猫の死後硬直とは?そのあとで生き返ることはある?

  • 猫の死後硬直とは、どういうもの?
  • 死後硬直のあとで生き返ることはあるの?
  • 猫は葬儀や供養は、どうすればよいのだろう?

このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?

猫は亡くなった直後、基本的には死後硬直を起こします。そして特に、その状態からの生き返りに関しても気になるところですね。

本記事では死後硬直と生き返る可能性、また葬儀や供養の方法に関して解説します。ぜひ参考にしてください。

猫は死後硬直とは?生き返ることはある?

まずは死後硬直の基本知識をおさえましょう。そのあとで以下の点を解説します。

  • 死後硬直から生き返る可能性がない理由
  • 生き返ったように見える理由
  • 死亡を確認する方法

猫が亡くなったあとに起こる現象を知っておくことは、猫ときちんとお別れして、手厚く供養するうえで大切です。それぞれ解説するので参考にしてください。

猫の死後硬直とは

死後硬直とは、死亡して数十分から数時間の間に、身体が硬直することを指します。具体的には血流が停止して、筋肉が固まり、体温が急激に下がるといった現象が起こっています。

ほとんどの生物の死亡時に起こる現象で、猫だけに起こるわけではありません。

死後硬直が起こると、前足と後ろ足から硬直が始まり、最終的には頭が固まり、簡単には動かせなくなります。

(死後硬直のイメージ図。実際には生きている状態)

この現象は24時間から36時間続き、そのあと後述する「解硬」の状態に至ります。

死後硬直に生き返ることはない

残念ながら死後硬直が生じたあと、生き返ることはありません。

テレビ番組などでそういったドキュメンタリーが放送されることもありますが、現実には起こりえないと考えましょう。

そもそも死後硬直自体が、死亡しているからこそ起こる現象です。もし生きていたり、仮死状態に入っていたりするなら、硬直自体が起こりません。

残念ながら死後硬直を確認した場合は、この現実を受け入れる必要があるでしょう。

生き返ったように見えるのは「解硬」という現象

猫が生き返ることはあり得ないのですが、そう誤解される原因として「解硬」が挙げられます。

これは死後硬直が起こったあと、硬直状態が解け、足や胴あたりがわずかに動く現象を示します。

理由はどうあれ体が動いたのであれば、やはり「生き返るかもしれない」といった期待を抱くでしょう。

しかし解硬が起こった時点で「死後」硬直を経ているため、死亡していると判断する必要があります。

死亡を確認する方法

猫が生きているか死んでいるか確認するポイントは4つあります。

  • 心臓部(猫から見て左胸)に耳を当て、心拍が感じられるか?
  • 太ももの付け根に耳を当て、太腿動脈の脈拍が感じられるか?
  • 口元に耳を当て、呼吸が確認できるか?
  • 猫の目を開き、スマートフォンのライトを与え、瞳孔の収縮するか?

上記4点に関していずれも「NO」であった場合、死亡していると判断できます。

死後硬直の前なら姿勢を整える

猫の死亡が確認でき、死後硬直の前である場合、可能なら以下のように姿勢を整えましょう。

このように体が丸くなるように、足と尻尾を折りたたみます。こうしておかないと、足や尻尾が伸びた状態で死後硬直の状態に入ります。

そうすると棺に収まらなくなるかもしれません。余裕があれば姿勢を整えましょう。その後のボディケアや遺体の保存方法は後ほど解説します。

猫が亡くなったあとにやること

猫が亡くなったあとは、葬儀をおこなうこととなります。基本的な流れは以下です。

  1. ボディケアを実施する
  2. 棺に入れて冷暗保存する
  3. 葬儀会場を探す
  4. 葬儀を実施する

このステップには、猫をやさしく見送るとともに、飼い主側の精神状態にも配慮したものです。それぞれ解説するので参考にしてください。

関連記事▶︎猫が亡くなったあとでやることとは?葬儀や供養に関して解説

1.ボディケアを実施する

まずはボディケアを実施して、身体をきれいにしましょう。

(引用:ペトリィ-ちいさな家族のセレモニー

体や手足を丸め、ブラッシングや拭き取りをおこないます。また口や目がわずかに開いていることがあるので、閉じておくと見栄えがよくなります

希望する場合は爪を切る、耳を掃除するなどしてもよいでしょう。

2.棺に入れて冷暗保存する

ボディケアが終わったら、棺に入れて冷暗保存しましょう。下動画が参考になります。

棺といっても、専用のものを用意する必要はありません。動画に出てきたバケットや、ダンボールなどでもかまいません。

シーツを敷き、遺体を安置して、花や供物を置きましょう。

また動画内では、体毛をカットしてお守りにしたり、手形を残したりしていました。これは思い出を残すとともに後述するペットロスを緩和する効果が期待できます。

希望するのであれば、同様のことをやっておくとよいでしょう。

死後も耳が聞こえている?

