応をあらかじめ決めておく方法も。いずれも「元気なうちに動き始めること」が大前提です。
まとめ

この記事ではペット後見に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
- ペット後見とは、飼い主が入院・死亡した際に備えて、猫の引き取り先と飼育費用を事前に整える仕組み
- 主なサービスは「引き取り・譲渡または終生飼育・緊急保護」の3つ
- 互助会の場合は入会から終生飼育費まで100万円以上かかることが多く、費用面の準備が必要
- 入会は「団体を探す→見学→契約確認→費用準備→連絡網の整備」の5ステップで進める
- 費用が難しい場合は、家族・知人への依頼・遺言・ペット信託・老猫ホーム・NPOへの相談など複数の選択肢がある
- 認知症になってからでは契約できないケースもあるため、元気なうちに準備を始めることが大切
ペット後見は、猫と最後まで責任を持って向き合うための大切な備えです。「まだ早い」と思わず、ぜひ早めに情報収集を始めてみましょう。




本記事は一般的な情報の提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合や判断に迷うときは、早めにかかりつけの動物病院へご相談ください。