2023.06.30
普段は人間に近づかない野良猫ですが、まれに敷地や建物にまで入り込むことがあります。追い出してもまたやってきたり、ドアの前で待つようになったりすることも。
可愛らしくありつつも、生活に支障をきたす場合もあるでしょう。
本記事では、野良猫が家に入ってくる理由や、それを防ぐ方法を解説します。
野良猫が家に入る理由を知りたい方や、入らないようにする方法が知りたい方は、ぜひご参考にしてくださいね。
野良猫が家に入ってくる理由は、大きく分けて5つあります。
野良猫は警戒心が強く、普通は人間がいるところに近づきません。
にもかかわらず、家のなかにまで入ってくる場合は、上記のような理由が考えられるでしょう。
理由について、それぞれ詳しく解説します。
野良猫が家に入ってくる場合、エサをもらえると思っているかもしれません。
自宅付近で、エサやりしたことはないでしょうか?
野良猫は、一度エサをもらえた場所をしっかりと覚え、再び訪れる習性を持っています。
動画のように、エサがもらえるまで家の前で「座り込み」をするケースも。
また、野良猫はエサをくれる人間と、その周囲は安全だと考える傾向にあります。つまり、家の中を安全な場所だと判断し、入ってくるケースもあるようです。
家主がやさしくしてくれるという理由で、野良猫が入ってくることもあります。
家族の誰かが野良猫を可愛がっていたことはないでしょうか?
野良猫は、可愛がってくれる人に対して「この人は仲間だ」と認識し、匂いをたどって家まで入ってくることがあります。
前述したエサやりも「やさしくしてくれる」ことの一部に含まれるでしょう。
この現象は、人間に対する警戒心が育ちきっていない子猫期前後の野良猫にありがちです。
ただし「やさしくした本人」以外の家族の姿を見ると、逃げ出すこともあります。
飼い猫だった期間がある野良猫は、ずっと野良猫だった子と比べて、人間に対する警戒心が弱い傾向があります。
さらに、飼い主以外にもかわいがられた経験があれば、人間に対して警戒心を持つことなく、「やさしいから好き」と考える場合もあるでしょう。
そういった場合は、警戒することなく家の中に入ってくることがあります。
下記の動画では、ドアを開けた瞬間に見知らぬ猫が家に入ってきた様子がうかがえます。
家の中が安全で居心地がよいという理由から、家に入ってくるケースもあります。
猫は狭いスペースや木陰など、天敵から身を守れる場所を好みます。
また室外機や停止直後の自動車の下など、暖が取れる環境も大好き。
敷地内にこういった場所があると、自分の隠れ家のようにするケースがあります。
居間や廊下などの建物内に棲みつくのはまれですが、軒下や天井裏など人の目が届かない場所にひっそり入り込むことがあるでしょう。
野良猫はマーキングを目的として、家に入ってくるケースもあります。
マーキングは猫が持つ習性のひとつで、自分の匂いを残してその場所がテリトリーであると示すためにおこないます。
これは1回2回ではなく、定期的におこなわれるケースが多いようです。
そして私たちにとって問題になるのは、マーキングの大半は排泄によっておこなわれること。つまり家をテリトリーにされると、定期的に糞や尿を残されるようになります。
家の中や、家の付近で排泄をされるのは避けたいところ。
後ほど解説するように、マーキング目的での侵入を防ぐため、きちんと対策する必要があるでしょう。
まれなケースですが、出産場所を確保するために、家のなかへ入ってくることがあります。
(引用:神戸新聞-話題)
上記のように、ときどき「野良猫が家に入ってきた」ことがニュースになることがあり、入ってきたのが妊娠中のメス猫だったということも。
安全に出産できる場所を求めた結果、人が住む家に入ってくるケースが一定数あるようです。
野良猫を家に入れたくないなら、以下の対処法を試しましょう。
通常は警戒心が強く、人間やその周りには近寄らない野良猫ですが、きちんと対策していないと家に入ってくることがあります。
そのためには、食べ物を与えるのをやめたり、出入り口を塞いだり、いろいろな工夫が必要です。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
まず、野良猫にエサを与えたり、家の近くにエサを置いたりしないようにしましょう。
野良猫は生き残るために、小動物や虫、果実などといった食べ物を毎日必死で探しています。しかし、そう簡単に食べ物が見つかるわけではなく、多くの場合お腹を空かせています。
そんななか、常にエサがもらえる場所があれば、毎日やってくるのは当然です。敷地内でエサやりしていれば、すぐに野良猫の溜まり場になってしまいます。
そしてエサをやる人になついて、家のなかまでついてくることもあるでしょう。さらに他の猫の侵入を防ぐため、糞や尿でマーキングすることも。
