2026.02.27

このような不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
先住猫が子猫を受け入れないのは、猫の本能的反応であり、珍しくはありません。
また、段階を踏んで正しく対応すれば、多くの場合は1〜2ヶ月ほどで関係が改善します。
今回は、先住猫が子猫を受け入れない理由・対処法・仲良くなるまでの期間とゴールデンステップを詳しく解説します。
多頭飼いをこれから始めたい方、すでに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ

先住猫が子猫を受け入れない背景には、猫ならではの習性や環境が深く関係しています。
主な理由として以下が挙げられます。
猫の性格によっては特殊な理由も関係しますが、主だった点は以下のとおりです。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、「縄張りに侵入者が来た」と考えている可能性があります。
猫は自分の生活スペースを「コアエリア」として強く意識する動物です。そこに見知らぬ生物、つまり子猫が現れると、「自分の縄張りを奪われる」と感じ、「シャー」「フーッ」という声で追い払おうとするでしょう。
ただ、この反応は猫として正常なものであり、時間をかけて段階的に慣れさせることで自然と落ち着いていきます。
一方で初期は子猫に対して強い敵対心を持っています。大きな怪我などにならないよう注意する必要があるでしょう。
子猫の存在が、ストレスや嫉妬の対象になっているかもしれません。
新しい猫、どうしても飼い主の注意が子猫に集中しがち。それを見た先住猫は「自分の居場所が奪われた」と感じ、強い嫉妬やストレスを抱えます。
この状態で子猫を受け入れるのはむずかしいでしょう。
子猫の存在そのものよりも、「飼い主が子猫ばかり構っている」状況が先住猫にとって大きなダメージです。
したがって、先住猫への愛情表現を意識的に続けるのが重要です。
対面のステップを間違えているから、受け入れられないかもしれません。
猫同士が打ち解けるには、個体差はありつつも数週間ほどの時間は必要です。
しかし、いきなり近い距離でコミュニケーションを取らせると、先住猫はどうしても防御的にならざるをえません。
動物病院の事例でも「早すぎる対面が関係悪化の引き金になった」というケースが報告されています。最初は匂いの交換のみ行い、ケージ越しに姿を見せ、時間をかけて距離を縮めていくのが鉄則です。
段階を飛ばしてしまうと、その後の関係修復に数ヶ月単位の時間が必要になることもあります。
生まれつき臆病な猫や、他の猫との社会化経験が乏しい猫は、新入り猫に強い恐怖を感じやすい傾向があります。
この場合は受け入れるどころではなく、自分自身の身を守ることでいっぱいになるでしょう。
また、一人でいることを好む「一人っ子タイプ」の猫は、多頭飼いそのものが向いていないケースもあります。二頭いるだけで相当なストレスになるでしょう。
ひとり遊びが好きな
実家のおじいちゃん猫 pic.twitter.com/xLnvDyfXpa— 大通り✳︎ヘップバーン (@hepbahn) February 7, 2026
先住猫の普段の性格をよく観察したうえで、多頭飼いに踏み切るかどうかを慎重に判断するのが大切。
ただし猫は一定の社会性を有しているため、一人っ子タイプだったとしてもある程度順応することは可能です。
高齢もしくは体調不良であるなら、子猫のことはさらに受け入れづらくなるでしょう。
高齢猫ほど、環境変化や子猫のエネルギッシュな行動に対応するのがむずかしいもの。
具体的には、7〜8歳を超えてからは、子猫の激しい動きや大きな声に疲弊しやすく、慢性的なストレスを感じやすい傾向があります。
体調が優れない猫にとっては、子猫による環境変化が直接的な体調悪化につながるかもしれません。
やはり先住猫に体力的・精神的な余裕がなければ、子猫をスムーズに受け入れるのは困難です。
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先住猫に子猫を受け入れてもらうためには、十分な配慮と、ある程度の意識を持ち続けるのが大切。
主なポイントは以下のとおりです。
この点さえおさえておけば、大の仲良しになるとは限らないまでも、飼育するうえで支障のない程度の関係性は構築できます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
多頭飼いで最も重要なのは、「先住猫ファースト」の徹底です。
