2025.01.31
このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
腎不全を患っている場合、猫は水を飲まないことがあります。とはいえ、治療や健康のためには、一定量の水分が必要。
そこで今回は、腎不全を患っている猫に水を飲ませる方法や、そのほか治療効果を高める方法に関して解説します。
合わせて腎不全ではなく、ほかの疾患や老衰の兆候を掴むヒントなども紹介しているので、参考にしてください。
もくじ
腎不全を患った猫の寿命は、「水を飲む、飲まない」点で判断するのがむずかしいです。ただ一般的に、この症状は腎不全のステージ4に達したときに起こります。
ステージ4の場合、残された寿命は長くても100日程度と考えましょう。
しかし、水分補給をはじめとしたサポートをおこなうことで、元気に暮らせる時間を延ばせる可能性があります。
具体的に以下の取り組みがあるとよいでしょう。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
まず、こまめに水分補給をおこなう必要があります。
腎不全では、水を飲むのが辛くなり、結果として水分不足に陥ることがあります。
とはいえ、水分は欠かせません。
水分補給するには、噴水のように水が循環する水飲み器を使うのがおすすめ。水の流れに惹かれて、好んで飲むようになることがあります。
自発的に飲まなかった場合でも、口元に水を差し出せば、飲むことが多いです。またスポイトなどを使えば、興味を示さない場合でも水分補給できるでしょう。
腎不全で水を飲まないにしても、何とかして水分補給する必要があります。このような工夫で、しっかりと水分が取れるようにしましょう。
また、リラックスできる環境を作るのも重要です。
猫はストレスに敏感であり、それを感じたことが、病状を悪化させるかもしれません。
このような取り組みで、猫のストレスを軽減できます。
できる範囲で、これらを実行していきましょう。
必要があれば、腎機能をサポートするサプリメントを使用しましょう。症状を少し楽にできるかもしれません。
猫の腎不全をサポートするサプリメントは多数出ています。
なかでも「イヌトウキ」というセリの一種が用いられたものは、効果が科学的に立証されています。その効果から、不治の病に扱われることもある腎不全を根本的に改善する期待を持たれています。
ぜひ一度、イヌトウキを試してみましょう。
出典:楽天市場
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イヌトウキが含まれているものは別にして、サプリメント業界では、ほとんど有効成分が含まれていないものもあります。科学的に効果が立証されていないものなどは、購入しないようにしましょう。
また、保温もしっかりと心がけましょう。
腎不全を患った猫は、体温調節ができなくなり、適切な体温を維持しにくくなります。特に冬季には体が冷えてしまいます。
これを防ぐためにも、以下のような保温を心がけましょう。
特に温度管理は重要です。夏期は度、冬期は度をキープしましょう。
また、保温服を着用して、冷気を遠ざける方法もあります。ただし着用を嫌がる猫もいるので、無理させる必要はありません。
必要に応じて、腎不全向けの療養食を与えるのも大切です。
基本的に、低タンパク質、低リンかつ、高エネルギーなものがよいでしょう。
猫の消化機能に負担をかけず、十分なエネルギーを補充できます。
また、オメガ3脂肪酸など、炎症をおさえる栄養素が入っていればよりよいでしょう。
基本的には、シニア向けもしくは腎不全向けのものキャットフードを与えます。
出典:楽天市場
合わせてサプリメントやおやつなどを与えれば、栄養面の不安は解消されるでしょう。
猫が水を飲まないのは、主に腎機能の低下を示す兆候です。
しかし、それ以外にも体調を崩したり、病気を発症したりすることも。
猫の体調が悪い時の兆候として以下が挙げられます。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
食事量が減るのは、猫の体調が悪化した際のわかりやすい兆候です。これがあったとき、以下の問題が起こっているかもしれません。