こういう状況を作らないためには、エサを与えない、置かないことです。野良猫がどんなに可愛くても、かわいそうでも、家に入って欲しくない場合は注意しましょう。
野良猫が家に入ってくるなら、できるかぎり出入り口を防ぎましょう。
庭に入ってくるなら、門を閉じたり、シャッターを下ろしたりして戸締りします。塞げない場所には、ネットを張るなどするとよいでしょう。
物では防げない出入り口には、以下のような「忌避剤」を使うのがおすすめです。猫が嫌うメントールやオイルの香りを発し、野良猫を遠ざけられます。
建物に関しては、とにかくドアや窓を徹底して施錠しましょう。普段は開けっぱなしの天窓なども、侵入経路になるので閉めておく必要があります。
施錠できるものは施錠し、野良猫が入ってこられないようにしましょう。
家や庭で野良猫を見つけたら、以下の方法で「家に入ってはいけない」ことを学習させましょう。
こういった経験をさせれば野良猫は「ここは危険な場所なんだ」と学びます。特に水鉄砲で水を浴びせるのは強力。猫は水に濡れることをひどく嫌うからです。
野良猫と鉢合わせたら、適度に怖がらせて「家に入ってはいけない」ことを学習させましょう。
野良猫が勝手に家に入ってくることにストレスを感じても、暴力に訴えてはいけません。野良猫に怪我をさせると動物愛護法違反になる可能性があります。
具体的には以下のような行為は避けましょう。
ここまでしなくても、先ほどのように水をかけたり、大きな音を立てたりすれば、野良猫は「入ってはいけない場所だ」と理解できます。野良猫を傷けないよう、安全な方法で追い払うようにしましょう。
猫除けグッズで、猫を近づけないのも賢いやり方です。先ほど触れた「忌避剤」をはじめ、マーキングを消し去る「消臭液」なども役立ちます。
さらに赤外線センサーで、猫の侵入を探知してスプレーを噴射するグッズも。
グッズを利用すれば、たいていの場合猫の侵入を予防できます。価格も数百円から数千円と高いものではありません。
必要に応じてグッズを使って、猫が近寄れない環境を整えましょう。
他にもさまざまな方法で、野良猫を家から遠ざけることが可能です。その方法をいくつか紹介します。
こういった方法でも、野良猫が寄り付かなくなります。「水を撒く」などはすぐに実践できそうですね。
環境に合わせたやり方で、野良猫が家に近づかないようにしましょう。
スピリチュアルに興味がある人は、上記のように考える方もいるのではないでしょうか?警戒心の強い野良猫が、わざわざ家に入ってくることには、何か意味があるようにも思えますよね。
スピリチュアルの観点では、以下のような理由から野良猫が家に入ってくると言われています。
オーラや幽霊に引き寄せられていたり、何かを知らせていたりするようです。それぞれ詳しく解説するので気になる方はご参考にしてください。
野良猫が家に入ってくるのは、「よいオーラに引き寄せられている」と言われます。
スピリチュアルの世界では、「猫には、人間には見えない何かが見える」と考えられています。だからよいオーラが家に流れているのを確認し、入ってくるのかもしれません。
一方で「周囲に悪いオーラが流れており、身を守るために家のなかに入ってくる」というケースも。スピリチュアルの観点では、逃げ込んできた猫をやさしく守ってあげるとよいでしょう。
野良猫は、幽霊などに導かれて家のなかに入ってくる場合もあると言われています。
古くから、猫には霊的な存在に敏感だと言われています。特に近場で誰かが亡くなったときには、「幽霊が見えているかのような行動」を取ることがあります。
このように、「幽霊を見つめている」としか考えられない行動をとることも。
筆者が猫を飼っていたときにも、こういった場面を目撃したことがあります。祖父の葬儀が終わった直後、飼い猫が祖父の使っていた書斎に入り、長時間鳴き続けていたのです。
もし野良猫が入ってきたなら、過去にお世話になった人のまぼろしを追いかけていきたのかもしれません。
何かに気づかせるために、家の中へ入ってくることがあります。
「黒猫が横切るのは不吉な出来事の前兆」と言われるように、猫は今後起こることを指し示す生き物だと考えられています。
警戒心の強い野良猫がわざわざ家のなかに入ってくるのは、そこまでしてでも気づかせたい何かがあるのかもしれません。
「何か」というのは、悪い出来事に限らず、幸せの訪れであることも。つまり野良猫が家に入ってきたなら、今後は家族にとってとてもよいことが起こるのかもしれません。
本記事では、野良猫が家に入ってくる問題に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
こういったことを知っておけば、野良猫に関するトラブルを解決するうえで役立つはず。ぜひ参考にしてください。
