野良の子猫の生存率や寿命は何%?助けてあげる方法はある?

  • 近所で野良の子猫が一匹で鳴いていた…
  • 子猫一匹で生きていけるのだろうか?
  • 野良の子猫の生存率はどの程度か?

寂しそうにしている子猫を見かけて、上記のように感じた人は多いでしょう。

残念ながら、母猫とはぐれた子猫が生き残るのは困難です。しかし保護することで高い確率で命を救えるでしょう。そこで本記事では以下を解説します。

  • 野良の子猫の生存率や寿命
  • 野良の子猫を保護するうえで大切なこと

本記事を読めば、野良の子猫を取り巻く厳しい状況や、保護する方法がわかります。ぜひご参考にしてください。

野良の子猫の生存率と寿命は?無事大人になれる?

まず野良の子猫の生存率は著しく低いことを知りましょう。また野良猫のままでは、その後の寿命もかなり短くなります。

生存率は20%よりもさらに低い

野良の子猫の生存率には諸説ありますが、ねこホームでは20%以下と考えています。つまり成猫になれるのは5匹に1匹。

ただし、これはすべての子猫を対象とした生存率です。 孤立している子猫なら、生存はさらに難しいでしょう。

運良く成猫になれても、長生きするのは困難。清瀬市の公式サイトによれば野良猫の寿命は4年程度とされています。

子猫が一匹で孤立しているなら、状況はかなり厳しいといえるでしょう。

子猫が飼い猫になった場合の寿命は12年以上

仮に子猫を保護して、なおかつ適切にケアできた場合は状況が大きく変わります。

日本獣医師会の佐伯潤氏のレポートによれば、飼い猫の寿命は12年から18年。野良猫の平均寿命4年と比較すれば3倍は生きるわけです。

もちろん子猫を保護しても、状況しだいでは命を落とすかもしれません。しかしこの山場さえ乗り越えれば、かなり高い長生きできるでしょう。

生存率が低く寿命も短い理由は過酷な環境にある

生存率と寿命が低いのは、以下のような野外特有の過酷な環境にあります。

  • 面倒を見る人がいない
  • 栄養を確保しづらい
  • 他の動物に襲われる
  • 自動車事故

まず野良猫には面倒を見る人がいません。ケガや病気をした際に処置は受けられず、そのまま悪化して命を落とすことも。

栄養を確保しづらいのも一因です。周りに動物や昆虫がいなければ食料を確保できず、餓死とは言わないまでも健康を害しやすくなります。

カラスやイヌなどに襲われる可能性も高く、人間とのかかわりのなかでは自動車事故に遭うケースも。

子猫は体力と知性が未発達であるため、こういった過酷な環境を生き抜くのはより困難です。

ずっと鳴いているのに静かになったのは死ぬ前兆

野良の子猫がずっと鳴いているのに静かになるのは、死ぬ前兆かもしれません。

猫は体力を失うと鳴き声を上げなくなり、口で呼吸するようになります。

もし突如静かになったのなら、かなり危険な状態かもしれません。あるいは他の動物に捕食されている懸念もあります。

野良の子猫を助ける団体はほぼ存在しない

残念ながら、野良の子猫を保護できる団体はほぼ存在しません。 市役所や警察は、野生動物を助ける余力がないのが実情です。動物愛護団体も基本的には野良猫の保護には消極的。

一方で母猫がいないなか一匹で生き抜くのも困難です。その点も含めて考えれば、子猫を救う現実的な方法は自分自身を含む一般人が保護する他ないでしょう。

野良の子猫を自分で保護するために必要なこと

自分自身の手で子猫を助けよう」と考えている人もいるでしょう。このときは下記のステップに準じて行動してください。

  1. 野良の子猫を飼えるかどうか考える
  2. 子猫を安全な方法で捕獲する
  3. ただちに動物病院へ連れて行く
  4. 生育に必要な環境を整える
  5. 飼育できないなら引き取り手を探す

まず、野良の子猫を保護するべきか考えてみましょう。責任を持って飼育できるかがポイント。

その後で子猫を安全に捕獲し、さらにできるだけ早く動物病院へ連れて行きます。それが終わったら生育に必要な環境を整え、家族として迎え入れるのが一連の流れです。

ただし飼育できない場合は、代わりの引き取り手を探す方法も。

それぞれのステップを解説するのでご参考にしてください。

1.野良の子猫を飼えるかどうか冷静に考えよう

まず野良の子猫を保護した後に飼えるかどうか冷静に考えましょう。拾った時点で飼い主としての責任が生じるからです。

仮に保護してから、「やはり飼えない」と判断して野生に戻したとしましょう。動物の愛護及び管理に関する法律によればこれは遺棄とみなされて、以下のように処罰される可能性があります。

(引用:東京都福祉保健局

つまり子猫を拾ったら、自分自身が飼育するか、引き取り手を見つける責任が生じるわけです。そのどちらかを実現できるのか、冷静に考えましょう。

関連記事:「猫を飼うんじゃなかった」と後悔する理由は?一緒に暮らす前に確認!

