2024.01.31
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
実は子猫を育てるのは、想像以上に繊細な気配りが求められるものです。きちんとした世話ができていないと、発達に影響が生じるかもしれません。
そこで本記事では以下の点を解説します。
本記事を読めば、子猫の育て方の大部分を理解できます。ぜひご参考にしてください。
まずは、時期別での子猫の育て方をおさえましょう。
前提として子猫の成長を時期に分けるなら、おおむね以下のとおりになります。
そして各期で世話の仕方が大きく異なり、それを理解したうえで育てる必要があります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
誕生してから2週間の「生後期」は、特に配慮が必要な時期です。ポイントは3つあります。
もっとも重要なのは、2〜4時間に1回のペースでミルクを与えること。つまり深夜も起きて授乳する必要があります。
詳しい与え方やミルクの作り方は「子猫がミルクを飲まないときはどうすれば?正しい作り方と飲ませ方も解説」を参考にしてください。トイレの介助に関してもここで触れています。
また寝床を用意するのも重要です。段ボールに毛布やタオルなどを敷き詰め、「母親に抱かれているような感覚」を得られるように工夫しましょう。
このような環境を作れると理想的です。
なおワクチンなどを接種できるのは生後2ヶ月以降なので、現段階で考える必要はありません。
生後2週間を過ぎたら、ミルクを与える頻度を落としていきます。4〜6時間に1回のペースで与えていきましょう。また2週間経過した段階では、まだ排泄の補助は必要です。
3週間目あたりから、乳歯が少しずつ生えてきます。このあたりから、ミルクから離乳食へと切り替えましょう。離乳食はAmazonなどで簡単で手に入ります。
1ヶ月近くになると、自分でトイレができるようになります。そのままだとあちこちで用を足してしまうので、トイレトレーニングをおこないましょう。
上手のような猫砂を用意し、トイレに行きたそうにしたらここへ連れていきます。これを繰り返すことで、徐々にやり方を覚えます(詳細は後述)。
2ヶ月目に入ると歯がある程度揃ってきます。離乳食を与えつつ、ウェットフードへ切り替えていくとよいでしょう。
またお湯でふやかしたドライフードを与えてもかまいません。
この時期は、猫に何をどれくらい与えればよいか、判断しづらい部分があります。ただ、基本的には猫が食べたそうにしているものを与えていれば問題ありません。
また、このあたりからワクチンの接種を考えることになります。病院へ連れていき、獣医に指示を仰ぎましょう。
生後3ヶ月の段階では、猫らしく活発に動き回るようになります。上述したキャットタワーやおもちゃなどで遊ばせるとよいでしょう。
もちろん飼い主自身が遊び相手になってもかまいません。
食事に関しては、完全にドライフードに切り替えてよいでしょう。量に関しては、明らかに異常でなければ、食べたいだけ与えて問題ありません。
また生後3ヶ月の段階では、興味本位であちこちをかじる傾向があります。
おもちゃや飼い主の手を噛む程度なら問題ありません。しかし電気コードなど、決して噛んではいけないものもあります。
そういったシーンを見かけたら、「噛んではダメ!」と注意しましょう。それを繰り返すことで、噛み癖が改善されていきます。
噛み癖の矯正に時間がかかるなら、上記のようなスパイラルチューブでコードを包んでしまいましょう。
4ヶ月目に入ると、猫は急激に成長する傾向にあります。
一気に体重が増え、体毛が充実し、顔つきにも「貫禄」が出てきます。
子猫時代のようなか弱さはなく、食事をのぞけば「ほったらかし」でもかまいません。むしろ猫のほうが「一人(猫)にしてくれ」という態度を示すようになります。
この時期に入るとワクチンの計画接種も終わるでしょう。次に考えたいのが、避妊・去勢です。
諸説ありますが、メスは生後4ヶ月前後で妊娠能力を身につけ、6ヶ月を過ぎれば妊娠を目標に行動するようになります。
何らかの理由で子猫が欲しい場合をのぞいて、避妊手術を受けるようにしましょう。雄猫が生殖活動に興味を示すのは生後8ヶ月前後なので、まだ猶予があります。
上記では、時期別の子猫の育て方に関して解説しました。続いて以下分野別のポイントに関して解説します。
分野ごとの知識があれば、より健康的に子猫を育てられます。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
子猫を育てるうえでもっともたいへんなのは、おそらく「時期に合わせた頻度で、きちんと食事を与えること」です。特にミルクに関しては、回数と分量をよく理解しておく必要があります。
上図を参考に、欠かすことなくミルクを与えるようにしましょう。
離乳食に切り替えてからは、上図ほど厳密でなくてもかまいません。猫の様子を見ながら、離乳食やウェットフードを与えましょう。
もし上図のとおりミルクを飲まない、フードを食べない期間が続く場合は、必要に応じて動物病院へ連れていきましょう。
トイレのトレーニングは、以下の方法でおこないます。
これを何度か繰り返すうちに、「ここでしかトイレはしてはいけない」と学習します。
なお、猫砂以外でトイレをしてしまった場合は、消臭剤などで匂いを消しましょう。この匂いを頼りに、同じところで用を足す修正があるからです。
なお、トイレして欲しくない場所には、以下のような「しつけ剤」を散布するのも有効。
しつけ剤は、触って欲しくない、入って欲しくない場所に散布するといった使い方もできます。トイレやしつけに困ったら使ってみましょう。
トイレ以外にも、子猫に対してしつけることは多々あります。
その他猫や家族の暮らしの支障になりうることはしつけで抑止する必要があります。
しつけるには、人間と同様に言葉と態度で示すのが有効。いけないことをしたとき、「それはダメ!」とはっきり言えば、「これはやってはいけない」と学習します。
ただし人間ほど聞く力があるわけでないので、すぐには理解できません。覚えてくれるまで根気よくしつけましょう。