入ってきた野良猫を飼うことに問題はありません。むしろ人馴れしているぶん飼いやすい場合もあるでしょう。
ただし野良猫を飼うことには、飼い主としての責任がともないます。 法律上、一度飼い始めた猫は、最後まで飼い続ける義務があります。
つまり、野良猫を飼ったあとに逃してしまうと、それは「捨てた」と解釈され、法律で罰せられるかもしれません。
野良猫を飼いたいなら、本当に最後まで面倒を見切れるのか、よく考えましょう。
関連記事▶︎野良の子猫を拾ったら…?自分で飼えない場合は里親を探そう
一見野良猫のようでも、飼い猫である可能性があることに注意してください。どこかで飼われている猫を飼ってしまうと、飼い主とのトラブルに発展する可能性があります。
野良猫か飼い猫か見分けるにはいくつかポイントがあります。
飼い猫は野良猫と比べて栄養状態が恵まれているため、毛並みが整い、体格も大きい傾向にあります。また普段から飼い主と触れ合うなかで、人を恐れない傾向も。
また以下のように明らかに雑種ではない猫(この画像は「シャム」)も、ほぼ確実に飼い猫です。
こういった猫は、飼い猫である可能性が高いので、当然ながら飼ってはいけません。
ただ、飼い主には「家に入ってくる」問題に対応してもらう必要があります。可能なら、近所に聞き込みするなどして飼い主を特定し、対策を取ってもらえないか相談しましょう。
猫を捕まえるには、捕獲器という機器を利用しましょう。
(引用:コメリ)
これを使えば、猫を安全に捕獲できます。詳しくは「子猫を保護したいときはどうすればよい?捕獲したあとの行動と引き取り先」を参考にしてください。
ただし捕まえたあとで、行政や保健所が引き取ってくれるわけではありません。できることとえいば、自宅から離れた場所に放し、入ってこないようにする程度です。
また法律的には「一度保護した野良猫は、最後まで面倒を見なければいけない」ともされており、捕獲することにはいろいろな問題があります。
基本的には捕まえるのではなく、「野良猫が入ろうと思わない環境を作る」方向で対策したほうがよいでしょう。
関連記事▶︎子猫を保護したいときはどうすればよい?捕獲したあとの行動と引き取り先
水の入ったペットボトルは、猫除けにはなりません。
猫が嫌がる光の反射によって、効果が得られると言われていましたが、嘘であることが確認されています。
嘘やデマが広まり定着した有名な例は、猫除けのペットボトルがある。あれはニュージーランドのカリスマ庭師エイン・スカロウ氏が1980年代にラジオで発言したことに起源しますが、その後本人が「アレ、嘘」と発言。エイプリルフールの嘘とのこと。それでも信じた人は「効果があった」と言うんですよね pic.twitter.com/YFhs4HHKNn
— 荒川和久/独身研究家/コラムニスト (@wildriverpeace) May 3, 2020
このようにエイプリルフールのいたずらだったことが、嘘をついた本人によって明らかにされています。
そもそも野良猫が生きている環境は、自動車のライトや電灯、ガラス窓や金属などから、絶え間なく光が反射されています。したがって水入りペットボトルが猫除けになるとは考えづらいでしょう。
アレルギーを抱えているのに野良猫が立ち入ってくる場合、とにかく徹底して近寄らないようにしましょう。
一定の距離をおけば、目立ったアレルギー反応は出ません。 同時に野良猫に「入ってきてはいけない」という態度を示し、寄り付かないようにしましょう。
それでも立ち入ってくるなら、市区町村の役所の市民課に相談しましょう。通常、地方自治体は野良猫の捕獲などには関与しませんが、「猫アレルギーなので困っている」事情を伝えたら、何かしら動いてくれる可能性があります。
実際、大阪府天王寺区役所に問い合わせたところ、「深刻なアレルギー反応で懸念されるなら、捕獲を実施する」との回答がありました。
猫アレルギーは、「目がかゆい」「くしゃみが止まらない」だけでなく、呼吸器疾患などを引き越すこともあります。重大な症状が出る前に、行政に頼るなどきちんと対応しましょう。
本記事では「野良猫が家に入ってくる問題」に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
普段は警戒心が強く、触ることすら困難な野良猫。しかし彼らも「エサがもらえる」などの理由があれば、敷地内に入ってきます。
出産を控えるなど差し迫った事情があるなら、建物内にまで入ってくることも。
いずれにせよ野良猫が家に入ってきてしまうのは、いろいろと問題があります。猫除けグッズで追い払うなどして、野良猫に「ここにきてはいけない」というのを学ばせましょう。
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