2022.12.28
猫と暮らしている方の中には、上記のように考えている人もいるのではないでしょうか。 結論から言うと、ペット禁止の住宅で猫を飼うとほぼ確実にバレます。そうすると、最悪の場合退去させられるかもしれません。
しかし一部のケースでは、貸主に交渉するなどして猫と暮らせる可能性も。そこで本記事では以下の点を解説します。
本記事を読めばなんとか猫と暮らす方法が見つかるはず。ぜひご参考にしてください。
もくじ
なぜ、ペット禁止の賃貸住宅や分譲マンションで、猫を飼っているのがバレてしまうのか、その理由を解説します。併せてバレた場合のリスクや実際の事例も紹介するのでご参考にしてください。
猫を飼っているのがバレ原因は、大きく分けて6つあります。
まず、鳴き声は隣接する部屋の入居者には確実に気付かれます。特に怒ったときの声などははっきり聞こえるでしょう。
また、足音は下の階に聞こえます。さらに鳴き声まで届いたり、猫の毛が舞ったりするのも バレる原因です。 猫特有の匂いで、存在を察知されることも。
家のマンションペット禁止で結構隣の音とか上の音とか響くんやけど、テレビで猫のYouTubeめっちゃ見てたら猫飼ってませんよね?って管理会社の人から連絡きた😂
— ひ な た 🐣 (@xxx2017z) December 20, 2022
実際、テレビからの音でも確認が入るケースがあります。
鳴き声や足音ひとつでは、たしかにバレないかもしれません。しかしそれ以外の情報を総合されると、ほぼ確実に「猫を飼っている」と確信されるでしょう。
運よくバレなかったとしたら、それは猫に相当な不自由をさせているだけかもしれません。 おそらく以下のような環境に置かれているでしょう。
猫は本来、走ったりじゃれたりする習性を持つ生き物です。また鳴いて何かを伝えたり、ストレスを発散したりします。
それが自由にできないなら心身に大きな負担がかかるでしょう。つまりバレないように隠れて飼うのは、猫にとっても不幸な状況です。
かわいそうだと思うなら、ペット禁止の住宅で飼育するのはやめておきましょう。
これは業者と取り交わす書類を見直すと理解できるでしょう。 禁止されている物件なら、契約書や管理規約には以下のような規定が書かれているはずです。
居住者に迷惑又及ぼす可能性のある動物を飼育(ただし、盲導・聴導犬や小鳥・観賞用魚を除く)してはならない
要するに、一部の犬と小鳥と観賞魚以外は飼ってはいけないと解釈できます。つまり、猫は飼えません。
単に賃貸情報サイトでペット不可と書かれているだけならさまざまに解釈できます。ただし契約書や管理規約を読めば、明らかに猫は飼ってはいけないと理解できるでしょう。
鉄筋コンクリートの住宅でもバレる可能性はあります。 たしかに木造の住宅と比較して、防音性が高い傾向にあるでしょう。
しかし窓やドアの隙間がなくなる訳ではありません。鉄筋コンクリートでもそこから鳴き声が漏れるでしょう。
足音も木造ほどではありませんが、例えば高いところから降りたりすると多少は響きます。 匂いや猫の毛も完璧に防げるとは言い難いでしょう。
やはり猫を飼っている兆候が確認され、通報に至り飼育しているのがバレる可能性はあります。
ただし、貸主もその道のプロで、実際に飼っているかどうかただちに察知できます。「飼っているのはわかっている、まだシラを切るのか」と思われるでしょう。
その認識を持たれているなかで居住し続けるのは強烈なストレスです。猫の鳴き声や足音にも、いっそう敏感にならざるをえず、住みづらくなるのでやめましょう。
こっそり飼っていても退去時に発覚し、貸主から多額の修繕費用を請求される可能性があります。
上記の試算では、合計269,000円もの原状回復費用がかかるとされています。最悪の場合そのまま強制退去させられるケースも。
契約書に書かれている約束を破ったなら、「明日までに荷物をまとめて出ていってください」と求められても文句を言えません。このようなリスクがあることからも、ペット禁止の住宅で猫を飼うのは控えるべきです。
実際に猫を飼っているのがバレた事例事例は多々あります。なかには裁判へ発展し、多額の損害賠償を支払ったケースも。以下で判例をひとつ紹介します。
(引用:アミ・インターナショナル行政書士事務所)