あくまでも推測や噂のレベルですが、死後数時間から24時間くらいまでは、意識はないものの耳が聞こえているとも言われます。

つまり死亡したあとも、感謝の言葉を投げかければ、それは伝わるのかもしれません。

そうではないにしても、最後にお礼を伝えることは、飼い主の精神的なケアにつながります。また子どもに対しては「まだ耳が聞こえているからお礼を言おうね」と説明し、思い出を作ってやることもできるでしょう。

真偽は不明ですが、最後にお礼を伝えておくのをおすすめします。

3.葬儀会場を探す【費用もチェック】

遺体を棺に収めたあと、葬儀会場を探します。費用面などを考えれば、寺院や霊園が開いているペット斎場での葬儀が現実的な選択肢になりそうです。

たとえば大阪府大阪市の泰聖寺では「てんのうじペット斎場」を開き、葬儀を引き受けています。

(引用:泰聖寺てんのうじペット斎場

ここで葬儀を執り行い、その後火葬がおこなわれます。費用はプランによりますが、20,000円から30,000円が一般的です。

そのほか、自治体に引き取ってもらうなどの方法もありますが、葬儀はおこなわれず、お骨の返却もない点に注意してください。

その場合、費用は2,000円から3,000円程度です。詳しくは市区町村役所に問い合わせてみましょう。

4.葬儀を実施する

続いて葬儀会場におもむき、葬儀を執り行います。どのような流れでおこなわれるかは会場によりますが、基本的には以下のとおりです。

  1. お別れのあいさつ
  2. 読経
  3. 出棺
  4. 火葬
  5. お骨の引き渡し

なお、3.出棺するまでが、生前の猫の姿を見る、触れる最後の時間となります。最後に体を撫でるなどのスキンシップを取るとよいでしょう。

猫が亡くなったあとに供養する方法

猫の葬儀が終わったあとは、基本的に供養することとなります。その方法は大きく分けて4つあります。

  • お寺に納骨する
  • 霊園に納骨する
  • 手元供養する
  • 散骨する

基本的には納骨するか、手元供養することとなります。

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

お寺に納骨する

まず、お寺に納骨する方法が考えられます。多くのお寺はペット用の納骨堂を備えており、一匹ごとに専用の棚が用意されています。

動愛園の納骨堂

(引用:葬儀動愛園

上記は福岡県糸島市の寺院、葬儀動愛園の納骨堂のようすです。

納骨費用は10,000円から20,000円と考えましょう。

なおお寺ではなく霊園でも納骨堂を備えている場合もあります。近隣に納骨できる施設がないか探してみましょう。

お墓を建てて霊園に納骨する

近年ではペット霊園にお墓を建てて、そこに納骨するケースがあります。一例として、大阪府南河内郡河南町の「南大阪やすらぎ霊園」のケースを紹介します。

(引用:メモリアルアートの大野屋

このようにイラスト原案に基づき、お墓を建てます。非常に手厚い供養だといえるでしょう。

ただしお墓を建てるには相応の費用が必要で、上述の例では最低でも78万円の費用が必要です。

しかし、できるかぎり手厚く供養したいと考えるなら、お墓を建てることも検討するとよいでしょう。

ただし「お金をかけなければ、よい供養にならない」というわけではありません。あくまでも猫を偲ぶ気持ちがもっとも大切であることを念頭に入れておきましょう。

手元供養する

手元供養を選択する世帯もあります。つまりお墓を作ったり納骨したりせず、自宅でお骨を保管する供養です。

手元供養の場合は、骨壷に入っているとはいえ、また一緒に過ごすことが可能。また現実的な面でいえば、納骨費などがかからないため費用をおさえられます。

ただし手元供養する場合は、骨壷を置くスペースと置台を用意する必要があります。また供養するという性質上、ある程度空間的な余裕のある場所に保管しなければいけません。

そういったスペースを用意できるか、きちんと確認しましょう。また子どもが謝って骨壷を倒したり、置台を揺らしたりしないかも確認したいところです。

なお手元供養に関しては、カビ対策などが重要となります。その点に関しては上動画が参考になるでしょう。

散骨する

地域によっては、納骨や手元供養ではなく散骨を実施する場合もあります。京都府京都市やその南部で見られる風習です。

散骨する場合、自宅の庭や海などが好まれるようす。ただし「ここでなければいけない」といった決まりはなく、飼い主とその家族の意向で散骨場所を選んで問題ありません。

ただし、条例で散骨を禁じている市区町村や地域もあります。実際にお骨を撒く前に、禁止されていないかきちんと確認しておきましょう。

土葬するケースもあるがおすすめできない