ただし、単純に食べる気分ではなかったり、一時的に具合が悪かったりするだけかもしれません。しばらくは様子を見ましょう。
時間が経っても食欲が戻らなかったら、動物病院へ連れていきましょう。
目の届かないところに隠れるのは、疾患によって強い痛みやストレスを感じているのを示唆します。
すでに疾患を抱えているなら、その症状が進行し、耐えられないレベルにまで達したのかもしれません。
このように、押入れの奥などを好んで選びます。
目の届かないところに隠れ出したら、一度動物病院へ連れて行ったほうがよいでしょう。これは、疾患の早期発見や治療を実現するうえで、きわめて重要です。
また目の届かないところにいられると、異変があったときに気づきにくいでしょう。そのためにも症状の状態を把握して、根本的に改善するのが大切です。
トイレの回数が増えるのは、以下の疾患の兆候かもしれません。
多少回数が増える程度なら問題ありません。
しかし、あまりにも頻回であれば、疾患の可能性は高いです。その段階に至ったら、病院へ連れていきましょう。
トイレが頻回になる以外にも、尿の色や量、匂いが変化することもあります。これも、疾患の兆候かもしれません。
また、よだれを垂らしているのも、病気の兆候と考えられます。
口腔内に疾患があると、猫は口を開けることがあります。その際に、よだれが出てしまうわけですね。
口腔内の疾患は、多くの場合に猫にとって強い痛みやストレスをもたらします。可能な限り、早期に動物病院に連れていきましょう。
嘔吐の回数が増えた場合は、かなり重篤な疾患を示唆しているでしょう。
嘔吐の回数が増加した場合は、基本的にただちに病院へ連れて行くことそ推奨します。
また嘔吐が続くと、体力の消耗や栄養不足、脱水症状が起こりえます。それらを防ぐためにも、動物病院での受診は必須となるでしょう。
猫は、体調を崩したり、疾患を抱えたりした場合、攻撃的な性格に変化するケースがあります。
少し撫でただけで怒ったり、異様に臆病になったりします。
そのように性格が変化する場合、以下の疾患が隠れているかもしれません。
まず、関節炎や感染症が挙げられます。撫でられたり、抱き抱えたりしたときに患部が刺激され、痛みが走っているのかもしれません。
また、認知症の可能性も否定できません。正しく状況を認知できなくなり、攻撃されたと思い込み、反撃することがあります。
性格の変化が感じられたら、何があってそのような振る舞いをしているのか、考えてみましょう。
コミュニケーションが少なくなったなどの心当たりがあれば、動物病院での受診を推奨します。
猫の余命が近いと感じたら、飼い主側でいくつかやっておきたいことがあります。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
猫の余命が近い場合は、いわゆるターミナルケアを実施するのも一つの方法です。
ターミナルケアとは、完治や寛解を目指すのではなく、痛みや不快感を解消するための治療方針を示します。
元々は人が難病を抱えた際に用いられる考え方ですが、現在では猫にも適用されるようになりました。
出典:LIFULL介護
もちろん対処療法を中心におこなうので、回復は見込めません。しかし、最後の瞬間を安らかに迎えさせたい場合には、選択肢の一つとして考えられます。
ターミナルケアは自宅でも実施できます。また、ホームケアサービスや動物ホスピスと呼ばれる施設を利用するのもひとつ。
これらの施設では、猫を引き取る形で、適切なターミナルケアが実施されます。自宅での介護などがむずかしい場合は、大きな助けとなるでしょう。
また、可能な限り猫の写真や動画を残すのもよいでしょう。
これは、飼い主の感じる悲しみを癒す、強力な心の支えとなります。
また、撮影した写真や動画を集めて、ムービーやアルバムを作る人もいます。
ただし写真や動画を撮影することは、猫にとってストレスになるかもしれません。安静や治療の妨げにならない範囲でおこないましょう。
猫が亡くなったあと、強い空虚感や悲しみを感じる、ペットロスの状態に入るケースがあります。
ペットロスになって、仕事や家事が手につかなくなる人もいます。これにはある程度備えたほうがよいでしょう。
先述した写真や動画の撮影にくわえて、今のうちにできる限りコミュニケーションを取っておくことをおすすめします。そうすることで、死後に感じる後悔を和らげられます。