子猫から育てる場合、健康管理が重要になります。食事や睡眠、環境整備はもちろんですが、病院でしかるべき診療と処置を受ける必要があります。
(引用:葉山どうぶつ病院)
出生から1歳を迎えるまで、上図のとおりワクチンや手術など、さまざま受けることになります。
いずれも感染症や望まない繁殖を防ぐうえで重要です。子猫を飼うなら、上記のような処置や検診もきちんと受けるようにしましょう。
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子猫に関しては、家族との生活に慣れさせるためのソーシャルトレーニングも必要です。
しらかば動物病院によれば、出生から2週間から7週間は「社会化」を進める期間で、この間、どのような経験を得たかによって猫の社会性や社交性、ひいては「暮らしやすさ」や「幸福度」が変化します。
具体的には以下のような取り組みを心がけましょう。
一緒に遊んだり、抱っこしたりすれば、猫は「自分が愛されている、ここは安全である」と学習します。要するに「可愛がること」が大事なわけですね。
そういう経験があれば、警戒心や恐怖心を抱きにくくなる、つまり穏やかな気持ちで暮らしやすくなります。
一方で怖い思いをしたり、冷たくあしらわれたりすると、猫の性格は閉鎖的なものとなります。人間と同じく、怖い、悲しい思いをさせないよう、危険からは遠ざけるようにしましょう。
子猫の育てる、飼ううえでは、いくつか注意したいことがあります。
実際にはより多くの注意点があるのですが、特に重要な点を挙げるなら上記4つです。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
子猫を育てるとき、禁忌食を与えないようにしましょう。具体的な品目は以下を参考にしてください。
(引用:よしだ動物病院)
特に注意したいのが、エビ・イカ・タコ。猫はこれらを好みますが、一方で食べると中毒を起こします。またネギ類を誤って与えるケースも多いので注意してください。
それ以外はよほどのことがない限り食べることはなさそうですが、飼い主の意に反して食べたり飲んだりしてしまうことも。
禁忌になりうる食べ物を食べてしまわないよう、環境を整備しましょう。
先ほども触れましたが、去勢と避妊は早めに済ませるようにしましょう。
繁殖行動に興味を持つのは、オスなら生後8ヶ月、メスなら生後6ヶ月です。
またメスは4ヶ月で妊娠可能になるので、後述する完全室内飼育でなかった場合、驚くほど早いタイミングで妊娠する可能性があります。
これを避けるためにも、できるだけ早いタイミングで去勢・避妊手術を受けるようにしましょう。
また、基本的には完全室内飼育を目指しましょう。以下のメリットがあるからです。
事故や怪我を防げるのはもちろんですが、最大のメリットは何といっても寿命が大幅に伸びること。
(引用:一般社団法人ペットフード協会)
一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、完全室内飼育されている猫は、そうでない猫と比較して2、3年ほど長生きします。
猫とできるだけ長く暮らしたいなら、完全室内飼育を目指しましょう。
子猫期に限った話ではありませんが、とにかく余計なストレスを与えないようにしましょう。これが発達に影響したり、病気につながったりするからです。
具体的には以下のように配慮しましょう。
猫はストレス耐性が低い生き物で、たとえば少し模様替えしただけで不安を感じ、押入れの奥に引っ込むこともあります。
そういったことが重なると、発達や健康に影響が出るわけですね。できるだけ余計なストレスを感じないように配慮しましょう。
本記事では子猫の育て方に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
何ヶ月目から飼ってもよいですが、育てるのがたいへんな時期を避けるなら、生後3ヶ月目以降がよいでしょう。
この時期ならすでに頻繁なミルクの給餌やトイレの介護は必要ありません。また、短時間であれば留守番もできるので、楽ではあります。
ただし生後3ヶ月になると知能が発達する関係で、人や家に慣れるまで時間がかかることも。
また「苦労して育てることで得られる愛着」が失われるというデメリットもあります。
その点も踏まえて、生後何ヶ月の子猫を迎え入れるのか考えるようにしましょう。
家に慣れるまでにかかる日数は猫によります。早ければ2週間、長ければ半年ほどかかるでしょう。
人に関しては2週間から1ヶ月ほどかかりそうです。ただし、中には初日から懐いてくる個体も。
ただし子猫は成猫と比較して、家や人に慣れるのが早い傾向にあります。上記よりも早いタイミングで仲良くなれるかもしれません。
ただ保護猫などの場合、以下のように攻撃的な時期が続くことも。
保護猫の場合は、過去の経験や「知らない家に運ばれた」という経緯から、警戒心をはたらかせるケースが多いようです。
とはいえ時間をかければ懐くので、さほど心配する必要はありません。
生後3ヶ月以降なら、何とか留守番できるかもしれません。ただしその場合は以下の点に留意してください。
特に心配なのが、いたずらです。完全な成猫になるまではとにかく好奇心旺盛で、とんでもないことをしでかす可能性があります。
怪我や破損を免れるため、いたずらしそうなものはきちんとしまっておきましょう。
なお生後3ヶ月未満の子猫に関しては、定期的な給餌が必要であるなどの観点から、留守番させるのはおすすめできません。
本記事では子猫の育て方に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさえましょう。
特に生後間もないころの子猫を育てるのはたいへん。夜中でも起きてミルクを与えたり、トイレを助けたり、室温を適切に管理したりする必要があります。
しかしそれ以降は少しずつできることが増えてくるので、育てるのは楽になるでしょう。
子猫を飼う人は、ぜひ本記事を読みながら大事に育てましょう。
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