2025.12.27

このように悩んでいる人は多いのではないでしょうか。特に猫と暮らすことを考えているなら不安に思う部分があるはず。
そこで本記事では以下の点を解説します。
本記事を読めば猫アレルギーのことを理解し、猫と一緒に暮らせるかもわかるはず。ぜひご参考にしてください。
もくじ
それまで兆候がなかったのに、突然猫アレルギーを発症することはあります。
なぜいきなり症状が現れるかを知るには、まずアレルギーの原因と発症のメカニズムを理解する必要があるでしょう。
ここでは、発症原因とその仕組みを解説し、そのあと突如として猫アレルギーになってしまう理由を解説します。
猫アレルギーとは、猫が持つアレルゲン物質「Fel D1」を、吸い込んむこと。それが、IgE抗体を作り出すことで起こる反応。主な症状として、くしゃみ、咳などが挙げられます。

出典:南岡山医療センター
猫が毛づくろいをすることで唾液が被毛に付着し、それが乾燥して空気中に舞い上がります。人はこの微細なアレルゲンを吸い込むことで、体内に取り込んでしまいます。
通常、この物質は有害ではありません、しかし体の免疫システムが「有害である」と判断し、症状が露呈します。
人によってはくしゃみも涙も咳も止まらないレベルであり、症状が強いなら飼育を断念せざるを得ないかもしれません。
もしまだ猫を飼っていないなら、事前に後述のアレルギー検査を受けるのがよいでしょう。
これまで問題がなかったのに突然発症する理由は3つ挙げられます。
まず、Fel d 1が蓄積した可能性があります。一定以上蓄積すると、免疫システムが反応してしまい、アレルギー症状を呈することがあります。
また、免疫システムのバランスや室内の換気が変化した結果、アレルギー症状が現れることも。
つまり突然発症したのではなく、「これまでたまたま発症の条件を満たさなかった」とも言えます。
猫アレルギーは完全に治すのがむずかしい疾患です。
基本的には対処療法しかありません。つまり症状が出たらそれをおさえるための治療しかできないわけです。
ただし、症状が軽度で気づかなかったり、慣れてしまって問題にならなくなったりすることがあります。
とはいえアレルギー反応は常に強まる可能性があります。ある日突然に重症化するケースもあるため油断は禁物です。
猫アレルギーの症状は多岐にわたります。また、その重症度も異なります。
ここでは以下の点に関して解説します。
なお、子どもに特別に現れやすい症状もあります。また状況によってはただちに受診すべきケースとサインも。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
可愛いでちゅね〜オープンよちよち(*´ `)ノ´ `*)
(尚、つの丸は猫アレルギーのため実家に止まってる間くしゃみと鼻水が止まらず、まぶたも少し腫れました。それでも猫好きなのでめちゃくちゃ愛でてきました!) pic.twitter.com/fQ1nGQUKdh
— つの丸(戻りました。) (@tanaka616no10) October 14, 2025
もっとも多く見られるのが、目・鼻・皮膚に出る症状です。
鼻と目の症状は多くのケースで見受けられます。また花粉症などと異なり、皮膚にも影響をおよぼすことも。
顔に発疹が出て、美容面で困るケースもわずかに存在します。
これらはハウスダストアレルギーとよく似ており、見た目だけでは判別つきにくいことがあります。
ただ、猫と接触した直後や、同じ空間で過ごしたあとに症状が強まる傾向があるので、猫アレルギーかどうかは簡単に判別できるでしょう。
子どもは大人と比べて、症状がはっきり出にくいです。
風邪と間違われやすく、「少し長引いている体調不良」として見過ごされるケースも少なくありません。
症状自体は大人とさほど変わりません。ただし、子どもの免疫力や皮膚組織の強さを考えれば、大人よりも適切かつ迅速に対応する必要があるでしょう。
次のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
先述のとおり猫アレルギーの症状は、時として重いものとなります。生死に関わることは稀ですが、重度の反応や気管支炎などに発展するかもしれません。
