2023.03.28
上記のように考えている人は多いでしょう。
猫の里親になるためには一定の条件があり、また適切な準備も必要です。そのうえで行政やNPO法人に希望を伝え、適切な流れで手続きを進める必要があります。
しかし、具体的に何から始めれよいかわからない人のほうが多いはず。そこで本記事では以下の点を解説します。
本記事を読めば、里親として猫を迎え入れるまでの流れが理解できます。ぜひご参考にしてください。
もくじ
最初に猫の里親になるための条件を解説します。
そのあとで必要な環境の準備をおさえましょう。
里親として猫を迎えるためには以下の条件を満たす必要があります。
もちろん譲渡元によって求められる条件は異なります。ただし個人間での引き取りなどをのぞけば、おおむね上記をクリアしなければいけません。
上記条件を確認し、「厳しすぎるのではないか?」と感じた人も多いでしょう。
終生飼養などは当然としても、家族全員の同意や完全室内飼育など、ややむずかしい部分もあります。しかしこれは、不幸な猫を減らすためには欠かせない条件です。
日本では令和3年度だけでも11,718頭が殺処分されています。また行政が捕捉しきれていない捨て猫なども計算に入れれば、より多くの不幸な猫がいるわけです。
(引用:環境省)
だからこそ里親には、安全な環境で最後まで面倒を見て、必要に応じて適切に処置することが求められます。里親を希望するのであれば、猫のためにも上記条件をクリアできているかきちんと確認しましょう。
猫を里親として迎え入れるなら、自宅での環境準備も必要です。
トイレやプレミアムフードは当然ながら用意する必要があります。また怪我の原因となりそうなモノはできるだけしまいましょう。
そして最も重要なのは、脱走経路を塞ぐことです。後ほど解説するトライアル飼育および引き取り初期は、一度逃げ出すと戻ってきません。
万が一にも脱走させないように、徹底して脱走の経路を塞ぎましょう。特に高い位置の小窓は見逃しがちであるため、注意してください。
可能なら自身もしくはその家族が飼育できなくなった場合のことを想定しておきましょう。
先ほど、里親として猫を迎え入れる条件を解説しました。ただしこの状況がずっと続くとは限りません。例えば飼い主の病気などが理由で、飼育を継続が困難になる可能性もあります。
環境省の調査を参照すると、病気や経済的理由、離婚などを原因とした猫の保護依頼は珍しくないようです。
(引用:環境省)
その場合は、終生飼養の考えに基づき、代わりに引き取ってくれる人を見つけなければいけません。親やきょうだい、親戚や友人などに、「万が一の場合は引き取りしてくれるか」を意思確認しておきましょう。
とはいえ、これは可能であれば準備しておきたいことのひとつであり、必須条件ではないことが多いようです。
「そもそもどうすれば、里親として猫を引き取りできるのかわからない」人も多いでしょう。
その流れは、おおむね以下6つのステップで説明できます。
審査を受けたり、一時的に飼育したり、ステップはやや複雑です。下記で流れを理解して、順番に手続きを進めましょう。
「そもそも猫はどこにいるのか?」と思っている人もいるでしょう。結論から言えば以下の譲渡元で里親を待っています。
動物愛護センターや愛護団体は、猫を一時的に保護して、施設内で飼育もしくは里親を探しています。当法人ねこほーむもそんな団体のひとつです。
里親を希望する方はぜひ一度お問合せフォームよりご連絡ください。
譲渡会を探す場合は、環境省の収容動物検索情報サイトを使うのがおすすめ。
(引用:環境省)
このサイトでは全国の譲渡会の開催予定を検索できます。近隣でおこなわれるものを見つけてエントリーしましょう。
マッチングサイト・猫の里親募集掲示板をはじめとしたWebサービスでも、猫を引き取りすることは可能。また里親になる条件も比較的易しい傾向です。
極端な話、Twitterなどであれば、両者が譲渡に関して合意するなら誰でも引き取りができます。
ここで問題になるのは、動物愛護団体や行政の審査や指導が受けられないこと。本来必要な条件や準備ができないにもかかわらず、里親になってしまうケースもあります。
本来なら猫を救うはずの里親が、飼育放棄するなどの問題に発展するかもしれません。Web上で引き取りする場合は、本当に責任を負えるのか、通常以上に考える必要があります。
また場合によっては行政へ問い合わせてアドバイスを受けるなどしたほうがよいでしょう。
譲渡元やイベントが見つかったら、その団体が定める方法にしたがい、里親として立候補しましょう。
基本的にはほとんどの譲渡元は電話番号を公開しているため、直接連絡すれば手続きできます。条件や予定が合えば、猫と面談する流れです。
ただし動物愛護センターを利用する場合、たいてい以下のように猫の飼育に関する講習会を受講する必要があります。
(引用:愛知県)
その他一部の動物愛護団体でも、何らかの講習参加が義務付けられている場合もあります。
講習会は、猫の飼い方を知るうえで重要なステップ。参加が義務付けられているなら避けては通れません。日程を調整して講習を受けましょう。
里親希望を申請した後は、いよいよ猫と面会することになります。
動物愛護団体に連絡した場合は、おおむね以下のような流れです。
どの猫を引き取りたいかに関しては、ある程度希望を聞いてもらえる傾向にあります。猫との相性がよいことが、安全な飼育につながるからです。
里親として立候補したら、面談のうえ簡易審査を受けることとなります。これは猫を引き取りして問題がないか確認するためのステップです。
先ほど触れた里親としての条件に合致するか確認します。