ごはんやブラッシング、声かけや遊び、すべての順番を先住猫第一としましょう。
これは先住猫に「自分は大切にされている」という安心感を与えるためです。
この安心感がなければ、どれだけ段階を踏んで対面させても嫉妬や問題行動が続いてしまいます。
極端なケースでは完全に関係が切れてしまい、家出してしまうケースも。
人間はほとんどの場合「どちらが先に生まれたか」で上下関係が決まりますが、猫の社会では「どちらが先にその場所に居着いたか」で決まっています。
そしてこの順番が入れ替わることは、先住猫にとって到底受け入れられるものではありません。この点を踏まえ、先住猫ファーストを徹底しましょう。
先輩ねこ達は、特にソワソワする事なくどっしり。 ういちゃんが若干隔離してる部屋に入りたがってる位。 先住猫ファースト!! pic.twitter.com/glc39FTxCQ
— なみそ📕KEN/書籍重版!感謝📙 (@omochi_nam01) August 12, 2025
私たちねこほーむ以外でも、先住猫ファーストを心がけた飼育はうまくいっている印象を受けます。
また、先住猫の嫉妬をできるだけ買わないようにしましょう。
妬ましいシーンを見せることは、子猫との仲違いや、飼い主との関係悪化の大きな原因になります。
飼い主が「子猫ばかりかわいがっている」と思わせてしまうと、先住猫は強い嫉妬心を感じます。
たとえば長時間可愛がったり、世話をしたりするシーンは見せるべきではありません。
子猫のお世話は先住猫がいない場所や時間帯でおこなうのが理想です。
また、先住猫にも同じ分か、それ以上の愛情を与えるように意識しましょう。
先住猫にも子猫にも、それぞれが一匹でくつろげる逃げ場が必要です。
先述のとおり猫は縄張り意識が強い生き物であり、お互いが入ってこれない場所を持っていないと大きなストレスを感じるでしょう。
もちろん、先住猫の子猫を受け入れる精神的な余裕も奪ってしまいます。
たとえばキャットタワーの高い位置や押し入れ内の段ボール、ケージなどが安全地帯として有効です。トイレなども十分に離しましょう。
縄張りが保護されたと認識できれば、先住猫も子猫を受け入れられない状態から脱するでしょう。
先住猫のお気に入りの場所・ルーティン・食事のタイミングを、できる限り守りましょう。
猫は基本的に、環境の変化を嫌う動物です。人の出入りや模様替え、起床時間などが変動するだけでもストレスを感じます。
ましてや新しい猫がやってくるとなれば、先住猫にとっては一大事です。
少しでも精神的な負荷をかけないためにも、家具の配置を大きく変えたり、先住猫のベッドを移動したりすることは避けましょう。
「仲良くなれない」「早く打ち解けてほしい」といった思惑はありつつも、飼い主が関係性に対して過剰に介入するのは避けましょう。
余計な手出しをすることで、より関係が悪化したり、怪我をしたりするかもしれません。
たとえば無理やり引き離したり、近くに連れていったりすることで失敗するケースが多くあります。猫同士が自分たちのペースで関係を構築するのを見守りましょう。
なお、軽い威嚇や「シャー」という声は正常な反応であり、飼い主が慌てて仲裁する必要はありません。
ただし、流血するほどの激しいケンカが起きた場合は、毛布などで素早く引き離す必要があります。そういった事態にならない限りは静観しましょう。

先住猫と子猫が仲良くなるまでの目安は、一般的に2週間〜2ヶ月程度。長くても3ヶ月ほどが目安となります。
まずは「この期限内に仲良くなれなくてもしょうがない」と気楽に構えましょう。
そして段階的に関係を深める「ゴールデンステップ」を進めれば、ほぼ間違いなく関係性を構築できます。ステップは以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず匂いの交換から始めるところからスタートします。いきなり、互いに攻撃できる距離には近づけません。
家に子猫がやって来たら、それぞれが使ったタオルや毛布を交換して、相手の匂いに慣れさせましょう。
先住猫は最初は好ましくない反応を示しますが、しだいに慣れていくはず。
可能であれば、子猫が来る前にペットショップやブリーダーから子猫の匂いのついた布を持ち帰り、先住猫に慣れさせておくとさらに効果的です。
直接顔を合わせる前に匂いで存在を認識させることで、対面時の恐怖や警戒を大幅に減らせるでしょう。
匂いに慣れてきたら、子猫をケージに入れたまま先住猫と対面させます。
この段階でも直接触れ合わせません。
威嚇が続いている間はケージ越しの時間を短めに保ちます。
そして、少しずつ対面する徐々に延ばしていきます。