そうすると、猫アレルギーひとつで長らく治療したり、通院したりする必要が出てくることも。
このような事態を避けるため、上記の重い症状が出たなら、早めに病院へ行きましょう。
特に呼吸にかかわる息苦しや喘鳴には注意が必要です。なお喘鳴とは以下のような呼吸音であり、気管支が過度に収縮状態に発されます。
このような音が出たら、ただちに病院へ向かいましょう。
猫アレルギーかどうかを確かめる検査方法は、大きく開けて2つあります。
これらが状況や目的、費用に応じて使い分けられます。それぞれ解説するので、受検を考えている方は参考にしてください。
血液検査では、猫が発するアレルギー物質に、アレルギーの原因となる抗体(この場合は特異的 IgE 抗体)の総量を測定します。
この抗体が検出されれば、アレルギー物質に対して過敏な反応を示すとわかります。
(引用:ゆうき耳鼻咽喉科)
検査は採血でおこなわれ、費用は2,000〜4,000円程度。結果が出るまでには1週間ほどかかります。
皮膚テストは、疑わしいアレルギー物質を皮膚に置いて、さらに針で皮膚を軽微に刺激して反応を観察するテストです。
仮に猫アレルギーを持っている場合は、数分から数十分のあいだに赤みや腫れが出てきます。
血液検査と比較して痛みが少なく、また当日中に検査結果が得られるのが特徴。
また、1箇所あたり数百円から千数ひゃく円と、費用が比較的安いです。
ただし、皮膚テストの場合、皮膚環境や体質によって正しい結果が判定されない場合があります。
どちらの検査を実施するかは、医師の判断に委ねられるので、それにしたがいましょう。
猫アレルギーが疑われる場合は、早めに検査を受けることが重要です。
自己判断では原因を特定できず、症状が悪化する可能性があるからです。
実際に、猫と接触するたびにくしゃみや目のかゆみが出る、症状が徐々に強くなるなら、すでに検査は欠かせません。
検査結果があれば、猫と暮らせるか、どの程度の対策が必要かを具体的に考えられます。
少しでも不安があるなら、症状が軽いうちに医療機関へ相談しましょう。
さらに、喘息や呼吸困難、アナフィラキシーショックのようなものがあれば、緊急事態としてただちに病院へ行くことを強く推奨します。
幸いなことに、猫アレルギーには完全ではないものの治療法があります。
対症療法では、抗ヒスタミン薬などの投与が有効。
また、完全に確立されてはいないものの、舌下免疫療法によって根治を目指すことも可能です。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
もっとも一般的に行われるのが、抗ヒスタミン薬を中心とした対症療法です。
(引用:興和)
アレルギー症状は、体内でヒスタミンなどの物質が放出されることで生じますが、これを抑制できます。
費用は、保険適用で2,000〜3,000円程度。
対症療法では内服薬・点眼薬・点鼻薬・外用薬などがあり、症状に応じて使い分けが可能。一般的に効き目は高く、辛い症状をおさえるには十分です。
ただし、これらの治療はあくまで「症状を抑える」ものであり、猫アレルギーそのものを治すものではありません。
薬を中止すれば症状が再発する可能性があるうえ、長期使用による副作用にも注意が必要です。
根治療法で有力視されているのが、舌下免疫療法です。
これは、アレルゲンを少量ずつ体内に取り込み、免疫システムを慣らし、過剰な反応を起こしにくくする治療法です。
花粉症などでは一定の効果が認められており、猫アレルギーに対しても有効ではないかと言われるようになりました。
根治すれば、アレルギー反応に悩まされず猫と暮らせるようになります。
ただし、現時点では確立された治療とは言い切れません。一部の医療機関や研究段階で実施されているものの、効果や安全性には個人差があります。
また、費用は4,000〜5,000円かかる点に注意してください。
薬に頼らないなら、以下のように生活環境を整えるのが有効です。
猫アレルギーは、アレルゲン物質さえ遠ざけられれば発症しません。したがって換気や掃除などを組み合わせていけば、ある程度症状は緩和できます。