2.子猫を安全な方法で保護しよう

飼い主の責任を果たせると判断したなら、続いて子猫を安全な方法で保護しましょう

子猫が怪我や病気を患っている可能性があるため、余計な負担をかけずに捕まえるのが重要です。

弱っている子猫なら、素早くは動けません。両手でそっと持ち上げるようにすれば安全に保護できます。

もし動き回るようなら、チュールを差し出したり、近くに置いたりしておびき寄せ、捕まえる方法もあります。

それも難しいなら、捕獲器を使えば安全に保護できるでしょう。

いわゆる罠の一種で、子猫に触れることなく保護できます。

捕獲器のレンタル方法や使い方はこちらの記事をご参照ください。

野良の子猫はどこにいる?見失った場合は?

子猫を保護しようとしたとき、前までいた場所から立ち去っているケースあります。 しかし子猫であればそう遠くまで移動できません。以下を中心に捜索しましょう。

  • 物置の奥部や下部
  • 建物の軒下
  • 空調機の下側や自動車など、暖かさを得られる場所
  • 草むら
  • 日上がっている排水溝
  • 家と家のすきま

野良猫はとにかく人目につかない、あるいは暖かい場所を好みます。姿が見えないときは上記を中心に探してみましょう。

3.ただちに動物病院へ連れて行こう

子猫を保護したら、直ちに動物病院へ連れて行きましょう。以下のように、必要な処置と検査があるからです。

重要なのは怪我や病気の有無を確認すること。また体重や栄養状態にも問題がないか、検査で明確に判断できます。

また猫特有の感染症やノミ・ダニの駆除も必要です。

性別や月齢は、今後子猫の世話を進めるうえで大切。特に月齢しだいで餌の与え方が大きく変わるため欠かせない情報です。

なお上記の検査を実施するには、おおむね10,000円から20,000円ほどの費用がかかります。子猫を保護するなら、この出費をまかなえるか事前に考えておきましょう。

同時に飼い主も、適切な飼育環境に関する指導を受けられます。どのような世話をすればよいか、きちんと確認しましょう。

4.生育に必要な環境を整えよう

動物病院での検査が終わったら、生育に必要な環境を揃えましょう。ここで大切なのは、体を温められる環境を整えること。

子猫は体温調節機能が未発達で、寒さで体調を崩しがち。以下の方法で温度を保ちましょう。

  • キャリーケースを用意する
  • 毛布やタオルを敷き詰める
  • 湯たんぽもしくは使い捨てカイロをタオルに包み、隅に置く

これで温度を十分に整えられる寝床を整えられます。なおキャリーケースとはカバンの種類ではありません。以下のような猫の居住スペースを意味します。

これはペットショップなどで、数千円で入手可能。

なお、その後はミルクを与えたり、トイレを介助したりするのが主な世話となります。具体的な方法はこちらの記事で解説しているのでご参考にしてください。

飼えない場合の引き取り先一覧

「子猫を保護したものの、やはり自宅では飼育できない」と判断した人もいるでしょう。

この場合でも野生に返してはいけません。いわゆる動物の遺棄、違法行為に該当するからです。

したがって以下の方法で、子猫の引き取り先を探す必要があります

  • 動物愛護団体に引き取りを依頼する
  • 里親募集サイトで里親を見つける
  • SNS発信やチラシ配布で引き取り手を探す

最も安全なのは動物愛護団体です。ここで引き取りされれば生涯にわたって保護されます。また里親募集サイトを使ったり、SNS発信やチラシ配布で引き取り手を見つける方法も。

この方法は、「野良の子猫を拾ったら…?自分で飼えない場合は里親を探そう」で解説しているので、ご参考にしてください。

まとめ

本記事では子猫の生存率や寿命、そして保護する方法を解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 子猫の生存率は20%以下と、かなり厳しい
  • 一匹で孤立しているなら、母猫に守られないためさらに生存率は落ちる
  • 運よく生存できても、野良猫の寿命は平均4年
  • 生存率と寿命が低い原因は、野外特有の過酷な環境にある
  • しかし、市役所や警察などには野良の子猫を助ける余力がない
  • もし助けたいなら自分自身で保護するのが現実的
  • ただし一度保護したなら再度野生に話すと動物の遺棄となるため、最後まで飼育するか里親を見つけるまで責任を持つ必要がある
  • 保護したらただちに動物病院へ連れて行き、生育環境を整える
  • もし保護できたなら生存率が上がり、寿命も3〜4倍になる

野良の子猫の生存率は、ねこホームでは20%程度と考えています。ただし、子猫が一匹で孤立しているなら危険にさらされやすく、さらに生存は困難となるでしょう。その後の寿命も短く、かなり厳しい状態だと言わざるを得ません

しかし自身で保護できれば、生存率は大きく高まります。データ上では寿命も3〜4倍までに伸びると考えられています。ただし子猫を保護するにあたっては大きな責任がともなうため、慎重に判断しましょう。

 

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