先住猫がケージに近づいて匂いを嗅いだり、興味を示したりするようになれば次のステップへ進めるでしょう。
なお、前足を柵の隙間に入れて攻撃するなどのトラブルは想定されます。こうならないよう、飼い主が注意深く見守るのが大切です。
ケージ越しの対面に慣れてきたら、子猫をケージから出して同じ空間で過ごさせます。一般にフリーローミングと呼ばれる段階です。
最初は数分程度の短時間から始め、少しずつ一緒にいる時間を延ばしていきます。ただし、激しいケンカや強い怯えが見られたら、すぐに前の段階に戻しましょう。
設定した時間、問題なく過ごせるなら、次の日は少し長めに交流させます。これを繰り返して、関係性を構築できます。
飼い主は必ず立ち会い、目を離さないようにしましょう。
また、突然のトラブルでの脱走に注意してください。以下のように脱走防止柵を設置するなどの対策がほしいところです。
交流時間が安定してきたら、同じタイミングで食事を与えてみましょう。
最初は食器を離した状態で、少しずつ距離を縮めていきます。
これ自体に慣れさせるのはもちろんのこと、「相手がいると食事がもらえる」という認識を持たせて、子猫を受け入れるように誘導する効果を得られます。
ただし、先述の先住猫ファーストにしたがい、食事も水もおやつも、かならず先住猫から先に与えるようにしましょう。
先住猫が子猫を受け入れたかどうかは、行動で判断できます。
以下のようなようすが見られれば、信頼関係が築かれているサインです。
| 受け入れサイン | 意味 |
|---|---|
| 一緒に寝る | 完全に安心している状態 |
| 毛づくろいをし合う | 信頼・親しみのある関係 |
| 近い距離でくつろぐ | 相手を脅威と思っていない |
| 追いかけっこが遊びに見える | ケンカではなくコミュニケーション |
このようなサインが見受けられれば、基本的に「先住猫が子猫を受け入れた」と考えて問題ありません。
また、完全に仲良くならなくても、威嚇なく同じ空間で過ごせている状態であれば猫の社会の基準でいえば「関係性ができている」と判断できます。
この記事では先住猫が子猫を受け入れない理由と対処法に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
先住猫が子猫の首筋などを噛む行動は、「自分のほうが上位だ」と示すマウンティングです。
子猫を傷つけたい、追い出したいという意図ではなく、「新入りは自分に敬意を払え」と威圧しています。
これ自体は猫の本能を考えれば正常な行動であり、過度に心配する必要はありません。
ただし怪我が生じるほど激しく噛み付く、もしくは頻度が高い場合は、子猫をケージに戻して安全を確保しましょう。
威嚇が長引く場合は、一つ前のステップに戻すのがポイントです。
ケージ越し対面の段階で威嚇が続くなら、匂い交換の段階に戻りましょう。フリーローミングなら、時間を短縮するといった工夫が必要です。
これを繰り返せば基本的には仲良くなれないことはありません。
ただし威嚇自体はある程度自然なレベルで、以下のようにヒートアップした場合のみ介入する、といったスタンスでもかまいません。
ごくまれに、性格の相性が根本的に合わず、仲良くなれないケースもあります。
ただし多くの場合は、時間と段階的なステップで関係は改善します。
また、大の仲良しにまではならず、「よくわからないけど一緒にいる同居人同士」程度の距離感に着地することも。
しかし、この状態であれば飼育上の問題はほとんどありません。
できれば仲良くなってほしいところですが、無理に交流させるとストレスにつながるので注意しましょう。
ストレスが「直接の死因」になることは稀です。ただし、リスクがゼロとはいえません。
子猫の登場による慢性的なストレスはホルモンバランスを乱し、免疫力を低下させるかもしれません。
その結果、心臓病や腎臓病、猫伝染性腹膜炎(FIP)などの病気を悪化・発症させ、生命が脅かされる可能性はあります。
しかし子猫との交流から生じるストレスだけで深刻な状態にまで至るケースはほとんどなく、このリスクは無視して問題ないでしょう。
この記事では先住猫が子猫を受け入れない理由と対処法について解説しました。以下、重要なポイントをまとめました。
先住猫と子猫の関係構築は、焦らず段階を守って進めることで、少しずつ確実に改善します。
最初は子猫を拒否する先住猫も、しだいに子猫を受け入れるようになるでしょう。
一歩一歩を大切に、二匹が穏やかに暮らせる環境をつくっていきましょう。
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