とはいえ、これだけで完全に症状をコントロールできるわけではありません。より確実な効果を得るなら、やはり抗ヒスタミン薬を投与するなどの方法と組み合わせるべきでしょう。
「猫アレルギーだけど猫を飼いたい」と考えている人は多いでしょう。結論からいえば猫アレルギーでも飼えなくはありません。
ただし、猫アレルギーでありながら猫を飼うのはたいへんなことです。安全に暮らすには、おおむね以下6つの条件をクリアする必要があります。
最も大事なのは、医師に確認すること。このステップだけは絶対に忘れないようにしましょう。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
まず、皮膚科やアレルギー科に行って「猫を飼ってもよいか」を医師にたずねましょう。
まだ猫アレルギーを持っているかわからないなら、この時点で検査を受ける必要があります。
もし医師が「飼ってはいけない」と指導するなら、その指示にしたがいましょう。
また飼ってよいにしても、専門家の立場から猫との接し方や予防法に関して指導があるはずです。そこで教わったことは必ず守るようにしましょう。
また、必ずアレルギーになりにくい猫を選びましょう。これだけでも、すこしは発症の可能性を下げられるからです。
<アレルギーになりにくい猫の一例>
米国のペット情報サイト「utamed」によれば、上記の猫種はアレルギー物質が比較的少ないとされています。
特にサイベリアンは最もアレルギー発症の可能性が低い猫種だと記述されていました。
(引用:かねだい)
逆にスコティッシュフォールドやノルウェージャンフォレストキャットなどは、毛が長いため、アレルギーを発症しやすくなるため注意が必要です。
猫アレルギーの人が猫と暮らすなら、普段からしっかりと掃除してアレルギー物質をとりのぞくようにします。
そのためには、こまめな水拭きが有効。これだけでアレルギー物質をきちんと吸着できます。
もちろん掃き掃除なども重要です。ただし掃除機は毛が舞い上がって、アレルギー物質を拡散させてしまいます。
つまり掃き掃除は掃除機よりも、ほうきなどで慎重にやるのがおすすめ。
掃除するだけでも、有効な予防法になります。できるだけこまめに実施しましょう。
アレルギー物質をより確実にとりのぞきたいなら、空気清浄機を置くのも有効です。これを設置するだけでもずいぶんと変わります。
なかでも集じん能力、つまりアレルギー物質を捕まえられる力が高いものを使うのがおすすめ。
特に「HEPAフィルター」が搭載されているものは集じん能力が高いので、予防にはうってつけです。
最近の空気清浄機は、小型のものであれば8,000円くらいで購入することも可能です。6畳程度の部屋なら十分に空気をきれいにできます。
より安全に暮らしたいなら、空気清浄機を設置しましょう。
アレルギー症状を防ぐためには、猫の手入れも重要です。
こういったことをやっておけばアレルギー物質がある程度とりのぞけます。
ただしこれらの手入れを自分でやるのは、たいへんかもしれません。
そんなときはトリマーにお風呂やタオルウォッシュをお願いするのがよいでしょう。
アレルギー症状を防ぐために、アレルギー物質が付着しづらい家具やインテリアを使うようにしましょう。
具体的にはレザー、金属製のものがおすすめです。
布製品は、アレルギー物質が付着しやすい傾向であるため、できるだけ置かないようにしましょう。
ラグやカーペットなどはできるだけ避けたほうがよいわけですね。
といっても布製品なしで生活するのは難しいでしょう。出来る範囲で対策するのがおすすめです。
どれだけ予防しても、アレルギー症状は出るときには出るものです。 そのときを想定して、薬を用意しておきましょう。
何の薬を使うかは、事前に皮膚科やアレルギー科で確認しておくことをおすすめします。
市販のものであれば、下記レスタミンに代表される抗ヒスタミン剤が有効です。
(引用:興和)
ただし処方薬と比べて効き目は限定されるかもしれません。できれば事前に処方してもらいましょう。
どれだけ気をつけていても、猫アレルギーの症状が出ることもあります。そんなときは以下の順番で応急処置しましょう。