ここで条件を満たせず、後ほど解説するトライアル飼育に進めない場合もあります。もし審査に落ちた場合は、他の譲渡元を探したり、条件を満たせるよう改めて準備をしましょう。
過去には里親の審査に落ちた人も大勢います。
以前某有名猫ブロガーさんが独身時代里親審査二桁回落ちたって言われてたけど独身だと留守とかそういう点でも不利なのかなと…
— CMDR ReadaKuma🐻💫 (@reada_kuma) June 7, 2016
有名な保護団体の里親審査とやらで落ちたふた家族。
留守時間は3時間で、男が世話をするのは駄目で、スナック経営者は夜が留守番だからダメで、収入証明書提出等々。笑っちゃう。その犬と猫は、時間も金もある人間が捨てたのよ、寄付が目的なのかと意見して帰宅。急遽、空港へ。お犬様到着。— 雪見酒 (@yukimizakedayo) December 5, 2021
譲渡元がどのような基準のもと審査を行ったのかはわかりません。ただし審査に落ちた人たちの多くは、その原因を以下のように考えているようです。
譲渡元は、猫がひとりぼっちになる時間が長くなることを避ける傾向があります。よって審査に通るには、常に面倒を見る人がいる環境を整備するのが有効かもしれません。
審査が通れば、トライアル飼育に移ります。これは一週間ほどの期間に限定して引き取り、猫と里親の暮らしに問題がないか確認するためのステップです。
ただし引き取り先によっては実施されていない場合もあります。
トライアル飼育では、以下のように相当な配慮が求められる点に注意してください。
特に、外に出さないように徹底するのは重要です。猫は自宅を家とは思っておらず、一度脱走したらまず戻ってきません。捕獲も困難です。
はじめまして。お散歩が終わりハーネスなど取って玄関で待たせていたところ、開けてしまったドアから逃げてしまいました。実は保護犬を我が家でトライアル飼育している最中の脱走でして、自力で家に帰ってくることも難しそうです。
— 迷い犬アンネ捜索中 (@akacha25317675) May 31, 2021
猫ではありませんが、トライアル飼育中に犬を逃してしまった人もいます。こうなると譲渡元に多大な迷惑をかけるでしょう。
どんなことがあっても脱走できないように、徹底して脱走経路を塞ぎましょう。
トライアル飼育の結果、問題がなければ正式譲渡となります。ここでは以下の手続きが必要です。
上記まで完了すれば、猫をキャリーバッグで連れて帰ります。これで晴れて家族となれます。
なお譲渡元によっては、強制ではないものの猫の近況報告を求めるケースがあります。無理のない程度で連絡すると喜ばれるでしょう。
ここまで猫の引き取り条件や手続きを解説しましたが、以下のような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
結論からいえば無償で猫を引き取りできるケースは少ないでしょう。多くの場合以下の費用が必要です。
【合計30,000円〜55,000円】
もちろん猫によって、手術や検査を受けていたり、そうでなかったりします。ただし行政やNPO法人団体を経由するならいずれにせよ譲渡費用がかかるでしょう。
一人暮らしでも里親になることは可能です。
たしかに単身者不可とするケースは多いもの。しかしWebで”譲渡会+猫+単身者可”などと検索すれば、一人暮らしでも引き取りできる募集が見つかります。
ただし一人暮らしで猫を飼う場合は、面倒を見るのがたいへん。それ相応の苦労がともなう点には注意しましょう。
なお獣医師の丸山和美氏が、「一人暮らしの猫飼いさんが外出するとき心がけたい 万が一帰宅できない事態になったら」にて、一人暮らしでの猫の飼育に関して解説しています。
単身者で里親となる場合はご参考にしてください。
結論からいえば、猫の里親になれない可能性はあります。行政や譲渡先によっては、子の不在を条件としているからです。
これには、子供と猫が荒いコミュニケーションを取って、双方が危険な目に遭うのを防ぐねらいがあります。例えば東京キャットガーディアンは、以下のように条件提示していました。
(引用:東京キャットガーディアン)
ただし子供がいても、上記例のとおり原則外での譲渡が認められるかもしれません。どうしても諦めきれないなら、譲渡元と調整してみるのがよいでしょう。
結論からいえば、譲渡元に対して「うざい」と思っている里親の方もいるようです。
この問題、行政やNPO法人ではなく一般家庭から猫を引き取った場合に起こりがちです。例えば元親が以下のような行動に出る可能性があります。
元親の価値観や性格はさまざまです。素直に感謝し、譲渡したあとも適切に対応するケースもあれば、上記のとおり非常識な行動を起こすこともあります。
よって行政やNPO法人以外から引き取りする場合は、元親がどのような人物かよく理解しておかなければいけません。また猫と離れたことでどういった心境の変化(いわゆるペットロス)になるのかも考えておく必要があるでしょう。
そのうえで個人間での引き取りをしてもよいか、よく考える必要があります。
本記事では猫の里親になる条件や準備を解説しました。最後に重要なポイントおさらいしておきましょう。
猫の里親になりたいと考えている人は多いでしょう。ただしそのためには厳しい条件と、やや複雑なステップをこなす必要があります。
しかし本記事を参考に準備と手続きを進めれば、よほどのことがない限り里親になることは可能。適切に準備し条件を満たすところからスタートしましょう。
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