わかりやすく解説すると、勝手に猫を飼っていた住民2名に対して80万円もの支払いが命じられたケースです。ペット禁止の規則を無視すると、上記のような裁判トラブルに発展するかもしれません。
ペット・猫不可の住宅が多い理由は、貸主が以下のように考えるからです。
まず退去時のトラブルは、貸主や不動産業者がもっとも懸念するポイント。爪研ぎの痕や猫特有の匂い、嘔吐による汚れなどを巡って、入居者と揉めるケースが多々あります。
よってあらかじめトラブルにならないよう、最初から猫の飼育を認めないわけです。 またアレルギーを持っている他の入居者に配慮したいと考えている場合もあります。
そして騒音や糞害も、大家や不動産業者としては避けたいところ。他の入居者のクレーム対応が必要になったり、周辺住民に迷惑をかけたりする可能性があるからです。
これだけのトラブル因子がある点を踏まえれば、ペット・猫不可の住宅が多いのもある意味仕方がないと感じられるでしょう。
ペット禁止の住宅では、猫を飼うのは不可能だと思った人もいるでしょう。
しかし、諦める必要はありません。ペット禁止でも、不動産業者や貸主と交渉すれば「猫を飼ってもよい」と認められるか可能性があります。
要するに口約束ではなく、契約書や管理規定で「飼育してもよい」と追記するように話を進める訳です。 しかし以下の交渉のポイントを実践すれば、ある程度認められる可能性も高くなります。
まず時期とエリア、交渉のタイミングを工夫します。その段階でも認められないなら、トラブル対策や敷金礼金の部分で擦り合わせるのが重要。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
猫の飼育に関する交渉は、閑散期を狙っておこないましょう。 自身が有利な状況で話し合えるからです。
貸主や不動産業者は、閑散期には入居者がいない空室を抱えています。したがって「猫の飼育を認めてほしい」と伝えれば、「多少条件を変えても入居はしてほしい」と考えて承認されるかもしれません。
具体的な交渉時期は2月や9月、11月がおすすめです。ここで以下の表を見てみましょう。
(引用:KINKI-REINS)
これは2020年〜2022年度の中古マンション成約件数、つまり入居が決まった回数を表すグラフ。
そして2月や9月11月はその数値がやや落ち込んでいるのが分かるでしょう。これが不動産業界の閑散期を示し、このタイミング狙って交渉すれば多少は有利になります。
ふたつ目のポイントは人気のエリアを狙わないこと。 駅近などの住宅は、入居者希望者が多いため貸主や不動産業者は譲歩する必要がありません。
「猫の飼育を認めたら入居する」と伝えても断られる可能性が高いでしょう。 一方で人気とはいえないエリアなら、貸主や不動産業者が「空室を埋められるならありがたい」と考え、飼育を認める可能性があります。
よいエリアと猫との暮らしを両立するのは困難です。ある程度立地には妥協したほうが、交渉はうまくいくでしょう。
入居する直前に相談するのもテクニックのひとつです。これにより、飼育が認められる可能性はやや高くなるでしょう。
例えば初めて訪れた不動産屋でいきなり「猫を飼いたい」と伝えたとします。 しかしその段階では自身は担当者から見て重要な顧客ではありません。飼育は認められず、おそらくペット可だが他条件が噛み合わない物件を紹介されるでしょう。
一方で複数回相談したり内見したりしたあとでは、担当者が「契約を獲得できそうだ、逃したくはない」と考えます。そうすると、「猫の飼育を認めてほしい」希望が受け入れられやすくなるでしょう。
ある程度入居に現実味を持たせたうえで、交渉を切り出すのをおすすめします。
なお入居決定後の交渉は不利であるため、その前に話を進めましょう。 ペット禁止の条項が盛り込まれた契約書に捺印していたあとで、飼育を認めさせるのは困難です。
不動産業者や貸主が心配する点は主に以下4つあります。そして「これだけの対策を実施します」と伝えれば猫との入居が認められるかもしれません。
爪研ぎの痕や匂いが残れば、新しい入居者を見つけづらくなります。これは最も心配される部分であるため、必ず対処しなければいけません。
騒音や糞害は、主に他の入居者からのクレームを防ぐうえで大切です。
ただし4つの問題に対策するとなると、飼い主自身の暮らしが息苦しくなるでしょう。暮らしているなかで対策意識が薄れ、当初の約束を破るのも心配です。