まずはその場を離れて症状をおさえ、落ち着いてからアレルギー物質をとりのぞく、という流れです。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
くしゃみや目のかゆみなどの初期症状が出た時点で外に出て、猫から離れましょう。
このときは、用意していた薬も一緒に持っていくのがベスト。
猫と距離を置くだけでもアレルギー物質から逃れられるため、症状をおさえられます。
続いて症状に合わせて、対処療法を実施しましょう。目のかゆみは点眼 、呼吸の苦しさには吸入薬 、湿疹などは塗り薬といったところ。
もし内服薬を持っているなら、それを飲むのもよいでしょう。
そしてそのままの状態で症状が落ち着くか、様子を見ます。問題がなさそうなら、猫が出入りしていない部屋から戻ってもよいかもしれません。
もし吐き気や息苦しさ、めまいを感じているなら、かなり重大な症状が出ています。失神したり、喘息が起こったりする可能性もあるでしょう。
この場合はただちに病院へ行き、医師の診断をうけることをおすすめします。
症状が落ち着いたらマスクをするなどして、猫がいる部屋の掃除をします。猫がよくいる場所を中心に水拭きをして、アレルギー物質を除去します。
また、猫をお風呂に入れたりシャワーを浴びさせたりするとよいでしょう。
ただしマスクをしていても、アレルギーが再発する可能性はあります。
家族に掃除してもらったり、ハウスキーパーを呼んだりするのがよいかもしれません。
またこれを機に空気清浄機の設置などを検討するのもよいでしょう。
本記事では猫アレルギーに関して解説しました。最後によくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
残念ながら子供の猫アレルギーは持って生まれたものであり、根治はむずかしいでしょう。
ただし成長に合わせた軽症化はあり得ます。
また子供の猫アレルギーレベルを確かめるため、可能であればRAST検査を受けておくとよいでしょう。
(引用:ゆうき耳鼻咽喉科)
くしゃみ、目のかゆみが初期症状として現れやすい傾向にあります。ただし人によっては喉のかゆみや息苦しさを感じる人も。
初期症状が現れたら、そこから本格的なアレルギー反応に発展する可能性があります。ひどいケースでは、過呼吸のような症状になるかもしれません。
そうなる前に猫がいる空間から距離を置き、反応がおさまるのを待ちましょう。
あまり蕁麻疹や湿疹が顔に現れるケースはありません。
調査したところ、手や腕に症状が出たケースはありましたが、顔に蕁麻疹や湿疹が現れたケースやその他医学的な報告は確認できませんでした。
仮にそれが起こるとするなら、猫アレルギーであるにもかかわらず、顔と猫をくっつけた場合などの限られたケースでしょう。
猫を手放すかどうかは、飼い主もしくは家族の健康状態を基準に判断します。
猫アレルギーが重症化すると、日常生活だけでなく命に関わるかもしれません。
そのような状態では、手放すことも検討に入れましょう。
実また、医師から飼育継続に注意や制限が出ている場合も同様です。
一人で抱え込まず、医師や専門機関に相談しながら現実的な選択を考えましょう。
とはいえ、猫の面倒を見る人を見つけるのもたいへんなので、このあたりは状況によって個別に判断する必要があります。
本記事では猫アレルギーの突然の発症に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
食べ物のアレルギーがそうであるように、猫アレルギーも後天的に突如発症する可能性はあります。また、残念ながら治療するのはむずかしいとされています。
とはいえ猫アレルギーでも、症状が軽度なら猫と共に暮らすことは可能。
ただし重大な症状が出ることもあるので、こまめに掃除したり、万が一に備えて薬を用意したり、十分な対策を実施しましょう。
突然猫アレルギーを発症してしまった場合など、事情により猫を飼い続けることが難しくなった場合は、わたしたちねこほーむにご相談ください。
ねこほーむでは、事情により飼えなくなってしまった猫を生涯にわたりお預かりしています。
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