また、ペットロスの解消には、趣味やアクティビティに打ち込むことも有効。飼い主の健康を守るためにも、このような取り組みを計画立てるとよいでしょう。
エンゼルケアを実施するのも、哀しみを和らげるうえで非常に重要です。
また、葬儀や供養の準備も必要です。精神的、体力的に余裕があるなら、これに取り組みましょう。
猫の葬儀は、お寺でおこなわれることが多いです。近隣で、ペットの葬儀を実施する寺院がないか探してみましょう。
供養に関しては、返骨を受け手の手元供養と、ペット霊園での墓地供養どちらかが考えられます。このあたりも、寺院や霊園に問い合わせて話を進めておくとよいでしょう。
葬儀と供養に関しては、「ペットが死んだら動物病院に知らせるべき?お葬式の流れなども解説」で詳しく解説しているので参考にしてください。
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
終末期にご飯を食べないケースは、比較的多く見られます。原因として以下が挙げられます。
ご飯を食べない場合は、フードのフレーバーを変えたり、温めたりするとよいでしょう。食欲を刺激し、ご飯を食べるようになることがあります。
ただし、もっとも大切なのは根本的に疾患を治療したり、対処療法をほどこしたりすること。きちんと動物病院を受診し、獣医師による診察や適切な投薬をおこなうのが大切です。
急基本的に猫の老衰は、徐々に進行し、突如として衰えるものではありません。
しかし、まれに急激に進行するケースもあります。
これは「急性悪化」と呼ばれるもの。
急性悪化の原因は、何らかの健康問題や疾患を発見できないまま、症状が顕在化することにあります。
これは厳密には老衰ではなく、疾患の悪化が起こることを示します。
急性悪化に転じたあとでは、回復が困難になるかもしれません。
健康診断を受けるなどして、早期に発見するように努めましょう。
すでに急性悪化があった場合は、しっかりと静養し、治療に力を入れるのが大切です。
ステージ4からの完全な回復は、非常にむずかしいです。
しかし、症状が一時的に落ち着いて、かつ想定される寿命よりも長生きできるケースはあります。
これを実現するためには、十分な生活改善と治療、そして通院が必要。本記事や下記記事を参考に、可能な範囲で生活を変えていきましょう。
また、通院も必要です。そこで輸液療法や薬物療法をおこなえば、ステージ4からの大幅な回復が見えてくるかもしれません。
ただし、回復をすることが、猫の負担になるケースもあります。そのことを踏まえて、余生をできるだけおだやかに過ごすためのターミナルケア(終末医療)に切り替えるのも、ひとつの選択肢です。
体調が急変した場合に備えて、夜間診療がある動物病院を見つけておくとよいでしょう。
(引用:夜間・救急動物病院マップ)
夜間診療を実施する動物病院は、「夜間・救急動物病院マップ」を使えば見つかるでしょう。
うち、もっとも近い動物病院をおさえておきましょう。
夜間の受診では、昼間よりも費用がかかるケースがあります。しかし、朝の診療を待っていると、猫の体調や疾患の状態が大幅に悪化するかもしれません。
ここは診察料や処方料よりも、猫の回復を第一に考えて行動しましょう。
ただし郊外部などでは、近くに夜間診療がある動物病院を見つけられないかもしれません。その場合でも、できるだけ近い診療先を見つけておき、タクシーなどで移動できるような準備を整えたいところです。
本記事では猫の腎不全をはじめとした体調不良などに関して解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしましょう。
腎不全を発症しているなかで水を飲まないなら、残された時間は限られるかもしれません。
しかし、病気が進行しているなかでも、きちんとしたサポートがあれば、元気に過ごせる時間が伸びるかもしれません。なかにはステージ4からステージ2まで回復したケースもあります。
また腎不全を発症していない場合でも、体調が悪い際の兆候を知っておいて、早めに対処するのが大切。
本記事を参考に、猫の健康をしっかりとサポートしていきましょう。
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