対策には相当な苦労があると理解したうえで伝えるようにしましょう。
「敷金礼金を多めに支払うから、猫の飼育を認めてほしい」と交渉するのもひとつの方法です。 これなら不動産業者や貸主は、より多くの家賃収入を得られるメリットがあります。
た敷金があればクリーニング費用も捻出可能。 金額しだいですが、「だとすれば金銭的にリスクがないから、飼育してもかまいません」と判断される可能性があります。
ただし初期費用が高額になる点には注意。また敷金は返金される可能性があるものの、礼金が返ってくることはない点にも注意しましょう。
猫と一緒に住むなら、必ずペット禁止ではない賃貸住宅に引っ越しましょう。でなければ違約金の支払いや強制退去のリスクがあるからです。
猫と一緒に住む物件として現実的なのは以下3つ。
もっとも現実的なのはペット不可ではない集合住宅をなんとか見つけ出す方法。状況しだいでは一軒家タイプを検討する必要もあるでしょう。
それも困難なら共生型賃貸住宅も選択肢に入ります。それぞれを詳しく解説するのでご参考にしてください。
最初に考えられるのは、ペット不可ではない集合住宅をなんとかして探す方法です。 多くの人はマンションやアパートを希望し、そのうえで猫を暮らしたいと考えているでしょう。
たしかにペット禁止の集合住宅は多くありませんが、以下のいずれかを妥協すると、わずかながら候補が見つかるかもしれません。
要は物件としてのグレードを落とす、もしくはクリーニング代込みの家賃を受け入れれば、ペット可の物件が見つかりやすくなります。
ただし猫との同居にこだわりすぎると、自身の暮らしが息苦しくなるでしょう。ペット可の集合住宅を探すにしても、その他条件を落としすぎないのが重要です。
集合住宅がむずかしいなら、一軒家タイプの住宅を探しましょう。鳴き声や足音が近所迷惑になりにくい背景があり、ペット可とされるケースが多いからです。
一軒家タイプなら、自身も鳴き声や足音に気を使う必要がなくなります。また居住空間が広く、猫の運動不足を予防できる効果も。
ただし一軒家タイプは集合住宅よりも家賃が高く、住み続けるハードルが高い側面があります。予算や収入と比較して、無理のない範囲で探すようにしましょう。
一軒家タイプは、ほとんどの賃貸情報サイトで以下のように指定検索できます。
(引用:SUMMO)
集合住宅でも一軒家タイプでも入居先が見つからないなら、共生型賃貸住宅を探す方法もあります。
これはペットとの快適な暮らしを提供するため、特別に整備された住宅のこと。 もちろんペット可であるため猫と一緒に暮らせます。
そしてペットとの暮らしをサポートするために、設備や対策が用意されているのもポイント。へーベルメゾンの場合は以下のような準備があります。
(引用:へーベルメゾン)
ただし物件数が少なく、家賃も通常と比較して2〜3割ほど高いデメリットもあります。希望の物件を見つかるまで時間がかかるか、そもそも転居可能な範囲では存在しないかもしれません。
しかし条件に合った共生型賃貸住宅を見つけられれば、その後はよりよいペットとの暮らしを楽しめるでしょう。ぜひ一度不動産情報サイトなどで探してみてください。
どうしてもペット可の住宅がなく、飼育を続けるのがむずかしいなら、猫を手放す必要があるかもしれません。 しかし飼い主には捨てずに最後まで責任を持って飼育する義務があり、簡単には手放せないのが実情です。
そこで役に立つのが、いわゆる動物愛護団体。ここでは飼えなくなった猫を条件付きで引き取ったり、代わりに里親を探したりするサービスを提供しています。
どうしても猫を飼うのがむずかしいなら、一度動物愛護団体に相談しましょう。 ねこホームも、動物愛護団体として飼えなくなった猫の引き取りに対応しています。お困りの際はぜひ一度ご相談ください。
本記事では、ペット禁止の住宅で猫を飼育する点を開始しました。ここで重要なポイントをおさらいしておきます。
猫をペット禁止の住宅で飼育するのは、基本的には不可能です。無許可で飼育すると大きなトラブルになりかねません。
しかしペット禁止の住宅でも、交渉次第では飼育が認められる可能性があります。それがむずかしいなら、ペット可の賃貸住宅を探すようにしましょう。
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