近年ではあまり聞かれませんが、火葬せずに土葬する場合もあります。一部地方であれば、この風習は残っているかもしれません。

ただし土葬に関しては、以下の点からおすすめできません。

  • 野生動物に掘り返されることがある
  • 異臭の原因になりうる
  • ウジやハエなどがわく可能性がある

特に異臭や害虫の発生は、近隣の迷惑になる可能性があります。

ただし火葬したあとでお骨を土葬するのであれば問題ありません。

なお猫の遺体を公共の場所で許可なく土葬することは法律で禁じられています。遺体は法律上は「一般廃棄物」の扱いになり、勝手に埋めると不法投棄と同様の行為とみなされます。

土葬する場合は、かならず私有地にておこないましょう。

猫との別れに関するよくある質問

本記事では猫との別れに関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。

  • ペットロスを癒すには?
  • 死後も体が温かいのはなぜ?
  • 生き返った例はある?
  • 亡くなった猫の気持ちはどんなもの?

特にペットロスなどは、飼い主の今後の生活に関して大きな影響を与えるものです。ぜひペットロスの乗り越え方を知っておきましょう。

そのほかにも気になる項目があれば、ぜひ参考にしてください。

ペットロスを癒すには?

ペットロスを癒すには、以下の取り組みが有効だとされています。

  • 生前の写真を見返す
  • 誰かに話を聞いてもらう
  • 新しい趣味やアクティビティに挑戦する
  • お墓参りに行く

このような取り組みを繰り返すことで、猫の思い出を保ちつつも、精神的に立ち直るきっかけが得られます。

佛心宗大叢山福厳寺の住職である大愚元勝は、ペットロスの乗り越え方を説いています。

このように仏教に帰依する僧侶の説法を聞くのもよいでしょう。

死後も体が温かいのはなぜ?

亡くなったあとも体がある程度暖かいのは、猫の保温力が非常に高いからです。

元来、猫は寒い地域で暮らす動物であり、全身が毛で覆われ、熱を逃さないような機能を有しています。

したがって死亡しても、しばらくは体温を残しています。またタオルをかけていたり、棺のなかに収めていたりすると、より長い間、高い体温を維持することも。

生き返った例はある?

海外で一例だけ確認できました。

米国フロリダ州のハトソン家で暮らす雄猫のバートは、路上で血を流して倒れていたとのこと。

飼い主は「死んでしまった」と思い土葬したものの、まだ生きており、埋められた5日後に自力で地上に這い出てきたそうです。

死んで埋葬されたはずの猫が生きていた=Tampa Bay Humane Society提供

(引用:CNN

しかしこれは非常にまれなケースであり、また「死亡と生存を取り違えた結果」でもあります。残念ながら死後硬直が起こり、解硬まで生じた場合は、その現実に関しては受け止めるしかありません。

亡くなった猫の気持ちはどんなもの?

占いやスピリチュアルの観点からいえば、亡くなった猫は以下のように考えているそうです。

  • いつまでも泣かずに立ち直ってほしい
  • 一緒に過ごせてうれしい
  • 近くで見守っていたい

また亡くなった猫の魂は飼い主のもとに帰り、本人が立ち直るまでは寄り添っている、とも言われています。

まとめ

本記事は猫の死後硬直や死後の供養に関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 猫の死後硬直とは、死後数十分から数時間後に、身体が固まる現象
  • 残念ながら、死後硬直後に生き返ることは考えられない
  • 「解硬」という現象により、生き返るという誤解が生じている
  • 猫が亡くなったら、まずはボディケアして棺に収める
  • その後はお寺や霊園などで葬儀をおこない、火葬する
  • お骨が戻ってきたら、供養する

猫は亡くなったあと、24時間から36時間の間に、死後硬直と解硬という段階を経ます。

しかしこれは亡くなっているからこそ起こる現象であり、残念ながらこの段階から生き返ることはあり得ません。

この現実はいったん受け止める必要があるでしょう。

猫が亡くなった場合、お寺や霊園で火葬し、その後はお骨を供養することとなります。本記事を参考に、手厚く供養しましょう。

なお猫が亡くなった場合は飼い主にも精神的なストレス、いわゆるペットロスが生じます。

可能であれば、新しい趣味を見つけるなどして、精神的に立ち直るきっかけを見つけましょう。

関連記事▶︎猫が突然死する原因とは?突然の別れを避けるにはどうすれば?

 

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